【白山】 焼滑、南白山そして別山へ

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たんぽぽ
記事: 709
登録日時: 2011年2月20日(日) 11:54

【白山】 焼滑、南白山そして別山へ

投稿記事 by たんぽぽ »

【 日 付 】2012年5月26日(土)
【山 域】白山
【天 候】晴
【コース】大白川5:15---曲り谷出合7:15---別山谷二俣8:40---箱谷左俣1,970m 10:10---11:40別山12:05
     ---箱谷左俣1,970m13:00---別山谷二俣14:00---曲り谷出合15:20---大白川17:20

これが別山攻略ルートだ
これが別山攻略ルートだ
もう何年前のことだろうか、初秋の別山山頂に立ち箱谷左俣を見下ろしていた。
山頂直下に広がる源頭が草紅葉に染まり、谷底にはポツリと取り残された残雪があった。
いつかここから頂に登ってみたい、どうすればこの谷から登ってこれるのだろうか。
そんな思いを実現させるべく動き出したのが5年程前のことになる。
何から手をつけていいやらわからないが、とにかく白水湖を越えなくてはならない。
闇雲にブナの林に突入してみたものの途中から前進がままならず撤退となった。
その後、湖岸のガレをトラバースしてバックウォーターに到達。
湯谷の偵察に入ることができ、別山へ向けての道筋がぼんやりと見えてきた。

湯谷から別山を攻めるにしてもたんぽぽの流儀というものがあった。
がむしゃらに別山を目指してしまうのは興ざめである。
まずは前衛の山々を攻略しつつ別山攻めの策を練っていった方が面白い。
そんな思いがあって二年前、ふ~さんと焼滑登頂を果たすことができた。
http://www.ejanaika.com/patio/read.cgi? ... ast&no=174
続いて昨年のとっちゃんとの南白山登頂、その頂から本丸攻略に向けて入念な偵察も目的のひとつだった。
viewtopic.php?f=4&t=304
湯谷から望む別山周辺の山々(別山は見えない)
湯谷から望む別山周辺の山々(別山は見えない)
最悪の谷と噂される箱谷はどんなバケモノが飛び出すかわからなくて入れない。
大きな雪渓があって魅力的な別山谷右俣は登るのに好都合だが、尾根に出ればハイマツ地獄に捕まる可能性が強い。
おまけに雪渓入り口にある地図の滝マークが気がかりだ。
そうなると別山東尾根2,324峰から北にのびる尾根上に登れる雪渓を探さなくてはならない。
南白山からは別山東面が丸見えで、ここからの偵察が別山攻略の鍵を握ると判断した。
幸いなことに標高点1,976mのすぐ南に突き上げる細長い雪渓を見つけることができた。
尾根を越えた先の様子はわからないが、この雪渓を利用し尾根を乗越して箱谷左俣から別山を目指すのが最速ルートに違いない。

別山まで8時間はかかるであろうとの読みからスタートは早朝4時とした。
ところが携帯アラームが鳴ってもなかなか起きれず、目覚めたのが4時半過ぎと大慌てでのスタートになった。
こんな遅いスタートで別山まで届くのだろうかとの不安に駆られ足早になってしまう。
地獄谷まで出ると白水湖は湖面がいつもより5mも低く、とても歩きやすいのに助けられる。
いつもは1時間要していた湖岸トラバースが半分の30分でクリア、これは正しく早割り特典だ。
湯谷に入っても脇目を降らずにすたこらさっさと進んで行くと早くも曲り谷出合で残雪が現れた。
ありがたい早割りW特典で残雪の上を行けば、徒渉回数も少なくなりかなりのスピードアップが図れる。
標高点1,976mから白水湖を見下ろす
標高点1,976mから白水湖を見下ろす
箱谷出合の直前で雪渓末端に出たので、沢靴から山靴に履き替え沢装束はここにデポとした。
別山谷二俣に近づくとオオルリやキビタキに代わってルリビタキの歌声が谷に響き渡る。
二俣到着予定を9時としていたが、それより早い到着で断然意欲が湧いてくる。
“気合”と“青空”、この二つが何よりも背中を強く押してくれるのだ。
別山谷右俣に入るのは初めてなので地図を見ようと探すが、あろうことか出てこない。
どうやら車の中に忘れてしまったらしい、また今日もやってしまった。
1年前からイメージトレーニングしていたので晴天下に迷う心配はないが、地図を見ながら歩く楽しみがないのが残念だ。

右俣に入ると本谷は左へ急カーブして、地図の滝マークの通りに二段の滝が立ちはだかっていた。
その右側に小滝を持つ小さな間口が今回登る雪渓で、小滝を避けて左から巻いてクマザサ帯に突入した。
これくらいのヤブならいいが、尾根を乗越した先にどんなヤブが待ち受けているかが心配だ。
幅10mくらいの細長い雪渓をガシガシと登っていけば、背後には南白山の全容が大きく見えてくる。
昨年の偵察でこの雪渓上部で三俣に分かれるはずなのに、季節が早いので一面の雪渓となっている。
なるべく北寄りに登っていくと尾根上はいい感じに雪がついている、なんんだかいい予感がする。
デブリを越えて別山へ
デブリを越えて別山へ
1時間半の急登で尾根に上がると視界が開けた、足元はもう箱谷左俣だ。
ラッキーなことに左俣への下降は雪が繋がっていて難なく降り立つことができる。
やったぜ!もう別山は手中に入ったも同然だ。
北には御前峰、更に東へ目を移せば奥三方岳や歩いてきた湯谷が一望だ。
悪沢で名高い箱谷左俣を覗いてみようと1,976mの標高点まで行ってみる。
赤茶けた岩肌がガラガラと音をたて、落石、クレバス、斜度どれをとっても一級品の渓相だ。
いつかはふ~たん編隊で突入なんて思っていたが手も足も出ないかもしれない。
穏やかなハーフパイプ状の左俣上部から険しい左俣出合の様子を覗いてみようと近づいてみる。
突然急降下する雪渓は斜度が急すぎて下が見えないが、それがかえって不気味さを煽り立てる。

