【比良】権現山〜蓬莱山 雲上のサンライズ・ハイク

山行記、山の思い出、限定
フォーラムルール
新規トピックは文頭に以下のテンプレートをなるべく使ってください。
【 日 付 】
【 山 域 】 
【メンバー】
【 天 候 】
【 ルート 】
※ユーザーでなくても返信が可能です。ユーザー名に名前を入れて返信してください。
返信する
yamaneko0922
記事: 539
登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
お住まい: 京都市左京区

【比良】権現山〜蓬莱山 雲上のサンライズ・ハイク

投稿記事 by yamaneko0922 »

【 日 付 】2021年1月21日
【 山 域 】比良
【メンバー】山猫単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】権現山登山口6:00〜6:32ズコノバン〜7:00権現山7:12〜7:32ホッケ山〜8:04蓬莱山8:09〜8:22小女郎峠〜9:04薬師ノ滝〜9:54権現山登山口

早朝の権現山の登山口を出発したのは丁度6時であった。もう一声早く出発したかったのだが、車を走らせてから免許証を家に忘れてきたことに気がつき、取りに戻る羽目になる。昨日職場から持ち帰った書類の下に隠れている財布を探し出すまでに時間がかかってしまったのだった。朝に起きてから用意をしようとすると忘れ物をする確率が高く、ロクでもない結果に陥ることがある。この日は確かに忘れ物が実に多かったのだ。

登山口に至る直前でNHK・FMが今朝の冷え込みがきついこと、京都の丹波地方、滋賀県のほぼ全域に濃霧注意報が出ていることを知らせてくれるが登山口までは霧は全く見当たらない。登山口からは林道は早速にも雪が繋がっている。雪の上には前日のものと思われる2〜3名分のトレースがある。

林道を登ると、樹林の間から美しいブルーアワーが広がっているのがわかるのだが、シャッターチャンスがない。ズコノパンに近づき、視界が大きく開けるようになったところで辛うじて東の空のオレンジ色と濃紺のコントラストをカメラに収めることが出来る。夜の帳はあたかも緞帳を引き上げるかのように上空へ消えてゆき、秒単位でみるみるうちに急速に明るくなっていく。
ズコノパン.jpg

明るくなるにつれて下界の様子が視界に入ってくるのだが、驚いたことに琵琶湖が見えない。琵琶湖の南湖のあたりは霧がないが、北湖のあたりは完全に霧に覆われているのだった。滋賀県の全域に出されている濃霧注意報の予報は正しかったようだ。

東の空も太陽が出る方角が急速に明るくなってゆく。権現山への尾根を急いで登る。この栗原からの登山道は西側の平からの登山道と違ってズコノパンからはナラの自然林が続いており、登山道が明るいのが嬉しいところだが、樹林の切れ目がなかなかない。この数日のうちにわずかに雪が降ったのだろう。締まった雪の上にはわずかに新雪が乗っており、ミシミシという握雪音が足元から聞こえる。

山頂にたどり着いたのは丁度7時、なんとかご来光には間に合ったようだ。果てしなく広がる雲海から三上山が特徴的な三角錐のピークを突き出している。まもなく鈴鹿の御在所岳のあたりから太陽が顔を出す。しばらくすると足元の雪や雲海が朝陽を浴びた雲海が橙色に輝き始める。
日の出.jpg

南に視線を向けると果てしなく広がる雲海から三上山が特徴的な三角錐のピークを突き出している。
湖南方面.jpg

鈴鹿の藤原岳の手前で顔を突き出しているのは奥島山だろう。
奥島山.jpg

雲海の上を登ってゆく朝陽の光景は標高の高いアルプスの稜線からはよくある光景ではあるが、この比良がアルプス並みに標高が高い山であるかのような錯覚を覚える。権現山の山頂の北に出ると雲海の彼方に霊仙山や伊吹山を確認することが出来る。

