【奥越】湯谷山で大展望とブナ林に酔う

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山日和
記事: 3859
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【奥越】湯谷山で大展望とブナ林に酔う

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2026年2月14日(土)
【山 域】奥越 経ヶ岳周辺
【天 候】晴れ一時曇り
【メンバー】sato、山日和
【コース】蓑道駐車地7:55---8:20尾根取付---10:00上部林道---12:25 Ca1210mピーク13:40---14:40湯谷山15:00
     ---15:35 Ca1210m 15:45---17:45駐車地

 湯谷山は福井県大野市にある標高1275.6mの山である。三角点名は扇平。有名な経ヶ岳から南に延びる山稜上の
小さなふくらみだが、珍しくちゃんと名前が付けられている。
当然のごとく登山道はなく、積雪期限定の山だ。健脚の登山者なら南稜を経て経ヶ岳を目指す行程の通過点にしか
過ぎないピークである。

IMG_20260214_070523_2_1.jpg

 道の駅「荒島の郷」から北東方向を眺めると、白く輝く経ヶ岳の手前に地味な黒いかたまりが見える。一見して
食指が動くような山ではないが、敬愛する増永廸男氏の「福井の山150」にも紹介されている。
増永氏は昨年の暮れに永眠された。その報を知り、2026年の初登りに選んだのが岳ノ谷山だったが、重い雪に苦し
められて途中で撤退してしまった。金草岳を正面に眺めるランチ場で「福井の山150」の岳ノ谷山と金草岳の項を
朗読して氏の供養としたのだった。

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 先週の水無山敗退の帰りに登山口を偵察しておいたのが功を奏して、蓑道の登山口へは簡単に辿り着くことがで
きた。この近辺はとにかく小さな道が錯綜しており、初めて来たらどこがどうなっているのかわからないだろう。
もちろんカーナビが大いに威力を発揮してくれたのだが。
除雪が先週より進んでおり、集落の先まで車が入ることができた。

 登山開始と同時にスノーシューを履いて湯の谷川の林道を歩き出す。暗い杉林の中の道である。
先週と違って雪はよく締まっているので歩きやすい。
 橋を渡ったところで右手の斜面に取り付いた。かなりの急傾斜だが、ジグを切って高度を上げて行く。股まで
ボソッと沈むようなところがないので楽である。

 林道に乗り上げたが、これは地図にない道のようだ。横切るとすぐに地図に記載されている林道のヘアピンに
到着。さらに尾根を直進してしばらく登ると三たび林道に出合う。
ここからは傾斜も緩んで快適な雪尾根歩きを勝手に想像していたのだが、目の前の現実はまったく違うものだった。
植林されてそれほど年月が経っていない杉林が続く。それもまったく手入れされていない放置植林である。
ちょうど顔のあたりに来る枝が煩わしい。わずかに右側に開けた展望だけが慰めだ。
まったく記録が見られないルートだったので楽しみにしていたのが見事に裏切られてしまった。
放置植林は次の林道を越えても続き、結局974m標高点の手前まで終わることがなかった。


P2140035_1.JPG

 P974mの手前でようやく自然林が出迎えてくれたが、ここまで3時間もかかっている。
12時には山頂に到着するつもりだったがかなり怪しくなってきた。
P974からはお待ちかねのブナ林の登場だ。これでなくてはいけない。一気にモチベーションが上がる。この2週間、
まったくブナを見ていないのでブナ欠乏症で手が震え出していたのである。
しかし好事魔多し。この快適なブナ林の登りで足が攣り始めてしまった。太ももに激痛が走る。
時間が経てば収まるのはわかっているので、秘薬と水分補給でひと息。satoさんははるか上に行ってしまった。
一か所が収まったらまた別の場所が攣り出したりして15分ぐらいは時間を浪費してしまっただろうか。
なんとか回復して歩き出すことができた。
雪質も良く、ヒールリフターを立てれば階段を登るようにリズミカルに足を運ぶことができる。
それにしても体力の低下は目を覆うばかりだ。情けない話である。


P2140058_1.JPG

 一段上がって今度は小黒見山へ続く尾根とのジャンクションへの登りにかかる。ここは広い雪原となり、ど真
ん中にミズナラの大木がシンボルのようにどっしりと鎮座している。
これを登り切ればCa1210mのジャンクションピーク。山頂までの標高差は65mしかない。
ピークに着くと時間はもう12時半を回っていた。ここで周回の予定を変更して、ランチタイムの後空身で山頂を
往復するというプランに切り替えた。未知のノートレースの尾根を下るよりリスクははるかに少ないだろう。


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 正面に荒島岳と小黒見山を望む斜面に腰を据えた。今日の荒島岳は凄い人出に違いない。
いい山であることに間違いはないが、誰ひとりいないこの山稜でゆったり過ごす時間が好きだ。
人のお尻ばかり見て歩くのはまっぴらごめんである。

