南アルプス深南部の報告を探していたら浜松山の会の人たちの山行記録で、水窪川源流の南側の稜線を辿る報告、つまり白倉山林道の黒沢橋から黒沢山、黒山そして標高点2214mを回って白倉山林道へ下りるというものがありました。それに刺激を受け、源流北側の稜線を巡る山行きを考えてみました。
白倉山林道から朝日山へ上がり、それから白倉尾根を縦走して三又山、中ノ尾根山そして標高点2214mから白倉山林道へ下りるというものです。ロングコースではっきりとした自信はありませんでしたが、エスケープルートもあるようでしたので挑んでみました。
【 日 付 】 2012年5月19日(土)
【 山 域 】 南アルプス深南部
【 メンバー 】 単 独
【 天 候 】 晴れのち曇り
【 ルート 】 白倉権現ゲート前駐車場(7:28)~白倉山林道黒沢橋先朝日登山口(8:00)~朝日山(9:15)~平森山(10:30)~白倉山(11:33)~三又山(13:16)~中ノ尾根山(13:59)~標高点2214m(14:28)~休憩所中ノ尾根山取付点(15:28)~白倉権現ゲート前駐車場(17:13)
初めは、営林署のあるところから地形図にある破線路を辿るつもりだったが、登り口らしきところは確認できたが標識もなく、それが単なる作業道なのか朝日山まで導いてくれるものなのか確信が持てなかったので、さらに1㎞以上林道を辿り、黒沢橋の先にある前回の下見の時に確認した朝日山登山口の標識のあるところから登ることにした。
登り始めると道は明瞭で広く、赤ペンキで太い木に矢印さえ描いてあるのだが、その乱暴さにちょっと違和感をおぼえた。案の定、道はどこからか崩壊工事現場へと導くものだった。登山道は途中から離れていったのか、辿った道は工事現場で終わっていた。
ただ、斜面はなんとか上に辿ることはできそうで尾根筋に向かって上がって行くと、はっきりとした道跡が右から上がってきていた。やはり、途中で正しい登山道から離れてしまったようだ。
作業道らしき道の分岐は幾本もあったが、かつての地形図にある破線路の道アトは見当たらなかったように思う。
朝日山の山頂近くなると、背丈はある笹の立ち枯れが目立ってくる。
そんな中に朝日山の山頂はあった。ここが最高点で標高点なのだが、標石があり「×」印となっている。この立ち枯れた笹がなくなると見晴らしの多少は利くすがすがしい山頂になるのではないか。
ここから白倉尾根を三又山へ向かって北東に向きを変えるのだが、ここら辺りはすでに笹は総枯れした後である。立ち枯れた笹を見ると、相当強烈な笹ヤブであったことがわかる。しかし、その笹も今やどこでも踏み倒しながら歩けちゃう状態でちょっと気分がよい。立ち枯れの笹がなくなれば、気持ちのよい森になることだろう。小鳥のさえずりもよく聞こえ、ホトトギスの声も響き渡る。
それが、平森山への道のりの半分も過ぎる頃になると徐々に笹が息を吹き返してきて、ところどころ非常に活発なところも見えるようになる。
平森山の山頂もそんな中にあり、まだまだ勢いがあるように見えるが、以前の写真と比べると徐々に笹枯れが進行しているようだ。
ここまで、3時間余り。ずいぶん疲れてきた。衰えてきたとはいえ、けっこうなヤブ漕ぎである。
ここからしばらくは、さらに笹も元気でイヤになる。枯れた笹は踏み倒して行けばよいが、ここら辺りになると頭を下げて薄いところを通してもらうという感じだ。しばらくすると右側の木々の薄いところから中ノ尾根山が眺められるところへ出る。まだまだ遙かに遠い。こんなに疲れてきて、辿り着けるのか全く自信がない。
悪戦苦闘しながらも少しずつ進んで行くと、笹の背丈がずいぶんと低くなってきた。さらに進むと下の林道からも眺められた見事な稜線の笹原地帯にでる。木々もまばらで立ち枯れたものが多い。回りの展望も利き、晴れ晴れとしたところだ。疲れた私は、ここらでゴロッとして回りの景色を楽しみながらゆっくりとしたい誘惑にかられる。本当に気持ちのよい笹原の別天地だ。簡単に来られるようなところなら、もっと多くの人たちが楽しみに来てもおかしくないだろう。しばらく行くと前方には池口岳、鶏冠山も見えてきた。