朝の冷え込みの天気予報ではあったが、山の上はそれほど寒さは感じられない。むしろ平地の方が温度が低いのかもしれない。時折、心地よいそよ風が通り過ぎてゆく。

権現山へは平から登られる方が多いのだろう。稜線の上には雪の上にしっかりと踏み固められたトレースが出来ている。朝陽を反射して黄金色に輝く雪の上をホッケ山へと向かう。ホッケ山の山頂に着いた頃には朝陽はすっかり白色の眩い光となっていた。

ホッケ山に到着すると蓬莱山が大きく視界に入る。数日前に峰床山に登った時に眺めた時には山頂はかなり白かったのだが、雪はかなり少ないように思える。登山道には積雪しているものの、周囲の笹原にはかなり雪が薄い。
小女郎峠より.jpg
蓬莱山が近づくとスキー場のリフトが回転を始める。山頂には一人のスキー場の係員の方がおられる。スキー場は9時から営業とのこと。蓬莱山に登頂するにはスキー場の営業前の時間に限る。山頂からは釈迦岳の彼方には金糞岳が明瞭に見えるが、その彼方に朧げに白山が見えるようだ。
蓬莱山より武奈ヶ岳.jpg

ふと気がつくと少し肌が陽に焼けたように思う。今朝は不覚にもサングラスも日焼け止めも忘れたのだった。朝の陽光は紫外線はそれほど強くないだろうと思っていたが、その根拠のない推測は甘かったようだ。目も紫外線のせいで雪盲になっている。

小女郎峠に戻ると薬師の滝へと下る。この峠越えの道は有難いことにすぐにも樹林の中に入ってゆくので、紫外線から逃れるためには都合がいい。
登山道には2〜3人のトレースがある。何ヶ所か斜面のトラバースがあるが、トレースのおかげで安心して歩くことが出来る。峠の直下ではそれなりに雪が深かったが、沢に流れが現れるようになると積雪も急に浅くなる。途中でご夫婦と思われるひと組のカップルとすれ違う。

今回のルートの後半のハイライトは薬師の滝である。冷え込みで氷瀑となっていることを期待していたが、氷は見られなかった。
薬師の滝.jpg
薬師の滝の下にももう一つ、小さな小瀧がある。小瀧の下で堰堤の手前を対岸に徒渉する。
薬師の下段.jpg

対岸からは杉の植林地となっているが、対岸からは植林に上がるための作業道をすぐに見つけることが出来る。植林の中を歩きやすいところを選んでトラバースする。ふと気がつくと最近、買ったばかりのトレッキング・ポールの先端部がない。自分のトレースを辿って探しに戻れば見つかるのだろうが、この日はテレワークでの仕事があるので10時半までには自宅に戻る必要があり、探しに戻る時間の余裕がない。

小さな滝を横切ってホッケ山から東に伸びる尾根の末端部を乗り越えると地図に記されている林道に出ることが出来る。最後は権現山の南東に流れる沢を徒渉して駐車地に戻る。登山口の駐車場には隣に二台の車が停められていた。車に乗り込むと途中越えに向かう道路からは南比良の稜線の上には相変わらず雲ひとつない蒼空が広がっていた。
山猫 🐾
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【比良】権現山〜蓬莱山 雲上のサンライズ・ハイク

投稿記事 by 山日和 »

yamanekoさん、こんばんは。

【 ルート 】権現山登山口6:00〜6:32ズコノバン〜7:00権現山7:12〜7:32ホッケ山〜8:04蓬莱山8:09〜8:22小女郎峠〜9:04薬師ノ滝〜9:54権現山登山口

早朝の権現山の登山口を出発したのは丁度6時であった。


こりゃまた早いお立ちですねえ。出発も早いけど、歩くのも速いわ。

朝に起きてから用意をしようとすると忘れ物をする確率が高く、ロクでもない結果に陥ることがある。

後でザックに入れようと、持って行ったカバンの中のビールを移し忘れてしまったことが2度3度 :oops:

ズコノパンに近づき、視界が大きく開けるようになったところで辛うじて東の空のオレンジ色と濃紺のコントラストをカメラに収めることが出来る。夜の帳はあたかも緞帳を引き上げるかのように上空へ消えてゆき、秒単位でみるみるうちに急速に明るくなっていく。

