【山域】京都北山・足尾谷~ツボクリ谷~皆子山西尾根~941北尾根
【山行日】2021年6月6日(日)
【天候】だいたい晴れ
【ルート】足尾谷橋7:50~ツボクリ大滝11:00~西尾根11:30~皆子山~941北尾根~足尾谷橋15:20
【メンバー】タイラ、アオバ*ト
沢登りの対象にはぜんぜんならないけれど、トレッキングシューズで渡渉しながら歩くのはちょっと難しいかなっていう、
そんなルートを渓流シューズでジャブジャブ歩くのが私のレベルに合っている。
台高だったら地蔵谷とか木原谷とか、木屋谷川の上流辺り。
でもこの週末は台高があまりお天気良くなかったので、すごく久しぶりに琵琶湖の安曇川流域に行ってみた。
チョイスしたのは、足尾谷の支流ツボクリ谷をつめて皆子山西尾根に上がって、
帰りは東の941から北尾根を発電所の西500mくらいの出合に下ってくるルート。
登りのツボクリ谷は皆子山へ登るのにいちばん印象に残っていて、下りは初めてルート。
3月にD先生が例会で使われていて、すごく気になっていた。
葛川坂下町の足尾谷橋のたもとの駐車地には先客は一台のみ。前後して駐車して、林道に入って行く。
今も通行止めの看板はあるけれど、このルートを好んで歩く人はけっこういるのではないかと思われる。
林道は所々で崩れながらも、しっかりと踏まれている。
登山靴で来ると、林道終わって最初の渡渉がいちばん難儀するところだと思うが、今日は沢シューズなので、考えることなく水流に入る。
この日はけっこう水量が多くて太腿まで浸かる。渡渉の大好きな私にはもうたまらない楽しさ。
小さな小滝も、木々の緑も台高の沢に負けないくらい美しくて、支流との出合の少し広くなったところには必ずと言っていいほど窯跡がある。
帰りに降りてくる予定の小尾根の末端を忘れずに確かめる。末端はやや崖のようになっているので、枝沢沿い緩い斜面を探す。ここ降りられるね。
本流に戻って、さらに遡る。水際の岩に落下した白いウツギの小さな花が美しい。
ひと休みして、写真を撮っていると、足元にいまいましい奴らが!こうなるとのんびり休んでいられない。
美しい小滝に目を奪われながらもずんずん進んで、本流と分かれツボクリ谷に入って行く。
トラロープを頼りに登るところ、こんなにスリリングだったっけ。自分がどんくさくなっただけかとがっかりしながら、あるものを探す。
ここらへんにいたんだけどな。あっ、いたいた。みどりの葉っぱをフサフサと着けて、近寄ると、あっという間にみどりの光に絡めとられた。
この大トチを過ぎると、破線のルートは左の枝沢に入り、皆子山へと上がって行くが、私たちはツボクリ谷をさらに遡る。
この先の三俣で、私はいちばん緩い谷を上がりたいと思っていたのだが、
タイラさんが、ヤマップで大滝のある中俣を登っている記録があったから、そのルートで行こうと言う。
大滝は簡単に巻けると書いてあったから大丈夫だよと、また騙されて、キケンルートには行きたくないのに行ってしまうのであった。
でも実際には、それほど危険でもなく、とてもすてきな雰囲気だった。
三俣を真ん中へ進み、次の二俣を左へとると、やがて白い大滝がチラリと見えてきた。怖い雰囲気は全くないのだが、
先頭を歩いていた私は、早く安全に巻いて滝口に上がりたいという意識が働いて、近寄らずに巻きに入ってしまった。
タイラさんが下から、見に行かないの?と呼んでいるが、途中まで登ってしまったら、もう降りられない。
巻きの途中で見えないかなと期待したけれど、ぜんぜん見えることなく滝口に降りることになった。
後でタイラさんに写真を見せてもらうと、白くて優美なとても美しい滝だったので、後悔することしきり。
大滝の上は、もう源流の雰囲気。最初の一滴が染み出しているところで水を汲んで、最後の二俣を右へとり、西尾根へ上がる。
以前より倒木が増えているような気がするが、それでも西尾根はやっぱりすてきだ。
足尾谷側の自然溢れる源流の雰囲気も、皆子谷の明るい広がりも、どちらもとってもすばらしい。
山頂直下の皆子谷の緑の絨毯(イワヒメワラビ?)が敷きつめられた大きなミズナラの木(違うかも)の下でお昼にする。
お花は白いカマツカ(これも違うかも)しか咲いていないけれど、それと引き換え、ほとんど誰にも出会わない静かな一日だった。
小一時間ほどゆっくりして、山頂に上がる。誰もいなければいい山頂だなと思うのだけれど、なんか山名板が多すぎるな。
山名板は地元の方々が付けたものだけで十分なのにと思いながら、東の941へ向かう。
初めて下る尾根、途中の等高線が混んでいる部分が気にかかるが、どんな尾根だろうとワクワクする。
東尾根から分かれてすぐは植林だったのだが、次第に自然林に。あ、二重稜線になっている!
二重稜線に気が付いて、真ん中の谷地形に降りる。すばらしい自然林の森の広がりだ。
そして右の尾根と左の尾根と真ん中の谷が、最後に仲良くちゃんと出会うことに、なんだか感動してしまった。
しかしのんびり感動に浸っていられたのは、この時だけで、シャクナゲの密集地帯の出現とともに激下りが始まる。
右に寄りすぎることも、左に寄りすぎることも出来ない。尾根芯をまっすぐ歩かないと転落してしまいそうだ。
しかし、尾根芯に密集するシャクナゲの枝のおかげで転落せずに降りて行くことが出来るようになっていた。
その頼みの綱のシャクナゲも途切れて、植林の間伐地帯となると、掴むものがなくなって、あまりに急なところは、後ろ向きに降りる羽目に。
末端近くは両側切れ落ちて中々の高度感。なんとか本流に降りてきて、やれやれ。
なんていうか、すごく、D先生らしい尾根だった。
帰り途中、枝沢で靴を洗おうとすると、またもや、足元にいまわしい奴らが。
駐車地に戻って、靴を脱いで片付けていると、タイラさんの足が血だらけになっている。
なんと6ケ所も献血したらしい。私は、パイルの沢ソックスをはいていたので、奴らは中まで入って来られなかった。
ヒルの襲来に出会ったことやら、肝心の大滝を見逃がしてしまったことをも、割り引いたとしても、
とてもすばらしかったので、久々に駄文を書いてみました。
アオバ*ト