白倉山まであとわずかになると、徐々にまた笹が深くなり道アトもなく、倒木の中苦労させられた。その上平頂山でピークがどこかはっきりとは分からない。ここは、三角点もなく一番高そうなところの倒木にテープが巻いてあるので、そこで少し燃料補給休憩をした。本当にもうエネルギーの枯渇だ。
ここから三又山までは標高差400m 弱、距離を考えると1時間半くらいで行きたいところだが不安いっぱいだ。笹はヒザくらいまでのものだが、道アトはあったりなかったりで疲れる。ちょっと休憩しても上がった脈拍はちっとも下がらない。
黒木帯に入ると笹が芝生のように低くなってくるのだが、今度は倒木が次々と前をふさぐ。一本一本乗り越えるごとに疲労が増す。
三又山が近づいてくると、笹はなくなり稜線は狭くなる。この辺りは歩きやすく本来気持ちのよいところなんだろうが、疲れ果ててしまってそれを楽しむ余裕はすでにない。
何とか三又山に辿り着く頃になるとガスが掛かってきて、はっきりと見えていた池口岳も大きくボヤッとした輪郭を見せるだけだ。しかし、取り敢えずここまでは来られた、という安堵感が広がる。ここからは南に向かって行くことになるのだが、大きくドームが立ちはだかり、中ノ尾根山を望むことはできない。
ドームを越え、広い笹の斜面を中ノ尾根山へ最後の登りに掛かる。残雪が現れ始め、徐々に広がって行く。山頂近くになると黒木樹林の下は雪原となり、その中央あたりに中ノ尾根山の標識が並んでいた。
ここまで6時間半。けっこう苦労した分だけ、山頂に辿り着いたという喜びはひとしおのものがある。
山頂から南へ向かう斜面は徐々に笹が深くなる。下りだからまだいいようなものの、登りだとさぞつらいだろう。笹で見えない倒木に足を引っかけて何度も転ぶ。
標高点2214mとの鞍部からトラバース道が右に下りて行っているが、標高点を踏むことと黒山(2095m)へ続く南方稜線の様子を見るために標高点ピークに向かうが、笹は相当きつくなってくる。
2214mの標高点ピークには特に標識もなく、最高点ははっきりとしない。笹は相当深く、ここから黒山への稜線はずいぶん苦労しそうだ。
私は西の支尾根に乗り、しばらく下ると左側がガレ落ちたところへ出るが、見通しの利くそのガレからは目の前にドカリと座る黒沢山が印象的だった。この下りでも隠れた倒木で大きく転び、別の倒木で左大腿部を激しく打って力があまり入らなくなるという最後のオマケまで付いた。
それでも休憩小屋のある林道に降り立つと、先の林道歩きがまだ9㎞以上あるのだが、本当にホッとした。
【南アルプス深南部】 朝日山(1692m)、白倉尾根~中ノ尾根山(2296.4m)
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Re: 【南アルプス深南部】 朝日山(1692m)、白倉尾根~中ノ尾根山(2296.4m)
初めまして"keikoku"さん。三遠南信と申します。
黒沢山から黒山、そして今回の朝日山から中ノ尾根山とこのネットでは珍しい山域のレポが続いてますね。私の地元の山だけに興味深く拝見しました。
初めは、営林署のあるところから地形図にある破線路を辿るつもりだったが、登り口らしきところは確認できたが標識もなく、それが単なる作業道なのか朝日山まで導いてくれるものなのか確信が持てなかったので、さらに1㎞以上林道を辿り、黒沢橋の先にある前回の下見の時に確認した朝日山登山口の標識のあるところから登ることにした。
10数年前に営林署の作業道が黒沢橋の先から朝日山まで整備されてからは、この破線道を歩く人は希となりました。私がこの破線道を訪れた最後は12年前でしたが、道がしっかりしているのは標高1350m辺りにあった宿舎跡までで、その先は登るにつれて笹薮が密になり、標高1600m辺りからは獣道もない程の笹薮で、この時は退却しました。
