【奥美濃】新緑の徳山を歩く 上谷山から鏡山へ

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山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【奥美濃】新緑の徳山を歩く 上谷山から鏡山へ

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2021年5月23日(日)
【山 域】奥美濃 上谷山
【天 候】曇りのち晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】徳山会館8:40---9:25シツ谷左岸尾根取付き---11:40上谷山--12:15-鏡山13:50---14:20上谷山---16:15徳山会館

 予報に反してなかなか止まない小雨に出発の決断ができない。ようやく上がったところで準備をしていると、
徳山会館の関係者(おそらく館長さん)が近付いてきて、「上谷山(うえんだにやま)?」と尋ねられた。
「気を付けて」という声に見送られて出発。シツ谷左岸尾根の取付きまで、3キロほどの車道歩きである。
昨日は思いのほか雨が降ったようで、途中で出合う谷からは見応えのある滝がかかっていた。最後に出合った
シツ谷は、大滝が恐ろしいほどの豪快な水量で瀑音を轟かせていた。

IMG_8948_1.JPG

 車道と並行して高みを走っていた尾根が目の高さまで下りてきた。一歩足を上げれば尾根上の人になるという
楽チンな取付きである。しかし、車道の法面に削られた細い尾根は、尾根芯の潅木を掴みながら歩かないと転落
してしまいそうだ。
 尾根の入口は潅木のヤブで、雨上がりの朝にはちょっと敬遠したくなってしまうような風情である。ところが
それは数メートルで終わり、目の前には登山道レベルの明瞭な道が続いていた。
自然林はやがてシロモジとブナの森に変わり、早くも極楽尾根に認定かと思われた。カエデも多く、秋には錦繍
に彩られるだろう。


IMG_8957_1.JPG

 Ca600mあたりからはひたすらの急登だが、歩きやすいので救われる。
急登が終わり、P889mの台地に着くと、期待に反して放置植林の冴えない林相となった。地形図から見て、この
ピークと次の鞍部あたりの風景には期待していたのだが、見事に裏切られる結果になってしまった。
ただ、鞍部付近は舟窪地形に小さな池が現れて、なかなかいい雰囲気だ。
 ここからの登りで本日一番の障害物に遭遇。ただでさえ鬱陶しい潅木のヤブに、杉の倒木が通せんぼしてフィ
ールドアスレチック状態である。木をくぐったり跨いだりで、履いていたレインパンツが枝に引っ掛かって破れ
てしまった。
結果的には極楽尾根の認定は取り消すことになった。極楽区間が全体の70%以上無いと、極楽尾根の基準を満た
さないのである。


IMG_8975_1.JPG
IMG_8981_1_1.JPG

 徳山会館からの尾根に合流すると、上谷山頂は目の前だ。
3m四方ぐらい切り開かれた上谷山の三角点は、お世辞にも情緒があるとは言えない。林相もイマイチなので、
ランチ場を求めて鏡山方面へ前進。ここから先は積雪期に歩いているが、記憶の中の同じ山とは思えない。
ただ、ブナ林が続いていたのは記憶通りで、上谷山までのやや期待外れの林相とは大違いの豊かな森に包まれた。
踏み跡もしっかりしていて、思いのほか快適に歩くことができるのはうれしい誤算だ。
 木の間越しの前方にはミノマタの三角錐が見えるが、積雪期の鋭さは感じられない。
30分ばかりで鏡山に到着。こちらも上谷山同様狭く、あまり快適とは言えないので、山頂手前のブナ林の鞍部ま
で戻ってランチタイム。正面に上谷山頂を望むここは、なかなかいい場所である。
「食事は山頂で」という決めつけは意味がない。雰囲気の良さがランチタイムの充実した時間に繋がるのである。
ついつい充実し過ぎてタイムオーバーしてしまうのが玉にキズなのだが。
 夏日の予報でかなり暑いだろうと思っていたのだが、雨のせいもあってかなり涼しく快適だ。
そろそろ冷たい麺の季節かと思ったが、温かいカップ麺にしてよかった。

