【奥越】極上の無名峰逍遥その2 岩穴谷山

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山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【奥越】極上の無名峰逍遥その2 岩穴谷山

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2021年3月14日(日)
【山 域】奥越 旧和泉村
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】角野前坂7:10---9:00下谷橋9:50---12:40岩穴谷山14:20---15:45 P1082m---17:00角野山---18:00駐車地

 やっと雨が上がった。天気予報では夜が明ける頃から晴れるはずだが、空はまだ雲に覆われている。
九頭竜の道の駅から見える山肌は、2週間前と比べてもかなり雪が減っているようだ。

 除雪は角野前坂の集落のはずれで終わっていた。石徹白ダムまでは車で入れるだろうと予想していたのだが、
当てが外れてしまった。さらに予想外だったのが、そこで3台の車が登山の準備をしていたことである。
どこへ行くのか尋ねてみると、小白山へ向かうとのこと。7、8人の中高年パーティー(人のことは言えないが)で、
ここから歩くとなるとなかなか厳しい行程だろう。
こちらが目指すのは、石徹白川の南側にある岩穴谷山。当然地形図に名前は載っていない。
ダムから先、ひたすら県道を歩いて、下谷の中間尾根から越美国境稜線の近くへ飛び出そうというプランである。

P3140002_1_1.JPG

 雪の車道歩きはなかなか疲れさせてくれる。スノーシューを履いていればほとんど沈むことはないが、一昨日
からの雨がなければツボ足でも舗装路を歩くような調子で歩けただろう。
時折雪が融けて舗装が出ている部分もあり、スノーシューをカチャカチャと引きずって歩く。その区間が長い時
はスノーシューを外して手にぶら下げて歩いた。こういう場面ではライトニング・エクスプローラーの脱着性の
良さが助かるのだ。


P3140025_1.JPG

 下谷の出合では、対岸のすぐそこに林道が見えているのだが、入口の橋は先にあって大きく迂回しなければな
らない。そこに車道歩き最大の難所があった。うず高くつもったデブリが行く手を阻んでいる。傾斜がそれほど
でもなく、雪が緩んでいるおかげでスノーシューを脱ぐだけで通過できたのが救いだった。

 2時間近く歩いてようやく下谷の林道に着いた。予報通りの青空が広がってきたが、山に登る前に疲れ気味であ
る。
 当初予定の尾根の取付きまで進んだところで思案した。稜線に達するまでの時間、そこから山頂までに要する
時間を計算すると、闇下の可能性が高い。それ以上に体力の心配もある。
決断は早く、下谷の橋まで戻って岩穴谷山へダイレクトに突き上げる尾根に転進しようと方針変更した。
 この尾根が曲者と言うか、なんの面白みもない尾根で、テンションがまったく上がらない。その内に切れると
思っていた植林がいつまでも終わらない。尾根芯は杣道が露出しているので、途中からスノーシューを脱ぐ始末。
晴れ渡った空とは裏腹に、気分が暗くなって行きそうだ。


P3140068_1.JPG

 P1091を過ぎたところでようやく自然林となった。厳密にはその手前から天然杉の林になっていたので、杉林
が終わったと言うべきか。
 小さなギャップへ滑り降りたところで目を疑うような風景が目の前に広がった。痩せた尾根が雪のブロックを
へばり付かせて続く右側に上がってきた谷が、二俣となって山頂方向へ伸びている。
左の谷はすぐ上でさらに二俣となり、いずれも山頂へ至る好ルートになりそうである。
雪が安定していそうなので、まるで迷路のような雪の谷間に飛び込み、右の谷を選択した。展望とは無縁だが、
雪がびっしりと詰まった狭い谷底から見上げる空は、開放的な尾根を歩くのとはまったく違う不思議な感覚を得
られる。昨日の雨はこの高度では雪だったようで、黒く汚れた部分が新雪で覆い隠されて、谷は美しいカーブを
描いている。谷の両岸は、これまでの尾根上では見られなかった待望のブナ林に変わっていた。


P3140088_1.JPG

 やがて谷は広い二俣状になったが、どちらもすぐに行き止まりのようだ。地形図では浅い谷地形が山頂直下の
鞍部に続いているように描かれているが、実際の地形はその通り行かないところも面白い。
右から回り込んで正面の雪壁の上に乗ると、美しいブナ林の台地となった。山頂はもう目の前だ。

