【若狭】甲森谷支流白谷から芦谷山

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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【若狭】甲森谷支流白谷から芦谷山

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2012年7月16日(月)
【山 域】若狭 芦谷山周辺
【天 候】晴れ
【コース】関電取水施設7:40---8:40甲森谷出合---9:25白谷出合9:40---11:15尾根13:00---13:30芦谷山---15:00横谷川本流15:15---16:40駐車地

 朝から気持ちが悪い。暑さと寝不足の上に、食欲もないのに無理やりハンバーガーを食べてしまったのが拍車をかけた。
さっさと温泉に入って帰りたいぐらいだがそうもいかず、登山口へ向かう。
 横谷川林道の関電取水施設前の定位置は今日も無人。ここは朝のうちは日陰で、川上から涼しい風が吹き抜ける。
ちょっと気分が持ち直した。
 林道をしばらく歩いて最終堰堤から巡視路に入る。崩れた跡が直されているがかなり荒れている。神経を使うトラバース
もあり、登山道しか歩いたことがない人にはちょっと辛い道だろう。
 
 最初の吊り橋で水辺へ降りるとホッとする。やはり夏は水辺が一番だ。最近の雨で水量はやや多いものの、増水してい
るというほどではない。それでも左岸のへつり部分などは水没して、普通の靴では歩けない。橋もことごとく落ちており、渓
流シューズは必携である。
2番目の吊り橋は渡る気が起こらないほど老朽化している。落ちてはいなくても真ん中で「くの字」に曲がって逆太鼓橋状
態の橋もある。

[attachment=4]P1080486_1.JPG[/attachment]
 この「関西屈指の鉄塔巡視路」も通い慣れたものだ。1時間ほどで甲森谷出合に到着。ここでひと息入れるのもいつもの
習慣である。
やさしい流れを上流へ辿る。劇的なことは何も起こらない谷だが、何度来ても飽きることがない。何も起こらないと思ってい
たらつまずいた拍子にカメラがケースから飛び出して水没寸前でストラップにぶら下がってしまった。あわてて水滴を拭き取
るが、レンズの内側がなんとなく曇っているようだ。今日は沢登りと言うほどでもないので防水カメラにしなかったのが失敗
だった。

[attachment=3]P1080507_1.JPG[/attachment]
 甲森谷右岸唯一の支流が白谷である。この出合の手前のミニゴルジュが本流で一番美しいところだろう。出合の本流左
岸には炭焼窯跡とトチの木の小台地があり、休むにはうってつけの場所だ。
 今日の目的は気になりながらこれまで入ったことのなかった白谷の探索である。直角に本流へ流れ込み、さらに急角度
で右折する谷は、出合のゴルジュ地形から見ても滝が連続しそうな雰囲気を漂わせている。
しかし現実は1~2m程度の落差が続く平凡な渓相だった。耳川流域の小谷の平均的な風景と言えるだろう。
谷そのものは平凡でも、谷を覆う樹林はすべてトチを主体とした自然林で美しい。これまた耳川の谷を代表する風景である。

[attachment=2]P1080528_1.JPG[/attachment]
 谷の真ん中に巨岩が現われた。一瞬インゼルかと思ったが二俣だった。岩の上には約束事のように大きなトチが根を張っ
ている。初めての谷でもどこかで見たような風景が連続する予定調和の世界だ。
甲森谷本流と違い、短い谷だけにすぐに谷は傾斜を増す。ほとんどが小滝が繋がったような流れだが、流倒木が多いので
スッキリしないのが残念だ。
 標高500mを超えると倒木が姿を消し、きれいな斜瀑が連続するようになった。早くも源頭の趣きを見せる谷は放射状に広
がり、その中に連瀑を掛ける。
周りの斜面にはブナも姿を見せ始めた。その斜面もほとんど下生えがなく、非常にスッキリした印象だ。この源頭は付近の
谷の中でも一二を争う美しさだろう。両岸の尾根上にはブナ林が広がる。

[attachment=1]P1080566_1.JPG[/attachment]
 その美しさとは裏腹に、こちらはもうヘロヘロである。こんなに体力がなかったかなと思うほど足が重い。
水の切れた谷は目の前で終わり。右手から尾根に這い上がる。グリップの利かないフェルトソールでずるずる滑りながら、
青息吐息で甲森谷本流との中間尾根に乗った。涼しい風がオーバーヒートした体を冷却してくれる。少し早いがメシにしよう。
 気持ちのいいブナ林にシートを広げた。今日はとろろ蕎麦。ソーメンと並んで暑い日には食べやすいメニューだ。ビールも
なんとか冷えを保っている。
食後の仕上げは昼寝だ。上着を羽織って乾いた靴下を履いたら寒くはない。30分ほど熟睡しただろうか。