作業道らしき道の分岐は幾本もあったが、かつての地形図にある破線路の道アトは見当たらなかったように思う。
1531m標高点先からのトラバースする破線道(最近の地形図にはない)を西に行くと宿舎跡に出ます。未だ幽かに踏跡が残っていると思います。なを梶谷へ下る湯の沢を分ける尾根の破線道は、標高1350m辺りまでは杣道として残っており、その上部も笹が枯れ今はたいした藪漕ぎなしで1667mの三角点辺りに出ることが出来ます。かってはこの三角点を見た人は稀だったのですが、今では簡単に見られます。それほど笹薮が枯れてしまったと言うことです。
朝日山の山頂近くなると、背丈はある笹の立ち枯れが目立ってくる。
そんな中に朝日山の山頂はあった。ここが最高点で標高点なのだが、標石があり「×」印となっている。この立ち枯れた笹がなくなると見晴らしの多少は利くすがすがしい山頂になるのではないか。
2年前に梶谷から朝日山を訪れましたが、山頂部の激変には驚かされました。藪山愛好家の中でも良く知られていた激笹藪の面影はすっかりなく、普通の笹薮の山になっていました。かっては岳人の山行記にこの山を訪れた人が、ブッシュアウトと言う言葉を使っていた程だったのですが。
ここから白倉尾根を三又山へ向かって北東に向きを変えるのだが、ここら辺りはすでに笹は総枯れした後である。立ち枯れた笹を見ると、相当強烈な笹ヤブであったことがわかる。
かっては山頂から北東の二重山稜に出るまではそれは強烈な笹薮でした。獣道もない程で山頂から1617mの鞍部まで1時間もかかりました。カラマツ林の二重山稜に出るとホッとしたものです。
悪戦苦闘しながらも少しずつ進んで行くと、笹の背丈がずいぶんと低くなってきた。さらに進むと下の林道からも眺められた見事な稜線の笹原地帯にでる。木々もまばらで立ち枯れたものが多い。回りの展望も利き、晴れ晴れとしたところだ。疲れた私は、ここらでゴロッとして回りの景色を楽しみながらゆっくりとしたい誘惑にかられる。本当に気持ちのよい笹原の別天地だ。簡単に来られるようなところなら、もっと多くの人たちが楽しみに来てもおかしくないだろう。しばらく行くと前方には池口岳、鶏冠山も見えてきた。
白倉山西の広くてなだらかな尾根は写真を見ると笹がずいぶんと低くなり、一段と美しい所になってますね。この辺りは北と南に深南部の山々が望める眺望も良い所ですね。
ここから三又山までは標高差400m 弱、距離を考えると1時間半くらいで行きたいところだが不安いっぱいだ。笹はヒザくらいまでのものだが、道アトはあったりなかったりで疲れる。ちょっと休憩しても上がった脈拍はちっとも下がらない。
黒木帯に入ると笹が芝生のように低くなってくるのだが、今度は倒木が次々と前をふさぐ。一本一本乗り越えるごとに疲労が増す。
三又山が近づいてくると、笹はなくなり稜線は狭くなる。この辺りは歩きやすく本来気持ちのよいところなんだろうが、疲れ果ててしまってそれを楽しむ余裕はすでにない。
三又山西峰からは低い笹に黒木のまばらな深南部らしい尾根になりますが、此処までは倒木やコメツガの密な幼木に苦労させられる所ですね。しかし草原の狭い三又山の山頂に着くと、そこからの素晴らしい眺望に、何時も疲れが吹っ飛んだものです。
何とか三又山に辿り着く頃になるとガスが掛かってきて、はっきりと見えていた池口岳も大きくボヤッとした輪郭を見せるだけだ。しかし、取り敢えずここまでは来られた、という安堵感が広がる。ここからは南に向かって行くことになるのだが、大きくドームが立ちはだかり、中ノ尾根山を望むことはできない。
三又山からドーム間は眺望の素晴らしい尾根だけにガスとは残念でしたね。ここからは朝日山から今日歩かれた白倉尾根が巨大なクジラの背のように一望できます。 中ノ尾根山北鞍部から望むドーム 右奥は池口岳