IMG_9010_1.JPG

 下山は徳山会館へダイレクトに下るシツ谷右岸尾根を選ぶ。
結論から言うと、左岸尾根以上に面白みのない尾根だった。自然林率が非常に低く、大半が植林の中の潤いのな
い道である。尾根の下部では右側が植林、左側が自然林とはっきり色分けされ、自然林の向こうには徳山ダム湖
を透かし見ることができる。ただ、道が植林サイドに付けられているのが難であるが。
道端の杉にはクマハギの痕が何か所も見られた。この地のクマの多さを思わせる。(下山後に聞いた話では、去年
の秋は異常にクマが多かったらしい)


IMG_9020_1.JPG

 尾根の末端近くの台地に見事なモミの大木が並ぶ森があった。ここから階段の設置された遊歩道が徳山会館に
続いている。会館の上にある東屋が、かつて徳山村の集落のひとつだった下開田(しもかいでん)の望郷広場とな
っていた。ここからはダム湖の底に眠る徳山村の在りし日の姿を思い浮かべることができる。
私が初めて徳山村を訪れたのは1978年。まだ集落は健在で、人々の暮らしがそこにあった。その数年後、ダム建
設の決定に伴って離村を開始し、徳山村は藤橋村に吸収合併されて、村としての歴史を閉じたのである。


IMG_24052021_231000_(2000_x_1500_ピクセル)_1_1.jpg

 下山時刻が早かったので、徳山会館を見学して行くことにした。徳山ダム建設に至るまでの村人の暮らしや葛
藤を描いたビデオに見入ってしまった。その中には大西暢夫氏の「ぼくの村の宝物」や「ホハレ峠」で見た村民
の活き活きとした顔があった。
 朝の館長さんがやってきて「味噌汁が余ってるんやけど、食べる?」と言われたのでありがたく頂くことにす
る。どんぶり一杯に盛られた味噌汁にはウドとジャガイモ、ネマガリダケが入っていて、非常に美味しかった。
満足していると、今度はワラビとウドとネマガリの天ぷらを揚げてきてくれたのには驚いた。思わず「ビールは
ないんですか?」と聞きそうになった。接待はそれで終わらず、締めにネマガリのゆがいたものに味噌を付けて
食べる小鉢まで登場。これは徳山会館の裏の裏メニューだろうか。
名も知らぬ山旅人への館長さんの心遣いに感謝感謝である。
 食べながら、徳山村のいろいろな話を聞くこともできた。「村平」や「鳥木谷」あたりも好きなんですよと言
うと、「そりゃ変態やな(笑)」とお褒めの言葉を頂く。ヤブ山愛好家にとって「変態」というのは最大級の賛辞
なのである。


IMG_24052021_230931_(2000_x_900_ピクセル)_1_1.jpg

 無雪期の上谷山と鏡山に登るという目的を達した以上に濃い、一日の終わりの徳山会館の時間だった。
また日を改めてゆっくり訪れたいものである。
外へ出てダム湖を見晴らすテラスに佇む。傾きかけた日の光に輝くダム湖の向こうに、奥美濃の、徳山の山々が
グリーンのカーテンを張りめぐらせているようだった。
そこで気付いたのは、意外なほど植林の濃い緑の姿が少ないことだった。

                  山日和
SHIGEKI
記事: 1028
登録日時: 2011年7月25日(月) 18:30

Re: 【奥美濃】新緑の徳山を歩く 上谷山から鏡山へ

投稿記事 by SHIGEKI »

山日和さん こんばんは。

【日 付】2021年5月23日(日)
【山 域】奥美濃 上谷山
【天 候】曇りのち晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】徳山会館8:40---9:25シツ谷左岸尾根取付き---11:40上谷山--12:15-鏡山13:50---14:20上谷山---16:15徳山会館

 ようやく上がったところで準備をしていると、徳山会館の関係者(おそらく館長さん)が近付いてきて、「上谷山(うえんだにやま)?」と尋ねられた。

徳山会館って、旧徳山村の色んな資料が展示され、見ることができるんですか?