[attachment=0]P1080584_1.JPG[/attachment]
 甲森谷源流の森水屋(谷の名前である。このあたりには「トタテ」や「ジャツキ」「中小屋」「水舟」など変わった名前の谷が
多い。)から「トチとカツラのワンダーランド」を経由して下りるつもりだった。
最近あるHPを見ると、「登山者にトチとカツラのワンダーランドと呼ばれているらしいが、筆者は横文字の名前を好まない云
々」と書いてあった。自分も好きなわけではないが、あの森を初めて見た時の素直な驚きがこういう表現になっただけだ。
名前を付けるとしたら「桂の桃源郷」。翻って「桂源郷」というところか。なんだか落語家の名前みたいでイマイチだが。

 すっかり涼しくなったこともあり、もう一度濡れた渓流シューズを履く気が失せて、芦谷岳から未踏のP577m尾根を下るこ
とにした。これが大きな間違いだった。
 涼しかったのはさっきの尾根だけで、町界尾根に上がると日も当たるようになって猛烈に暑い。全国で猛暑日となった日
だけあって、さすがにこんな標高の低い山の尾根では暑さから逃れられない。
またまた汗だくになって、芦谷岳の次のピークから北西への支尾根に入った。
 最初はそこそこの大木もありいい雰囲気だったが、それも間もなく終了。ユズリハのヤブと杉の幼木が鬱陶しいヤブ尾根
に変わった。それなりに踏み跡はある。だいぶ前にokuちゃんが歩いて、あまりいいように書いてなかったことを思い出した。
横谷川本流の上流域は植林が入っているので、その近辺の尾根や谷はあまり期待してはいけないのだ。
 おまけにP577mからの下りで広い尾根に惑わされて外してしまい、ヤブの薄い方へ誘われて真北の支尾根を下りる羽目
になってしまった。
この辺の尾根は岩壁に突き当たることもないと思っていたら、目の前に大岩が現われた。岩の向こうはストンと切れ落ちて
いるようだ。右手の斜面を鹿が2頭走り抜けた。そちらの斜面にはそれとなく踏み跡風のルートがジグザグに付けられてい
るように見えた。ズルズルの斜面をなんとか下り切る。
今日もまたしなくてもいい苦労を買って谷筋に着地。冷たい渓水で顔をザブザブ洗うと人心地着いた。
 
 このあたりは一面植林帯である。杣道を拾って下流へ進めば巡視路に合流する。しばらく歩くと甲森谷の出合。
夕方の谷筋ということでメガネを掛けた。さほど目が悪いわけではないが、薄暗いと見えにくくなるのだ。
第一吊り橋まで戻って休んでいる時に外したメガネに手を着いてしまった。何か嫌な音がしたなと思ったがあまり気にもせ
ず歩き出す。どうも視界がおかしい。メガネを外した方がよく見える。
度が合わなくなったのかなと思いながら車に戻り、メガネを拭こうとしたら右眼のレンズがなくなっていた。

                          山日和
添付ファイル
P1080584_1.JPG
P1080566_1.JPG
P1080528_1.JPG
P1080507_1.JPG
P1080486_1.JPG
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矢問
記事: 290
登録日時: 2011年2月23日(水) 07:28
お住まい: 兵庫県
連絡する:

Re: 【若狭】甲森谷支流白谷から芦谷山

投稿記事 by 矢問 »

山日和さん、こんにちは(^^)
16日はバテバテで家に閉じこもっていました。
久しぶりに帰省した長男も職場からの緊急呼び出しで昼前にとんぼ返りでした。

【山 域】若狭 芦谷山周辺
芦生と同じく「芦」がつくところは「人が住むには悪しき地」という湿地や人の住みに
くい芦がぼうぼうの土地だったのでしょうかね。

> 朝から気持ちが悪い。暑さと寝不足の上に、食欲もないのに無理やり
登山しないとさらにストレス貯まって悪化するような感じをかつて僕も。
でも「やっぱり来て良かった」という時期も過ぎていまはやっぱり疲れが貯まります(^^;)
精神的休養はできても身体的休養も欲しがる体になってきたのかも・・・。