標高点2214mとの鞍部からトラバース道が右に下りて行っているが、標高点を踏むことと黒山(2095m)へ続く南方稜線の様子を見るために標高点ピークに向かうが、笹は相当きつくなってくる。
2214mの標高点ピークには特に標識もなく、最高点ははっきりとしない。笹は相当深く、ここから黒山への稜線はずいぶん苦労しそうだ
2214m標高点ピークも眺望の良い所で、ここから眺める中ノ尾根山や、合地山は最高です。この辺りは野生動物の気配が濃い所ですが、シカやカモシカには出会いませんでしたか。また笹藪に多くの倒木が隠れており良くつまずいたり、転倒したりする所ですね。 私は西の支尾根に乗り、しばらく下ると左側がガレ落ちたところへ出るが、見通しの利くそのガレからは目の前にドカリと座る黒沢山が印象的だった。この下りでも隠れた倒木で大きく転び、別の倒木で左大腿部を激しく打って力があまり入らなくなるという最後のオマケまで付いた。
一時期林道から西尾根経由中ノ尾根山までは、笹も刈り払われはっきりとした道や踏跡が続いていましたが、また自然に戻りつつあるのでしょうか。
それでも休憩小屋のある林道に降り立つと、先の林道歩きがまだ9㎞以上あるのだが、本当にホッとした。
長い山歩きお疲れ様でした。 三遠南信
黒沢山から黒山、そして今回の朝日山から中ノ尾根山とこのネットでは珍しい山域のレポが続いてますね。私の地元の山だけに興味深く拝見しました。
初めは、営林署のあるところから地形図にある破線路を辿るつもりだったが、登り口らしきところは確認できたが標識もなく、それが単なる作業道なのか朝日山まで導いてくれるものなのか確信が持てなかったので、さらに1㎞以上林道を辿り、黒沢橋の先にある前回の下見の時に確認した朝日山登山口の標識のあるところから登ることにした。
10数年前に営林署の作業道が黒沢橋の先から朝日山まで整備されてからは、この破線道を歩く人は希となりました。私がこの破線道を訪れた最後は12年前でしたが、道がしっかりしているのは標高1350m辺りにあった宿舎跡までで、その先は登るにつれて笹薮が密になり、標高1600m辺りからは獣道もない程の笹薮で、この時は退却しました。
作業道らしき道の分岐は幾本もあったが、かつての地形図にある破線路の道アトは見当たらなかったように思う。
1531m標高点先からのトラバースする破線道(最近の地形図にはない)を西に行くと宿舎跡に出ます。未だ幽かに踏跡が残っていると思います。なを梶谷へ下る湯の沢を分ける尾根の破線道は、標高1350m辺りまでは杣道として残っており、その上部も笹が枯れ今はたいした藪漕ぎなしで1667mの三角点辺りに出ることが出来ます。かってはこの三角点を見た人は稀だったのですが、今では簡単に見られます。それほど笹薮が枯れてしまったと言うことです。
朝日山の山頂近くなると、背丈はある笹の立ち枯れが目立ってくる。
そんな中に朝日山の山頂はあった。ここが最高点で標高点なのだが、標石があり「×」印となっている。この立ち枯れた笹がなくなると見晴らしの多少は利くすがすがしい山頂になるのではないか。
2年前に梶谷から朝日山を訪れましたが、山頂部の激変には驚かされました。藪山愛好家の中でも良く知られていた激笹藪の面影はすっかりなく、普通の笹薮の山になっていました。かっては岳人の山行記にこの山を訪れた人が、ブッシュアウトと言う言葉を使っていた程だったのですが。
ここから白倉尾根を三又山へ向かって北東に向きを変えるのだが、ここら辺りはすでに笹は総枯れした後である。立ち枯れた笹を見ると、相当強烈な笹ヤブであったことがわかる。
かっては山頂から北東の二重山稜に出るまではそれは強烈な笹薮でした。獣道もない程で山頂から1617mの鞍部まで1時間もかかりました。カラマツ林の二重山稜に出るとホッとしたものです。
