【 日 付 】2024年2月28日
【 山 域 】鈴鹿
【メンバー】tsubo
【 天 候 】快晴
【 ルート 】孫太尾根登山口ー丸山ー草木ー多志田山-藤原岳ー多志田山ー丸山ー孫太尾根登山口
全国的にお天気がよさそうな2月28日。どこに行こうかな。前夜車中泊で1日で行ける山を考える。
台高の山に行ったら霧氷が見られるだろうか。それとも・・・
藤原岳の孫太尾根ではもうセツブンソウが咲き始めたそうだ。去年3月末に孫太尾根から藤原岳に登った時、麓の方がここはセツブンソウの時期が一番人が多いと言っていた。駐車場はどこもいっぱいで路駐も多いと言っていた。藤原岳まで登らなくても、セツブンソウが咲いている丸山までの人も多いそうだ。例年なら3月半ばに咲くセツブンソウが今年は2月末に咲きだした。まだ登る人は少ないだろう。まして水曜日。
これはチャンスかもしれない。
駐車場に6時半に着く。風が強く冷たい。だが、今日は風が強いのは朝のうちだけのようだ。山頂に着くころには風も収まっているだろう。7時過ぎに出発。
植林を抜けて丸山に近づくと、展望が開けてきた。御嶽山が見える。乗鞍岳も見えてくる。
今日は白山も見えるかしら。
丸山に着くと、黄色い花が目に飛び込んできた。たんぽぽかな?近づいてみる。フクジュソウだった。朝日を浴びてきれいに開いている。そばには開きかけの花もあった。フクジュソウはその2輪だけだ。フクジュソウは日の光を浴びないとなかなか開かない。いつもは午前中はあまり開いていなくて午後にたくさん開いていることが多い。お天気が悪いとなかなか開いてくれない。今日は朝から開いている。
早起きさんだね。
ザックを置いて足元に注意しながらそのあたりを歩き回る。石の陰に小さな白い花が咲いていた。セツブンソウだ。2センチほどの小さな花。白い花びらに黄色いおしべ、そして紫色のめしべ。と思ったら、花びらに見えるのはがくで、黄色いのが花びらが退化したもの、紫色のがおしべ、真ん中の白っぽいのがめしべだそうだ。その色の取り合わせが美しくかわいい。
歩き回るとあっちこっちで咲いていた。咲き始めの初々しいセツブンソウだ。去年3月末の藤原岳で山頂近くに残っていたセツブンソウを見たのが、初めてのセツブンソウだった。終わりかけの花より咲き始めの花のほうがかわいくてきれいだ。
えっ?終わりかけのセツブンソウはtsuboさんみたいですって?・・・
今日のお目当てその2はセリバオウレン。バイカオウレンはよく見るが、セリバオウレンはあまり見ない。細いひらひらの花びらがかわいい花だ。どのあたりに咲いているかなと、足元を見ながら歩く。今日は足元ばかり見ているなあと、たまに上を見上げる。青空がきれいだ。
尾根道とトラバース道がある。行きは尾根道にして、帰りはトラバース道にしよう。
あった!小さな小さなセリバオウレンが咲いていた。尾根道にしてよかった。
それにしても小さいなあ。こんなに小さかったっけ?栄養が足りてないのかしら。
多志田山に着く。
多志田山からは急登が始まる。やがて小さな岩だらけの滑りやすい道になる。木や、岩につかまりながら登って行く。
あった!左の方にフクジュソウ。あっ、右上にもある。フクジュソウが咲いているたびに右に行ったり左に行ったりする。滑りにくい所を選んで、上に行ってから降りてみたり。下に行ってから登ってみたり。開いている子もいれば、開きかけの子もいる。
どの子が一番べっぴんさんかな。うん、みんなかわいいよ。
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やがて平坦な山頂近くに出る。少し雪が残っているが、雪がないところはぐちゃぐちゃしていて滑りやすい。できるだけ雪が残っている上を歩く。
こんなところで転びたくないな。
山頂に着くと素晴らしい眺望が待っていた。
伊吹山、能郷白山、白山、北アルプスから乗鞍岳、御嶽山、中央アルプス、恵那山の左右には南アルプス。
西の方にも標高は低いが雪がついた山がある。比良山系の山だ。武奈ヶ岳かな。
風は冷たいが、それほど強くはなかった。
伊吹山の雪はほとんど消えていた。その背後の山は低くてもまだ白い。福井の県境の山なのかな。標高は低いがそこそこ雪がある。
目をこらしたが、富士山は確認できなかった。
でも、これだけ見えれば十分。やっぱり展望のいい藤原岳にしてよかったな。
1ヶ月にスノーシューで歩き回った雪原の雪はかなり解けてしまっている。
他の人は写真を撮るとすぐに下山したり、少し下でランチにしていた。私は山頂の大きな岩の陰でお湯を沸かして、岩に座ってランチにした。いくら見ても見飽きることがない。
どうしてみんなさっさと下ってしまうんだろう。
多志田山から治田峠、銚子岳、静ヶ岳、竜ヶ岳に続く稜線がよく見える。けっこう長い。アップダウンも多そうだ。
歩きたいけど、歩けるかなあ。
1時間ほどゆっくりしてから来た道を戻る。急な下りは苦手な私。登りでも滑りやすい道だ。滑らないように木や岩につかまりながら下る。それでも、フクジュソウがあると右に行ったり左に行ったりするから余計に時間がかかる。
多志田山に着いてほっとした。後はのんびり下る。
丸山に着くと、70代後半くらいのご夫婦がいた。多分丸山までの往復だろう。
風が強くなった。寒い。
午後は風は収まる予報ではなかったかしら。今日一番の強風だわ。
下っていくと後ろから人の気配がする。端に寄って先に行ってもらう。さっきのご夫婦だ。えっ!?若い人に抜かれるのは仕方ないが、どう見ても私より年配の方に抜かれる・・・見ていると、奥様の方が速い。どんどん下っていく。
まあ、私は藤原岳まで行って疲れたしなあ。ちょっとぶつけた膝も痛いし。
あせらず下ろう。
2月末、例年ならまだ冬だ。だが、少なかった雪は解けて、春の花が咲き始めている。
でも、吹くのは冷たい冬の風。眺望もいい。春になったら、霞んだり黄砂で遠くは見えない。
冬の風と足元の春の花が季節のせめぎ合いをしているようだ。
今日は、冬と春を同時に感じることができた一日。
ありがとうございました。
tsubo