> 崩れた跡が直されているがかなり荒れている。神経を使うトラバース
> もあり、登山道しか歩いたことがない人にはちょっと辛い道だろう。
この表現「神経を使うトラバース」山日和辞書を持っていない人は5倍ほど
スパイスをきかせて読んで下さい(^^;)

> 最初の吊り橋で水辺へ降りるとホッとする。やはり夏は水辺が一番だ。
同感です。泳ぎたいというのではないのですが、浸かりたい、かかりたい。
ブユの大群に僕は困りますが・・・。気温が低い日や早朝はいませんしね(^^)。

> 劇的なことは何も起こらない谷だが、何度来ても飽きることがない。
> 何も起こらないと思っていたらつまずいた拍子にカメラがケースから飛び出して
まだカメラで良かったですね。油断はやはり大敵。今古川で滝から滑って落ちました。
沢で落ちたのは13年ぶりかなぁ。やはりちょっとした油断でした(^^)

> 流倒木が多いのでスッキリしないのが残念だ。
去年の台風の通り道になったので芦生と同じく相当の枝が折れて木も倒れたのでは
ないでしょうか。

> 周りの斜面にはブナも姿を見せ始めた。その斜面もほとんど下生えがなく、非常に
> スッキリした印象だ。この源頭は付近の谷の中でも一二を争う美しさだろう。
おおっ、良いですね~。

> その美しさとは裏腹に、こちらはもうヘロヘロである。こんなに体力がなかったかな
> と思うほど足が重い。
なんか僕が登っているレポのような(^^;)

> グリップの利かないフェルトソールでずるずる滑りながら、青息吐息
う~ん、最後のずるずるはちょっと残念ですね。重い足取りが余計に重くなります。

> 少し早いがメシにしよう。
食欲が出たのですね。よかった。

> 最近あるHPを見ると、「登山者にトチとカツラのワンダーランドと呼ばれている
> らしいが、筆者は横文字の名前を好まない云々」と書いてあった。
いろいろなHPも調べているのですね~。
職場でさんざんパソコンとのにらめっこで目が疲れているので家ではここ数年あまり
見ません。いや見ていたら目がメチャ疲れてつらい。

> 名前を付けるとしたら「桂の桃源郷」。翻って「桂源郷」というところか。
ホント、イマイチです~。

> 芦谷岳から未踏のP577m尾根を下ることにした。これが大きな間違いだった。
やはり「悪しき地」でしたか。

> 町界尾根に上がると日も当たるようになって猛烈に暑い。
あかん!僕なら即死だ。風も抜けない日は最悪!

> それなりに踏み跡はある。だいぶ前にokuちゃんが歩いて、あまりいいように
> 書いてなかったことを思い出した。
お二人が感動しない・・・そりゃ避けて通るほうが良いというルートですね。

> ヤブの薄い方へ誘われて真北の支尾根を下りる羽目になってしまった。
藪に吸い寄せられる山日和さんが薄い方に???

> ズルズルの斜面をなんとか下り切る。
> 今日もまたしなくてもいい苦労を買って谷筋に着地。冷たい渓水で顔をザブザブ
> 洗うと人心地着いた。
涼しげだったのに蒸し暑さ満々になってきましたね。

> 夕方の谷筋ということでメガネを掛けた。さほど目が悪いわけではないが、薄暗いと
> 見えにくくなるのだ。
もうそんな歳なのです(^^) 数年前に遠近両用になりつぎは手元とパソコンの文字が
長時間だとしんどくなってきて視野の広い近近レンズが欲しくなります。昨日発注。

> メガネを拭こうとしたら右眼のレンズがなくなっていた。
今回はメガネ自体を置き忘れなかったのに、レンズを置き忘れ・・・ 。
メガネを探すメガネ、レンズを探すメガネもいるかも。
メガネ族になったら予備メガネも必要ですね。

「あ~、水と戯れたい。ブユはいやだ・・・」の気持ちが渦巻いているこの暑さ。
僕にはキツイ夏です~。今日もアスファルトとコンクリートジャングルを半日さまよいます・・。
ふぅ・・・。
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柳川洞吹
記事: 681
登録日時: 2011年2月22日(火) 22:07
お住まい: クルマの中(簡易旅館仕様車)

