【奥美濃】笠羽湿原 山上の別天地と地獄のヤブ漕ぎと花の回廊

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山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【奥美濃】笠羽湿原 山上の別天地と地獄のヤブ漕ぎと花の回廊

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2021年6月5日(土)
【山 域】奥美濃 石徹白周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】大杉登山口7:20---8:35笠羽谷入渓点---11:15林道出合---12:45笠羽湿原14:20---15:45 P1784m---16:05銚子ヶ峰
     16:20---16:50神鳩避難小屋---18:00登山口

 思い出は美化されがちである。いい印象の強い思い出は、その前後の苦しかった記憶を薄めてしまうのだ。
今回の山行はまさにそれで、昔の記憶を忘れて最初から楽勝ムードを漂わせていた。
 石徹白大杉の登山口にはすでに数台の車が止まっていた。全員が銚子ヶ峰や三ノ峰、あるいは別山まで足を延ばすのだ
ろう。少なくとも林道を奥に進む登山者はまずいない。
昨日の大雨のおかげで、登山口までの舗装林道上も川のように水が流れているところが多かった。
笠羽谷へ向かう道もジュクジュクで、最初から沢靴を履いていて正解だ。

 大滝の手前あたりから荒れが酷くなり、もはや林道の体をなしていない。笠羽橋の入口も分からないような状態で、か
つては車で走れる道だったとはとても思えない。
登山道よりも酷いレベルの薄い踏み跡を辿って入渓点に到着。10数年前に2度この道を歩いているが、もう復活すること
もなく、荒れるに任せるだけだろう。

 笠羽谷はやや増水気味だが、遡行が困難というほどではない。ただ、できるだけ浸かりたくないので、岸に踏み跡があ
る部分は水を避けて距離を稼ぐ。


P6050026_1.JPG

 以前遡行した時にはなかった異変が目の前に現れた。夥しい流倒木が谷を埋めている。
近年の水害の傷跡はここにもあったのだ。笠羽谷は沢登りとしてはとりたてて特徴もない、坦々と遡行できる易しい谷だ
が、流れは美しいというのが取り柄だった。しかしこの倒木の山はその美点を消し去ってしまった。
どこから攻めるか頭をフル回転させて、フィールドアスレチックの弱点を探る。ここまででずいぶん時間を食ってしまった。


P6050035_1.JPG
P6050065_1.JPG

 倒木地帯が終わり、ようやく普通に歩ける状態になった。しかし今度は別の意味でペースが落ちてしまうようになる。
次々に現れる花に、つい足を止めることを余儀なくされるのだ。
ふと見上げた右岸の枯れ谷にサンカヨウの群落を発見。先は長いがここを素通りするわけにはいかない。サンカヨウは私
のもっとも好きな花のひとつなのだ。
この後も、スミレの類は当然として、リュウキンカやミズバショウ、ツバメオモト、ミゾホオズキ、エンレイソウといっ
た花達が先を急がせてくれない。

P6050089_1.JPG

 正面に見える岩壁から落ちる大きな滝は、右岸の支流のものだ。初めて訪れた時は、えっ、本流こんな大滝があったの
かと驚いたものだ。
 谷の真ん中の岩にあり得ないものが引っ掛かっていた。スノボである。積雪期に笠羽湿原周辺を滑っていて、足から外
れて谷へサヨナラしてしまったのか。はたまた谷に迷い込んだボーダーの遭難の痕跡か・・・・
 
 思ったより時間が経過しているが、Ca1460mの林道出合まで行けば後は楽勝・・・と決めつけていた。
一旦林道に上がって行程を稼いでと思っていたのだが、この林道も荒れ放題。10数年前の記憶とはまったく違っていた。
林道上で激ヤブ漕ぎをするのもたまらず、再度谷筋へ下りる。
 ここから先は地形図通りの平流が続く。すっかり少なくなった水流をチャプチャプと歩くだけならいいのだが、左右か
ら被る潅木が鬱陶しい。スッキリした部分とヤブを漕ぎながらの沢歩きが交互に現れ、時間だけが経過して行く。
もう越美国境稜線とはほとんど高低差がないぐらいの高度まで来ているのに、なかなか近付かない。

 源流で1本手前の支流に入る。ここまで来ると溝の中をヤブ漕ぎしている状態だ。すると小さく開けた場所が現れた。
ミズバショウも咲いている。ここは以前「第二笠羽湿原」と名付けたミニ湿原だ。ここまで来れば笠羽湿原は近い。

東に向かってササを漕いで行く。


P6050147_1.JPG
P6050157_1.JPG

 やがてササの向こうにポッカリと広がる平地に飛び出した。これが真正の笠羽(笠場)湿原である。
かつては一面に広がる池塘にミズバショウが群生する、まさに天上の楽園と呼ぶに相応しい場所だった。(私はその頃を
知らないが、20年ほど前まではそうだったらしい)
今は裸地が進み、池塘の面積もずいぶん小さくなってしまった。おまけにミズバショウの姿もほとんど見られない。
以前、白山の写真家の木村芳文氏にメールで問い合わせた時の話では、2002年頃にイノシシの仕業でこうなってしまった
のではということだった。これも自然の摂理ならしょうがないことだが、いかにも残念である。
往時の姿は失われたとは言え、三ノ峰と願教寺山を望む山上の別天地であることに変わりはない。
ほとんどがササで覆われたこの山稜上に、奇跡のように存在するオアシスなのだ。
積雪期にこの上を通過する登山者は多いが、無雪期にこの風景を眺めた人は数少ないだろう。
この極上のレストランでのんびりとランチタイムを楽しんだ。


P6050180_1.JPG

 帰路の美濃禅定道まで標高差200mばかり。道はないがそれほど苦労した記憶はない。(と勘違いしていた)
腰を上げてササの海へ漕ぎ出した。ササの背丈の低いところ、生え方の薄いところを選んで進もうとするが、なかなか
そんな具合のいい場所はない。とにかく方向を決めてひたすら泳ぐしかないのである。
 考えてみれば、以前と言っても10数年前。自分もまだ50歳そこそこだった。ヤブを漕ぐにしてもパワーが違う。
昔の記憶と違うのはあたり前なのだ。