箱谷左俣を進むとすぐ直角に曲がり、ダケカンバやオオシラビソといった樹木が姿を消す。
左岸尾根からの落雪でデブリブロックが谷を埋めている。
鳥の囀りはルリビタキからイワヒバリへと代わり高山帯に入ったことを知らせてくれる。
うねりながら進む雪の回廊は焼山北面台地の掘割に似た味わいがある。
前方にいい曲線を持ったピークが見えるが麗しの〇ッパイ山には程遠い。
山頂が近づいてくると前方は全て真っ白でどこを目指せばいいのか戸惑ってしまう。
ガスったら困る場面だろうが、晴天なので適当に高みを目指すと別山神社の祠の前に出ることができた。
早速、別山の神様へ長年の夢を叶えさせていただいたことを感謝して拍手を打つ。
湯谷三部作、焼滑、南白山そして別山が完遂した瞬間だった。
箱谷左俣源頭、とうとうこの谷を登ってきた。
箱谷左俣源頭、とうとうこの谷を登ってきた。
アバター
山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【白山】 焼滑、南白山そして別山へ

投稿記事 by 山日和 »

たんぽぽさん、こんばんは。

もう何年前のことだろうか、初秋の別山山頂に立ち箱谷左俣を見下ろしていた。
山頂直下に広がる源頭が草紅葉に染まり、谷底にはポツリと取り残された残雪があった。
いつかここから頂に登ってみたい、どうすればこの谷から登ってこれるのだろうか。
そんな思いを実現させるべく動き出したのが5年程前のことになる。


なるほど。ここにはたんぽぽさんの深い思い入れがあったんですね。

何から手をつけていいやらわからないが、とにかく白水湖を越えなくてはならない。
闇雲にブナの林に突入してみたものの途中から前進がままならず撤退となった。
その後、湖岸のガレをトラバースしてバックウォーターに到達。
湯谷の偵察に入ることができ、別山へ向けての道筋がぼんやりと見えてきた。


地図だけ見ていた頃は白水湖の奥なんて人が入れる場所じゃないと思ってました。
たんぽぽさんのパイオニア精神には脱帽です。

湯谷から別山を攻めるにしてもたんぽぽの流儀というものがあった。
がむしゃらに別山を目指してしまうのは興ざめである。
まずは前衛の山々を攻略しつつ別山攻めの策を練っていった方が面白い。
そんな思いがあって二年前、ふ~さんと焼滑登頂を果たすことができた。
続いて昨年のとっちゃんとの南白山登頂、その頂から本丸攻略に向けて入念な偵察も目的のひとつだった。


目標達成のための着実なステップだったわけですね。私がたんぽぽレポを読んでつまみ食いするのが申し訳ないです。

最悪の谷と噂される箱谷はどんなバケモノが飛び出すかわからなくて入れない。

源頭は緩やかでいかにも良さそうですが、核心部は恐ろしげな谷です。

大きな雪渓があって魅力的な別山谷右俣は登るのに好都合だが、尾根に出ればハイマツ地獄に捕まる可能性が強い。
おまけに雪渓入り口にある地図の滝マークが気がかりだ。


これはどちらからかクリアできそうですが。東尾根は時期次第でしょうね。私が南白山に行った2週前でギリギリの感じだったでしょうか。

[attachment=0]P1070589_1.JPG[/attachment]
南白山からは別山東面が丸見えで、ここからの偵察が別山攻略の鍵を握ると判断した。
幸いなことに標高点1,976mのすぐ南に突き上げる細長い雪渓を見つけることができた。


南白山でそんなこと考えるひとはおらんやろなあ。 :lol:

別山まで8時間はかかるであろうとの読みからスタートは早朝4時とした。

気合い入ってますなあ。

地獄谷まで出ると白水湖は湖面がいつもより5mも低く、とても歩きやすいのに助けられる。
いつもは1時間要していた湖岸トラバースが半分の30分でクリア、これは正しく早割り特典だ。


水位が低いと歩けるラインの幅が広がって楽ですよね。

ありがたい早割りW特典で残雪の上を行けば、徒渉回数も少なくなりかなりのスピードアップが図れる。

コースタイムに現れてますねえ。やっぱり沢靴が正解か。

箱谷出合の直前で雪渓末端に出たので、沢靴から山靴に履き替え沢装束はここにデポとした。

2週前は曲谷が雪渓末端だったので、だいぶ後退してますね。

“気合”と“青空”、この二つが何よりも背中を強く押してくれるのだ。

御意!!

別山谷右俣に入るのは初めてなので地図を見ようと探すが、あろうことか出てこない。
どうやら車の中に忘れてしまったらしい、また今日もやってしまった。
1年前からイメージトレーニングしていたので晴天下に迷う心配はないが、地図を見ながら歩く楽しみがないのが残念だ。


あちゃー。GPSもないとこれは相当辛いんじゃないですか。ここでめげないのがさすがたんぽぽさんです。普通のひとならUターンですよ。

1時間半の急登で尾根に上がると視界が開けた、足元はもう箱谷左俣だ。
ラッキーなことに左俣への下降は雪が繋がっていて難なく降り立つことができる。
やったぜ!もう別山は手中に入ったも同然だ。


この尾根と箱谷はほとんど高低差がないようですね。穴毛のザイテンタールから本谷へ乗っ越すような感じでしょうか。

悪沢で名高い箱谷左俣を覗いてみようと1,976mの標高点まで行ってみる。
赤茶けた岩肌がガラガラと音をたて、落石、クレバス、斜度どれをとっても一級品の渓相だ。


画像拝見しましたが、とても突っ込む気になれない渓相ですねえ。

鳥の囀りはルリビタキからイワヒバリへと代わり高山帯に入ったことを知らせてくれる。

鳥の声の変化で標高を知るとはたんぽぽさんらしい。
山頂が近づいてくると前方は全て真っ白でどこを目指せばいいのか戸惑ってしまう。
ガスったら困る場面だろうが、晴天なので適当に高みを目指すと別山神社の祠の前に出ることができた。


おおっ、やりましたね!!\(^o^)/

早速、別山の神様へ長年の夢を叶えさせていただいたことを感謝して拍手を打つ。
湯谷三部作、焼滑、南白山そして別山が完遂した瞬間だった。


お見事でした。おめでとうございます。
来年後追いさせてもらおうかな。(^^♪

                      山日和
添付ファイル
別山谷右俣 滝はどのあたり?
別山谷右俣 滝はどのあたり?
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わりばし
記事: 1767
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

Re: 【白山】 焼滑、南白山そして別山へ

投稿記事 by わりばし »