Re: 【若狭】甲森谷支流白谷から芦谷山

投稿記事 by 柳川洞吹 »

山日和さん こんばんは

 朝から気持ちが悪い。暑さと寝不足の上に、食欲もないのに無理やりハンバーガーを食べてしまったのが拍車をかけた。
 さっさと温泉に入って帰りたいぐらいだがそうもいかず、登山口へ向かう。


これは食あたり? ばちあたり?
やっぱり夏バテですかな。
なんで「そうもいかず」なのかわかりませんが、ご苦労さんなことだす。
ワシなら、「待ってました。これも天の思し召し。」……ということで、喜んで温泉に入って帰ります。

 林道をしばらく歩いて最終堰堤から巡視路に入る。崩れた跡が直されているがかなり荒れている。神経を使うトラバースもあり、登山道しか歩いたことがない人にはちょっと辛い道だろう。

矢問さんは5倍スパイスって言ってますけど、今日の山日和さん調子悪いから、辛さ1倍(=言葉そのまま)に戻ってますよ。
ところで、今月の「岳人」誌に庄部谷山が載ってますね。

 最初の吊り橋で水辺へ降りるとホッとする。やはり夏は水辺が一番だ。最近の雨で水量はやや多いものの、増水しているというほどではない。それでも左岸のへつり部分などは水没して、普通の靴では歩けない。橋もことごとく落ちており、渓流シューズは必携である。
 2番目の吊り橋は渡る気が起こらないほど老朽化している。落ちてはいなくても真ん中で「くの字」に曲がって逆太鼓橋状態の橋もある。
 この「関西屈指の鉄塔巡視路」も通い慣れたものだ。


ワシも一番最初にここへ来たときは、こんな巡視路だとは思いもせず、軽登山靴だったので、
水中へつり部分で追い返されてしまいました。

 何も起こらないと思っていたらつまずいた拍子にカメラがケースから飛び出して水没寸前でストラップにぶら下がってしまった。あわてて水滴を拭き取るが、レンズの内側がなんとなく曇っているようだ。今日は沢登りと言うほどでもないので防水カメラにしなかったのが失敗だった。

おっと、セーフですか。
よかったね。
水没カメラと聞くと、どうしてもモジキ谷の恐怖がよみがえります。

 甲森谷右岸唯一の支流が白谷である。この出合の手前のミニゴルジュが本流で一番美しいところだろう。出合の本流左
岸には炭焼窯跡とトチの木の小台地があり、休むにはうってつけの場所だ。


ゆっくり歩いて、ゆっくり休む。
いいところです。

 今日の目的は気になりながらこれまで入ったことのなかった白谷の探索である。
谷そのものは平凡でも、谷を覆う樹林はすべてトチを主体とした自然林で美しい。これまた耳川の谷を代表する風景である。
 初めての谷でもどこかで見たような風景が連続する予定調和の世界だ。


こちらも、想像するだけで行った気分になれますね。

 その美しさとは裏腹に、こちらはもうヘロヘロである。こんなに体力がなかったかなと思うほど足が重い。

もはや熱中症寸前?

 青息吐息で甲森谷本流との中間尾根に乗った。涼しい風がオーバーヒートした体を冷却してくれる。少し早いがメシにしよう。
 気持ちのいいブナ林にシートを広げた。今日はとろろ蕎麦。ソーメンと並んで暑い日には食べやすいメニューだ。ビールもなんとか冷えを保っている。
食後の仕上げは昼寝だ。上着を羽織って乾いた靴下を履いたら寒くはない。30分ほど熟睡しただろうか。


昼メシ食って昼寝したら、気分がよくなりましたか。

 最近あるHPを見ると、「登山者にトチとカツラのワンダーランドと呼ばれているらしいが、筆者は横文字の名前を好まない云々」と書いてあった。自分も好きなわけではないが、あの森を初めて見た時の素直な驚きがこういう表現になっただけだ。
名前を付けるとしたら「桂の桃源郷」。翻って「桂源郷」というところか。なんだか落語家の名前みたいでイマイチだが。


六代目桂源郷(かつらげんきょう)襲名、おめでとうございます。

 涼しかったのはさっきの尾根だけで、町界尾根に上がると日も当たるようになって猛烈に暑い。全国で猛暑日となった日だけあって、さすがにこんな標高の低い山の尾根では暑さから逃れられない。
またまた汗だくになって、芦谷岳の次のピークから北西への支尾根に入った。
 ユズリハのヤブと杉の幼木が鬱陶しいヤブ尾根に変わった。それなりに踏み跡はある。だいぶ前にokuちゃんが歩いて、あまりいいように書いてなかったことを思い出した。
今日もまたしなくてもいい苦労を買って谷筋に着地。


猛暑日でもアトラクション付きの山行とは……
すごい!