 一段上がった1600mの台地には「つなぎぶしのひのき」と呼ばれる桧の密叢がある。1本の桧が横に根を張り、高く伸
びずに背丈ほどの高さに蟠った怪木である。右手の方にチラッと視界に入ったが、見物に行く心の余裕もなく、目の前に
広がる雪田にホッとひと息ついた。
ここから先はやや傾斜が強まる。右手でかき分けたササをガッチリ掴み、次に左手で同じ動作をした後、足場を決めてグ
ッと体を引き上げる。その繰り返しが続いた。


P6050183_1.JPG

 やがて傾斜がなくなると、1784mピークに到着。目の前には高速道路のような美濃禅定道があった。
道というのはこんなにも楽なものなのかと実感させられる瞬間だ。
 ここまで来れば下山したも同然である。また花を楽しみながらのんびりと歩く。ミツバオウレンの絨毯が続き、ミヤマ
キンポウゲやキンキマメザクラ、ムラサキヤシオ、ツボスミレなどが目を楽しませてくれる。
展望も最高で、別山から日照岳へと続く長い稜線、石徹白川両岸の願教寺、日岸、薙刀、野伏、丸山、芦倉、奥越の赤兎、
大長、経ヶ岳、荒島、そして越美国境稜線の山々に加えて、御嶽、乗鞍、穂高の山々まで、一望のもとだ。


P6050189_1.JPG

 銚子ヶ峰を出発したのは4時を回っていた。早足で下山を開始したが、足元を見るとスピードが落ちて足が止まってしま
う。ツバメオモト、イワナシ、タムシバ、ウワミズザクラ、マイズルソウ、ユキザサと、途切れることなく花は続き、最
後はブナ林へ突入。仕上げに石徹白大杉を見て濃厚な一日を終えた。

 余談だが、下山後、営業を再開したしろとり温泉で汗を流した。
昨年の3月で営業をを休止していたのたが、経営が変わって再び白鳥町内で温泉に入れるようになったのだ。
驚いたことに、以前と同じだったのは建物(外観は改装しているが)だけで、中の施設、エントランスから食堂、休憩室は
もちろん、浴室まですべて生まれ変わっていた。相当カネがかかっているだろう。
残念なことに、コロナによる営業時間短縮で、新装なったレストランで夕食を取れなかったのが心残りである。

                     山日和
biwaco
記事: 1422
登録日時: 2011年2月22日(火) 16:56
お住まい: 滋賀県近江八幡市

Re: 【奥美濃】笠羽湿原 山上の別天地と地獄のヤブ漕ぎと花の回廊

投稿記事 by biwaco »

山日和導師さま、とうとうホンマの梅雨入りですね。その前に忌まわしい藪沢突入でしたか! 「笠羽温泉」ならいつでも入りたいですけど…。
あっ! satoさん道づれですか(@_@。可哀想に。
 思い出は美化されがちである。いい印象の強い思い出は、その前後の苦しかった記憶を薄めてしまうのだ。
今回の山行はまさにそれで、昔の記憶を忘れて最初から楽勝ムードを漂わせていた。
そうなんですがな!(遭難ではないけれど)。「こんなはずではなかったのに…」 いつもそう後悔しながら、いつの間にか忘れて突入モードに入っております。
 以前遡行した時にはなかった異変が目の前に現れた。夥しい流倒木が谷を埋めている。
台風のたびに「ハードル」が新設されるようで、越えるのが大変です。いっそ超大雨で全部押し流してほしいですね。(^_-)
しかし今度は別の意味でペースが落ちてしまうようになる。
次々に現れる花に、つい足を止めることを余儀なくされるのだ。
サンカヨウは私のもっとも好きな花のひとつなのだ。
ブナフェチとは思ってましたが、おはなちゃんのファンでもあったんですね(^^♪
「もっとも好き」ランクの他のメンツは?
 正面に見える岩壁から落ちる大きな滝は、右岸の支流のものだ。
立派な滝ですね!fbで拝見しましたが…。
 谷の真ん中の岩にあり得ないものが引っ掛かっていた。スノボである。
これも。ボードだけでよかったですね。ボーンまで見つけたら警察ざたですがな。(@_@。
一旦林道に上がって行程を稼いでと思っていたのだが、この林道も荒れ放題。10数年前の記憶とはまったく違っていた。
美化された思い出(私の)では、なんとか道型を下れたんですが、考えてみれば残雪でヤブはネンネしてたんだ(@_@。
すると小さく開けた場所が現れた。ミズバショウも咲いている。ここは以前「第二笠羽湿原」と名付けたミニ湿原だ。
またまた美化された過去ログ(^^♪
やがてササの向こうにポッカリと広がる平地に飛び出した。これが真正の笠羽(笠場)湿原である。
popotanいわく「カスバの女」ですね。苦しすぎるけど(^_-)
無雪期には行ったことないけど、楽園なのか地獄なのか? 跳んだ嗚唖死スなのかも!
考えてみれば、以前と言っても10数年前。自分もまだ50歳そこそこだった。ヤブを漕ぐにしてもパワーが違う。
ですね~(>_<) 記憶とは過ぎ去りし日々の一コマ。勘違いしてはいけませんね。現実を直視します(゜o゜)
道というのはこんなにも楽なものなのかと実感させられる瞬間だ。
まったく御意! 人の道を外してはいけません。
 銚子ヶ峰を出発したのは4時を回っていた。早足で下山を開始したが、足元を見るとスピードが落ちて足が止まってしまう。
日が長いこの時期は助かります。先日も最終ピークは4時頃でしたが、焦りはありませんでした。
 余談だが、下山後、営業を再開したしろとり温泉で汗を流した。
「美人の湯」ではなくなった? 入浴料は変わらずですか?
ところで「満天の湯」の選択肢はなしですか?