この周辺の山か渓とセットですぐにでも行ってみたいところですね。 


 尾根の入口は潅木のヤブで、雨上がりの朝にはちょっと敬遠したくなってしまうような風情である。ところが
それは数メートルで終わり、目の前には登山道レベルの明瞭な道が続いていた。
自然林はやがてシロモジとブナの森に変わり、早くも極楽尾根に認定かと思われた。カエデも多く、秋には錦繍
に彩られるだろう。

ほんの少しのヤブに隠されたところがまたいい!ですね。

地獄からのお迎えが来る前に、極楽歩きをたんのうしておきたいものですなぁ~


P889mの台地に着くと、期待に反して放置植林の冴えない林相となった。地形図から見て、この
ピークと次の鞍部あたりの風景には期待していたのだが、見事に裏切られる結果になってしまった。
ただ、鞍部付近は舟窪地形に小さな池が現れて、なかなかいい雰囲気だ。
 ここからの登りで本日一番の障害物に遭遇。ただでさえ鬱陶しい潅木のヤブに、杉の倒木が通せんぼしてフィ
ールドアスレチック状態である。木をくぐったり跨いだりで、履いていたレインパンツが枝に引っ掛かって破れ
てしまった。
結果的には極楽尾根の認定は取り消すことになった。極楽区間が全体の70%以上無いと、極楽尾根の基準を満た
さないのである。

ヤブと植林倒木は厳しいものがありますね、でもその先の期待がもてるのでしょう。

3m四方ぐらい切り開かれた上谷山の三角点は、お世辞にも情緒があるとは言えない。林相もイマイチなので、
ランチ場を求めて鏡山方面へ前進。ここから先は積雪期に歩いているが、記憶の中の同じ山とは思えない。
ただ、ブナ林が続いていたのは記憶通りで、上谷山までのやや期待外れの林相とは大違いの豊かな森に包まれた。
踏み跡もしっかりしていて、思いのほか快適に歩くことができるのはうれしい誤算だ。

これだけでも十分じゃないですか??

下山時刻が早かったので、徳山会館を見学して行くことにした。徳山ダム建設に至るまでの村人の暮らしや葛
藤を描いたビデオに見入ってしまった。その中には大西暢夫氏の「ぼくの村の宝物」や「ホハレ峠」で見た村民
の活き活きとした顔があった。

そうでしたか!! 是非とも見学してみたいですね。

 朝の館長さんがやってきて「味噌汁が余ってるんやけど、食べる?」と言われたのでありがたく頂くことにす
る。どんぶり一杯に盛られた味噌汁にはウドとジャガイモ、ネマガリダケが入っていて、非常に美味しかった。
満足していると、今度はワラビとウドとネマガリの天ぷらを揚げてきてくれたのには驚いた。思わず「ビールは
ないんですか?」と聞きそうになった。接待はそれで終わらず、締めにネマガリのゆがいたものに味噌を付けて
食べる小鉢まで登場。これは徳山会館の裏の裏メニューだろうか。
名も知らぬ山旅人への館長さんの心遣いに感謝感謝である。

変態好きの館長さんの最大級の「おもてなし」ですね~

無雪期の上谷山と鏡山に登るという目的を達した以上に濃い、一日の終わりの徳山会館の時間だった。
また日を改めてゆっくり訪れたいものである。

まさしくそうですね。

徳山方面初心者の不肖Sにはとっかかりのいいお話ありがと山でした。

      SHIGEKI
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥美濃】新緑の徳山を歩く 上谷山から鏡山へ

投稿記事 by 山日和 »

SHIGEKIさん、どうもです。

徳山会館って、旧徳山村の色んな資料が展示され、見ることができるんですか?