パノラマ1_1_1.jpg

 ひと登りで1231.4mの岩穴谷山の山頂に到着。3週連続で奥越の名もない山に立つ。
予想に反して展望もなかなかのもので、枇杷倉山から小白山、石徹白の山々、その奥に白山の純白の姿が光る。
反対側には2週前に歩いた三ノ宿から岩ヶ谷山の尾根の奥に、越美国境の滝波山から屏風山への稜線が横たわる。
似たようなところからの眺めでありながら、少し角度が変わると違う景色のような印象を受けるのが面白い。
白山方面を眺めながらランチタイムとシャレ込みたかったが、いささか風が強い。南側の雪庇の下で、もっさり
した山並みを眺めてのんびりするのもオツなものだ。


P3140143_1.JPG

 下山は西に延びる尾根に針路を取るが、この尾根は複雑に分岐しているので気を抜くとあらぬ方向へ進んでし
まう。
尾根上はこの地域特有のヒノキの巨木・怪木のオンパレードだ。そこに時折ミズナラの奇木も交わって、スッキ
リした雪稜歩きではないが、独特の面白さがある。右手には常に小白山から枇杷倉山への稜線が高みから見下ろ
しているようだ。

P3140162_1.JPG


 P1100を過ぎると怪木帯も終わり、ブナ主体の林が続いた。変化に富んで、飽きることのない雪尾根歩きを楽
しめる。
 854.8mの三角点角野山から駐車地に向かう尾根に進む。ここからは正面に木無山を望むことができる。あちら
には今日は山猫夫妻が入っているはずだ。
 最初のうちは気持ちのいい雪尾根だったが、どんどん雪が腐り始めた上にヤセ尾根となり、尾根芯がヤブで覆
われ始めた。スノーシューを脱いで、雪を繋ぎながら左の谷から迂回する。今日は何度スノーシューを履いたり
脱いだりしたことだろう。
 読みよりも30分遅れて駐車地に到着すると、小白山パーティーもちょうど戻ってきたところだった。あらぬ方
向から現れたので、「どこを登ってきたの?」と質問を受ける。今日のコースを説明すると妙に感心された。
大阪くんだりから来て、わざわざ名も無い山に登る物好きが珍しかったのだろう。

                   山日和
biwaco
記事: 1422
登録日時: 2011年2月22日(火) 16:56
お住まい: 滋賀県近江八幡市

Re: 【奥越】極上の無名峰逍遥その2 岩穴谷山

投稿記事 by biwaco »

こんにちは、導師様(^^)/
【コース】角野前坂7:10---9:00下谷橋9:50---12:40岩穴谷山14:20---15:45 P1082m---17:00角野山---18:00駐車地
なるほど、ほどなる~! やっと分かりましたわ(^_-)
fbレポのログを見て、この県道は行きか帰りか?はて、どうやって進んだ?と疑問が解けないまんまでした。
前坂に駐車して下谷橋まで歩いたんですね!!!
なんと2時間も(@_@;)

日曜日は風がキツそうだったんで、翌日に横山岳へ行ってきました。B姉さんとのシニアペア(^_-)
西尾根はすっかり春山で971ピークを岩場を越えてから、やっとスノーシューのお世話になるほど。
でも、山頂周辺の雪は健在で、白山などの眺望も楽しめました。
さらに予想外だったのが、そこで3台の車が登山の準備をしていたことである。
どこへ行くのか尋ねてみると、小白山へ向かうとのこと。7、8人の中高年パーティー(人のことは言えないが)で、ここから歩くとなるとなかなか厳しい行程だろう。
石徹白ダム手前の三面谷林道からのアプローチを読んだことありますが、ロングですね(@_@;)
こういう場面ではライトニング・エクスプローラーの脱着性の良さが助かるのだ。
グリップ力、軽量、脱着性――スノーシューを選ぶ3大特性?
当初予定の尾根の取付きまで進んだところで思案した。
・658の辺りから、co1270への尾根を回り込む予定でしたか(゜o゜)
行ってたら闇下必至!ですね。
晴れ渡った空とは裏腹に、気分が暗くなって行きそうだ。
心の暗闇を剥ぐのには、ブナの数本もあればすむのにねえ…(^_-)
 ひと登りで1231.4mの岩穴谷山の山頂に到着。3週連続で奥越の名もない山に立つ。