            ~びわ爺
sato
記事: 417
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【奥美濃】笠羽湿原 山上の別天地と地獄のヤブ漕ぎと花の回廊

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんにちは。
いきなり暑くなりましたね。
梅雨はどこに行ってしまったのだろうと思っていたら、今朝、ザザッと。もう止んでしまいましたが。

「思い出は美化されがちである」
願教寺山と笠羽湿原は、山日和さんにとって思い入れの強い地ですものね。
美化されるのではなく、大変だったこともうつくしい思い出として、
こころのアルバムに貼られているのでしょうね。
そう、お百度参り!の途中?でもありますし。

昨春は、残雪の笠羽湿原と笠羽谷右岸を味わわせていただきました。
願教寺山の頂上までは行かずに、こころゆくまで眺め、雪原の笠羽湿原をゆったり味わう旅。
豊かなお山の時間でした。
のんびりしすぎて、大杉を一緒に出発して、薙刀山まで向われたSさん達と同じ時間の下山になりました。

今年は初夏の沢山旅。山日和さん、笠羽谷は二回遡行されているのですね。
楽勝ムードに、この日、体調が万全でない私も安心しきっていました。

少し遡ると、流倒木で谷が塞がれてしまい、この殺伐とした光景はどこまで続くのだろう、と心配になりました。
うつくしい流れがこころに刻まれている山日和さんは、愕然とされていましたね。
楽勝ムードではなくなってきました。

気を取り直し、少しでも歩き易い箇所をすっと選び、淡々と進まれていく山日和さん
(頭の中は、どこから攻めるかフル回転させて弱点を探っていらっしゃったのですね)、
後を追う私は、四足歩行でした。

二枚目の写真、苔むした岩の間を通り抜けてゆく清冽な流れが目に飛び込んだ瞬間、歓声をあげていました。
ここからは、情趣溢れる流れ、愛らしい花ばなに目を奪われ、足を止める回数が増えましたね。
ヤブでも立ち止まりましたが。

サンカヨウの谷は圧巻でした。お花が小さく感じたのは、まわりの葉っぱが大きかったからですね。
霧の日に訪れたら小人を見かけそうな、夢のような谷でした。

ヤブの隙間にミズバショウを見つけた時は、
うれしさとせつなさが溶け合った感情が、胸の奥から湧き上がってきました。
ミズバショウは、何故、ひとのこころを揺り動かすのでしょうね。
こころの奥深くで、ぽっと煌めいている、ちいさな灯のようなうつくしい記憶に、
静かに触れてくるからなのかもしれませんね。

標高1390m辺り、谷が広くなり、茶色い岩肌と真っ直ぐに流れ落ちる滝の光景には目を見張りました。
地形図からは想像できないダイナミックな光景でした。

時計と地図を交互に見ながら、林道に出たら距離を稼ごうとおっしゃった時は、あれっ?と思いました。
確か林道は、ヤブに加え道の原型もとどめていないと、
本でも、つい最近のクロオさんのレポのコメントでも書かれていたのに。
やっぱりとんでもなかったですね。

谷もヤブが覆いかぶさり、予定ルートを変更して枝谷に入ったのですね。
ヤブの向こうから「あった。」という山日和さんのうれしそうな声が聞こえ、近づくと
「わぁ。」の後、言葉が続きませんでした。
ササの海がいとおしく包んだちいさなちいさな宝物。
山日和さんは、この湿原を前回?前々回?見つけたのですね。
そして、今回は笠羽湿原へは違うルートでと思われていたのですね。
あらたな宝物に出会うかもしれないと。
山日和さんにとっては、同じルートになってしまいましたが、私は大感激でした。

「ここから北東に進めば笠羽湿原」
憧れの地へと近づいていく幸福感に包まれ、ササの波を越えていきました。
緑の海の向こうには青い願教寺山が静かに佇んでいました。
そして、夢見た湿原の岸のまん中に、ぽんと出ました。

「調子ヶ峰、三の峰、願教寺山に囲まれたヤブの海にぽっかりと開けた山上の楽園」
「ほとんどササで覆われたこの山稜上に、奇跡のように存在するオアシス」
わたしは、ぽかんと口を開けて、暫しの間、立ち尽くすばかりでした。

湿原の中心に一株のミズバショウが咲いていましたね。
山上の楽園に咲く一株のミズバショウの気高さ。純白の輝きがこころに突き刺さりました。
山日和さん、湿原を踏まぬよう、端っこをいとおしく歩く姿が印象的でした。

美濃禅定道までは、増永廸男さんの『霧の山』の「願教寺山から銚子ヶ峰」を思い浮かべながら、
ササの海を漕いでいました。
昨春、つなぎぶしのひのき(なかなか言えませんが、すらすらと書けます(笑))の大きさに触れ、
今度は、泰澄大師が退治した1000匹の蛇が絡まり合ったといわれる根元を覗こうとお話していましたが、
余裕がなかったですね。

笠羽谷右俣源流の、雪原と石徹白の山やまの情景も素晴らしかったですね。
ヤブ漕ぎの最後は、あともう少しで楽になるという気持ちと、
あともう少しで終わってしまうという気持ちが入り交ざっていました。
ルートファインディングしていただく山日和さんの後ろをついていたからですが。

美濃禅定道も素晴らしかったです。
三の峰から手前は、無積雪期には歩いたことがありませんでした。
最高の展望、咲き乱れる花々に、急いで下るのはもったいない、と何度も足が止まりましたね。
山日和さん、何十枚写真を撮られたのでしょうか。

『霧の山』を初めて手に取った日、透き通った言葉で紡がれた風景の数々にどきどきしました。
文字を追いながら、チシマザザの海から見上げた、願教寺山から銚子ヶ峰の風景を思い描いていました。
大変なのだろうけれど、すべてを包み込む、うつくしくゆたかなお山の世界。

「今ではなつかしくさえ思える笹の広い尾根が、
黒い木立を交えて、庭園のように延びてゆき、
逆光の中で平板に見える願教寺山に連なっている。
その先の、よも太郎、日岸、薙刀、野伏ヶ岳は黒い重なりだった」

この透明な風景を、
夕方の光に包まれたササの海から見つめているわたしを想像しました。

山日和さんの「願教寺山」の文章を読んだ時、『霧の山』の世界を味わわれているのだ、と感じました。
見果てぬ夢と思っていた、ササの海からの石徹白のお山、緑の笠羽湿原を味わうことが出来、しあわせでした。
ありがとうございます。