悪戦苦闘しながらも少しずつ進んで行くと、笹の背丈がずいぶんと低くなってきた。さらに進むと下の林道からも眺められた見事な稜線の笹原地帯にでる。木々もまばらで立ち枯れたものが多い。回りの展望も利き、晴れ晴れとしたところだ。疲れた私は、ここらでゴロッとして回りの景色を楽しみながらゆっくりとしたい誘惑にかられる。本当に気持ちのよい笹原の別天地だ。簡単に来られるようなところなら、もっと多くの人たちが楽しみに来てもおかしくないだろう。しばらく行くと前方には池口岳、鶏冠山も見えてきた。
白倉山西の広くてなだらかな尾根は写真を見ると笹がずいぶんと低くなり、一段と美しい所になってますね。この辺りは北と南に深南部の山々が望める眺望も良い所ですね。
ここから三又山までは標高差400m 弱、距離を考えると1時間半くらいで行きたいところだが不安いっぱいだ。笹はヒザくらいまでのものだが、道アトはあったりなかったりで疲れる。ちょっと休憩しても上がった脈拍はちっとも下がらない。
黒木帯に入ると笹が芝生のように低くなってくるのだが、今度は倒木が次々と前をふさぐ。一本一本乗り越えるごとに疲労が増す。
三又山が近づいてくると、笹はなくなり稜線は狭くなる。この辺りは歩きやすく本来気持ちのよいところなんだろうが、疲れ果ててしまってそれを楽しむ余裕はすでにない。
三又山西峰からは低い笹に黒木のまばらな深南部らしい尾根になりますが、此処までは倒木やコメツガの密な幼木に苦労させられる所ですね。しかし草原の狭い三又山の山頂に着くと、そこからの素晴らしい眺望に、何時も疲れが吹っ飛んだものです。
何とか三又山に辿り着く頃になるとガスが掛かってきて、はっきりと見えていた池口岳も大きくボヤッとした輪郭を見せるだけだ。しかし、取り敢えずここまでは来られた、という安堵感が広がる。ここからは南に向かって行くことになるのだが、大きくドームが立ちはだかり、中ノ尾根山を望むことはできない。
三又山からドーム間は眺望の素晴らしい尾根だけにガスとは残念でしたね。ここからは朝日山から今日歩かれた白倉尾根が巨大なクジラの背のように一望できます。 中ノ尾根山北鞍部から望むドーム 右奥は池口岳
標高点2214mとの鞍部からトラバース道が右に下りて行っているが、標高点を踏むことと黒山(2095m)へ続く南方稜線の様子を見るために標高点ピークに向かうが、笹は相当きつくなってくる。
2214mの標高点ピークには特に標識もなく、最高点ははっきりとしない。笹は相当深く、ここから黒山への稜線はずいぶん苦労しそうだ
2214m標高点ピークも眺望の良い所で、ここから眺める中ノ尾根山や、合地山は最高です。この辺りは野生動物の気配が濃い所ですが、シカやカモシカには出会いませんでしたか。また笹藪に多くの倒木が隠れており良くつまずいたり、転倒したりする所ですね。 私は西の支尾根に乗り、しばらく下ると左側がガレ落ちたところへ出るが、見通しの利くそのガレからは目の前にドカリと座る黒沢山が印象的だった。この下りでも隠れた倒木で大きく転び、別の倒木で左大腿部を激しく打って力があまり入らなくなるという最後のオマケまで付いた。
一時期林道から西尾根経由中ノ尾根山までは、笹も刈り払われはっきりとした道や踏跡が続いていましたが、また自然に戻りつつあるのでしょうか。
それでも休憩小屋のある林道に降り立つと、先の林道歩きがまだ9㎞以上あるのだが、本当にホッとした。
長い山歩きお疲れ様でした。 三遠南信
Re: 【南アルプス深南部】 朝日山(1692m)、白倉尾根~中ノ尾根山(2296.4m)
三遠南信天竜川さん、こんにちは。前に、ふ~さんのレポのところで三遠南信さんにいろいろお聞きしたkeikokuです。
keikoku-sakakibara
ありがとう御座います。今のところ、このやぶこぎネットでそんなふうに見て頂けるのは三遠南信さんとふ~さんだけかもしれません。続けて書いて行けば、もう少しこの地域に関心のある人たちも増えるのかなあと思っております。黒沢山から黒山、そして今回の朝日山から中ノ尾根山とこのネットでは珍しい山域のレポが続いてますね。私の地元の山だけに興味深く拝見しました。
