【奥美濃】葦原谷から天狗山…夏バテ?ヘロヘロ沢行

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兔夢
記事: 624
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

【奥美濃】葦原谷から天狗山…夏バテ?ヘロヘロ沢行

投稿記事 by 兔夢 »

2012年7月8日(日) 曇り後晴れ 奥美濃 葦原谷から天狗山 沢登り 単独

6:55 R417葦原谷出合 → 8:50 10m大滝 → 10:20 天狗山東ピーク → 11:20~13:00 天狗山三角点 → 16:25 親谷出合 → 17:05 駐車地

 葦原谷は天狗山東のピークから揖斐川に垂下している谷だ。地形図で見ると深く切り込まれて険しい印象を受ける。一昨日からの大雨で条件もあまり良くなさそうだと思いながらともかく現地に向かった。
 現地までの道すがら、揖斐川の流れを見ると心配した程の水量ではない。これはいけるかもしれないとモチベーションがちょっとあがってきた。下降は天狗山北側の岩又を下る周遊コースにする予定。昨年遡行した沢なので安心感がある。
 一旦R417の葦原谷出合を過ぎ親谷の砂防堰堤近くに自転車をデポする。その後葦原谷出合に戻り道路脇の広場に車を停め出発。
 葦原谷出合にはモノレールが設置されている。しかしすぐに右手の山腹をあがっていくので沢には全く影響がない。このモノレールは徳山ダムの水力発電利用にともなう鉄塔工事用のものだ。工事は着々と進んでおりすでに幾つかの尾根に鉄塔が立っている。いずれはこの辺りの空にも送電線が走る事になるのかと思うと寂しい。
 モノレールと別れて少し奥で沢に下りるとすぐ小さな堰堤が現れる。手前の右岸には意外な水量の滝が落ちてきている。堰堤は右手側から樹木を掴んで這い上がり巻いた。
 堰堤上にはやはり右岸に滑滝が落ちていた。これも規模に比べ水量が多い。大雨の影響だろうか。この雨では揖斐春日の川合で土砂崩れが発生し40戸が孤立したそうだ。
 進んでいく沢も普段より水量は多そうだ。がもともと細い沢だから知れており遡行が危ぶまれるような雰囲気ではない。
 岩床の流れを越えると一旦谷が広くなり左右に自然林が広がる。しかしすぐに荒れた感じになり左右に小さな崩壊箇所が見られる。この辺りを過ぎてからぼちぼち滝らしきものが現れる。滑もあり楽しませてくれる。
 そこそこの連瀑帯も現れる。どのように登ったのか記憶が定かでないが一番上の6mは右岸を巻いた。
[attachment=4]P7080040.JPG[/attachment]
 しかし今日は身体が重い。昨日、深酒をした所為だろうか。どうもピッチが上がらない。ゆっくりと行く事にしよう。
 体調が芳しくないながらも気分良く歩いていくと古い車の残骸が現れる。これは恐らく「百山百溪」に表記されているものと同じ車だろう。とすればかなり長い年月この残骸はこの場所にあるわけだがまだかろうじて原型をとどめている。
 車の残骸からわずかで二俣に出た。ここは右に進んでいく。手頃な小滝を楽しんだ先には10m程の垂瀑がかかっていた。直登は無理で左岸から巻く。比較的容易に巻く事ができた。
[attachment=3]P7080067.JPG[/attachment]
 更に2~3m程の滝が小気味良く現れる。周りは自然林で気持ちがいい。ここまでのところ地形図で想像していたような険しさはなくマイルドな味付けで快適に登っていける。
 徐々に水流は細くなっていく。上部では幾つかに枝分かれした沢筋の水流の多い方を辿っていく。途中で左に振っているような気がして水流が途切れた山腹の急登でGPSを確認するとやはり狙っていたルートより左に寄っていた。
[attachment=2]P7080086.JPG[/attachment]
 軌道修正して天狗山東ピークを目指しトラバース気味に右上していく。それほど濃くない薮をかき分けて進みやがて稜線上に出ると笹薮の中に薄らとした踏跡が見られた。それを追っていった先が東ピークだった。積雪期に訪れるとブナ林が感じのいいところだが今日は薮に囲まれいる。
 ここから先は稜線上の薮を漕いで山頂を目指す。最初のうちは思ったよりも漕ぎやすい薮でところどころ薄い踏跡も確認できた。これなら楽に山頂にたどり着けるかと思っていたがそう簡単には終わらせてくれない。本峰が近づくにつれて笹の密度が増していき登りになると当たり前だが逆相になる。ここを重い身体に鞭打って進んでいく。わずかに薮の薄くなったところから奥いび湖を中心とする景色が眺められたのがせめてもの慰みだった。
 山頂稜線にあがってもまだまだ薮は続く。かつては多少の切り開きがあったのだろうがそれも今は薮の中に没している。時折現れる目印に導かれてようやく小さな切り開きに出た。天狗山三角点だ。
 昨年に続き無雪期の登頂は2回目だ。昨年は山名パネルのかけてあるブナに登って景色を楽しんだものだが今日はとてもそんな気力が沸いてこない。とにかく腰を下ろして休憩。時折陽が差すいい天気になった。
 下降は予定通り北側の岩又と定め笹薮を遮二無二トラバース。昨年の記憶と比べながら目的の沢筋に辿り着く。
 シダ類が生い茂る沢筋をハアハア言いながら急下降していく。沢グルミの林や桂の大木を左右に見て一時間程下ると滝に出た。ここは右手側をクライムダウン。昨年の記憶ではその後もそれほど難しいところはなかったはずなので気楽に構えていた。二つ目の滝もなんとかクライムダウンし振り返るとここは昨年流水のすぐ脇を半シャワーになって登ったところだった。ところが今日はとてもそんな登り方はできそうにない。水量が明らかに多い。
[attachment=1]P7080132.JPG[/attachment]
 その後現れる滝やゴルジュも記憶にあるものとは様子が違い高巻きを強いられるところが幾つかあった。ほんの2m位の小滝が水流のため下りられない。それでも最後までロープを出す事はなかった。
 中流以降には最近のものらしい人の歩いた跡が見られた。釣り人のものだろうか。これ以降はこれを追っていった。下流に至り昨年直登して記憶に残る巾広の滝も巻いて下りた。下から見ると今日はとても登れそうにない。
[attachment=0]P7080146.JPG[/attachment]
 親谷本流を渡渉し林道にあがると昨年路上を埋めていた倒木や土砂がどけられていてきれいになっていた。これならここまで車で入れたかもしれないなあと思いつつ自転車をデポした堰堤まで歩いていった。対岸の枝沢には雨のために現れたのか立派な滝がかかっていた。
添付ファイル
P7080146.JPG
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カッチャン
記事: 175
登録日時: 2011年11月25日(金) 07:56