余談ですが、あんなにヤブと戯れたのに、一匹のダニも見かけず(気づかず?)、虫刺されもありませんでした。
一時、ササの葉のほこりを吸い、のどが痒くなり、せきが止まらなくなりましたが。
山日和さんは虫刺され大丈夫でしたか。

長々とすみません(汗)
とっても、豊かな沢山旅でしたので、書きだしたら止まらなくなってしまいました。

琵琶爺さん、ご安心ください!


sato
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山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥美濃】笠羽湿原 山上の別天地と地獄のヤブ漕ぎと花の回廊

投稿記事 by 山日和 »

biwa爺さん、どうもです。

山日和導師さま、とうとうホンマの梅雨入りですね。その前に忌まわしい藪沢突入でしたか! 「笠羽温泉」ならいつでも入りたいですけど…。
あっ! satoさん道づれですか(@_@。可哀想に。

ところがsatoさんは大喜びなんですよ。かなりMっ気が強いのかも。 :mrgreen:

そうなんですがな!(遭難ではないけれど)。「こんなはずではなかったのに…」 いつもそう後悔しながら、いつの間にか忘れて突入モードに入っております。

かなり身に覚えがありそうですね。 :lol:

台風のたびに「ハードル」が新設されるようで、越えるのが大変です。いっそ超大雨で全部押し流してほしいですね。(^_-)

ホンマです。でも生きてるうちには無理でしょうねえ。

>サンカヨウは私のもっとも好きな花のひとつなのだ。

ブナフェチとは思ってましたが、おはなちゃんのファンでもあったんですね(^^♪
「もっとも好き」ランクの他のメンツは?


子供頃は「おはなはん」のファンでした。 :lol:
好きな花と言えば、白玉やシロヤシオかな。なんか白い花ばっかりですね。
でも、なんでもない雑草みたいな花も好きですよ。


さすがにこれは回収できない
さすがにこれは回収できない

>谷の真ん中の岩にあり得ないものが引っ掛かっていた。スノボである。

これも。ボードだけでよかったですね。ボーンまで見つけたら警察ざたですがな。(@_@。


ナポレオンソロに捜査依頼しますか。伝言はすぐに消滅しますが。 :mrgreen:

美化された思い出(私の)では、なんとか道型を下れたんですが、考えてみれば残雪でヤブはネンネしてたんだ(@_@。

雪が消えた直後はまだマシでしょうね。でもあれから酷くなる一方だと思います。


さて、道はどこでしょう?
さて、道はどこでしょう?

>すると小さく開けた場所が現れた。ミズバショウも咲いている。ここは以前「第二笠羽湿原」と名付けたミニ湿原だ。

またまた美化された過去ログ(^^♪


これは美化しなくともそのままでした。 :D

>やがてササの向こうにポッカリと広がる平地に飛び出した。これが真正の笠羽(笠場)湿原である。

popotanいわく「カスバの女」ですね。苦しすぎるけど(^_-)
無雪期には行ったことないけど、楽園なのか地獄なのか? 跳んだ嗚唖死スなのかも!

ここ~は地の果て石徹白~♬
ここだけ見れば正真正銘のオアシスです。


池塘と銚子ヶ峰
池塘と銚子ヶ峰

>考えてみれば、以前と言っても10数年前。自分もまだ50歳そこそこだった。ヤブを漕ぐにしてもパワーが違う。

ですね~(>_<) 記憶とは過ぎ去りし日々の一コマ。勘違いしてはいけませんね。現実を直視します(゜o゜)


その通りです。思い出は美し過ぎて~♬

>道というのはこんなにも楽なものなのかと実感させられる瞬間だ。

まったく御意! 人の道を外してはいけません。


行き詰ったら人道支援を!!

P6050171_1.JPG

日が長いこの時期は助かります。先日も最終ピークは4時頃でしたが、焦りはありませんでした。

とは言え、下山は早い越したことはありません。(お前が言うな? :mrgreen: )

「美人の湯」ではなくなった? 入浴料は変わらずですか?
ところで「満天の湯」の選択肢はなしですか?


源泉名が「美人の湯しろとり温泉」なのでそのままです。入浴料は700円
入場も退出もゲートシステムになってました。
満点の湯は露天風呂から石徹白の山々が見えていいんだけど、食事がちょっとですね。

               山日和
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山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥美濃】笠羽湿原 山上の別天地と地獄のヤブ漕ぎと花の回廊

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、どうもです。お疲れさまでした。

願教寺山と笠羽湿原は、山日和さんにとって思い入れの強い地ですものね。
美化されるのではなく、大変だったこともうつくしい思い出として、
こころのアルバムに貼られているのでしょうね。
そう、お百度参り!の途中?でもありますし。


確かに特別な場所ですね。
大変だったことは大変だったこととして頭に刻み込まれてますよ。
お百度まであと90回!! :lol:

昨春は、残雪の笠羽湿原と笠羽谷右岸を味わわせていただきました。
願教寺山の頂上までは行かずに、こころゆくまで眺め、雪原の笠羽湿原をゆったり味わう旅。
豊かなお山の時間でした。


昨年は最初から願教寺まで行く気がなかったけど、後で考えれば行ってもよかったかな。
あそこでランチタイムを楽しむのが目的だったもんで。 :mrgreen:


P6050025_1.JPG

少し遡ると、流倒木で谷が塞がれてしまい、この殺伐とした光景はどこまで続くのだろう、と心配になりました。
うつくしい流れがこころに刻まれている山日和さんは、愕然とされていましたね。
楽勝ムードではなくなってきました。


こんなはずではという思いと、経過して行く時間に心が折れそうになりましたよ。 :oops:

二枚目の写真、苔むした岩の間を通り抜けてゆく清冽な流れが目に飛び込んだ瞬間、歓声をあげていました。
ここからは、情趣溢れる流れ、愛らしい花ばなに目を奪われ、足を止める回数が増えましたね。


やっと始まったかという感じでした。


P6050066_1.JPG

サンカヨウの谷は圧巻でした。お花が小さく感じたのは、まわりの葉っぱが大きかったからですね。
霧の日に訪れたら小人を見かけそうな、夢のような谷でした。


あれは見事でしたね。よく見つけました。

ヤブの隙間にミズバショウを見つけた時は、
うれしさとせつなさが溶け合った感情が、胸の奥から湧き上がってきました。
ミズバショウは、何故、ひとのこころを揺り動かすのでしょうね。