おはようございます、たんぽぽさん。

もう何年前のことだろうか、初秋の別山山頂に立ち箱谷左俣を見下ろしていた。
山頂直下に広がる源頭が草紅葉に染まり、谷底にはポツリと取り残された残雪があった。
いつかここから頂に登ってみたい、どうすればこの谷から登ってこれるのだろうか。
そんな思いを実現させるべく動き出したのが5年程前のことになる。

すごい執念ですね。5年前からですか・・・

湯谷から別山を攻めるにしてもたんぽぽの流儀というものがあった。
がむしゃらに別山を目指してしまうのは興ざめである。
まずは前衛の山々を攻略しつつ別山攻めの策を練っていった方が面白い。

たんぽぽ流の山登りに対するこだわりですね。
マニアックに何事も追及される姿勢は・・・変○への道と相通じるものがありそうですね。


最悪の谷と噂される箱谷はどんなバケモノが飛び出すかわからなくて入れない。
大きな雪渓があって魅力的な別山谷右俣は登るのに好都合だが、尾根に出ればハイマツ地獄に捕まる可能性が強い。
おまけに雪渓入り口にある地図の滝マークが気がかりだ。
そうなると別山東尾根2,324峰から北にのびる尾根上に登れる雪渓を探さなくてはならない。
南白山からは別山東面が丸見えで、ここからの偵察が別山攻略の鍵を握ると判断した。
幸いなことに標高点1,976mのすぐ南に突き上げる細長い雪渓を見つけることができた。
尾根を越えた先の様子はわからないが、この雪渓を利用し尾根を乗越して箱谷左俣から別山を目指すのが最速ルートに違いない。

実地検分に基づいたすばらしい読みですね。
これも経験のなせる技ですね。


1年前からイメージトレーニングしていたので晴天下に迷う心配はないが、地図を見ながら歩く楽しみがないのが残念だ。

妄想トレーニングは得意なんだ。

なるべく北寄りに登っていくと尾根上はいい感じに雪がついている、なんんだかいい予感がする。
1時間半の急登で尾根に上がると視界が開けた、足元はもう箱谷左俣だ。
ラッキーなことに左俣への下降は雪が繋がっていて難なく降り立つことができる。
やったぜ!もう別山は手中に入ったも同然だ。
北には御前峰、更に東へ目を移せば奥三方岳や歩いてきた湯谷が一望だ。
悪沢で名高い箱谷左俣を覗いてみようと1,976mの標高点まで行ってみる。

気持ちが高まり1976でクールダウンといったところでしょうか。

前方にいい曲線を持ったピークが見えるが麗しの〇ッパイ山には程遠い。
山頂が近づいてくると前方は全て真っ白でどこを目指せばいいのか戸惑ってしまう。
ガスったら困る場面だろうが、晴天なので適当に高みを目指すと別山神社の祠の前に出ることができた。
早速、別山の神様へ長年の夢を叶えさせていただいたことを感謝して拍手を打つ。
湯谷三部作、焼滑、南白山そして別山が完遂した瞬間だった。

おめでとうございます。
見事に完遂ですね。
白山の十一面観音さんも微笑んでくれましたね。
なんと慈悲深い・・・ :lol:
十一面観音さん、たんぽぽさんに気をつけてね。

[attachment=0]kan_photo01.jpg[/attachment]
                                                           わりばし
添付ファイル
十一面観音
十一面観音
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柳川洞吹
記事: 681
登録日時: 2011年2月22日(火) 22:07
お住まい: クルマの中(簡易旅館仕様車)

Re: 【白山】 焼滑、南白山そして別山へ

投稿記事 by 柳川洞吹 »

たんぽぽさん こんばんは

 もう何年前のことだろうか、初秋の別山山頂に立ち箱谷左俣を見下ろしていた。
山頂直下に広がる源頭が草紅葉に染まり、谷底にはポツリと取り残された残雪があった。
いつかここから頂に登ってみたい、どうすればこの谷から登ってこれるのだろうか。


別山の山頂でそんなこと考える人は、まずいないでしょうね。

 何から手をつけていいやらわからないが、とにかく白水湖を越えなくてはならない。
闇雲にブナの林に突入してみたものの途中から前進がままならず撤退となった。
その後、湖岸のガレをトラバースしてバックウォーターに到達。
湯谷の偵察に入ることができ、別山へ向けての道筋がぼんやりと見えてきた。
湯谷から別山を攻めるにしてもたんぽぽの流儀というものがあった。
がむしゃらに別山を目指してしまうのは興ざめである。
まずは前衛の山々を攻略しつつ別山攻めの策を練っていった方が面白い。


なるほど、今までの焼滑と南白山が前奏曲だったわけか。
ひとつひとつの積み重ねを礎にして、次のステップへと進む……。
挑戦するオトコやね。

 最悪の谷と噂される箱谷はどんなバケモノが飛び出すかわからなくて入れない。
大きな雪渓があって魅力的な別山谷右俣は登るのに好都合だが、尾根に出ればハイマツ地獄に捕まる可能性が強い。
おまけに雪渓入り口にある地図の滝マークが気がかりだ。
そうなると別山東尾根2,324峰から北にのびる尾根上に登れる雪渓を探さなくてはならない。
南白山からは別山東面が丸見えで、ここからの偵察が別山攻略の鍵を握ると判断した。
幸いなことに標高点1,976mのすぐ南に突き上げる細長い雪渓を見つけることができた。
尾根を越えた先の様子はわからないが、この雪渓を利用し尾根を乗越して箱谷左俣から別山を目指すのが最速ルートに違いない。


う~む。
ボーッと立ってるだけじゃなかったのね。
作戦実行の前段には、鋭い観察と緻密な計算があったんだ。

 別山まで8時間はかかるであろうとの読みからスタートは早朝4時とした。
ところが携帯アラームが鳴ってもなかなか起きれず、目覚めたのが4時半過ぎと大慌てでのスタートになった。


こりゃこりゃ、そんなとこワシの真似なんかせんでよろしい。
はよう行きなはれ。

“気合”と“青空”、この二つが何よりも背中を強く押してくれるのだ。

高らかに鳴る進軍ラッパの如し。

 別山谷右俣に入るのは初めてなので地図を見ようと探すが、あろうことか出てこない。
どうやら車の中に忘れてしまったらしい、また今日もやってしまった。
1年前からイメージトレーニングしていたので晴天下に迷う心配はないが、地図を見ながら歩く楽しみがないのが残念だ。