やはり、今とは別世界だったようですね。今はその辺り、立ち枯れた笹は残っていますが、道はしっかりと付いています。10数年前に営林署の作業道が黒沢橋の先から朝日山まで整備されてからは、この破線道を歩く人は希となりました。私がこの破線道を訪れた最後は12年前でしたが、道がしっかりしているのは標高1350m辺りにあった宿舎跡までで、その先は登るにつれて笹薮が密になり、標高1600m辺りからは獣道もない程の笹薮で、この時は退却しました。
やはり、鈴鹿で進んでいる50~60年おきに起きるという笹の総ガレは深南部でも進んでいるわけですね。また、鈴鹿とこれまた同じように地域ごとに順番に起きていますね。1531m標高点先からのトラバースする破線道(最近の地形図にはない)を西に行くと宿舎跡に出ます。未だ幽かに踏跡が残っていると思います。なを梶谷へ下る湯の沢を分ける尾根の破線道は、標高1350m辺りまでは杣道として残っており、その上部も笹が枯れ今はたいした藪漕ぎなしで1667mの三角点辺りに出ることが出来ます。かってはこの三角点を見た人は稀だったのですが、今では簡単に見られます。それほど笹薮が枯れてしまったと言うことです。
その頃を知っている、その頃苦労した三遠南信さんには少々物足りないというか寂しいものがあるのでしょうね。私も御池岳奥ノ平やクラシ、イブネで格闘した相手がすっかりと姿を消してしまって、何だがファイトが湧いて来ないような感じをしています。2年前に梶谷から朝日山を訪れましたが、山頂部の激変には驚かされました。藪山愛好家の中でも良く知られていた激笹藪の面影はすっかりなく、普通の笹薮の山になっていました。かっては岳人の山行記にこの山を訪れた人が、ブッシュアウトと言う言葉を使っていた程だったのですが。
その辺りは、まだまだ元気なところもありますが、前に比べればずいぶんと優しくなったことでしょうね。かっては山頂から北東の二重山稜に出るまではそれは強烈な笹薮でした。獣道もない程で山頂から1617mの鞍部まで1時間もかかりました。カラマツ林の二重山稜に出るとホッとしたものです。
本当にいいところでした。ただし、今だに辿り着くまでが問題ですが。白倉山西の広くてなだらかな尾根は写真を見ると笹がずいぶんと低くなり、一段と美しい所になってますね。この辺りは北と南に深南部の山々が望める眺望も良い所ですね。
何とかドーム辺りまで見え、池口岳が輪郭だけは何とかというぐらいでしたが、疲れ切った私には十分にすてきなプレゼントとなってくれました。三又山西峰からは低い笹に黒木のまばらな深南部らしい尾根になりますが、此処までは倒木やコメツガの密な幼木に苦労させられる所ですね。しかし草原の狭い三又山の山頂に着くと、そこからの素晴らしい眺望に、何時も疲れが吹っ飛んだものです。
三又山からドーム間は眺望の素晴らしい尾根だけにガスとは残念でしたね。ここからは朝日山から今日歩かれた白倉尾根が巨大なクジラの背のように一望できます。
この日は、小鳥の鳴き声はよく聞こえましたが、獣たちに出会うことはなかったですね。でも、コロコロしたものが道アトにたっぷりとありましたので、本当に登山道というよりも獣さんたちの道をお借りしているということがよくわかりました。2214m標高点ピークも眺望の良い所で、ここから眺める中ノ尾根山や、合地山は最高です。この辺りは野生動物の気配が濃い所ですが、シカやカモシカには出会いませんでしたか。また笹藪に多くの倒木が隠れており良くつまずいたり、転倒したりする所ですね。
中ノ尾根山単発で狙う人たちはけっこうみえるようで、鞍部からのトラバース道ははっきりとしているようです。といっても普通の登山道とは比べものになりませんが。一時期林道から西尾根経由中ノ尾根山までは、笹も刈り払われはっきりとした道や踏跡が続いていましたが、また自然に戻りつつあるのでしょうか。