 どうも視界がおかしい。メガネを外した方がよく見える。
度が合わなくなったのかなと思いながら車に戻り、メガネを拭こうとしたら右眼のレンズがなくなっていた。


レンズが入ってないのなら、かけてもかけなくても視界は同じじゃないの
……と思ったけど、左右総合しての視界が、片レンズだとアンバランスということですね。

よい沢旅を!
                                     洞吹(どうすい)
たんぽぽ
記事: 709
登録日時: 2011年2月20日(日) 11:54

Re: 【若狭】甲森谷支流白谷から芦谷山

投稿記事 by たんぽぽ »

山日和さん、こんばんは。

 朝から気持ちが悪い。暑さと寝不足の上に、食欲もないのに無理やりハンバーガーを食べてしまったのが拍車をかけた。
さっさと温泉に入って帰りたいぐらいだがそうもいかず、登山口へ向かう。

朝からよろしくないですね。
やはりこういう時の特効薬は沢遊びでしょう。

 横谷川林道の関電取水施設前の定位置は今日も無人。ここは朝のうちは日陰で、川上から涼しい風が吹き抜ける。
ちょっと気分が持ち直した。

効果てき面ですね、よかった、よかった。

2番目の吊り橋は渡る気が起こらないほど老朽化している。落ちてはいなくても真ん中で「くの字」に曲がって逆太鼓橋状
態の橋もある。

懐かしい甲森谷ですが、金魚のフンで歩いてましたんであまり記憶に残ってないのが残念です。

しかし現実は1~2m程度の落差が続く平凡な渓相だった。耳川流域の小谷の平均的な風景と言えるだろう。
谷そのものは平凡でも、谷を覆う樹林はすべてトチを主体とした自然林で美しい。これまた耳川の谷を代表する風景である。

話しは違うけど・・・
耳川って不気味な名前だなあと思ってたら、耳側下流に弥美(みみ)神社ってのを地図で見つけました。
弥美川って名前になってたらこの流域も変わってたかも。

 谷の真ん中に巨岩が現われた。一瞬インゼルかと思ったが二俣だった。岩の上には約束事のように大きなトチが根を張っ
ている。初めての谷でもどこかで見たような風景が連続する予定調和の世界だ。

難しい哲学用語が飛び出すなんて、ここは哲学の森かな?

 気持ちのいいブナ林にシートを広げた。今日はとろろ蕎麦。ソーメンと並んで暑い日には食べやすいメニューだ。ビールも
なんとか冷えを保っている。
食後の仕上げは昼寝だ。上着を羽織って乾いた靴下を履いたら寒くはない。30分ほど熟睡しただろうか。

虫も少なくて気持ちよさそうですね。
昼寝向きのところなら涼みに出かけたいなあ。

 甲森谷源流の森水屋(谷の名前である。このあたりには「トタテ」や「ジャツキ」「中小屋」「水舟」など変わった名前の谷が
多い。)から「トチとカツラのワンダーランド」を経由して下りるつもりだった。

トタテと聞くとあそこを遡行したかったなあと思い出しますわ。

最近あるHPを見ると、「登山者にトチとカツラのワンダーランドと呼ばれているらしいが、筆者は横文字の名前を好まない云
々」と書いてあった。自分も好きなわけではないが、あの森を初めて見た時の素直な驚きがこういう表現になっただけだ。
名前を付けるとしたら「桂の桃源郷」。翻って「桂源郷」というところか。なんだか落語家の名前みたいでイマイチだが。

“かつら げんご”う~ん、まんざらでも。

この辺の尾根は岩壁に突き当たることもないと思っていたら、目の前に大岩が現われた。岩の向こうはストンと切れ落ちて
いるようだ。右手の斜面を鹿が2頭走り抜けた。そちらの斜面にはそれとなく踏み跡風のルートがジグザグに付けられてい
るように見えた。ズルズルの斜面をなんとか下り切る。
今日もまたしなくてもいい苦労を買って谷筋に着地。冷たい渓水で顔をザブザブ洗うと人心地着いた。