あの小さいミズバショウは清楚で端正な姿が印象的でした。
ミズバショウもデカくなり過ぎたおばけみたいなヤツは美しいと感じませんね。


P6050087_1.JPG

標高1390m辺り、谷が広くなり、茶色い岩肌と真っ直ぐに流れ落ちる滝の光景には目を見張りました。
地形図からは想像できないダイナミックな光景でした。


あの穏やかな谷の風景が、あそこだけ荒々しい岩肌を晒してましたね。初めて訪れた時は本流にこんな滝がとびっくりしました。


P6050101_1.JPG

時計と地図を交互に見ながら、林道に出たら距離を稼ごうとおっしゃった時は、あれっ?と思いました。
確か林道は、ヤブに加え道の原型もとどめていないと、
本でも、つい最近のクロオさんのレポのコメントでも書かれていたのに。
やっぱりとんでもなかったですね。


それは下の方の話で、あの闇下の時もこの部分は林道を歩いてたんですよ。

ヤブの向こうから「あった。」という山日和さんのうれしそうな声が聞こえ、近づくと
「わぁ。」の後、言葉が続きませんでした。
ササの海がいとおしく包んだちいさなちいさな宝物。
山日和さんは、この湿原を前回?前々回?見つけたのですね。

このミニ湿原もなかなか良かったでしょう。
本家笠羽湿原へのプロローグです。

「ここから北東に進めば笠羽湿原」
憧れの地へと近づいていく幸福感に包まれ、ササの波を越えていきました。
緑の海の向こうには青い願教寺山が静かに佇んでいました。
そして、夢見た湿原の岸のまん中に、ぽんと出ました。


見事にピンポイントで辿り着いたでしょ。エッヘン。 :lol:


P6050153_1.JPG

湿原の中心に一株のミズバショウが咲いていましたね。
山上の楽園に咲く一株のミズバショウの気高さ。純白の輝きがこころに突き刺さりました。
山日和さん、湿原を踏まぬよう、端っこをいとおしく歩く姿が印象的でした。


かつてはこの湿原を覆い尽くすように咲いていたはずのミズバショウ。今はその面影もありませんが、いいところであることは間違いありません。

美濃禅定道までは、増永廸男さんの『霧の山』の「願教寺山から銚子ヶ峰」を思い浮かべながら、
ササの海を漕いでいました。


「ネマガリダケは顔の高さを超すと性格を一変させ、猛々しく立ちはだかる」という一節を、実感を持って思い出しました。

P6050180_1.JPG

笠羽谷右俣源流の、雪原と石徹白の山やまの情景も素晴らしかったですね。
ヤブ漕ぎの最後は、あともう少しで楽になるという気持ちと、
あともう少しで終わってしまうという気持ちが入り交ざっていました。
ルートファインディングしていただく山日和さんの後ろをついていたからですが。


私は「はよ終わってくれんか」とばかり考えてましたよ。 :lol:

美濃禅定道も素晴らしかったです。
三の峰から手前は、無積雪期には歩いたことがありませんでした。
最高の展望、咲き乱れる花々に、急いで下るのはもったいない、と何度も足が止まりましたね。
山日和さん、何十枚写真を撮られたのでしょうか。


この時期のこの道は足早に通り過ぎることは不可能ですね。同じ花でも何枚も撮りたくなってしまいます。


P6050228_1.JPG

『霧の山』を初めて手に取った日、透き通った言葉で紡がれた風景の数々にどきどきしました。
「今ではなつかしくさえ思える笹の広い尾根が、
黒い木立を交えて、庭園のように延びてゆき、
逆光の中で平板に見える願教寺山に連なっている。
その先の、よも太郎、日岸、薙刀、野伏ヶ岳は黒い重なりだった」


霧の山、いい本ですね。霧の森と合わせて増永廸男氏の世界観が感じられる著作です。

山日和さんの「願教寺山」の文章を読んだ時、『霧の山』の世界を味わわれているのだ、と感じました。
見果てぬ夢と思っていた、ササの海からの石徹白のお山、緑の笠羽湿原を味わうことが出来、しあわせでした。
ありがとうございます。


増永さんのように歩き、増永さんのように書けたらいいなと思ってました。
自然体で登って、押しつけがましくない透明感のある文章で書き表わすのが理想です。

余談ですが、あんなにヤブと戯れたのに、一匹のダニも見かけず(気づかず?)、虫刺されもありませんでした。
一時、ササの葉のほこりを吸い、のどが痒くなり、せきが止まらなくなりましたが。
山日和さんは虫刺され大丈夫でしたか。


ダニがいないのが不思議でしたね。ササのほこりは私もむせました。

                山日和
アバター
クロオ
記事: 467
登録日時: 2011年2月20日(日) 09:08
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Re: 【奥美濃】笠羽湿原 山上の別天地と地獄のヤブ漕ぎと花の回廊

投稿記事 by クロオ »

山日和さん、こんにちは


【奥美濃】笠羽湿原 山上の別天地と地獄のヤブ漕ぎと花の回廊

【日 付】2021年6月5日(土)
【山 域】奥美濃 石徹白周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】大杉登山口7:20---8:35笠羽谷入渓点---11:15林道出合---12:45笠羽湿原14:20---15:45 P1784m---16:05銚子ヶ峰16:20---16:50神鳩避難小屋---18:00登山口


 速いもので、私が願教寺山に登ってから、もう、一か月以上経ちました。
 おこがましい考えかもしれませんが、私の願教寺山歩きが、呼び水になったように思えて、なんとなく嬉しい。


 思い出は美化されがちである。いい印象の強い思い出は、その前後の苦しかった記憶を薄めてしまうのだ。
今回の山行はまさにそれで、昔の記憶を忘れて最初から楽勝ムードを漂わせていた。


