【越前】極楽尾根周回と大展望の岳ノ谷山
Posted: 2026年2月23日(月) 23:14
【日 付】2026年2月21日(土)
【山 域】越前丹南地方 岳ノ谷山1182.1m
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】河内7:50---9:30 P822m---11:15大野市・池田町境稜線---11:55岳ノ谷山13:50---14:35尾根分岐---
16:45駐車地
岳ノ谷山に登ったのはちょうど20年前の3月である。その時は彼之又川の林道からまず桐ヶ平山に登り、熊河
(くまのこ)峠を経て山頂に立ったのだが、終始深いガスに包まれて展望は皆無。楽しみにしていた桐ヶ平山南側
の複雑な地形も味わうことができず、ただ2つのピークを辿っただけに終わってしまった。
6年前にも同じコースを歩こうとしたのだが、桐ヶ平山頂で小雨模様となり、これでは前回と同じことだとあき
らめて引き返したのだった。
快晴が約束された土曜日。国道417号は雪解けが進んで道端の駐車スペースに困ることもない。
河内トンネルの手前に車を止めて歩き出した。このトンネルは以前冠山に向かう時、トンネルの出口で除雪が
終了していて、トンネルの中に車を止めて登山開始した思い出が2度ある。
トンネルの手前で左に分岐する、「天池の宿」という施設への道に入る。除雪はされていないが、雪はカリカリ
に固まっていてまったく沈むことがない。天池の宿が見えてくると意外なことに急に除雪された道になった。
他に進入する道はないので宿の方から除雪を進め始めているのだろう。
スノーシューを履いて右手に見える緩やかな尾根に取り付く。最初から植林抜きの自然林の尾根である。
まったくヤブもなく、いい方に予想を裏切られた。先月登った2本南側の尾根とはえらい違いだ。
雪はスノーシューを履く必要がないぐらい締まっているが、背中に担いでいるよりは軽くていいだろう。それに
傾斜が急な部分ではヒールリフターを立てればふくらはぎに負担をかけずに登ることができるのである。
手で木の枝をかき分けたり、木を掴んで体を引き上げたりする必要がまったくない極楽尾根だ。
標高が600mを超えるあたりからブナの純林に変わり、以降それがずっと続いた。
振り返ると樹林越しに覗いていた金草岳の姿が露わになってくると同時に、右手に冠山からアラクラに至る白
い雪稜が天空に浮かび上がってきた。
尾根はゆったりと広がり微妙なうねりを見せる場所と、少し痩せた細尾根の部分が交互に現れ、飽きさせること
がない。
伐採された跡だろうか、無木立の白い斜面の奥に大野市・池田町境稜線の青い空が覗いている。この斜面で
振り返ると越美国境稜線が遮るものなくその姿を現した。左手から浅い谷が稜線に向かってゆるゆると上がって
来ている。
再びブナ林に入るとそこが市町境稜線。これを南に進めば宇津井谷山を経て冠山と若丸山をの間の越美国境稜線
に達する。そしてこれから向かう岳ノ谷山からさらに稜線を辿ると桐ヶ平山から部子山へと繋がっている。
考えてみれば不思議なことではないのだが、部子山・銀杏峰と冠山が尾根で結ばれているというのは意外な感じが
したものだ。
これまで閉ざされていた東側の展望が一気に開ける。白山・別山と荒島岳の白さは格別だ。
ここから山頂までの標高差は100mもない。東側の雪庇が落ちた跡の雪堤を見ると、積雪量は3mを超えているだ
ろうか。霧氷が無いのだけが少々残念だが、これ以上ない青空と大展望に包まれてビクトリーロードを進む。
南東方向を見ると長く延びる、大きく開けた温見谷の両脇を固めるように能郷白山と姥ヶ岳の巨体がどっしりと
構えていた。どちらも本当に大きな山だと感じる。
広い雪原状の尾根を進み、市町境稜線と別れるとすぐに岳ノ谷山の山頂に到着である。
山頂は北側以外は無木立の雪のドームとなっていて、270度の展望を得ることができる。
20年前、ホワイトアウトの中でここが一番高そうだから山頂だろうと思っていた場所がこんなに素晴らしいところ