何度来ても飽きず、何も起こらないハズだったのにねぇ。
お疲れさまでした。
 
第一吊り橋まで戻って休んでいる時に外したメガネに手を着いてしまった。何か嫌な音がしたなと思ったがあまり気にもせ
ず歩き出す。どうも視界がおかしい。メガネを外した方がよく見える。

カメラは救えども・・・

度が合わなくなったのかなと思いながら車に戻り、メガネを拭こうとしたら右眼のレンズがなくなっていた。
すばらしいオチですね!
桂源郷で売り出してみてはいかが?
Kasaya
記事: 927
登録日時: 2011年2月20日(日) 14:34

Re: 【若狭】甲森谷支流白谷から芦谷山

投稿記事 by Kasaya »

山日和さん こんばんは
梅雨が明けて暑くなりましたねえ。
こうなるとすぐにこの甲森谷を思い出します。
暑い日でも谷筋の涼しさと心地よさ、トチとカツラの見事さ。そしてそこから尾根に上がったときの蒸し暑さ。
1昨年の夏に直登氏とキャッシーさんを連れて甲森谷を歩いたときもまさにそんな感じでした。
沢は良かったけど山は大したことが無かったと正直な感想。

甲森谷を詰めて山に登らずにそのまま帰ったら邪道だと怒られるかな。
でもあの源流域で一度テント泊してみたい。

Kasaya
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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【若狭】甲森谷支流白谷から芦谷山

投稿記事 by 山日和 »

矢問さん、どうもです。

久しぶりに帰省した長男も職場からの緊急呼び出しで昼前にとんぼ返りでした。

この夏はいろいろ大変ですもんね。

芦生と同じく「芦」がつくところは「人が住むには悪しき地」という湿地や人の住みに
くい芦がぼうぼうの土地だったのでしょうかね。


どうなんでしょう? このあたりはブナの原生林だったと思いますが。

登山しないとさらにストレス貯まって悪化するような感じをかつて僕も。
でも「やっぱり来て良かった」という時期も過ぎていまはやっぱり疲れが貯まります(^^;)
精神的休養はできても身体的休養も欲しがる体になってきたのかも・・・。


お互い年を取りましたねえ。(^_^;)
朝から「今日は快調!!」という日が少なくなりました。

この表現「神経を使うトラバース」山日和辞書を持っていない人は5倍ほど
スパイスをきかせて読んで下さい(^^;)


洞吹さんも書いてますが、私の衰えが進んでるだけでしょう。最近はビビリが入ってあきませんわ。

[attachment=1]P1080474_1.JPG[/attachment]
同感です。泳ぎたいというのではないのですが、浸かりたい、かかりたい。
ブユの大群に僕は困りますが・・・。気温が低い日や早朝はいませんしね(^^)。


なんせ体がオーバーヒート状態。水冷エンジンです。

まだカメラで良かったですね。油断はやはり大敵。今古川で滝から滑って落ちました。
沢で落ちたのは13年ぶりかなぁ。やはりちょっとした油断でした(^^)


またカメラ買わなあかんなあと喜んだら復活しました。(^^ゞ
矢問さんの滑落はまだお目にかかったことないけど、重力が利いて痛そうですね。

> 流倒木が多いのでスッキリしないのが残念だ。
去年の台風の通り道になったので芦生と同じく相当の枝が折れて木も倒れたのでは
ないでしょうか。


横谷川本流もそんなイメージでした。

[attachment=0]P1080517_1.JPG[/attachment]
> 周りの斜面にはブナも姿を見せ始めた。その斜面もほとんど下生えがなく、非常に
> スッキリした印象だ。この源頭は付近の谷の中でも一二を争う美しさだろう。
おおっ、良いですね~。


ここは画像の通り、なかなかいいところです。

> その美しさとは裏腹に、こちらはもうヘロヘロである。こんなに体力がなかったかな
> と思うほど足が重い。
なんか僕が登っているレポのような(^^;)


矢問さんの代理でアップしときました。(^^ゞ

う~ん、最後のずるずるはちょっと残念ですね。重い足取りが余計に重くなります。

沢登りだからしょうがないですね。この日もまたチェーンスパイクを試すのを忘れてました。(^_^;)

> 少し早いがメシにしよう。
食欲が出たのですね。よかった。


そこまではメシを食う気なんか起こらなかったんですけどね。

> 名前を付けるとしたら「桂の桃源郷」。翻って「桂源郷」というところか。
ホント、イマイチです~。


あー、失礼しました。

> 芦谷岳から未踏のP577m尾根を下ることにした。これが大きな間違いだった。
やはり「悪しき地」でしたか。


まあ、あんなもんだと思います。隣の尾根の方がよかったかも。

> 町界尾根に上がると日も当たるようになって猛烈に暑い。
あかん!僕なら即死だ。風も抜けない日は最悪!


