【鈴鹿】フクジュソウ三昧の霊仙山
Posted: 2026年3月30日(月) 21:34
【日 付】2026年3月28日(土)
【山 域】鈴鹿北部 霊仙山
【天 候】晴れ
【コース】山女原駐車地7:25---7:50行者の谷出合---9:40奥の二俣---10:05林道---11:10岩ノ峰12:40---12:45霊仙山最高点
---13:10南霊岳---14:50笹峠---16:10駐車地
霊仙山の界隈でフクジュソウ開花の便りが届いている。鍋尻山やリョウシと言ったマイナーな山も今では人気らしい。
実はフクジュソウを最後に見たのは22年も前の話である。たまたま誘われて鈴鹿の頭陀ヶ平の西側斜面へ探索に行って
以来見たことがない。フクジュソウに限らずこの季節の花はほとんど見る機会がなかった。なぜならば、この季節は常に
雪を追い求めて山に向かっているので、雪の融けた山麓で見る花以外はなかなか見ることがないのである。
今年は雪融けが早過ぎるので、かなり遠征しないと雪山を楽しめない。こういう機会にフクジュソウで有名な霊仙山を訪
れるのもいいだろう。但し、人が多いのを敬遠してあまり歩かれていないルートから登るのが前提条件だ。
𡚴原(あけんばら)の集落横のスペースに車を止める。先客が2台、いずれも鍋尻山へ向かう登山者のようだ。
権現谷の林道を歩き出す。林道上は落石も少なく走るのに支障はないが、今日は駐車地へダイレクトに下りてくる予定だ。
両岸の高い岩壁の間に深く刻まれた権現谷は、荒涼とした印象の割りには不思議なぐらい穏やかな流れである。
岩壁の真ん中の穴から水が噴き出していたり、巨岩の裾から水が湧き出していたりと面白い風景を見せてくれて、林道歩
きも退屈しない。
行者の谷の出合で橋を渡って入渓する。入渓と言っても沢登りではない。
石灰岩の谷はほとんどが伏流で、ツルツルに磨かれたような面白い造形の小滝が連続するが、ビブラムとの相性は抜群に
良く、フリクションが効くので登山靴で登って行くことができる。
まったく水が流れていない谷の沢登りは不思議な感覚に捉われる。
リョウシからの支谷の合流点にフクジュソウの群落があったが、やや盛りを過ぎているようだ。
葉が完全に出て、萎れかけたものも多い。標高が低いので、あと1週間早ければベストだったかもしれない。
荒れた行者の谷を直進するとようやく水流が現れたが、歩くのに支障はない。
周りは植林オンリーで渓相云々するまでもないが、ここは単なる通過点だ。
最後の二俣に着くと、左俣には小さな滝が落ちていた。中間尾根に取付く。ここも見事に植林された尾根だが、枝打ち
もされてよく手入れされてようで明るく、嫌な感じではなかった。
ひたすら急登して林道に出た。ここからは霊仙山南西尾根がよく見えるが、あの高さまで登らねばならないと思うと気が
重い。
この林道を右に行けば南尾根に乗れるのだが遠回りになる。少し歩いたところでショートカッターの血が騒いでなんと
か歩けそうな急斜面に取り付いた。まばらな立ち木と根を頼りに上がって行くが、滑り落ちればアウトなので気が抜けない。
あのまま林道を歩いても時間的には大差なく、体力と精神力はセーブできるだろう。
急がば回れなのだが、これも悲しい性なのである。
青息吐息で主尾根に這い上がってひと息。ソノドの尾根の手前に低く県境稜線が伸びているが、全山植林で真っ黒。
まったく食指の動かない尾根だ。
南尾根には明瞭な踏み跡が続き、林相も悪くはない。
しばらく緩やかな疎林の尾根を歩いて行くと、岩ノ峰直下の急斜面にかかる。ここからは樹林のない、カレンフェルトが
林立する急傾斜をひたすら登ることになるが、それも100mほどの辛抱だ。
突然傾斜が緩むと岩ノ峰に到着である。ここは霊仙山最高点から東に伸びる山上台地の一角に過ぎないが、ここだけが
岩の堆積した高みを形作っており、西側から見るとその名前に納得する眺めが得られる。
今日は春霞みで遠望は得られないし、最高点では人が多そうなのでここでランチタイムとしよう。
最高点との間に雪田が残っていた。これでぬるいビールを飲まなくても済みそうだ。
ビールを入れたポリ袋をぶら下げて雪田を往復。しばらく経つとビールはキンキンに冷えていた。
これからの季節は雪を頼りにできないので、保冷対策をしっかりしなければ。
久しぶりに昼寝までしてのんびりと過ごす。
最高点に立つと登山者は2人だけだった。ほとんどの人はもう下山して行ったのかもしれない。
ここから見る霊仙山上の雄大な眺めは格別のものがある。昨年末に訪れた時の白一色の世界とはまた違う魅力があるのだ。
景色を楽しみながら三角点に向かって進むが、三角点の直前で左に折れて大洞谷の源頭へと下って行く。
何度も踏んでいる三角点には特段の用事があるわけでもない。