だったとは。グレー1色の世界の中、足元だけを見てステップを刻んだことを思い出す。雪面と空の境界が分からず
感覚がおかしくなってしまったものだ。
その記憶とは同じ場所とは思えないような明るい世界が目の前に広がっている。
どこが山頂かわからないような茫洋とした桐ヶ平山の向こうに部子山と銀杏峰の白いテーブルランドが横たわっ
ている。荒島岳から続く尾根には縫ヶ原山、堂ヶ辻山、岩谷山、御伊勢山と続く。少し霞み気味ではあるが御嶽と
乗鞍岳の姿も見えた。
どちらを向いて腰を降ろすか迷うような展望だが、ここは初めて見る温見谷と能郷白山・姥ヶ岳の姿を選んだ。
この角度で見たことのない、実に新鮮な眺めだ。
スコップを持ってこなかったので、ピッケルで足場を掘ってランチ場所を設置。風もなく暖かい。
この上ない絶景に囲まれてのランチタイムはなんとも贅沢な時間だ。
去り難い思いを残して後ろ髪を引かれながら下山開始。山頂から少し下るとまた谷が入り組んだ複雑な地形が
目を楽しませてくれる。往路の対岸の尾根を下るのだが、その分岐点の手前の風景も魅力的だ。
下山の尾根の始点ははっきりした尾根の形が無く、斜めに下って行く。しかし地形図で見る等高線の詰まり具合
ほどの急傾斜は感じなかった。
鞍部まで下り着くと、北側のハーフパイプのような地形に木が影を落として美しい光景を作り出していた。
小ピークに登り返すと展望とブナの尾根が続く。木の大きさで比べると登りの尾根よりいいかもしれない。
概ね広々とした尾根が続き、随所にゆったりとうねる魅力的な疎林の雪原が現れる。
尾根のど真ん中に立つトチの巨木は、半分枯れかかっていたが抜群の存在感を示していた。
ブナ林から雑木林に変わると山旅の終わりも近い。さすがに雪も緩んできて急斜面ではスノーシューが滑るよう
になってきた。
最後の急斜面はスノーシューを脱いでズボズボはまりながら神社の脇に着地。
境内に立つイチョウの大木は天然記念物に指定されているらしい。
国道を少し歩けば駐車地だ。20年前の忘れものを回収したような気分を味わわせてくれた山旅が終わる。
山日和
【山 域】越前丹南地方 岳ノ谷山1182.1m
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】河内7:50---9:30 P822m---11:15大野市・池田町境稜線---11:55岳ノ谷山13:50---14:35尾根分岐---
16:45駐車地
岳ノ谷山に登ったのはちょうど20年前の3月である。その時は彼之又川の林道からまず桐ヶ平山に登り、熊河
(くまのこ)峠を経て山頂に立ったのだが、終始深いガスに包まれて展望は皆無。楽しみにしていた桐ヶ平山南側
の複雑な地形も味わうことができず、ただ2つのピークを辿っただけに終わってしまった。
6年前にも同じコースを歩こうとしたのだが、桐ヶ平山頂で小雨模様となり、これでは前回と同じことだとあき
らめて引き返したのだった。
快晴が約束された土曜日。国道417号は雪解けが進んで道端の駐車スペースに困ることもない。
河内トンネルの手前に車を止めて歩き出した。このトンネルは以前冠山に向かう時、トンネルの出口で除雪が
終了していて、トンネルの中に車を止めて登山開始した思い出が2度ある。
トンネルの手前で左に分岐する、「天池の宿」という施設への道に入る。除雪はされていないが、雪はカリカリ
に固まっていてまったく沈むことがない。天池の宿が見えてくると意外なことに急に除雪された道になった。
他に進入する道はないので宿の方から除雪を進め始めているのだろう。
スノーシューを履いて右手に見える緩やかな尾根に取り付く。最初から植林抜きの自然林の尾根である。
まったくヤブもなく、いい方に予想を裏切られた。先月登った2本南側の尾根とはえらい違いだ。
雪はスノーシューを履く必要がないぐらい締まっているが、背中に担いでいるよりは軽くていいだろう。それに
傾斜が急な部分ではヒールリフターを立てればふくらはぎに負担をかけずに登ることができるのである。
手で木の枝をかき分けたり、木を掴んで体を引き上げたりする必要がまったくない極楽尾根だ。