ここはブナ林があるからまだマシですね。

> それなりに踏み跡はある。だいぶ前にokuちゃんが歩いて、あまりいいように
> 書いてなかったことを思い出した。
お二人が感動しない・・・そりゃ避けて通るほうが良いというルートですね。


あまりお勧めはできない尾根ですね。

> ヤブの薄い方へ誘われて真北の支尾根を下りる羽目になってしまった。
藪に吸い寄せられる山日和さんが薄い方に???


人をふ~さんみたいに・・・・ :mrgreen:

涼しげだったのに蒸し暑さ満々になってきましたね。

またまたオーバーヒート状態でした。

> 夕方の谷筋ということでメガネを掛けた。さほど目が悪いわけではないが、薄暗いと
> 見えにくくなるのだ。
もうそんな歳なのです(^^) 数年前に遠近両用になりつぎは手元とパソコンの文字が
長時間だとしんどくなってきて視野の広い近近レンズが欲しくなります。昨日発注。


私も遠近両用が欲しい・・・。普段はメガネかけなくても見えるんですが、近くが・・・・

今回はメガネ自体を置き忘れなかったのに、レンズを置き忘れ・・・ 。
メガネを探すメガネ、レンズを探すメガネもいるかも。
メガネ族になったら予備メガネも必要ですね。


去年は木屋谷川でコケた拍子に両眼のレンズが水没して行方不明。
今年は片眼だけなので進歩したかも・・・(^^ゞ

              山日和
添付ファイル
P1080517_1.JPG
P1080474_1.JPG
アバター
山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【若狭】甲森谷支流白谷から芦谷山

投稿記事 by 山日和 »

洞吹さん、どうもです。

これは食あたり? ばちあたり?
やっぱり夏バテですかな。


寝不足とあまりの暑さでゲッソリーニでした。

なんで「そうもいかず」なのかわかりませんが、ご苦労さんなことだす。
ワシなら、「待ってました。これも天の思し召し。」……ということで、喜んで温泉に入って帰ります。


洞吹さんみたいにならないようにしないと・・・・

[attachment=2]P1080496_1.JPG[/attachment]
矢問さんは5倍スパイスって言ってますけど、今日の山日和さん調子悪いから、辛さ1倍(=言葉そのまま)に戻ってますよ。
ところで、今月の「岳人」誌に庄部谷山が載ってますね。


いい線突いてますね。 :D
「愕人」の記事は見ました。あんなコース歩く人おるんかいな。
紹介されてた下りの尾根は、初めて行って外さなかったら拍手喝采モノです。

ワシも一番最初にここへ来たときは、こんな巡視路だとは思いもせず、軽登山靴だったので、
水中へつり部分で追い返されてしまいました。


ちょうど増水してた時だったですね。ただの渡渉なら靴を脱いでと思いますけど、裸足でへつるのはねえ。

おっと、セーフですか。
よかったね。
水没カメラと聞くと、どうしてもモジキ谷の恐怖がよみがえります。


危ういところでした。その節はどうもです。(^_^;)

[attachment=1]P1080522_1.JPG[/attachment]
>甲森谷右岸唯一の支流が白谷である。この出合の手前のミニゴルジュが本流で一番美しいところだろう。出合の本流左
岸には炭焼窯跡とトチの木の小台地があり、休むにはうってつけの場所だ。

ゆっくり歩いて、ゆっくり休む。
いいところです。


ゆったりした気分になれますね。

>初めての谷でもどこかで見たような風景が連続する予定調和の世界だ。

こちらも、想像するだけで行った気分になれますね。[/q_yab]

あの辺の山を知ってる人だけの特権でしょう。(*^^)v

>その美しさとは裏腹に、こちらはもうヘロヘロである。こんなに体力がなかったかなと思うほど足が重い。

もはや熱中症寸前?


とにかく足が重い!!