ナモナイヤマネットでも立ち上げますか(@_@;)
オフ会は三ノ宿か岩穴?で!
尾根上はこの地域特有のヒノキの巨木・怪木のオンパレードだ。そこに時折ミズナラの奇木も交わって、スッキ
リした雪稜歩きではないが、独特の面白さがある。
スノー衆の徳平山周辺もヒノキ、ミズナラの巨樹怪木の陳列尾根でしたね(^^)/
P3070851.jpg
あらぬ方向から現れたので、「どこを登ってきたの?」と質問を受ける。今日のコースを説明すると妙に感心された。
不審徘徊者? 次は毘沙門岳でお祓いしてもらって下さい。お疲れさまでございました。<m(__)m>

        ~当分休養中のびわ爺
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥越】極上の無名峰逍遥その2 岩穴谷山

投稿記事 by 山日和 »

biwacoさん、どうもです~。

なるほど、ほどなる~! やっと分かりましたわ(^_-)
fbレポのログを見て、この県道は行きか帰りか?はて、どうやって進んだ?と疑問が解けないまんまでした。
前坂に駐車して下谷橋まで歩いたんですね!!!
なんと2時間も(@_@;)

FBレポを読んだらすぐにわかるんですけどね :mrgreen:

P3140019_1_1.JPG

日曜日は風がキツそうだったんで、翌日に横山岳へ行ってきました。B姉さんとのシニアペア(^_-)
西尾根はすっかり春山で971ピークを岩場を越えてから、やっとスノーシューのお世話になるほど。
でも、山頂周辺の雪は健在で、白山などの眺望も楽しめました。


久々のB&Bでしたか。 :lol:

石徹白ダム手前の三面谷林道からのアプローチを読んだことありますが、ロングですね(@_@;)

私も以前、三面谷の左岸尾根に取り付いて、小白山~枇杷倉~桂島と周回したことありますが、腹一杯になりました。 :D

グリップ力、軽量、脱着性――スノーシューを選ぶ3大特性?

その通りです。値段も問題だけど。 :mrgreen:

・658の辺りから、co1270への尾根を回り込む予定でしたか(゜o゜)
行ってたら闇下必至!ですね。


判断は正解でした。何より体が持たんと思いましたけど :lol:

>晴れ渡った空とは裏腹に、気分が暗くなって行きそうだ。

心の暗闇を剥ぐのには、ブナの数本もあればすむのにねえ…(^_-)


そうそう、杉林の中でスノーシューを履いたり脱いだりでは話になりません。


P3140043_1.JPG

ナモナイヤマネットでも立ち上げますか(@_@;)
オフ会は三ノ宿か岩穴?で!


まだまだタマはありますよ。 :lol:

>尾根上はこの地域特有のヒノキの巨木・怪木のオンパレードだ。そこに時折ミズナラの奇木も交わって、スッキ
リした雪稜歩きではないが、独特の面白さがある。

スノー衆の徳平山周辺もヒノキ、ミズナラの巨樹怪木の陳列尾根でしたね(^^)/


左門岳や屏風山のあたりにもヒノキの奇木地帯がありますね。

P3140138_1.JPG

不審徘徊者? 次は毘沙門岳でお祓いしてもらって下さい。お疲れさまでございました。<m(__)m>

どこへ行ったんやろと思ってたんでしょうねえ。説明して、3週連続の奥越だと言うと、すごい親近感を持たれたみたいです。 :D

                  山日和   
yamaneko0922
記事: 539
登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
お住まい: 京都市左京区

Re: 【奥越】極上の無名峰逍遥その2 岩穴谷山

投稿記事 by yamaneko0922 »

山日和さん こんにちは

すぐ近くの山にいらしたとお伺いしておりましたが、こんなに近くとは思いませんでした。
写真を見返してみたのですが、手前右手の小ピークが角野山でそのやや左奥のピークでしょうか?
木無山への登りより
木無山への登りより

>当初予定の尾根の取付きまで進んだところで思案した。稜線に達するまでの時間、そこから山頂までに要する
時間を計算すると、闇下の可能性が高い。それ以上に体力の心配もある。
決断は早く、下谷の橋まで戻って岩穴谷山へダイレクトに突き上げる尾根に転進しようと方針変更した。