標高が600mを超えるあたりからブナの純林に変わり、以降それがずっと続いた。
振り返ると樹林越しに覗いていた金草岳の姿が露わになってくると同時に、右手に冠山からアラクラに至る白
い雪稜が天空に浮かび上がってきた。
尾根はゆったりと広がり微妙なうねりを見せる場所と、少し痩せた細尾根の部分が交互に現れ、飽きさせること
がない。
伐採された跡だろうか、無木立の白い斜面の奥に大野市・池田町境稜線の青い空が覗いている。この斜面で
振り返ると越美国境稜線が遮るものなくその姿を現した。左手から浅い谷が稜線に向かってゆるゆると上がって
来ている。
再びブナ林に入るとそこが市町境稜線。これを南に進めば宇津井谷山を経て冠山と若丸山をの間の越美国境稜線
に達する。そしてこれから向かう岳ノ谷山からさらに稜線を辿ると桐ヶ平山から部子山へと繋がっている。
考えてみれば不思議なことではないのだが、部子山・銀杏峰と冠山が尾根で結ばれているというのは意外な感じが
したものだ。
これまで閉ざされていた東側の展望が一気に開ける。白山・別山と荒島岳の白さは格別だ。
ここから山頂までの標高差は100mもない。東側の雪庇が落ちた跡の雪堤を見ると、積雪量は3mを超えているだ
ろうか。霧氷が無いのだけが少々残念だが、これ以上ない青空と大展望に包まれてビクトリーロードを進む。
南東方向を見ると長く延びる、大きく開けた温見谷の両脇を固めるように能郷白山と姥ヶ岳の巨体がどっしりと
構えていた。どちらも本当に大きな山だと感じる。
広い雪原状の尾根を進み、市町境稜線と別れるとすぐに岳ノ谷山の山頂に到着である。
山頂は北側以外は無木立の雪のドームとなっていて、270度の展望を得ることができる。
20年前、ホワイトアウトの中でここが一番高そうだから山頂だろうと思っていた場所がこんなに素晴らしいところ
だったとは。グレー1色の世界の中、足元だけを見てステップを刻んだことを思い出す。雪面と空の境界が分からず
感覚がおかしくなってしまったものだ。
その記憶とは同じ場所とは思えないような明るい世界が目の前に広がっている。
どこが山頂かわからないような茫洋とした桐ヶ平山の向こうに部子山と銀杏峰の白いテーブルランドが横たわっ
ている。荒島岳から続く尾根には縫ヶ原山、堂ヶ辻山、岩谷山、御伊勢山と続く。少し霞み気味ではあるが御嶽と
乗鞍岳の姿も見えた。
どちらを向いて腰を降ろすか迷うような展望だが、ここは初めて見る温見谷と能郷白山・姥ヶ岳の姿を選んだ。
この角度で見たことのない、実に新鮮な眺めだ。
スコップを持ってこなかったので、ピッケルで足場を掘ってランチ場所を設置。風もなく暖かい。
この上ない絶景に囲まれてのランチタイムはなんとも贅沢な時間だ。
去り難い思いを残して後ろ髪を引かれながら下山開始。山頂から少し下るとまた谷が入り組んだ複雑な地形が
目を楽しませてくれる。往路の対岸の尾根を下るのだが、その分岐点の手前の風景も魅力的だ。
下山の尾根の始点ははっきりした尾根の形が無く、斜めに下って行く。しかし地形図で見る等高線の詰まり具合
ほどの急傾斜は感じなかった。
鞍部まで下り着くと、北側のハーフパイプのような地形に木が影を落として美しい光景を作り出していた。
小ピークに登り返すと展望とブナの尾根が続く。木の大きさで比べると登りの尾根よりいいかもしれない。
概ね広々とした尾根が続き、随所にゆったりとうねる魅力的な疎林の雪原が現れる。
尾根のど真ん中に立つトチの巨木は、半分枯れかかっていたが抜群の存在感を示していた。
ブナ林から雑木林に変わると山旅の終わりも近い。さすがに雪も緩んできて急斜面ではスノーシューが滑るよう
になってきた。
最後の急斜面はスノーシューを脱いでズボズボはまりながら神社の脇に着地。
境内に立つイチョウの大木は天然記念物に指定されているらしい。
国道を少し歩けば駐車地だ。20年前の忘れものを回収したような気分を味わわせてくれた山旅が終わる。
山日和
3月を通り越して4月の陽気が続きますね。山の雪もどんどんと融けているのでしょうね。