あちゃー、緻密な計算するわりには、変なとこで間が抜けてるんやから。

 1時間半の急登で尾根に上がると視界が開けた、足元はもう箱谷左俣だ。
ラッキーなことに左俣への下降は雪が繋がっていて難なく降り立つことができる。
やったぜ!もう別山は手中に入ったも同然だ。
北には御前峰、更に東へ目を移せば奥三方岳や歩いてきた湯谷が一望だ。


作戦成功目前ですね。
でも、気を引き締めてね。

 鳥の囀りはルリビタキからイワヒバリへと代わり高山帯に入ったことを知らせてくれる。

こんな記述は、鳥博士ならではですね。

 山頂が近づいてくると前方は全て真っ白でどこを目指せばいいのか戸惑ってしまう。
ガスったら困る場面だろうが、晴天なので適当に高みを目指すと別山神社の祠の前に出ることができた。
早速、別山の神様へ長年の夢を叶えさせていただいたことを感謝して拍手を打つ。
湯谷三部作、焼滑、南白山そして別山が完遂した瞬間だった。


やったね。
おめでとうございます。b(^^)d
                                 洞吹(どうすい)
たんぽぽ
記事: 709
登録日時: 2011年2月20日(日) 11:54

Re: 【白山】 焼滑、南白山そして別山へ

投稿記事 by たんぽぽ »

山日和さん、こんばんは。

なるほど。ここにはたんぽぽさんの深い思い入れがあったんですね。
ずっと暖め続けていた山域たい。

地図だけ見ていた頃、白水湖の奥なんて人が入れる場所じゃないと思ってました。
自分もこの計画に着手しようとした頃は、こんなところにホントに入れるのかよ~っと思ってましたわ。
為せば成る 為さねば成らぬ何事もを体感できました。

たんぽぽさんのパイオニア精神には脱帽です。
そんなカッコイイもんじゃありませんが、しつこさには自信があります。
おなごはんにはしつこくすると嫌われますがね・・・

目標達成のための着実なステップだったわけですね。私がたんぽぽレポを読んでつまみ食いするのが申し訳ないです。
つまみ食いもなかなかウマイもんです。

源頭は緩やかでいかにも良さそうですが、核心部は恐ろしげな谷です。
癒し系の源頭はよさげですがちょっと退屈です。
核心部はヘンタイの域を超えていそうです。

これはどちらからかクリアできそうですが。東尾根は時期次第でしょうね。私が南白山に行った2週前でギリギリの感じだったでしょうか。
空中遊泳がお好みの方には残雪だけでは満足できないでしょうから、これからの季節がよいでしょう。
でもワンデイが厳しくなりますね。
左が右俣の滝、右が今回登った雪渓
左が右俣の滝、右が今回登った雪渓
別山谷右俣 滝はどのあたり?
右俣に入ってすぐ左に見えます。
山さんが入ったときも滝は出ていたはずです。

南白山でそんなこと考えるひとはおらんやろなあ。
もうひとつ考えたことがあります・・・
山頂すぐ南の草地は7月になればハクサンコザクラが咲きそうなところ。
ハクサンコザクラの花園の中、おなごはんの膝枕でお昼寝なんてね。

水位が低いと歩けるラインの幅が広がって楽ですよね。
喫水ラインが歩道のようで歩きやすかったです。

コースタイムに現れてますねえ。やっぱり沢靴が正解か。
タイムにも現れてますが、足元を何度もゴチャゴチャするのが煩わしかったです。

2週前は曲谷が雪渓末端だったので、だいぶ後退してますね。
へぇ~曲り谷が末端でしたか。
今回の末端は昨年の南白山行きの時と数十メートル程度の違いでした。

“気合”と“青空”、この二つが何よりも背中を強く押してくれるのだ。
御意!!

たんぽぽは後者の方がパワーを出してくれますわ。

あちゃー。GPSもないとこれは相当辛いんじゃないですか。
カッチャンじゃないけど、電子機器に頼らない体質なもんで。

ここでめげないのがさすがたんぽぽさんです。普通のひとならUターンですよ。
地図なしではめげませんが、雲行きがあやしいとすぐにめげちゃいます。
尾根乗越から見た箱谷左俣
尾根乗越から見た箱谷左俣
この尾根と箱谷はほとんど高低差がないようですね。穴毛のザイテンタールから本谷へ乗っ越すような感じでしょうか。
ほお~っ、これはいい例えですね。
眺めは穴毛の方がずっといいですよ。

画像拝見しましたが、とても突っ込む気になれない渓相ですねえ。
クレバスのスケールが大きいです。
手をかける岩はどれも剥がれるようですね。
暴れん坊も縮み上がりそうです。

鳥の声の変化で標高を知るとはたんぽぽさんらしい。
耳だけで標高を感じ取れるというのはなかなか楽しいですよ。

おおっ、やりましたね!!\(^o^)/
ありがとうございます、やったぜ!

お見事でした。おめでとうございます。
来年後追いさせてもらおうかな。(^^♪

後追いしていただけるのも栄誉なことです。
今年でもまだOKじゃない?
たんぽぽは6月二週目が賞味期限と思っておりますよ。
昨年6月12日の画像、赤ラインが思い描いて今回登ったルート
昨年6月12日の画像、赤ラインが思い描いて今回登ったルート
たんぽぽ
記事: 709
登録日時: 2011年2月20日(日) 11:54

Re: 【白山】 焼滑、南白山そして別山へ

投稿記事 by たんぽぽ »

わりばしさん、こんばんは。

レスありがとうございます、返事が遅くなりスミマセンです。

すごい執念ですね。5年前からですか・・・
行動に取りかかって5年、構想は10年近く前になりますわ。
まあ、執念というか他に考えることがないだけカモ。

たんぽぽ流の山登りに対するこだわりですね。
マニアックに何事も追及される姿勢は・・・変○への道と相通じるものがありそうですね。

確かにこのルートは変〇道でしょう!

実地検分に基づいたすばらしい読みですね。
これも経験のなせる技ですね。

なんせ情報のない世界なんで偵察して自分の目で見てルートを考えなくちゃいかんのです。
この時間がまた楽しいでやんす。
コレもまた変〇道でしょうか?