Re: 【奥美濃】葦原谷から天狗山…夏バテ?ヘロヘロ沢行

投稿記事 by カッチャン »

兎夢さん おはようございます。

「天は沢の上にヤブを造らず」山日和さんの名言ですが、元気いっぱいのヤブがわがもの顔に跳梁跋扈しているこの時期のヤブ山でも気持ちよく登れるのは沢があるからなんですね。

自分にもその技術があったらなーと思ったりすることもありますが、基本に、高い身体能力、危険察知のすぐれた嗅覚、あくことなき探究心などなどが必要と思いますので、私の場合最初からリミッターがかかっちゃってあきらめてます。

兎夢さん、山日和さんなどの職人技をROMしているだけで涼しいのでOK牧場です。 :lol:

明日は天気が持ちそうなので、奥美濃最奥地の未踏の山へトライしてきます。

奥美濃の雄 兎夢さんへ


カッチャン
兔夢
記事: 624
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

Re: 【奥美濃】葦原谷から天狗山…夏バテ?ヘロヘロ沢行

投稿記事 by 兔夢 »

カッチャン、こんばんは。

「天は沢の上にヤブを造らず」山日和さんの名言ですが、元気いっぱいのヤブがわがもの顔に跳梁跋扈しているこの時期のヤブ山でも気持ちよく登れるのは沢があるからなんですね。

時には沢の上に薮がかかっている事がありますけどね。沢歩いてても最終的には薮漕ぎだし。

自分にもその技術があったらなーと思ったりすることもありますが、基本に、高い身体能力、危険察知のすぐれた嗅覚、あくことなき探究心などなどが必要と思いますので、私の場合最初からリミッターがかかっちゃってあきらめてます。