積雪期になめらかなうねりを見せていた源頭部はまったくヤブ無しの原っぱである。昔は御池やイブネ同様、背丈を超す
ようなササがはびこって、進むべき方向もわからないぐらいだったのが隔世の感がある。
ショートカットで南霊岳付近に出た。ここから南西尾根を辿る。
カレンフェルトの間にポツポツとフクジュソウが顔を出していた。東側斜面は朝の林道から眺めていた無木立の急斜面だ。
見事なぐらい石以外何もない斜面がどこまでも広がっている。
群落は尾根の西側にあった。1000mを超える標高ではフクジュソウはまさに見頃を迎えていた。
葉が出る前に開花するフクジュソウは、行者の谷で見たものとは違ってほとんど葉が出ていない。花びらのツヤもまったく
違う。まるでワックスをかけたようにツヤツヤした花びらを付けたフクジュソウが今を盛りと咲き誇っていた。
西側斜面をトラバースして行くと小さな池と出会う。山上の池というのはいいものだ。
稜線を外れて右手の丘に上がるとまた違う展望が得られる。
そこから登山道に戻らず斜面をトラバースして行くと、そこからが大群落の始まりだった。
行けども行けども続くフクジュソウの大群落。稜線直下だけではなくかなり下の方まで黄色いかたまりが点々と続いている。
もう一生分のフクジュソウを見たような思いである。
稜線に近いところでは葉が出ていないフクジュソウが、少し下がると葉がもりもりしているのも面白い。ほんの少しの差
でずいぶん違うものだ。
フクジュソウを堪能して下山にかかる。近江展望台からはガラガラの急降下。アルプスの登山道を歩いているような錯覚
を覚える道だ。
下り切ると現れる笹峠付近のブナ林もいい。こういう樹林の景観と森林限界を超えたような岩山のコントラストも霊仙山の
魅力のひとつだろう。
712m標高点の手前で登山道を離れる。ここからは未知のルートである。
標高点付近もカレンフェルトだらけで、岩を縫うように進む。そこからは意外なほどスッキリとした疎林の尾根が続いていた。
いかにも鈴鹿らしい二次林の尾根。植林かヤブかと思っていたのだが、これは登路としても十分楽しめるルートだ。
広々とした台地もあり、期待をいい方に裏切られた結果に頬が緩む。
カレンフェルトが続くヤセ尾根状のところもあり、鍋尻山の美しい姿が見られた。
Ca500mあたりで急降下に移るあたりが少しわかりにくいが、乗ってしまえばあとは一本道である。
下部では古い道型らしきものも出てきて、ぐんぐん下ると民家の屋根に続いて愛車の姿が見えた。
山日和
【山 域】鈴鹿北部 霊仙山
【天 候】晴れ
【コース】山女原駐車地7:25---7:50行者の谷出合---9:40奥の二俣---10:05林道---11:10岩ノ峰12:40---12:45霊仙山最高点
---13:10南霊岳---14:50笹峠---16:10駐車地
霊仙山の界隈でフクジュソウ開花の便りが届いている。鍋尻山やリョウシと言ったマイナーな山も今では人気らしい。
実はフクジュソウを最後に見たのは22年も前の話である。たまたま誘われて鈴鹿の頭陀ヶ平の西側斜面へ探索に行って
以来見たことがない。フクジュソウに限らずこの季節の花はほとんど見る機会がなかった。なぜならば、この季節は常に
雪を追い求めて山に向かっているので、雪の融けた山麓で見る花以外はなかなか見ることがないのである。
今年は雪融けが早過ぎるので、かなり遠征しないと雪山を楽しめない。こういう機会にフクジュソウで有名な霊仙山を訪
れるのもいいだろう。但し、人が多いのを敬遠してあまり歩かれていないルートから登るのが前提条件だ。
𡚴原(あけんばら)の集落横のスペースに車を止める。先客が2台、いずれも鍋尻山へ向かう登山者のようだ。
権現谷の林道を歩き出す。林道上は落石も少なく走るのに支障はないが、今日は駐車地へダイレクトに下りてくる予定だ。
両岸の高い岩壁の間に深く刻まれた権現谷は、荒涼とした印象の割りには不思議なぐらい穏やかな流れである。
岩壁の真ん中の穴から水が噴き出していたり、巨岩の裾から水が湧き出していたりと面白い風景を見せてくれて、林道歩
きも退屈しない。
行者の谷の出合で橋を渡って入渓する。入渓と言っても沢登りではない。
石灰岩の谷はほとんどが伏流で、ツルツルに磨かれたような面白い造形の小滝が連続するが、ビブラムとの相性は抜群に
良く、フリクションが効くので登山靴で登って行くことができる。
まったく水が流れていない谷の沢登りは不思議な感覚に捉われる。
リョウシからの支谷の合流点にフクジュソウの群落があったが、やや盛りを過ぎているようだ。
葉が完全に出て、萎れかけたものも多い。標高が低いので、あと1週間早ければベストだったかもしれない。
荒れた行者の谷を直進するとようやく水流が現れたが、歩くのに支障はない。
周りは植林オンリーで渓相云々するまでもないが、ここは単なる通過点だ。