妄想トレーニングは得意なんだ。
わりばしさんもいろんな妄想楽しんでない? ヒッヒッヒッ・・・

気持ちが高まり1976でクールダウンといったところでしょうか。
箱谷左俣を覗いてみて縮み上がってました。

おめでとうございます。
見事に完遂ですね。

ありがとうございます。

白山の十一面観音さんも微笑んでくれましたね。
なんと慈悲深い・・・
十一面観音さん、たんぽぽさんに気をつけてね。

なんで十一面観音?って思って調べたら・・・
わりばしさんって博学なお方なんやね~
浮屁泥阿を覗いてみると、十一面観自さまは10種の現世での利益(十種勝利)と4種の来世での果報(四種功徳)をもたらして下さるという。
どれどれ・・・
十種勝利
  離諸疾病(病気にかからない)
 一切如來攝受(一切の如来に受け入れられる)
 任運獲得金銀財寶諸穀麥等(金銀財宝や食物などに不自由しない)
 一切怨敵不能沮壞(一切の怨敵から害を受けない)
 國王王子在於王宮先言慰問(国王や王子が王宮で慰労してくれる)
 不被毒藥蠱毒。寒熱等病皆不著身(毒薬や虫の毒に当たらず、悪寒や発熱等の病状がひどく出ない。)
 一切刀杖所不能害(一切の凶器によって害を受けない)
 水不能溺(溺死しない)
 火不能燒(焼死しない)
 不非命中夭(不慮の事故で死なない)

“金銀財宝や食物などに不自由しない”コレひとつでええですだ、叶えてくだされ~

四種功德
 臨命終時得見如來(臨終の際に如来とまみえる)
 不生於惡趣(悪趣、すなわち地獄・餓鬼・畜生に生まれ変わらない)
 不非命終(早死にしない)
 從此世界得生極樂國土(今生のあとに極楽浄土に生まれ変わる)

如来様とまみえてみたいもんです、でも観音様の方がもっと気持ちええカモ。
御舎利山が見えてきた
御舎利山が見えてきた
たんぽぽ
記事: 709
登録日時: 2011年2月20日(日) 11:54

Re: 【白山】 焼滑、南白山そして別山へ

投稿記事 by たんぽぽ »

ど~すいさま、こんばんは

別山の山頂でそんなこと考える人は、まずいないでしょうね。
アラ、そうかしら・・・
ぽぽんたちゃんってそんな珍種やったんや。

なるほど、今までの焼滑と南白山が前奏曲だったわけか。
本丸を落とすには前奏が大切ねん。

ひとつひとつの積み重ねを礎にして、次のステップへと進む……。
挑戦するオトコやね。

挑戦するオトコやなんてカコイイやん。

う~む。
ボーッと立ってるだけじゃなかったのね。
作戦実行の前段には、鋭い観察と緻密な計算があったんだ。

ボ~ッとしててはまることも度々。
でも、はまった瞬間に閃くこともね・・・

こりゃこりゃ、そんなとこワシの真似なんかせんでよろしい。
はよう行きなはれ。

どもども、ちょっと先輩のマネしたかったもんでね。

高らかに鳴る進軍ラッパの如し。
宮さん宮さん~♪
 錦の御旗じゃ知らないか~♪

あちゃー、緻密な計算するわりには、変なとこで間が抜けてるんやから。
これこそがぽぽんたちゃまであるが由縁なり。

作戦成功目前ですね。
でも、気を引き締めてね。

勝って兜の緒を締めよですね。

こんな記述は、鳥博士ならではですね。
オフ会にスワロフスキーの双眼鏡意を首から下げた方がみえましたよ。

やったね。
おめでとうございます。b(^^)d

ありがとうございます。
これからはもう少し肩の力を抜いて白山を楽しみたいです。
・・・とか言いながら昨日も白山で12時間行動でしたわ。
箱谷右俣、ばけものの棲むといふなり
箱谷右俣、ばけものの棲むといふなり
とっちゃん
記事: 325
登録日時: 2011年2月20日(日) 21:02

Re: 【白山】 焼滑、南白山そして別山へ

投稿記事 by とっちゃん »

ぽぽんたちゃん、こんばんは。

はい、いつもの亀レスです。

長年の目的地、別山にご到着おめでとうございます~。(*^_^*)[/color]

【コース】大白川5:15---曲り谷出合7:15---別山谷二俣8:40---箱谷左俣1,970m 10:10---11:40別山12:05
     ---箱谷左俣1,970m13:00---別山谷二俣14:00---曲り谷出合15:20---大白川17:20

もう何年前のことだろうか、初秋の別山山頂に立ち箱谷左俣を見下ろしていた。
山頂直下に広がる源頭が草紅葉に染まり、谷底にはポツリと取り残された残雪があった。
いつかここから頂に登ってみたい、どうすればこの谷から登ってこれるのだろうか。

この風景の、何に魅了されたんだろう。
ポツリと取り残された雪渓が呼んでいたのかな?
しかし、夢を見るって素敵だね~。
夢を見るから、実現がある。


そんな思いを実現させるべく動き出したのが5年程前のことになる。
何から手をつけていいやらわからないが、とにかく白水湖を越えなくてはならない。
闇雲にブナの林に突入してみたものの途中から前進がままならず撤退となった。
その後、湖岸のガレをトラバースしてバックウォーターに到達。
湯谷の偵察に入ることができ、別山へ向けての道筋がぼんやりと見えてきた。


う~ん。
ブナ林に入ると歩きやすいっていうことなら、文句なしやねけどね。
あのブナ林は、進みにくい。
湖岸のガレを歩いたのは、どの時期なの?
何度も、下見山行きがあったのね。
そういう所が、たんぽぽさんらしいね~。地味な、事前調査。


湯谷から別山を攻めるにしてもたんぽぽの流儀というものがあった。
がむしゃらに別山を目指してしまうのは興ざめである。
まずは前衛の山々を攻略しつつ別山攻めの策を練っていった方が面白い。
そんな思いがあって二年前、ふ~さんと焼滑登頂を果たすことができた。
続いて昨年のとっちゃんとの南白山登頂、その頂から本丸攻略に向けて入念な偵察も目的のひとつだった。