この周辺の山か渓とセットですぐにでも行ってみたいところですね。 


この日は思わぬご馳走攻めで、ゆっくり見る時間がありませんでした。 :mrgreen:
ダム建設にまつわる展示が主体なのかな?ビデオを見るだけでも往時の風景が偲ばれます。
徳山村の暮らしで使われていたものは、藤橋の道の駅の資料館に展示されています。


IMG_8940_1.JPG

ほんの少しのヤブに隠されたところがまたいい!ですね。

地獄からのお迎えが来る前に、極楽歩きをたんのうしておきたいものですなぁ~


そうそう、ヤブの暖簾をくぐればそこには桃源郷が・・・ :lol:


IMG_8963_1.JPG

ヤブと植林倒木は厳しいものがありますね、でもその先の期待がもてるのでしょう。

気分良く来ただけにガックリ感が強いです。 :oops:

>ただ、ブナ林が続いていたのは記憶通りで、上谷山までのやや期待外れの林相とは大違いの豊かな森に包まれた。
踏み跡もしっかりしていて、思いのほか快適に歩くことができるのはうれしい誤算だ。

これだけでも十分じゃないですか??


まあ、そういうことにしておきましょう。 :lol:


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>下山時刻が早かったので、徳山会館を見学して行くことにした。徳山ダム建設に至るまでの村人の暮らしや葛
藤を描いたビデオに見入ってしまった。その中には大西暢夫氏の「ぼくの村の宝物」や「ホハレ峠」で見た村民
の活き活きとした顔があった。

そうでしたか!! 是非とも見学してみたいですね。


今までノーマークだったんですが、見る価値はあると思います。

変態好きの館長さんの最大級の「おもてなし」ですね~

「変態好き」!!
類は友を呼ぶ? :mrgreen:

徳山方面初心者の不肖Sにはとっかかりのいいお話ありがと山でした。

山を歩くだけではなく、こういう時間も大切にしたいですね。
闇下してては無理ですが。 :mrgreen:

                       山日和
sato
記事: 417
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【奥美濃】新緑の徳山を歩く 上谷山から鏡山へ

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんばんは。
一月に西前の谷を囲む尾根を辿りミノマタを訪れた時、北へと続いていく稜線を足元に感じ、
次の雪の季節、原谷を囲む尾根を辿り鏡山と上谷山を訪れようと思いました。
新緑の上谷山、鏡山へのお話が挙がった時はうれしかったです。
すべてが覆い尽くされた白い風景の前に、様々な匂いが充満した緑の風景を味わえると。

登るのはシツ谷左岸尾根とお聞きし、こんなところから登るのね、と思いましたが、
上谷山は上開田、下開田、本郷、戸入の裏山なのですね。
徳山ダムが出来る前の5万分の1地図を見るとお山のお顔に気づきます。

車道を歩いていると、緑に飲みこまれそうになりました。緑の山、緑の波が迫ってくる感じ。
緑の勢いに圧倒されました。数日間続いた雨でちいさな谷の勢いもすごかったですね。
緑の木々も、水も生を謳歌していました。対照的にダム湖はどこまでも静かでした。

尾根に取りつこうとした時、一台の車が来て停まり、
おじいさんが、お山に登るのかぁ、とにこにこ声をかけてくださいましたね。
この車道は上開田の望郷広場への道。おじいさんは徳山のお方だったのかもしれませんね。

いきなりヤブで、カッパがずぶ濡れになるなと思いましたが、
直ぐにしっかりとした道が現れうれしくなりました。
シロモジや若いブナが多かったので、何世代にも渡り使われてきた道なのだなぁと感じました。
カエデも多かったですね。「秋にも来なければ」と山日和さん、うれしそうにおっしゃっていましたね。
この時は(笑)。

・889周辺の緩やかな地形の風景への期待も。でも、現実は・・・。
気が付いたら道も消えて(埋もれて)いました。
鞍部の池にはときめきました。池がありそうな地形、全く想像しなかった場所で池に出会うとうれしくなります。

ヤブがうっとおしくなり尾根芯を歩けなくなると、何度も山日和さんの姿を見失いそうになりました。
静かにスタスタと進んでいかれるので。私は追いかけるのにバタバタしていました。
でも、新しい?カッパを木の枝にひっかけてしまっていたとは。
極楽尾根の認定の取り消し?大丈夫、お山はそんなこと全く気にしていません(笑)。