本当にそうだったら無雪期の若丸尾根歩きGPSなしはできないと思いますが。まあ沢登りは好き嫌いがありますからね。薮漕ぎもですけど。

若丸山のレポは脱帽です。

ふ~さん
記事: 526
登録日時: 2011年2月20日(日) 19:58

Re: 【奥美濃】葦原谷から天狗山…夏バテ?ヘロヘロ沢行

投稿記事 by ふ~さん »

こんばんは、兎夢さん。
6:55 R417葦原谷出合 → 8:50 10m大滝 → 10:20 天狗山東ピーク → 11:20~13:00 天狗山三角点 → 16:25 親谷出合 → 17:05 駐車地
それにしても相当な水量ですね。大変だったでしょう。私の辿ったのは兎夢さんとは真逆のコースです。葦原谷から天狗岳を経て岩又に下って親谷出合を目指しました。
天狗山三角点
天狗山三角点
 
ここから先は稜線上の薮を漕いで山頂を目指す。最初のうちは思ったよりも漕ぎやすい薮でところどころ薄い踏跡も確認できた。これなら楽に山頂にたどり着けるかと思っていたがそう簡単には終わらせてくれない。本峰が近づくにつれて笹の密度が増していき登りになると当たり前だが逆相になる。ここを重い身体に鞭打って進んでいく。わずかに薮の薄くなったところから奥いび湖を中心とする景色が眺められたのがせめてもの慰みだった。
 山頂稜線にあがってもまだまだ薮は続く。かつては多少の切り開きがあったのだろうがそれも今は薮の中に没している。時折現れる目印に導かれてようやく小さな切り開きに出た。天狗山三角点だ。
このヤブコギは本当に大変でした。兎夢さんは体力があるからまだまだ余力を残していたかな?
岩又の滝
岩又の滝
 
体調が芳しくないながらも気分良く歩いていくと古い車の残骸が現れる。これは恐らく「百山百溪」に表記されているものと同じ車だろう。とすればかなり長い年月この残骸はこの場所にあるわけだがまだかろうじて原型をとどめている。
それにしても、この車は不思議ですね。どうしてあんな場所にあるのでしょうか。まさに天狗の仕業でしょうか。
こんなところに車が
こんなところに車が
天狗の仕業?
天狗の仕業?
 
シダ類が生い茂る沢筋をハアハア言いながら急下降していく。沢グルミの林や桂の大木を左右に見て一時間程下ると滝に出た。ここは右手側をクライムダウン。昨年の記憶ではその後もそれほど難しいところはなかったはずなので気楽に構えていた。二つ目の滝もなんとかクライムダウンし振り返るとここは昨年流水のすぐ脇を半シャワーになって登ったところだった。ところが今日はとてもそんな登り方はできそうにない。水量が明らかに多い。
美しい滝をいくつも連ねて忘れがたい沢の一つですね。
美しい滝ですね
美しい滝ですね
 
親谷本流を渡渉し林道にあがると昨年路上を埋めていた倒木や土砂がどけられていてきれいになっていた。これならここまで車で入れたかもしれないなあと思いつつ自転車をデポした堰堤まで歩いていった。対岸の枝沢には雨のために現れたのか立派な滝がかかっていた。
お疲れさまでした。お互い安全登山でいきましょう!

 ふ~さん
兔夢
記事: 624
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

Re: 【奥美濃】葦原谷から天狗山…夏バテ?ヘロヘロ沢行

投稿記事 by 兔夢 »

ふ〜さま、こんばんは。

水量はふ〜さま達が遡行した時とあまり変わらないんじゃないですか。僕は臆病なのでこれくらいで心臓がバクバクでした。

稜線の薮漕ぎは「ふ〜さんやokuちゃんは涼しい顔して歩いてたんやろな」と思いながら死ぬ思いでした。山頂に着いた時はもう動かない!って思ってましたが下山するのに動かなきゃならないのに気付いてうんざりしてました。

葦原谷の車の残骸は恐らくワイヤーでつり上げて山作業用の小屋として使用してたんだと思います。エンジンをかければ暖もとれますからね。

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