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 少し早めにランチを切り上げて、ほぼ空身で山頂への稜線へ踏み出した。すぐに美しいブナ林が始まる。
そして何より驚いたのは東側の展望だ。打波川の向こうに白山から別山、願教寺山、日岸山、薙刀山、野伏ヶ岳、
小白山と並ぶ石徹白の山々。それに続く枇杷倉山、松鞍山、大嵐山、木無山と、これまで登ってきた山々が遮る
もの無しにパノラマを展開している。
越美国境の石徹白の山々をこちら側の真横から眺めることはまずないので、実に新鮮な風景である。
サクッと山頂を往復するつもりだったが、こんな風景を見せられたら足が進まないのだ。


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P2140133_1.JPG

 絶景の場所を過ぎると今度は原生に近いと思われるブナ林が出迎えてくれる。
先ほどまでのブナとは違い、ゴツゴツとした風格のあるブナが目立つ。前半の放置植林の鬱憤を一気に晴らして
くれるような素晴らしい森だ。

 湯谷山の山頂に着いた。この山頂は幾分平凡ではあるが、経ヶ岳の真っ白な三角錐と、続く釈子ヶ岳の雪稜が
はるか高みに覗いている。ここまで来てよかったと心底思える山頂だった。
 後ろ髪を引かれながら湯谷山を辞した。再び豊潤なブナ林と大展望を愛でながら往路を引き返す。
この時間になっても雪が緩んでいないのも助かった。
ランチ場まで35分で戻ったが、時刻はもう3時半である。暗くなる前に下山できるだろうか。
 まだ白く雪化粧した大野盆地を見ながら一気に下る。登りではあれほど鬱陶しく感じた杉林も気にならない。
薄暗くなってきた林道の先に愛車の姿が浮かんできた。ランチ場からちょうど2時間。やはり雪山の下山は速いの
だが、言い換えれば登りがいかに遅かったかということなのだろう。

                     山日和
ちーたろー
記事: 341
登録日時: 2011年2月20日(日) 21:17

Re: 【奥越】湯谷山で大展望とブナ林に酔う

投稿記事 by ちーたろー »

山日和 さん、こんばんは。



>湯谷山は福井県大野市にある標高1275.6mの山である。三角点名は扇平。有名な経ヶ岳から南に延びる山稜上の
小さなふくらみだが、珍しくちゃんと名前が付けられている。
当然のごとく登山道はなく、積雪期限定の山だ。健脚の登山者なら南稜を経て経ヶ岳を目指す行程の通過点にしか
過ぎないピークである。


何とか探せました。湯谷山は何と読むんでしょう?そのまま「ゆたにやま」?


>道の駅「荒島の郷」から北東方向を眺めると、白く輝く経ヶ岳の手前に地味な黒いかたまりが見える。一見して
食指が動くような山ではないが、敬愛する増永廸男氏の「福井の山150」にも紹介されている。
増永氏は昨年の暮れに永眠された。その報を知り、2026年の初登りに選んだのが岳ノ谷山だったが、重い雪に苦し
められて途中で撤退してしまった。金草岳を正面に眺めるランチ場で「福井の山150」の岳ノ谷山と金草岳の項を
朗読して氏の供養としたのだった。


福井の山150読んでみたいな?
けっこうお値段がするのは分厚い本なんですね。



>先週の水無山敗退の帰りに登山口を偵察しておいたのが功を奏して、蓑道の登山口へは簡単に辿り着くことがで
きた。この近辺はとにかく小さな道が錯綜しており、初めて来たらどこがどうなっているのかわからないだろう。
もちろんカーナビが大いに威力を発揮してくれたのだが。
除雪が先週より進んでおり、集落の先まで車が入ることができた。

登山口がわかっていればスムーズですね。

>登山開始と同時にスノーシューを履いて湯の谷川の林道を歩き出す。暗い杉林の中の道である。
先週と違って雪はよく締まっているので歩きやすい。
 橋を渡ったところで右手の斜面に取り付いた。かなりの急傾斜だが、ジグを切って高度を上げて行く。股まで
ボソッと沈むようなところがないので楽である。

1週間でかなり雪質も変わったのですね。

>林道に乗り上げたが、これは地図にない道のようだ。横切るとすぐに地図に記載されている林道のヘアピンに
到着。さらに尾根を直進してしばらく登ると三たび林道に出合う。
ここからは傾斜も緩んで快適な雪尾根歩きを勝手に想像していたのだが、目の前の現実はまったく違うものだった。
植林されてそれほど年月が経っていない杉林が続く。それもまったく手入れされていない放置植林である。
ちょうど顔のあたりに来る枝が煩わしい。わずかに右側に開けた展望だけが慰めだ。
まったく記録が見られないルートだったので楽しみにしていたのが見事に裏切られてしまった。
放置植林は次の林道を越えても続き、結局974m標高点の手前まで終わることがなかった。