流石のご英断ですね。私なら折角、ここまで林道を歩いたんだから・・・とけち臭い考えに捉われてしまいそうです。

>尾根上はこの地域特有のヒノキの巨木・怪木のオンパレードだ。そこに時折ミズナラの奇木も交わって、スッキ
リした雪稜歩きではないが、独特の面白さがある。


スノー衆に初めて異形のヒノキを見ましたが、こちらでも同様に尾根に異形のヒノキが残されているんですね。

>白山方面を眺めながらランチタイムとシャレ込みたかったが、いささか風が強い。南側の雪庇の下で、もっさり
した山並みを眺めてのんびりするのもオツなものだ。


木無山も山頂だけは非常に風が強かったです。スノー衆のように山頂でランチをと思っていたのですが、諦めて私たちも雪庇の下に回り込みました。

>854.8mの三角点角野山から駐車地に向かう尾根に進む。ここからは正面に木無山を望むことができる。あちら
には今日は山猫夫妻が入っているはずだ。


その通りでございます。事前に色々と情報・アドバイス有難うございました。

>小白山パーティーもちょうど戻ってきたところだった。

ということは小白山に届いたんでしょうね。

>今日のコースを説明すると妙に感心された。
大阪くんだりから来て、わざわざ名も無い山に登る物好きが珍しかったのだろう。


大阪ナンバーでなくとも、感心されたのではないでしょうか :mrgreen:
山猫 🐾
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山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥越】極上の無名峰逍遥その2 岩穴谷山

投稿記事 by 山日和 »

山猫さん、どうもです。

すぐ近くの山にいらしたとお伺いしておりましたが、こんなに近くとは思いませんでした。
写真を見返してみたのですが、手前右手の小ピークが角野山でそのやや左奥のピークでしょうか?


角野山は植林が迫っている黒っぽいところですね。岩穴谷山は一番高いところの少し右手前でしょうか。

流石のご英断ですね。私なら折角、ここまで林道を歩いたんだから・・・とけち臭い考えに捉われてしまいそうです。

ご英断と言うか、単にしんどかっただけです。 :mrgreen:


ここは福井県なのになぜか白鳥町の看板が
ここは福井県なのになぜか白鳥町の看板が

スノー衆に初めて異形のヒノキを見ましたが、こちらでも同様に尾根に異形のヒノキが残されているんですね。

越美国境周辺の植生の特徴ですね。結構あっちこっちにあります。

木無山も山頂だけは非常に風が強かったです。スノー衆のように山頂でランチをと思っていたのですが、諦めて私たちも雪庇の下に回り込みました。

それはちょっと残念でした。この山頂は荒島がドーンと正面に見えて、気持ちのいいところです。

>854.8mの三角点角野山から駐車地に向かう尾根に進む。ここからは正面に木無山を望むことができる。あちら
には今日は山猫夫妻が入っているはずだ。

その通りでございます。事前に色々と情報・アドバイス有難うございました。


木無は真っ白だったので、霧氷を楽しんでおられるだろうなあと話していましたよ。
標高は80mほどしか違わないのに、少し離れるだけでえらい違いです。


P3140084_1.JPG

>小白山パーティーもちょうど戻ってきたところだった。

ということは小白山に届いたんでしょうね。

山頂まで行ったと言ってました。登山届のメンバー表を見ましたが、最高73歳、最年少43歳だったか。平均は60歳ぐらいでしょうか。
みなさんワカンだったようです。雪が締まっていたので、南尾根はツボ足でも歩けたと思います。

>今日のコースを説明すると妙に感心された。
大阪くんだりから来て、わざわざ名も無い山に登る物好きが珍しかったのだろう。

大阪ナンバーでなくとも、感心されたのではないでしょうか :mrgreen:

そうかも :lol:

                   山日和
sato
記事: 417
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【奥越】極上の無名峰逍遥その2 岩穴谷山

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんばんは。
昨日、ふっと、我が家の裏の堤防沿いの桜並木を見たら、ぽつぽつと開花し始めていました。
寒々としていた庭も小さな草花で覆われ気持ちよさ気に(わたしは草取りに追われる季節に)。
目の前の春の勢いにクラクラしてしまいました。
岩穴谷山の感想をと思いつつ、気が付くと季節が進んでいました。スミマセン。