上谷山から鏡山の稜線歩きは豊かな森に包まれ、気持ちが軽やかになりましたね。
風格のあるブナが立ち並ぶ上谷源頭の情景に見とれていました。
雪の季節は、また趣きの異なる表情にうっとりとなるのでしょうね。

下りの尾根は、面白味のない尾根でしたか?
私は木立の間から覗く、奥美濃の山やまやダム湖を眺めたりして楽しんでいましたよ。
尾根上の杉には真新しいクマハギの痕が続き、どこかでクマがわたしたちを見ているのでは、とキョロキョロも。
登りの尾根でも、ガサガサと大きな音がしましたね。

太陽の光が降り注ぐ下開田の望郷広場に着いた時、あまりの明るさにくらりとなりました。
山日和さんは、1978年の徳山村をご存じなのですね。
青く光る湖面の下の村々の時間に触れられてきたのですね。

徳山会館の開館時間に下ることが出来てよかったです。
以前お山の帰りに訪れ、こころに訴えてくるもの感じました。
また訪れようと思いつつも開館時間に間に合わず・・。
増山たづ子さんが撮られたふるさとの輝き。生きるとは、暮らすとは・・一枚一枚の写真が物語っています。
山日和さん、写真集をお持ちでしたね。
大西暢夫さんの本で知ったおばあさんおじいさんの、
活き活きとしたお姿が映し出されたビデオには見入ってしまいましたね。
閉館時間になってしまい残念でした。
今度は、お昼過ぎにお山から下りてゆっくり見たいです。

館長さんからの山の幸のご馳走にはびっくりしました。どんぶり鉢!のお味噌汁、五臓六腑に沁み渡りました。
天ぷらは、わざわざ揚げてくださったのですね。美味しかったですね。
あたたかなおこころ、とてもとてもうれしかったです。
村のお話も興味深かったです。

帰り際、テラスから眺めた青いお山とダム湖。
「グリーンのカーテンを張りめぐらせているようだった」
人間の様々な感情を超え、静かに穏やかに輝くお山が、ダム湖を包みこんでいました。

「無積雪期の上谷山と鏡山に登るという目的を達した以上に濃い、一日の終わりの徳山会館の時間」
登るという目的を達した・・そうでしたか、わたしはただただ味わっていました(笑)
こころとからだいっぱいに徳山を感じた山旅でした。いい一日でした。
ありがとうございました。

sato
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥美濃】新緑の徳山を歩く 上谷山から鏡山へ

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、どうもです。お疲れさまでした。

一月に西前の谷を囲む尾根を辿りミノマタを訪れた時、北へと続いていく稜線を足元に感じ、
次の雪の季節、原谷を囲む尾根を辿り鏡山と上谷山を訪れようと思いました。
新緑の上谷山、鏡山へのお話が挙がった時はうれしかったです。


あの時は余力があれば、上谷山と鏡山経由で下りてもよかったんだけど、ヘロヘロになってました。 :oops:

登るのはシツ谷左岸尾根とお聞きし、こんなところから登るのね、と思いましたが、
上谷山は上開田、下開田、本郷、戸入の裏山なのですね。
徳山ダムが出来る前の5万分の1地図を見るとお山のお顔に気づきます。


考えてみればそうですね。ダムができる前は上谷山はまったくノーマークでした。

IMG_8949_1.JPG

尾根に取りつこうとした時、一台の車が来て停まり、
おじいさんが、お山に登るのかぁ、とにこにこ声をかけてくださいましたね。
この車道は上開田の望郷広場への道。おじいさんは徳山のお方だったのかもしれませんね。


ひょっとしたらそうかもね。 :D

いきなりヤブで、カッパがずぶ濡れになるなと思いましたが、
直ぐにしっかりとした道が現れうれしくなりました。


レインパンツを履いてて正解でした。


IMG_8960_1.JPG

シロモジや若いブナが多かったので、何世代にも渡り使われてきた道なのだなぁと感じました。
カエデも多かったですね。「秋にも来なければ」と山日和さん、うれしそうにおっしゃっていましたね。
この時は(笑)。