ありがとう御座います。この地区の先達、三遠南信さんにそう言って頂くと何やら報われた気がします。今度とも御指南、よろしくお願いします。長い山歩きお疲れ様でした。 三遠南信
keikoku-sakakibara
Re: 【南アルプス深南部】 朝日山(1692m)、白倉尾根~中ノ尾根山(2296.4m)
おはようさん、keikokuさん。これは意欲的な山登りですね。うらやましくレポを拝見しましたよ。
ふ~さん
やはり、深南部の笹も随分勢いがそがれているようですね。三遠さんの話を聞いてもそう感じました。ここから白倉尾根を三又山へ向かって北東に向きを変えるのだが、ここら辺りはすでに笹は総枯れした後である。立ち枯れた笹を見ると、相当強烈な笹ヤブであったことがわかる。しかし、その笹も今やどこでも踏み倒しながら歩けちゃう状態でちょっと気分がよい。立ち枯れの笹がなくなれば、気持ちのよい森になることだろう。小鳥のさえずりもよく聞こえ、ホトトギスの声も響き渡る。
なんだかんだ言ってkeikokuさんもパワフルじゃないですか!平森山の山頂もそんな中にあり、まだまだ勢いがあるように見えるが、以前の写真と比べると徐々に笹枯れが進行しているようだ。
ここまで、3時間余り。ずいぶん疲れてきた。衰えてきたとはいえ、けっこうなヤブ漕ぎである。
三遠さん言うところの別天地ですね。不動岳の山麓の鹿ノ平もそんな感じでした。悪戦苦闘しながらも少しずつ進んで行くと、笹の背丈がずいぶんと低くなってきた。さらに進むと下の林道からも眺められた見事な稜線の笹原地帯にでる。木々もまばらで立ち枯れたものが多い。回りの展望も利き、晴れ晴れとしたところだ。疲れた私は、ここらでゴロッとして回りの景色を楽しみながらゆっくりとしたい誘惑にかられる。本当に気持ちのよい笹原の別天地だ。簡単に来られるようなところなら、もっと多くの人たちが楽しみに来てもおかしくないだろう。しばらく行くと前方には池口岳、鶏冠山も見えてきた。
単独山行じゃなくても本当に会話の少なくなる疲労感です。白倉山まであとわずかになると、徐々にまた笹が深くなり道アトもなく、倒木の中苦労させられた。その上平頂山でピークがどこかはっきりとは分からない。ここは、三角点もなく一番高そうなところの倒木にテープが巻いてあるので、そこで少し燃料補給休憩をした。本当にもうエネルギーの枯渇だ。
あと一息!何とか三又山に辿り着く頃になるとガスが掛かってきて、はっきりと見えていた池口岳も大きくボヤッとした輪郭を見せるだけだ。しかし、取り敢えずここまでは来られた、という安堵感が広がる。
6時間半でしたか。ひゃー!やりますね。それにしても登頂の嬉しさで顔をくしゃくしゃにするkeikokuさんが想像できます。ドームを越え、広い笹の斜面を中ノ尾根山へ最後の登りに掛かる。残雪が現れ始め、徐々に広がって行く。山頂近くになると黒木樹林の下は雪原となり、その中央あたりに中ノ尾根山の標識が並んでいた。
ここまで6時間半。けっこう苦労した分だけ、山頂に辿り着いたという喜びはひとしおのものがある。
まだまだ続く笹地獄。隠れた倒木にも油断なりませんね~山頂から南へ向かう斜面は徐々に笹が深くなる。下りだからまだいいようなものの、登りだとさぞつらいだろう。笹で見えない倒木に足を引っかけて何度も転ぶ。
泣けてきますね。私も膝の皿が割れそうに痛みましたよ、先日の山行で。日曜日は医者も休み。月曜にはすぐに整形にと思ってましたが、仕事が終わらず、未だに行けてません(涙;)私は西の支尾根に乗り、しばらく下ると左側がガレ落ちたところへ出るが、見通しの利くそのガレからは目の前にドカリと座る黒沢山が印象的だった。この下りでも隠れた倒木で大きく転び、別の倒木で左大腿部を激しく打って力があまり入らなくなるという最後のオマケまで付いた。
お疲れさん!またのレポート楽しみです。それでも休憩小屋のある林道に降り立つと、先の林道歩きがまだ9㎞以上あるのだが、本当にホッとした。
ふ~さん