昼メシ食って昼寝したら、気分がよくなりましたか。

ブナ林で涼しい風に吹かれたらてきめんに回復しました。

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六代目桂源郷(かつらげんきょう)襲名、おめでとうございます。

ありがとうございます。大名跡の名に恥じぬよう精進致します。

>今日もまたしなくてもいい苦労を買って谷筋に着地。

猛暑日でもアトラクション付きの山行とは……
すごい!


こりゃ結果論で・・・・

レンズが入ってないのなら、かけてもかけなくても視界は同じじゃないの
……と思ったけど、左右総合しての視界が、片レンズだとアンバランスということですね。


伊達メガネじゃないんだから・・・・
どうも左眼だけ急に悪くなったような気がしました。(+_+)

                     山日和
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Re: 【若狭】甲森谷支流白谷から芦谷山

投稿記事 by 山日和 »

たんぽぽさん、どうもです。

朝からよろしくないですね。
やはりこういう時の特効薬は沢遊びでしょう。


尾根歩きならさっさと帰ってました。

>横谷川林道の関電取水施設前の定位置は今日も無人。ここは朝のうちは日陰で、川上から涼しい風が吹き抜ける。
ちょっと気分が持ち直した。
効果てき面ですね、よかった、よかった。


やっぱり夏は沢ですね。たんぽぽさんは崩壊しかけの雪渓?

懐かしい甲森谷ですが、金魚のフンで歩いてましたんであまり記憶に残ってないのが残念です。

そりゃ残念。いいとこなんですけどねえ。

[attachment=1]P1080515_1.JPG[/attachment]
耳川って不気味な名前だなあと思ってたら、耳側下流に弥美(みみ)神社ってのを地図で見つけました。
弥美川って名前になってたらこの流域も変わってたかも。


東の山手にある神社ですね。閑静でいいところですよ。ここの境内の空き地でテント張ったこともあります。
社務所のトイレも貸してもらいました。
意外にもホームページがあったりします。

難しい哲学用語が飛び出すなんて、ここは哲学の森かな?

ついついにじみ出るものが・・・ :mrgreen:

虫も少なくて気持ちよさそうですね。
昼寝向きのところなら涼みに出かけたいなあ。


先週の仏谷源流もそうでしたが、不思議なことに虫がいませんでした。
この日もハチが2~3匹飛んでただけ。

[attachment=0]P1080582_1.JPG[/attachment]
トタテと聞くとあそこを遡行したかったなあと思い出しますわ。

たんぽぽさんもそういう趣味ありましたか。トタテは出合の滝はちょっとテクニカルですが、後は大したこともない沢です。
上流の三俣は実にいいところです。

[attachment=2]P1020769_1.JPG[/attachment]
“かつら げんご”う~ん、まんざらでも。

お褒め頂き恐縮です。

何度来ても飽きず、何も起こらないハズだったのにねぇ。
お疲れさまでした。


何も起こらないと飽きちゃうでしょ。(^^♪
 
>度が合わなくなったのかなと思いながら車に戻り、メガネを拭こうとしたら右眼のレンズがなくなっていた。
すばらしいオチですね!
桂源郷で売り出してみてはいかが?


とりあえず襲名披露は次のヤブオフで・・・・ :D

                       山日和
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トタテ上流の三俣
トタテ上流の三俣
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Re: 【若狭】甲森谷支流白谷から芦谷山

投稿記事 by 山日和 »

kasayaさん、どうもです。

梅雨が明けて暑くなりましたねえ。
こうなるとすぐにこの甲森谷を思い出します。
暑い日でも谷筋の涼しさと心地よさ、トチとカツラの見事さ。そしてそこから尾根に上がったときの蒸し暑さ。
1昨年の夏に直登氏とキャッシーさんを連れて甲森谷を歩いたときもまさにそんな感じでした。
沢は良かったけど山は大したことが無かったと正直な感想。


一昨年というと、公開山行の翌年ですね。その時もキャシー中島さんと一緒だったんですか。 :lol:
でも山の良さも味わってほしかったですねえ。
あれだけ見事なブナ林はどこにでもあるもんじゃないですから。

甲森谷を詰めて山に登らずにそのまま帰ったら邪道だと怒られるかな。
でもあの源流域で一度テント泊してみたい。


私もトチとカツラのワンダーランドで鍋でもつついたらと思ったりしますが、物足りないやろなあ。(^^ゞ
あそこでテント泊というのは実にいいと思いますよ。

                   山日和

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