そこまではよかったんだけど・・・ :oops:

・889周辺の緩やかな地形の風景への期待も。でも、現実は・・・。
気が付いたら道も消えて(埋もれて)いました。
鞍部の池にはときめきました。池がありそうな地形、全く想像しなかった場所で池に出会うとうれしくなります。


池の周りの風情がもう少し良ければねえ・・・でも山中の池にはときめきを覚えますね。

IMG_8973_1.JPG

ヤブがうっとおしくなり尾根芯を歩けなくなると、何度も山日和さんの姿を見失いそうになりました。
静かにスタスタと進んでいかれるので。私は追いかけるのにバタバタしていました。
でも、新しい?カッパを木の枝にひっかけてしまっていたとは。


私が持っている中では一番新しいレインパンツですが、もう7年ぐらい経ってるかな?
あまり履いてないんだけど、昨秋の烏ヶ山で穴だらけになってしまいました。

上谷山から鏡山の稜線歩きは豊かな森に包まれ、気持ちが軽やかになりましたね。
風格のあるブナが立ち並ぶ上谷源頭の情景に見とれていました。


鏡山はもういいかって感じでしたが、こっちをカットしたら面白みのない一日になるところでした。いいブナ林でしたね。


IMG_9001_1.JPG

下りの尾根は、面白味のない尾根でしたか?
私は木立の間から覗く、奥美濃の山やまやダム湖を眺めたりして楽しんでいましたよ。
尾根上の杉には真新しいクマハギの痕が続き、どこかでクマがわたしたちを見ているのでは、とキョロキョロも。


satoさんは何でも面白がるから気が楽です。とんでもないところを下りてもニコニコしてるし。 :mrgreen:

山日和さんは、1978年の徳山村をご存じなのですね。
青く光る湖面の下の村々の時間に触れられてきたのですね。


その当時は奥美濃の山にさして興味があったわけではないんですよ。ただ通過しただけでした。まだ沢も始める前だったし。

徳山会館の開館時間に下ることが出来てよかったです。
増山たづ子さんが撮られたふるさとの輝き。生きるとは、暮らすとは・・一枚一枚の写真が物語っています。


トイレだけ借りるつもりで寄ったんだけど、中に入って大正解でした。 :D


IMG_9037_1.JPG

大西暢夫さんの本で知ったおばあさんおじいさんの、
活き活きとしたお姿が映し出されたビデオには見入ってしまいましたね。
閉館時間になってしまい残念でした。
今度は、お昼過ぎにお山から下りてゆっくり見たいです。


次回はじっくり味わいたいものです。

館長さんからの山の幸のご馳走にはびっくりしました。どんぶり鉢!のお味噌汁、五臓六腑に沁み渡りました。
天ぷらは、わざわざ揚げてくださったのですね。美味しかったですね。
あたたかなおこころ、とてもとてもうれしかったです。
村のお話も興味深かったです。


朝にも挨拶した縁でしたね。あの辺の山を訪れる登山者が好きなんでしょうね。

帰り際、テラスから眺めた青いお山とダム湖。
「グリーンのカーテンを張りめぐらせているようだった」
人間の様々な感情を超え、静かに穏やかに輝くお山が、ダム湖を包みこんでいました。


静かな湖面の下に眠る徳山村と、その奥の奥美濃と越美国境の山々。変わってしまったものと、ずっと変わらぬものが織りなす風景が心に沁みましたね。

「無積雪期の上谷山と鏡山に登るという目的を達した以上に濃い、一日の終わりの徳山会館の時間」
登るという目的を達した・・そうでしたか、わたしはただただ味わっていました(笑)
こころとからだいっぱいに徳山を感じた山旅でした。いい一日でした。


登るのは目的じゃなかったの?その割に「鏡山はもういいか」と言った時、うらめしそうな顔してたけど。 :mrgreen:

                   山日和
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