 私は反対かもしれません。苦いことばかり覚えているような気がします。


 石徹白大杉の登山口にはすでに数台の車が止まっていた。全員が銚子ヶ峰や三ノ峰、あるいは別山まで足を延ばすのだろう。少なくとも林道を奥に進む登山者はまずいない。


 昔、ご年配の男女のパーティーが願教寺を目指して林道に進まれたのを見送ったことがあります。年配の方でも行けるところだと勝手に思っていました。
 美濃禅定道、ハクサンコザクラの咲く別山平に行きたいのだけど、距離を考えると気合が要ります。

 
IMG_6642.jpg
 

 昨日の大雨のおかげで、登山口までの舗装林道上も川のように水が流れているところが多かった。
笠羽谷へ向かう道もジュクジュクで、最初から沢靴を履いていて正解だ。


 私が歩いたときも、かなりの厚さのどろのような堆積がずっと続き、水が流れない状態になっていてジュクジュクでした。
 防水性の高い雪山用の靴を履いていたので内部に浸み込むことは無かったのですが、外側は汚くなりました。


 大滝の手前あたりから荒れが酷くなり、もはや林道の体をなしていない。笠羽橋の入口も分からないような状態で、かつては車で走れる道だったとはとても思えない。
登山道よりも酷いレベルの薄い踏み跡を辿って入渓点に到着。10数年前に2度この道を歩いているが、もう復活することもなく、荒れるに任せるだけだろう。


 せっかく自然を壊してまで作ったのだからもったいないような気がします。
 維持するのにもお金が掛かるから、放置なのでしょうね。


 笠羽谷はやや増水気味だが、遡行が困難というほどではない。ただ、できるだけ浸かりたくないので、岸に踏み跡がある部分は水を避けて距離を稼ぐ。


 ここから先は未踏の場所です。
 2017年に願教寺山、よも太郎山の下山時に少しだけ笠羽谷右岸を北上しました。


 倒木地帯が終わり、ようやく普通に歩ける状態になった。しかし今度は別の意味でペースが落ちてしまうようになる。
次々に現れる花に、つい足を止めることを余儀なくされるのだ。
ふと見上げた右岸の枯れ谷にサンカヨウの群落を発見。先は長いがここを素通りするわけにはいかない。サンカヨウは私のもっとも好きな花のひとつなのだ。
この後も、スミレの類は当然として、リュウキンカやミズバショウ、ツバメオモト、ミゾホオズキ、エンレイソウといった花達が先を急がせてくれない。


 花が咲いていたら、なるべくきれいに写真を撮っておきたいです。
 写真を撮るのに、時間が掛かるし、何故か写真を撮るとき呼吸をしないで疲れて、体力も使います。


 源流で1本手前の支流に入る。ここまで来ると溝の中をヤブ漕ぎしている状態だ。すると小さく開けた場所が現れた。
ミズバショウも咲いている。ここは以前「第二笠羽湿原」と名付けたミニ湿原だ。ここまで来れば笠羽湿原は近い。


 「第二笠羽湿原」、行ってみたい気がします。沢登りは無理なので、県境からヤブ漕ぎ。でも地獄のヤブ漕ぎとのこと、これも無理か。


 やがてササの向こうにポッカリと広がる平地に飛び出した。これが真正の笠羽(笠場)湿原である。
かつては一面に広がる池塘にミズバショウが群生する、まさに天上の楽園と呼ぶに相応しい場所だった。(私はその頃を知らないが、20年ほど前まではそうだったらしい)


 「笠羽湿原」、なんとなくあこがれる場所です。


 今は裸地が進み、池塘の面積もずいぶん小さくなってしまった。おまけにミズバショウの姿もほとんど見られない。
以前、白山の写真家の木村芳文氏にメールで問い合わせた時の話では、2002年頃にイノシシの仕業でこうなってしまったのではということだった。これも自然の摂理ならしょうがないことだが、いかにも残念である。


 地獄のヤブ漕ぎをしてまで行く価値が無い?
 鈴鹿の西藤原のセツブンソウの群生が、イノシシがほじくってメチャメチャになっていたのを見たことがあります。


 往時の姿は失われたとは言え、三ノ峰と願教寺山を望む山上の別天地であることに変わりはない。
ほとんどがササで覆われたこの山稜上に、奇跡のように存在するオアシスなのだ。
積雪期にこの上を通過する登山者は多いが、無雪期にこの風景を眺めた人は数少ないだろう。
この極上のレストランでのんびりとランチタイムを楽しんだ。


 積雪期に2度、県境を歩いていますが、残念ながら、この上を歩いていません。
 無雪期の情報、ネットを探しても、1件しか探せませんでした。


 帰路の美濃禅定道まで標高差200mばかり。道はないがそれほど苦労した記憶はない。(と勘違いしていた)
腰を上げてササの海へ漕ぎ出した。ササの背丈の低いところ、生え方の薄いところを選んで進もうとするが、なかなか
そんな具合のいい場所はない。とにかく方向を決めてひたすら泳ぐしかないのである。
 考えてみれば、以前と言っても10数年前。自分もまだ50歳そこそこだった。ヤブを漕ぐにしてもパワーが違う。
昔の記憶と違うのはあたり前なのだ。


 1784ピークから県境は道が無いのですね。地図にも点線がありません。
 積雪期は、登りのしんどさはありますが普通に歩けました。


 やがて傾斜がなくなると、1784mピークに到着。目の前には高速道路のような美濃禅定道があった。
道というのはこんなにも楽なものなのかと実感させられる瞬間だ。


 スノーシューでは、美濃禅定道は踏み跡が多く、岩が露出していたりして、かえって歩き難くなったのですが、1784mピークに到着したという安心感がありました。


 ここまで来れば下山したも同然である。また花を楽しみながらのんびりと歩く。ミツバオウレンの絨毯が続き、ミヤマキンポウゲやキンキマメザクラ、ムラサキヤシオ、ツボスミレなどが目を楽しませてくれる。


 私は、安心感はありましたが、のんびり気分は全く無かったです。急いで下山して、なんとか明るいうちに駐車場に着き、更に、家まで帰らなければ、と。もっとも、花は咲いて無かったです。