放置植林ってあるのですね・・


>P974mの手前でようやく自然林が出迎えてくれたが、ここまで3時間もかかっている。
12時には山頂に到着するつもりだったがかなり怪しくなってきた。

P974を見つけて、ここからかぁ・・とやっとわかりました。
まだかなりありますね・・


>P974からはお待ちかねのブナ林の登場だ。これでなくてはいけない。一気にモチベーションが上がる。この2週間、
まったくブナを見ていないのでブナ欠乏症で手が震え出していたのである。

ブナ欠乏症って・・ :lol:


>しかし好事魔多し。この快適なブナ林の登りで足が攣り始めてしまった。太ももに激痛が走る。
時間が経てば収まるのはわかっているので、秘薬と水分補給でひと息。satoさんははるか上に行ってしまった。

攣ってしまうとホントに痛いですよね・・ :|

>一か所が収まったらまた別の場所が攣り出したりして15分ぐらいは時間を浪費してしまっただろうか。
なんとか回復して歩き出すことができた。

回復されてよかったです。
私は両足攣ることもあってホント怖いです。


>雪質も良く、ヒールリフターを立てれば階段を登るようにリズミカルに足を運ぶことができる。
それにしても体力の低下は目を覆うばかりだ。情けない話である。


攣ったのがウソのように回復ですね。


>一段上がって今度は小黒見山へ続く尾根とのジャンクションへの登りにかかる。ここは広い雪原となり、ど真
ん中にミズナラの大木がシンボルのようにどっしりと鎮座している。
これを登り切ればCa1210mのジャンクションピーク。山頂までの標高差は65mしかない。
ピークに着くと時間はもう12時半を回っていた。ここで周回の予定を変更して、ランチタイムの後空身で山頂を
往復するというプランに切り替えた。未知のノートレースの尾根を下るよりリスクははるかに少ないだろう。


ランチタイムは外せないですからね〜 :D

 
>正面に荒島岳と小黒見山を望む斜面に腰を据えた。今日の荒島岳は凄い人出に違いない。
いい山であることに間違いはないが、誰ひとりいないこの山稜でゆったり過ごす時間が好きだ。
人のお尻ばかり見て歩くのはまっぴらごめんである。


誰ひとりいない雪山は難しいということで私には無理ですが、荒島は多すぎますね・・
好きですけど。(今は体力的に行けないです)




>少し早めにランチを切り上げて、ほぼ空身で山頂への稜線へ踏み出した。すぐに美しいブナ林が始まる。
そして何より驚いたのは東側の展望だ。打波川の向こうに白山から別山、願教寺山、日岸山、薙刀山、野伏ヶ岳、
小白山と並ぶ石徹白の山々。それに続く枇杷倉山、松鞍山、大嵐山、木無山と、これまで登ってきた山々が遮る
もの無しにパノラマを展開している。
越美国境の石徹白の山々をこちら側の真横から眺めることはまずないので、実に新鮮な風景である。
サクッと山頂を往復するつもりだったが、こんな風景を見せられたら足が進まないのだ。


ブナ以外にも素晴らしいところだったのですね。


>絶景の場所を過ぎると今度は原生に近いと思われるブナ林が出迎えてくれる。
先ほどまでのブナとは違い、ゴツゴツとした風格のあるブナが目立つ。前半の放置植林の鬱憤を一気に晴らして
くれるような素晴らしい森だ。

素晴らしい森を素晴らしく表現できるのは山日和さんの文章の力でもありますね。

>湯谷山の山頂に着いた。この山頂は幾分平凡ではあるが、経ヶ岳の真っ白な三角錐と、続く釈子ヶ岳の雪稜が
はるか高みに覗いている。ここまで来てよかったと心底思える山頂だった。

やっぱり本を買ってみたいなぁ。

>後ろ髪を引かれながら湯谷山を辞した。再び豊潤なブナ林と大展望を愛でながら往路を引き返す。
この時間になっても雪が緩んでいないのも助かった。
ランチ場まで35分で戻ったが、時刻はもう3時半である。暗くなる前に下山できるだろうか。
 まだ白く雪化粧した大野盆地を見ながら一気に下る。登りではあれほど鬱陶しく感じた杉林も気にならない。
薄暗くなってきた林道の先に愛車の姿が浮かんできた。ランチ場からちょうど2時間。やはり雪山の下山は速いの
だが、言い換えれば登りがいかに遅かったかということなのだろう。


下りが早いということはまだまだ体力が有り余っているのですね。
私は下りでさえしんどく長いです。

ちーたろー
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