そっか。そういう発想はなかなかしないなぁ。
まっしぐらに別山に向かいたくなっちゃう、私とは違うとこね。

どこを、登っても、偵察はかかさないね~。
東面台地を、美少女?三人連れて、ぶ~らぶらと案内してもらった時も、下山道では、しっかり、焼滑登頂の雪の状態を見る、下見と写真撮影をやってたね。
そして、焼滑へ、ふ~さんと行けて、よかったよかった。
去年の南白山は、取りつきまでの下見のつもりが、何や知らんうちに頂上に登ってしまったって感じやったけど。
ここでも、別山までの雪の状態など、しっかりチェックしてたね~。



最悪の谷と噂される箱谷はどんなバケモノが飛び出すかわからなくて入れない。

ある意味、たんぽぽさん好みだとも言えるけど・・。


大きな雪渓があって魅力的な別山谷右俣は登るのに好都合だが、尾根に出ればハイマツ地獄に捕まる可能性が強い。
おまけに雪渓入り口にある地図の滝マークが気がかりだ。

うう~ん。この滝はどんな感じだったっけ?

そうなると別山東尾根2,324峰から北にのびる尾根上に登れる雪渓を探さなくてはならない。
南白山からは別山東面が丸見えで、ここからの偵察が別山攻略の鍵を握ると判断した。
幸いなことに標高点1,976mのすぐ南に突き上げる細長い雪渓を見つけることができた。
尾根を越えた先の様子はわからないが、この雪渓を利用し尾根を乗越して箱谷左俣から別山を目指すのが最速ルートに違いない。

雪の状態、今年は、恵まれていたのかも。

別山まで8時間はかかるであろうとの読みからスタートは早朝4時とした。
ところが携帯アラームが鳴ってもなかなか起きれず、目覚めたのが4時半過ぎと大慌てでのスタートになった。
こんな遅いスタートで別山まで届くのだろうかとの不安に駆られ足早になってしまう。

しまったしまった島倉千代子ね~♪
気があせると怪我の元、落ち着きましょう~。



地獄谷まで出ると白水湖は湖面がいつもより5mも低く、とても歩きやすいのに助けられる。
いつもは1時間要していた湖岸トラバースが半分の30分でクリア、これは正しく早割り特典だ。

やっぱり早い時期が、有利なんやね~。得点付きで30分、もうかっちゃったね。

湯谷に入っても脇目を降らずにすたこらさっさと進んで行くと早くも曲り谷出合で残雪が現れた。
ありがたい早割りW特典で残雪の上を行けば、徒渉回数も少なくなりかなりのスピードアップが図れる。
箱谷出合の直前で雪渓末端に出たので、沢靴から山靴に履き替え沢装束はここにデポとした。


雪がどこから出てきてくれるかで、渡渉も少なくスピードアップ、全体的に楽になるね。
寄り道、道草一切なしで、ますます、スピードアップ。
単独だと、こういう歩きが出来るね。


別山谷二俣に近づくとオオルリやキビタキに代わってルリビタキの歌声が谷に響き渡る。

オオルリちゃんの青い鳥から、ルリビタキちゃんの青い鳥と、幸運を導いてくれてるのかも。最後は、青空の幸運にたどりつけるといいね~。

二俣到着予定を9時としていたが、それより早い到着で断然意欲が湧いてくる。
“気合”と“青空”、この二つが何よりも背中を強く押してくれるのだ。

予定より早いは、気持ちの余裕を生んでくれます。

別山谷右俣に入るのは初めてなので地図を見ようと探すが、あろうことか出てこない。
どうやら車の中に忘れてしまったらしい、また今日もやってしまった。
1年前からイメージトレーニングしていたので晴天下に迷う心配はないが、地図を見ながら歩く楽しみがないのが残念だ。

しっかり頭に地図が入ってるっていうのは、便利だね~。
地図忘れは、アルツなのか、いな、地図が頭に入ってるっていうのは、アルツとは言えないのか。立証が難しい。


右俣に入ると本谷は左へ急カーブして、地図の滝マークの通りに二段の滝が立ちはだかっていた。
その右側に小滝を持つ小さな間口が今回登る雪渓で、小滝を避けて左から巻いてクマザサ帯に突入した。
これくらいのヤブならいいが、尾根を乗越した先にどんなヤブが待ち受けているかが心配だ。

こういう場面になると、ふ~さんの顔が浮かんでこない?


幅10mくらいの細長い雪渓をガシガシと登っていけば、背後には南白山の全容が大きく見えてくる。
昨年の偵察でこの雪渓上部で三俣に分かれるはずなのに、季節が早いので一面の雪渓となっている。
なるべく北寄りに登っていくと尾根上はいい感じに雪がついている、なんんだかいい予感がする。

いいじゃんいいじゃん。
やはり、ここでも早割りで、おまけつきね。時期が早いと、いいことずくめね。少しの遅さが、スピードダウンとヤブコギ地獄を生むかもね。


1時間半の急登で尾根に上がると視界が開けた、足元はもう箱谷左俣だ。
ラッキーなことに左俣への下降は雪が繋がっていて難なく降り立つことができる。
やったぜ!もう別山は手中に入ったも同然だ。

ニヤケますね~。ほんと。たんぽぽさんのトレードマークの笑顔がこぼれてただろね~。

北には御前峰、更に東へ目を移せば奥三方岳や歩いてきた湯谷が一望だ。
悪沢で名高い箱谷左俣を覗いてみようと1,976mの標高点まで行ってみる。
赤茶けた岩肌がガラガラと音をたて、落石、クレバス、斜度どれをとっても一級品の渓相だ。
いつかはふ~たん編隊で突入なんて思っていたが手も足も出ないかもしれない。

やっぱりね~。箱谷に惹かれてるでしょ。
無理は、禁物~。



箱谷左俣を進むとすぐ直角に曲がり、ダケカンバやオオシラビソといった樹木が姿を消す。
左岸尾根からの落雪でデブリブロックが谷を埋めている。

ブロックなだれは、嫌だね~。

山頂が近づいてくると前方は全て真っ白でどこを目指せばいいのか戸惑ってしまう。
ガスったら困る場面だろうが、晴天なので適当に高みを目指すと別山神社の祠の前に出ることができた。
早速、別山の神様へ長年の夢を叶えさせていただいたことを感謝して拍手を打つ。
湯谷三部作、焼滑、南白山そして別山が完遂した瞬間だった。

