【高見山地】滝登りを楽しんだあとは桃源郷でまったり〜三峰山わさび谷〜
Posted: 2021年9月12日(日) 09:58
【 山 域 】高見山地 櫛田川流域 月出川支流
【メンバー】単独
【 天 候 】快晴
【 ルート 】月出登山口 8:20 --- 9:11 8m滝 --- 10:45 八丁平 12:35 --- 13:19 ゆりわれコース登山口 --- 13:37 駐車地
車窓から見える山の輪郭が今までになくくっきりしている。もう秋なのだ。天候不順だったこの夏。もう沢の季節は過ぎたのかと思っていたのだが,今日は珍しく快晴で気温も30度を超えるという。緊急事態宣言のせいで市営のテニスコートは閉鎖され,週末の楽しみがなくなってしまった。こんな日に家にいるのもどうかと思い,沢に行くことにしたのだった。
目的地は三峰山に突き上げるわさび谷。標高700mから1200mまでを一挙に登る谷だ。わさび谷はこれで5回目。前回は2017年で,午前中テニスを楽しんだあと,わさび谷に入り源流部で沢泊をしたのだった。そのあと4年間来なかったのは,短い半日沢なのでここで1日を潰すのがもったいないと思ったのだった。今回は上でのんびりし,帰りにのんびり温泉に浸かってこようという算段なのだ。
月出登山口の駐車場に車を置き,登山道を20mほど歩いてから右側の谷に下りていく。駐車場から即入渓のパターンである。少し行くと堰堤。右側を越える。このあと谷はゴルジュになり,一挙に薄暗い谷になる。南向きでしかも快晴にもかかわらず谷中は薄暗い。これだけ暗いとまた手ぶれのぼけ写真を量産することになりそうだ。
谷の中は倒木が目立ち,木屋谷川の雰囲気に慣れた目にはやや荒れた印象を受ける。堰堤後も目立った滝は現れず,ゴーロ歩きにも飽きた。こんな谷だったっけと思った頃にようやく目の前に最初の連瀑帯が現れた。一つ一つの滝は数m程度なのだが,それらが連なってひとつの滝のようになっている。これらを一つの滝とみなすと,落差は50mほどもあろうか。傾斜はそれなりにあるが,適度な足がかりがあるので,すべて直登可能である。 短い谷なのはわかっているので,最初から流芯にこだわって登っていく。やっぱり滝登りは面白い。日頃癒し渓が大好きと言っているのだが,やっぱりある程度の滝がないと面白くない。結局はクライミング系統の運動が好きなのだろう。連瀑帯を登りきって頭がすっきりする。 連瀑帯を過ぎてしばらくで唯一直登できない8m滝。直登できないと言っても本当に登れないわけではない。ロープを出せば登るのはそんなに難しくはない。落ちるとタダでは済まないだけである。昔,トップロープで登ったことがあるが,そんなに難しい登りではなかった。ただ,登ってそれほど達成感のある滝でもないので一度登っておけば十分だろう。ここはおとなしく左岸を巻き登る。巻きは簡単である。 このあとも直登できる数mクラスの滝がいくつも出てきて飽きることがない。やっぱり面白い谷なのだ。いかにも大人の遊園地である。滝を登って遊んでいるうちに気がつくと山の上に着いている。沢登りを覚えると普通の登山道を登る気がしない。 こんな面白い谷が稜線直下の1150mあたりまで続いているのだ。最後の滝を過ぎるといきなり源流の雰囲気になる。ゆるやかな傾斜をせせらぎが蛇行しながら流れている。周囲はオオイタヤメイゲツ林。こんなところでのんびりテント泊も悪くない。 前日までの雨のせいか今日は源流まで水が流れている。水がなくなったと思ったらそこは八丁平だった。平日だというのに2,3組の人が歩いている。さすがに人気の三峰山だ。案内板近くの芝の上にシートを敷いてのんびりする。まだ午前11時前なのだ。周囲にはアキアカネが飛び,気持ちのいい風が吹いている。急いで下山する必要は何もないのだ。こんなことならビールと焼肉を準備してくればよかった。 目の目には迷岳。その右には桧塚,池小屋山,野江俣の頭などの台高の山々,さらに遠くに大台ケ原が見える。シートの上に寝そべって読書。疲れたら昼寝だ。その間も何組もの登山者が通り過ぎる。
帰りはゆりわれ道をのんびり下山する。よく整備されて歩きやすい道だ。駐車地に着いてもまだ2時前。スメールも道の駅の日帰り温泉も緊急事態宣言でしまっているので,津市内の日帰り温泉でのんびりして帰る。こんなまったり沢行も悪くない。