 展望も最高で、別山から日照岳へと続く長い稜線、石徹白川両岸の願教寺、日岸、薙刀、野伏、丸山、芦倉、奥越の赤兎、大長、経ヶ岳、荒島、そして越美国境稜線の山々に加えて、御嶽、乗鞍、穂高の山々まで、一望のもとだ。


 私でもかなり分かる展望です。
 日岸がまだ未踏です。
 
IMG_1950.jpg
 
IMG_1959.jpg
 
IMG_1954.jpg
 

 銚子ヶ峰を出発したのは4時を回っていた。早足で下山を開始したが、足元を見るとスピードが落ちて足が止まってしまう。ツバメオモト、イワナシ、タムシバ、ウワミズザクラ、マイズルソウ、ユキザサと、途切れることなく花は続き、最後はブナ林へ突入。仕上げに石徹白大杉を見て濃厚な一日を終えた。


 私は、銚子ヶ峰には17時近かったです。展望の写真だけ撮って、とっとと下山しました。幸い(?)花はまだ咲いてなかったので、がんがん下山しました。もっとも、避難小屋のところで、ルートミスして15分ほどロスしました。
 大杉に着くとホッとするのですが、石段がとても長く感じます。道路に降りた時は、疲れ果てた充実感です。

 お疲れ様でした。


                        クロオ
最後に編集したユーザー クロオ [ 2021年6月17日(木) 18:23 ], 累計 1 回
バーチャリ
記事: 547
登録日時: 2011年3月12日(土) 20:58

Re: 【奥美濃】笠羽湿原 山上の別天地と地獄のヤブ漕ぎと花の回廊

投稿記事 by バーチャリ »

山日和さん おはようございます。

花の回廊ですか
見逃すわけには行きません :)
 
思い出は美化されがちである。いい印象の強い思い出は、その前後の苦しかった記憶を薄めてしまうのだ。
今回の山行はまさにそれで、昔の記憶を忘れて最初から楽勝ムードを漂わせていた。


同感です。 
え~こんなだったかなと思う事ありますよね
 

 倒木地帯が終わり、ようやく普通に歩ける状態になった。しかし今度は別の意味でペースが落ちてしまうようになる。
次々に現れる花に、つい足を止めることを余儀なくされるのだ。
ふと見上げた右岸の枯れ谷にサンカヨウの群落を発見。先は長いがここを素通りするわけにはいかない。サンカヨウは私
のもっとも好きな花のひとつなのだ。
この後も、スミレの類は当然として、リュウキンカやミズバショウ、ツバメオモト、ミゾホオズキ、エンレイソウといっ
た花達が先を急がせてくれない。


サンカヨウそうめんの皿のように透けて見えましたか (^^)
ミゾホオズキ知りませんね 調べてみよう


やがてササの向こうにポッカリと広がる平地に飛び出した。これが真正の笠羽(笠場)湿原である。
かつては一面に広がる池塘にミズバショウが群生する、まさに天上の楽園と呼ぶに相応しい場所だった。(私はその頃を
知らないが、20年ほど前まではそうだったらしい)
今は裸地が進み、池塘の面積もずいぶん小さくなってしまった。おまけにミズバショウの姿もほとんど見られない。
以前、白山の写真家の木村芳文氏にメールで問い合わせた時の話では、2002年頃にイノシシの仕業でこうなってしまった
のではということだった。これも自然の摂理ならしょうがないことだが、いかにも残念である。



笠羽(笠場)湿原は写真を見ると広いですね
花の楽園でしたら沢山の人が訪れるでしょうが残念ですね。


 一段上がった1600mの台地には「つなぎぶしのひのき」と呼ばれる桧の密叢がある。1本の桧が横に根を張り、高く伸
びずに背丈ほどの高さに蟠った怪木である。右手の方にチラッと視界に入ったが、見物に行く心の余裕もなく、目の前に
広がる雪田にホッとひと息ついた。
ここから先はやや傾斜が強まる。右手でかき分けたササをガッチリ掴み、次に左手で同じ動作をした後、足場を決めてグ
ッと体を引き上げる。その繰り返しが続いた。


笠羽(笠場)湿原行ってみたいと思いましたがやめときます。 :shock:


 ここまで来れば下山したも同然である。また花を楽しみながらのんびりと歩く。ミツバオウレンの絨毯が続き、ミヤマ
キンポウゲやキンキマメザクラ、ムラサキヤシオ、ツボスミレなどが目を楽しませてくれる。
展望も最高で、別山から日照岳へと続く長い稜線、石徹白川両岸の願教寺、日岸、薙刀、野伏、丸山、芦倉、奥越の赤兎、
大長、経ヶ岳、荒島、そして越美国境稜線の山々に加えて、御嶽、乗鞍、穂高の山々まで、一望のもとだ。


ムラサキヤシオ遅くまで咲いているのですね。
花の種類がおおいですね。

銚子ヶ峰を出発したのは4時を回っていた。早足で下山を開始したが、足元を見るとスピードが落ちて足が止まってしま
う。ツバメオモト、イワナシ、タムシバ、ウワミズザクラ、マイズルソウ、ユキザサと、途切れることなく花は続き、最
後はブナ林へ突入。仕上げに石徹白大杉を見て濃厚な一日を終えた。


白山系は🌸が多いですね。
今年は三ノ峰に行きたいと思っていますが 


昨年の3月で営業をを休止していたのたが、経営が変わって再び白鳥町内で温泉に入れるようになったのだ。
驚いたことに、以前と同じだったのは建物(外観は改装しているが)だけで、中の施設、エントランスから食堂、休憩室は
もちろん、浴室まですべて生まれ変わっていた。相当カネがかかっているだろう。
残念なことに、コロナによる営業時間短縮で、新装なったレストランで夕食を取れなかったのが心残りである。



お疲れまでした。
情報ありがとうございます。                    


  バーチャリ
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山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥美濃】笠羽湿原 山上の別天地と地獄のヤブ漕ぎと花の回廊

投稿記事 by 山日和 »

クロオさん、どうもです。

 速いもので、私が願教寺山に登ってから、もう、一か月以上経ちました。
 おこがましい考えかもしれませんが、私の願教寺山歩きが、呼び水になったように思えて、なんとなく嬉しい。


そうなんですよ、と言いたいところだけど :lol:

 >思い出は美化されがちである。いい印象の強い思い出は、その前後の苦しかった記憶を薄めてしまうのだ。

 私は反対かもしれません。苦いことばかり覚えているような気がします。


人間は辛い思い出を忘れないと生きていけない動物なんですよ。 :mrgreen:

 昔、ご年配の男女のパーティーが願教寺を目指して林道に進まれたのを見送ったことがあります。年配の方でも行けるところだと勝手に思っていました。
 
体力と経験次第ですね。私も年配の登山者が進んで行ったと思われてるか。 :lol:

 せっかく自然を壊してまで作ったのだからもったいないような気がします。
 維持するのにもお金が掛かるから、放置なのでしょうね。


もう使い道がなくなったのなら維持費をかける理由もないでしょうね。


リュウキンカ
リュウキンカ

 ここから先は未踏の場所です。
 2017年に願教寺山、よも太郎山の下山時に少しだけ笠羽谷右岸を北上しました。

これからが「林道」の本番ですよ。 :lol:

 花が咲いていたら、なるべくきれいに写真を撮っておきたいです。
 写真を撮るのに、時間が掛かるし、何故か写真を撮るとき呼吸をしないで疲れて、体力も使います。


クロオさんも花好きですもんね。
やっぱりシャッター押す時は息を止めますか。 :D

 「第二笠羽湿原」、行ってみたい気がします。沢登りは無理なので、県境からヤブ漕ぎ。でも地獄のヤブ漕ぎとのこと、これも無理か。

あまりおススメはしませんが。 :mrgreen:

「笠羽湿原」、なんとなくあこがれる場所です。

 地獄のヤブ漕ぎをしてまで行く価値が無い?
 鈴鹿の西藤原のセツブンソウの群生が、イノシシがほじくってメチャメチャになっていたのを見たことがあります。


十分行く価値はあると思います。
ミズバショウの群生はもう見られませんが、なくても十分にステキな場所です。 :D

 積雪期に2度、県境を歩いていますが、残念ながら、この上を歩いていません。
 無雪期の情報、ネットを探しても、1件しか探せませんでした。


尾根芯からは少し外れてるから歩いてないかな。積雪期はどこ歩いても同じ景色ですけど。 :lol:
無雪期の記録はまずヒットしないでしょうね。

秋の笠羽湿原
秋の笠羽湿原

 1784ピークから県境は道が無いのですね。地図にも点線がありません。
 積雪期は、登りのしんどさはありますが普通に歩けました。


まったくありません。道の痕跡もほとんどありませんね。
下りならヤブを押しのけて行けばそれほど苦労しないと思いますが、これを戻ると思えば行く気がなくなるかも。

 スノーシューでは、美濃禅定道は踏み跡が多く、岩が露出していたりして、かえって歩き難くなったのですが、1784mピークに到着したという安心感がありました。

雪が少ないとそうでしょうね。たっぷり積もって入れば雪原が続いているだけです。


キンポウゲロード
キンポウゲロード

 私は、安心感はありましたが、のんびり気分は全く無かったです。急いで下山して、なんとか明るいうちに駐車場に着き、更に、家まで帰らなければ、と。もっとも、花は咲いて無かったです。
 私は、銚子ヶ峰には17時近かったです。展望の写真だけ撮って、とっとと下山しました。幸い(?)花はまだ咲いてなかったので、がんがん下山しました。もっとも、避難小屋のところで、ルートミスして15分ほどロスしました。
 大杉に着くとホッとするのですが、石段がとても長く感じます。道路に降りた時は、疲れ果てた充実感です。


クロオさんは心配性なんでしょう。さすがに5時はちょっと遅すぎるけど :lol:
下りは雪があれば早いけど、クロオさんが訪れた時はかなり地面が出てたんですね。

                    山日和

 
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥美濃】笠羽湿原 山上の別天地と地獄のヤブ漕ぎと花の回廊

投稿記事 by 山日和 »

バーチャリさん、どうもです。

花の回廊ですか
見逃すわけには行きません :)

でしょー :lol:

>思い出は美化されがちである。いい印象の強い思い出は、その前後の苦しかった記憶を薄めてしまうのだ。

同感です。 
え~こんなだったかなと思う事ありますよね


バーチャリさんも長い登山人生、いろいろ経験ありますよね。 :D
 
サンカヨウそうめんの皿のように透けて見えましたか (^^)
ミゾホオズキ知りませんね 調べてみよう


よく覚えてますね。残念ながら真っ白でした。 :mrgreen:
ミゾホオズキはこちら。

P6050129_1.JPG

笠羽(笠場)湿原は写真を見ると広いですね
花の楽園でしたら沢山の人が訪れるでしょうが残念ですね。


それほどでもありませんが、まあ十分な広さだと思います。
花の楽園でもなかなか行けないと思いますが。 :lol:

>ここから先はやや傾斜が強まる。右手でかき分けたササをガッチリ掴み、次に左手で同じ動作をした後、足場を決めてグ
ッと体を引き上げる。その繰り返しが続いた。

笠羽(笠場)湿原行ってみたいと思いましたがやめときます。 :shock:


下りて行くだけならいいと思いますけど :mrgreen:


P6050207_1.JPG

ムラサキヤシオ遅くまで咲いているのですね。
花の種類がおおいですね。


ちょうどいい時期でした。


P6050221_1.JPG

白山系は🌸が多いですね。
今年は三ノ峰に行きたいと思っていますが 


上小池から三ノ峰~別山平も花の宝庫ですね。
虫がうるさいのが難ですが。

>昨年の3月で営業をを休止していたのたが、経営が変わって再び白鳥町内で温泉に入れるようになったのだ。
驚いたことに、以前と同じだったのは建物(外観は改装しているが)だけで、中の施設、エントランスから食堂、休憩室は
もちろん、浴室まですべて生まれ変わっていた。相当カネがかかっているだろう。
残念なことに、コロナによる営業時間短縮で、新装なったレストランで夕食を取れなかったのが心残りである。

お疲れさまでした。
情報ありがとうございます。     
               

バーチャリさんもぜひ訪れてみて下さい。
新しくて気持ちいいですよ。 :D

                      山日和
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