すべての条件が、うまく整ったね~。
何年も準備してきたんだから、こんなご褒美をもらえて、よかったね~。
拍手の、音も気持ちよく、空に響いていたでしょう。

ほんと、おめでとうさん。

南白山まで、登った者は、やっぱり次、別山を目指したくなるね。

あの稜線の向こうのピークを。

私も、いつか・・・。

☆~とっちゃん(都津茶女)~☆

ふ~さん
記事: 526
登録日時: 2011年2月20日(日) 19:58

Re: 【白山】 焼滑、南白山そして別山へ

投稿記事 by ふ~さん »

おはようさん、たんぽぽさん。もっと早くこのレポ拝ませて頂けばよかった~(^_^;)
もう何年前のことだろうか、初秋の別山山頂に立ち箱谷左俣を見下ろしていた。
山頂直下に広がる源頭が草紅葉に染まり、谷底にはポツリと取り残された残雪があった。
いつかここから頂に登ってみたい、どうすればこの谷から登ってこれるのだろうか。
そんな思いを実現させるべく動き出したのが5年程前のことになる。
何から手をつけていいやらわからないが、とにかく白水湖を越えなくてはならない。
闇雲にブナの林に突入してみたものの途中から前進がままならず撤退となった。
その後、湖岸のガレをトラバースしてバックウォーターに到達。
湯谷の偵察に入ることができ、別山へ向けての道筋がぼんやりと見えてきた。
南白山~焼滑の道中、語っていただきやしたが、実に壮大な計画だったんですね。
湯谷から別山を攻めるにしてもたんぽぽの流儀というものがあった。
がむしゃらに別山を目指してしまうのは興ざめである。
こうしたたんぽぽの流儀は貴殿の女性の攻め方にも通じるものがあるようですね。
最悪の谷と噂される箱谷はどんなバケモノが飛び出すかわからなくて入れない。
大きな雪渓があって魅力的な別山谷右俣は登るのに好都合だが、尾根に出ればハイマツ地獄に捕まる可能性が強い。
おまけに雪渓入り口にある地図の滝マークが気がかりだ。
そうなると別山東尾根2,324峰から北にのびる尾根上に登れる雪渓を探さなくてはならない。
南白山からは別山東面が丸見えで、ここからの偵察が別山攻略の鍵を握ると判断した。
幸いなことに標高点1,976mのすぐ南に突き上げる細長い雪渓を見つけることができた。
尾根を越えた先の様子はわからないが、この雪渓を利用し尾根を乗越して箱谷左俣から別山を目指すのが最速ルートに違いない。
上部で三つに分かれるこの雪渓。絶妙なデザインで箱谷右岸に通じてましたね。そして、尾根上から箱谷までは何と十mそこそこの下降ですむという出来すぎたストーリー。
別山谷右俣に入るのは初めてなので地図を見ようと探すが、あろうことか出てこない。
どうやら車の中に忘れてしまったらしい、また今日もやってしまった。
1年前からイメージトレーニングしていたので晴天下に迷う心配はないが、地図を見ながら歩く楽しみがないのが残念だ。
驚きましたね。頭の中に地形図をたたき込んでいたとは!
右俣に入ると本谷は左へ急カーブして、地図の滝マークの通りに二段の滝が立ちはだかっていた。
その右側に小滝を持つ小さな間口が今回登る雪渓で、小滝を避けて左から巻いてクマザサ帯に突入した。
これくらいのヤブならいいが、尾根を乗越した先にどんなヤブが待ち受けているかが心配だ。
幅10mくらいの細長い雪渓をガシガシと登っていけば、背後には南白山の全容が大きく見えてくる。
昨年の偵察でこの雪渓上部で三俣に分かれるはずなのに、季節が早いので一面の雪渓となっている。
なるべく北寄りに登っていくと尾根上はいい感じに雪がついている、なんんだかいい予感がする。
たんぽぽ計画の肝の部分ですからね。これさえクリアできればあとは箱谷への下降だね。
1時間半の急登で尾根に上がると視界が開けた、足元はもう箱谷左俣だ。
ラッキーなことに左俣への下降は雪が繋がっていて難なく降り立つことができる。
やったぜ!もう別山は手中に入ったも同然だ。
緊張した表情が緩む瞬間ですね。でも、そんな時こそ慎重に・・・!
北には御前峰、更に東へ目を移せば奥三方岳や歩いてきた湯谷が一望だ。
悪沢で名高い箱谷左俣を覗いてみようと1,976mの標高点まで行ってみる。
赤茶けた岩肌がガラガラと音をたて、落石、クレバス、斜度どれをとっても一級品の渓相だ。
いつかはふ~たん編隊で突入なんて思っていたが手も足も出ないかもしれない。
穏やかなハーフパイプ状の左俣上部から険しい左俣出合の様子を覗いてみようと近づいてみる。
突然急降下する雪渓は斜度が急すぎて下が見えないが、それがかえって不気味さを煽り立てる。
こいつは南白山~焼滑の稜線上から何度何度もも偵察しましたが、相当な険谷ですね。恐ろしくて安易に足を踏み入れるのは御法度だねぇ。
箱谷左俣を進むとすぐ直角に曲がり、ダケカンバやオオシラビソといった樹木が姿を消す。
左岸尾根からの落雪でデブリブロックが谷を埋めている。
鳥の囀りはルリビタキからイワヒバリへと代わり高山帯に入ったことを知らせてくれる。
うねりながら進む雪の回廊は焼山北面台地の掘割に似た味わいがある。
前方にいい曲線を持ったピークが見えるが麗しの〇ッパイ山には程遠い。
山頂が近づいてくると前方は全て真っ白でどこを目指せばいいのか戸惑ってしまう。
ガスったら困る場面だろうが、晴天なので適当に高みを目指すと別山神社の祠の前に出ることができた。
早速、別山の神様へ長年の夢を叶えさせていただいたことを感謝して拍手を打つ。
湯谷三部作、焼滑、南白山そして別山が完遂した瞬間だった。
なんとまあ、素晴らしい。あっぱれ!