山日和さんのレポを読み返しながら、味わい深かった一日を振り返っています。

九頭竜の道の駅に着いた時、まわりの山々の茶色い斜面を見て、雪解けの速さにびっくりしましたが、
朝まで続いた雨に、雪は少なくなってしまっても、稜線上では霧氷に出会えるのでは、と、期待しました。

えっ?と思うことは続きますね。前坂の集落から先は車両通行止め。
石徹白ダムまで2キロ余り。その先の林道歩きも長い。どうしよう。木無山に変更しようか。
今日の木無山は美しい霧氷で飾られているだろうなと思いました。
でも、自分には思い浮かぶことはないであろう山日和さんの描いたお山を味わいたい気持ちが勝りました。

長いと分かっていた林道歩きですが、やっぱり長かったですね。
薄汚れた雪の道をぺたぺたと歩きながら、白く煌めく小白山に向かったグループは、
今、どんな風景を味わっているのだろうと、ちょっとうらやましくなったりしました。

尾根の取り付き地点に着いたのが9時。予定のコースを歩くには、出発時間を1時間早くするべきでした。
休憩時間も含めてですが、橋まで戻るのにも結構時間がかかりましたね。

岩穴谷山に突き上げる尾根は、やぶっぽくなくてよかったと、最初はほっとしましたが、
どこまでも続く植林に、お互い無口になっていました(笑)。
表情がころりと変わったのが、・1091の先、急こう配の尾根を下った(地形図では分かりませんね)ところからでしたね。

あれっ?尾根が無くなった・・。ぽんと谷の中に降り立つと、目の前に不思議な光景が広がっていました。
わぁっ、と高揚感に襲われました。
鞍部から尾根は、山頂直下のカーテンの襞のようにならぶ小さな谷の東側から山頂に向かっているのですね。

地図でコースを辿っていた時、山頂周辺の面白い地形を見ながら、どんな風景が展開しているのだろうと想像していました。
当初の予定の・1251を通る複雑な稜線歩きも楽しみでしたが、変更したおかげで、この光景に出会うことが出来ました。

尾根歩きの最後、谷から山頂に向かうというのは、なんとも不思議な感覚でした。
山の内奥へと向かっていく感じ、山のこころの襞に触れているような感じでした。
谷から望む石徹白の峰々は白くうつくしく、山が見つめている風景を覗いているようでした。

岩穴谷山の山頂は、あぁ、来てよかった、と、しみじみとしたものを感じる山頂でしたね。
今にも消え入ろうとする儚い霧氷にも出会えました。
ゆったり、平和なお昼の時間を過ごせましたね。

ここから前坂に向かう、くねくねした稜線も面白かったです。
地形の妙を味わいながらの稜線歩きは、山を歩いているのですが、地図を旅しているような気分でした。
ヒノキの巨木、怪木が多く見られるのも驚きでした。いろいろな木が根付いたあがりこのヒノキは圧巻でした。

△854.8を過ぎるまで心地よく進み、すっと神社に降りられるかなと思いましたが、甘かったですね。
最後、予想外に時間を取られました。これはこれで面白かったです。

18時。小白山グループと同じ時間の到着でした。リーダーの方は、何十年も山を登っていらっしゃるお顔でした。
増永廸男さんの本の愛読者の方でしたね。
福井の言葉はいいですね。ほんわかした気持ちになりました。

ひとつひとつの雪山旅でそれぞれの愉しさ面白さを感じますが、岩穴谷山は、まさに「極上の無名峰逍遥の山旅」でした。
歩いてこそ知ることのできる風景、「わたし」の風景との出会いを感じました。
林道や植林の尾根からまわりの煌めく稜線を見上げ、何をしているのだろう、という可笑しくなるような思いも、
歩いてこそ感じるものですね(笑)。
いい一日でした。ありがとうございました。

sato
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥越】極上の無名峰逍遥その2 岩穴谷山

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、どうもです。

昨日、ふっと、我が家の裏の堤防沿いの桜並木を見たら、ぽつぽつと開花し始めていました。

あっという間に春たけなわになっちゃいましたね。

九頭竜の道の駅に着いた時、まわりの山々の茶色い斜面を見て、雪解けの速さにびっくりしましたが、

三ノ宿へ行った時は駐車場の奥は雪の山でしたが、すっかりなくなってました。

えっ?と思うことは続きますね。前坂の集落から先は車両通行止め。

石徹白ダムまでは入れると確信してたので、ちょっとガックリ。 :oops:


P3140010_1.JPG

今日の木無山は美しい霧氷で飾られているだろうなと思いました。
でも、自分には思い浮かぶことはないであろう山日和さんの描いたお山を味わいたい気持ちが勝りました。


山猫さんのレポを見ると、ちょっとうらやましくなりますね。

長いと分かっていた林道歩きですが、やっぱり長かったですね。

いい加減うんざりしてきました。

尾根の取り付き地点に着いたのが9時。予定のコースを歩くには、出発時間を1時間早くするべきでした。

御意!!

岩穴谷山に突き上げる尾根は、やぶっぽくなくてよかったと、最初はほっとしましたが、
どこまでも続く植林に、お互い無口になっていました(笑)。


なんともモチベーションの上がらないこと・・・・ :oops:

P3140047_1.JPG

表情がころりと変わったのが、・1091の先、急こう配の尾根を下った(地形図では分かりませんね)ところからでしたね。

あれっ?尾根が無くなった・・。ぽんと谷の中に降り立つと、目の前に不思議な光景が広がっていました。
わぁっ、と高揚感に襲われました。
鞍部から尾根は、山頂直下のカーテンの襞のようにならぶ小さな谷の東側から山頂に向かっているのですね。


この景色を見て息を吹き返しましたね。地獄から天国でした。 :lol:

尾根歩きの最後、谷から山頂に向かうというのは、なんとも不思議な感覚でした。
山の内奥へと向かっていく感じ、山のこころの襞に触れているような感じでした。
谷から望む石徹白の峰々は白くうつくしく、山が見つめている風景を覗いているようでした。


見た瞬間、谷を辿ろうと決めました。行く手の尾根が貧相な感じだったし。
雪の詰まった谷歩きは楽しいです。 :D


P3140083_1.JPG
P3140091_1.JPG

岩穴谷山の山頂は、あぁ、来てよかった、と、しみじみとしたものを感じる山頂でしたね。
今にも消え入ろうとする儚い霧氷にも出会えました。
ゆったり、平和なお昼の時間を過ごせましたね。

地味だけど、いい山頂でしたね。白山に背を向けて、これも地味な景色を眺めながらのランチタイムもオツなものでした。

ここから前坂に向かう、くねくねした稜線も面白かったです。
地形の妙を味わいながらの稜線歩きは、山を歩いているのですが、地図を旅しているような気分でした。
ヒノキの巨木、怪木が多く見られるのも驚きでした。いろいろな木が根付いたあがりこのヒノキは圧巻でした。


スッキリした雪稜歩きも爽快だけど、こういう変わった雪尾根歩きも味わい深いものがありました。最後はちょっと飽きてきたけど。

P3140133_1.JPG
P3140138_1.JPG

△854.8を過ぎるまで心地よく進み、すっと神社に降りられるかなと思いましたが、甘かったですね。
最後、予想外に時間を取られました。これはこれで面白かったです。


地形図では読み取れないような地形にぶち当たりましたね。こういうのを面白いと言ってくれるのが心強いです。
スノー衆だとこれはアトラクション扱いになります。 :mrgreen:

18時。小白山グループと同じ時間の到着でした。リーダーの方は、何十年も山を登っていらっしゃるお顔でした。
増永廸男さんの本の愛読者の方でしたね。
福井の言葉はいいですね。ほんわかした気持ちになりました。

増永さんの名前で気持ちが通じました。


P3140173_1.JPG

ひとつひとつの雪山旅でそれぞれの愉しさ面白さを感じますが、岩穴谷山は、まさに「極上の無名峰逍遥の山旅」でした。
歩いてこそ知ることのできる風景、「わたし」の風景との出会いを感じました。
林道や植林の尾根からまわりの煌めく稜線を見上げ、何をしているのだろう、という可笑しくなるような思いも、歩いてこそ感じるものですね(笑)。


名も無いもっさりした雪山歩きですが、派手な山より自分の内面とより向き合えるような気がします。半分は負け惜しみだけど。 :mrgreen:

                         山日和
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