最後の二俣に着くと、左俣には小さな滝が落ちていた。中間尾根に取付く。ここも見事に植林された尾根だが、枝打ち
もされてよく手入れされてようで明るく、嫌な感じではなかった。
ひたすら急登して林道に出た。ここからは霊仙山南西尾根がよく見えるが、あの高さまで登らねばならないと思うと気が
重い。
この林道を右に行けば南尾根に乗れるのだが遠回りになる。少し歩いたところでショートカッターの血が騒いでなんと
か歩けそうな急斜面に取り付いた。まばらな立ち木と根を頼りに上がって行くが、滑り落ちればアウトなので気が抜けない。
あのまま林道を歩いても時間的には大差なく、体力と精神力はセーブできるだろう。
急がば回れなのだが、これも悲しい性なのである。
青息吐息で主尾根に這い上がってひと息。ソノドの尾根の手前に低く県境稜線が伸びているが、全山植林で真っ黒。
まったく食指の動かない尾根だ。
南尾根には明瞭な踏み跡が続き、林相も悪くはない。
しばらく緩やかな疎林の尾根を歩いて行くと、岩ノ峰直下の急斜面にかかる。ここからは樹林のない、カレンフェルトが
林立する急傾斜をひたすら登ることになるが、それも100mほどの辛抱だ。
突然傾斜が緩むと岩ノ峰に到着である。ここは霊仙山最高点から東に伸びる山上台地の一角に過ぎないが、ここだけが
岩の堆積した高みを形作っており、西側から見るとその名前に納得する眺めが得られる。
今日は春霞みで遠望は得られないし、最高点では人が多そうなのでここでランチタイムとしよう。
最高点との間に雪田が残っていた。これでぬるいビールを飲まなくても済みそうだ。
ビールを入れたポリ袋をぶら下げて雪田を往復。しばらく経つとビールはキンキンに冷えていた。
これからの季節は雪を頼りにできないので、保冷対策をしっかりしなければ。
久しぶりに昼寝までしてのんびりと過ごす。
最高点に立つと登山者は2人だけだった。ほとんどの人はもう下山して行ったのかもしれない。
ここから見る霊仙山上の雄大な眺めは格別のものがある。昨年末に訪れた時の白一色の世界とはまた違う魅力があるのだ。
景色を楽しみながら三角点に向かって進むが、三角点の直前で左に折れて大洞谷の源頭へと下って行く。
何度も踏んでいる三角点には特段の用事があるわけでもない。
積雪期になめらかなうねりを見せていた源頭部はまったくヤブ無しの原っぱである。昔は御池やイブネ同様、背丈を超す
ようなササがはびこって、進むべき方向もわからないぐらいだったのが隔世の感がある。
ショートカットで南霊岳付近に出た。ここから南西尾根を辿る。
カレンフェルトの間にポツポツとフクジュソウが顔を出していた。東側斜面は朝の林道から眺めていた無木立の急斜面だ。
見事なぐらい石以外何もない斜面がどこまでも広がっている。
群落は尾根の西側にあった。1000mを超える標高ではフクジュソウはまさに見頃を迎えていた。
葉が出る前に開花するフクジュソウは、行者の谷で見たものとは違ってほとんど葉が出ていない。花びらのツヤもまったく
違う。まるでワックスをかけたようにツヤツヤした花びらを付けたフクジュソウが今を盛りと咲き誇っていた。
西側斜面をトラバースして行くと小さな池と出会う。山上の池というのはいいものだ。
稜線を外れて右手の丘に上がるとまた違う展望が得られる。
そこから登山道に戻らず斜面をトラバースして行くと、そこからが大群落の始まりだった。
行けども行けども続くフクジュソウの大群落。稜線直下だけではなくかなり下の方まで黄色いかたまりが点々と続いている。
もう一生分のフクジュソウを見たような思いである。
稜線に近いところでは葉が出ていないフクジュソウが、少し下がると葉がもりもりしているのも面白い。ほんの少しの差
でずいぶん違うものだ。
フクジュソウを堪能して下山にかかる。近江展望台からはガラガラの急降下。アルプスの登山道を歩いているような錯覚
を覚える道だ。
下り切ると現れる笹峠付近のブナ林もいい。こういう樹林の景観と森林限界を超えたような岩山のコントラストも霊仙山の
魅力のひとつだろう。
712m標高点の手前で登山道を離れる。ここからは未知のルートである。
標高点付近もカレンフェルトだらけで、岩を縫うように進む。そこからは意外なほどスッキリとした疎林の尾根が続いていた。
いかにも鈴鹿らしい二次林の尾根。植林かヤブかと思っていたのだが、これは登路としても十分楽しめるルートだ。
広々とした台地もあり、期待をいい方に裏切られた結果に頬が緩む。
カレンフェルトが続くヤセ尾根状のところもあり、鍋尻山の美しい姿が見られた。
Ca500mあたりで急降下に移るあたりが少しわかりにくいが、乗ってしまえばあとは一本道である。
下部では古い道型らしきものも出てきて、ぐんぐん下ると民家の屋根に続いて愛車の姿が見えた。
山日和