白山の山並みに包まれて夢のルート構成での別山登頂ですか。よくやったぞ、たんぽぽ!人ごとながらもわたしゃ嬉しいぞい。

 ふ~さん
たんぽぽ
記事: 709
登録日時: 2011年2月20日(日) 11:54

Re: 【白山】 焼滑、南白山そして別山へ

投稿記事 by たんぽぽ »

とっちゃん姫さま、こんばんは。

はい、いつもの亀レスです。
もしもしカメよ~♪
湯谷からの別山攻めも構想から10年近くの亀さんペースでやんした。

長年の目的地、別山にご到着おめでとうございます~。(*^_^*)
ありがとうさんです。

この風景の、何に魅了されたんだろう。
そのオンナのどこがいいの?って言われるのと同じやなあ。
いい香りがしとったんです。

しかし、夢を見るって素敵だね~。
夢を見るから、実現がある。

そうそう、夢や目標のない人生なんてつまらんね。
これが別山攻略ルート
これが別山攻略ルート
ブナ林に入ると歩きやすいっていうことなら、文句なしやねけどね。
あのブナ林は、進みにくい。

豪雪地帯でしょ、樹木が横にのびて大変だったんよ。

何度も、下見山行きがあったのね。
そういう所が、たんぽぽさんらしいね~。地味な、事前調査。

意外と地味な男なんよ、覚えといて。

そっか。そういう発想はなかなかしないなぁ。
まっしぐらに別山に向かいたくなっちゃう、私とは違うとこね。

一途に攻めると嫌われちゃうから少しづつ擦り寄って行きまんねん。

どこを、登っても、偵察はかかさないね~。
東面台地を、美少女?三人連れて、ぶ~らぶらと案内してもらった時も、下山道では、しっかり、焼滑登頂の雪の状態を見る、下見と写真撮影をやってたね。

そうだよ、偵察してどんどん次の山へと繋げていきま~す。
箱谷左俣より奥三方岳を望む
箱谷左俣より奥三方岳を望む
去年の南白山は、取りつきまでの下見のつもりが、何や知らんうちに頂上に登ってしまったって感じやったけど。
ここでも、別山までの雪の状態など、しっかりチェックしてたね~。

カノジョと楽しんでても、もっといいオンナはいないかとキョロキョロしてチャンスを探ってる・・・
そんなヤツは誰だ!?

ある意味、たんぽぽさん好みだとも言えるけど・・。
大いなる誤解でございますよ。

うう~ん。この滝はどんな感じだったっけ?
二俣からは見えないんで、とちゃんは見ていないよ。

雪の状態、今年は、恵まれていたのかも。
雪は多いしタイミングも早めでラッキー!

雪がどこから出てきてくれるかで、渡渉も少なくスピードアップ、全体的に楽になるね。
寄り道、道草一切なしで、ますます、スピードアップ。
単独だと、こういう歩きが出来るね。

単独だと正反対の場合もまたあります。
南白山がよく見える。 赤がふ~たんルート、緑がとったんルート
南白山がよく見える。 赤がふ~たんルート、緑がとったんルート
しっかり頭に地図が入ってるっていうのは、便利だね~。
便利、便利、これからこうしようかなあ。

やっぱりね~。箱谷に惹かれてるでしょ。
無理は、禁物~。

ちょっとアブナイ女いやいや谷の方が惹かれちゃうね。
ふ~たん編隊突入に乞うご期待!

すべての条件が、うまく整ったね~。
何年も準備してきたんだから、こんなご褒美をもらえて、よかったね~。
拍手の、音も気持ちよく、空に響いていたでしょう。

何度も立ってる別山ですが今回は感慨深かったです。

ほんと、おめでとうさん。
南白山まで、登った者は、やっぱり次、別山を目指したくなるね。
あの稜線の向こうのピークを。
私も、いつか・・・。

とっちゃんも狙ってみる?
夢や目標は人生をいきいきとさせてくれますよ!
目指せ別山!
目指せ別山!
たんぽぽ
記事: 709
登録日時: 2011年2月20日(日) 11:54

Re: 【白山】 焼滑、南白山そして別山へ

投稿記事 by たんぽぽ »

ふ~しゃま、おはようございます。

おはようさん、たんぽぽさん。もっと早くこのレポ拝ませて頂けばよかった~(^_^;)
早起きは三文の徳と申しますが、早読みは三途の徳、いやいや渡渉の徳でしたね。

南白山~焼滑の道中、語っていただきやしたが、実に壮大な計画だったんですね。
そうだい!スケベなマナコで雪渓を見つめるその胸のうちにはいつも壮大なる夢を秘めてまんねん。

こうしたたんぽぽの流儀は貴殿の女性の攻め方にも通じるものがあるようですね。
ジリジリ攻めればJOYだって夢じゃない。

上部で三つに分かれるこの雪渓。絶妙なデザインで箱谷右岸に通じてましたね。
昨年、尾根まで繋がっているこの雪渓を目にしたときはやったぜ!と思ったもんです。

そして、尾根上から箱谷までは何と十mそこそこの下降ですむという出来すぎたストーリー。
尾根から箱谷左俣までヤブやらガレでどれくらい時間を費やすかが別山攻略のカギと睨んでましたので、あまりにも出来過ぎのストーリーでした。

驚きましたね。頭の中に地形図をたたき込んでいたとは!
どうしてGPS持たないか知ってる?
いつもオツムの中に地図がねじ込んであるざんすからだす。

たんぽぽ計画の肝の部分ですからね。これさえクリアできればあとは箱谷への下降だね。
楽勝~楽勝~!
ちょっと気抜けするほどでした。
箱谷右俣核心部
箱谷右俣核心部
緊張した表情が緩む瞬間ですね。でも、そんな時こそ慎重に・・・!
そうですね、クマしゃんが突進してきたりしますから。
今度こそお尻撫でてみせるぜ!

こいつは南白山~焼滑の稜線上から何度何度もも偵察しましたが、相当な険谷ですね。恐ろしくて安易に足を踏み入れるのは御法度だねぇ。
上からは絶え間ない落石攻撃。
クレバスはハンパじゃあないっす。
アレにはまったらジュクジョ以上だす。
難攻不落の箱谷右俣は兵糧攻めとでもまいりましょうか。

なんとまあ、素晴らしい。あっぱれ!
白山の山並みに包まれて夢のルート構成での別山登頂ですか。よくやったぞ、たんぽぽ!人ごとながらもわたしゃ嬉しいぞい。

ありがとざんす、見慣れた別山山頂もこの日は感慨ひとしおでした。
石徹白側を見下ろせばまだ残雪たっぷりで面白そう。
またよろしくね!
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