いい色あいですね~。 :D

山頂にたどり着いたのは丁度7時、なんとかご来光には間に合ったようだ。果てしなく広がる雲海から三上山が特徴的な三角錐のピークを突き出している。まもなく鈴鹿の御在所岳のあたりから太陽が顔を出す。しばらくすると足元の雪や雲海が朝陽を浴びた雲海が橙色に輝き始める。

ちょうど間に合いましたか。これが目的だったんですね。
日はだいぶ長くなってきたけど、夜明けはまだまだ遅いですからね。
あと1か月もしたら、4時半スタートでないと間に合わないか。

雲海の上を登ってゆく朝陽の光景は標高の高いアルプスの稜線からはよくある光景ではあるが、この比良がアルプス並みに標高が高い山であるかのような錯覚を覚える。権現山の山頂の北に出ると雲海の彼方に霊仙山や伊吹山を確認することが出来る。

そうですね。光と影のマジックで、自分がどこにいるのかわからなくなってしまいそう。

ホッケ山に到着すると蓬莱山が大きく視界に入る。数日前に峰床山に登った時に眺めた時には山頂はかなり白かったのだが、雪はかなり少ないように思える。登山道には積雪しているものの、周囲の笹原にはかなり雪が薄い。

比良は最初に積もっただけで、雪の補給はほとんどなかったようですね。鈴鹿も同じようなものですが。

蓬莱山が近づくとスキー場のリフトが回転を始める。山頂には一人のスキー場の係員の方がおられる。スキー場は9時から営業とのこと。蓬莱山に登頂するにはスキー場の営業前の時間に限る。

営業が始まってしまうと、とたんに喧騒の世界に引きずり込まれますね。
一度スキーヤーをかき分けながら歩いたことがあります。 :mrgreen:

ふと気がつくと少し肌が陽に焼けたように思う。今朝は不覚にもサングラスも日焼け止めも忘れたのだった。朝の陽光は紫外線はそれほど強くないだろうと思っていたが、その根拠のない推測は甘かったようだ。目も紫外線のせいで雪盲になっている。

そんなに短時間で日焼けしたり雪目になったりしますか? :shock:

小女郎峠に戻ると薬師の滝へと下る。この峠越えの道は有難いことにすぐにも樹林の中に入ってゆくので、紫外線から逃れるためには都合がいい。

この道は大昔に歩いたような気がしますが、まったく記憶にない・・・(たぶん45年以上前です)

ふと気がつくと最近、買ったばかりのトレッキング・ポールの先端部がない。自分のトレースを辿って探しに戻れば見つかるのだろうが、この日はテレワークでの仕事があるので10時半までには自宅に戻る必要があり、探しに戻る時間の余裕がない。

それはもったいない。クルマの中でテレワークしては? :mrgreen:

                     山日和
yamaneko0922
記事: 539
登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
お住まい: 京都市左京区

Re: 【比良】権現山〜蓬莱山 雲上のサンライズ・ハイク

投稿記事 by yamaneko0922 »

山日和さん コメント有難うございます。

>こりゃまた早いお立ちですねえ

自宅から登山口まで車で40分とかからないので

>ちょうど間に合いましたか。これが目的だったんですね。
日はだいぶ長くなってきたけど、夜明けはまだまだ遅いですからね。
あと1か月もしたら、4時半スタートでないと間に合わないか。

そうなんです。これが山行の目的でした。
家を5時過ぎに出ても日の出に間に合うというのは今の季節ならではですね。

>光と影のマジックで、自分がどこにいるのかわからなくなってしまいそう。

素敵な表現ですね。どこかでこっそり使おうかな :mrgreen:

>比良は最初に積もっただけで、雪の補給はほとんどなかったようですね。鈴鹿も同じようなものですが。

確かに土、日も降ったのですが、それでも10cmほど積もっただけだと思います。
武奈ヶ岳にて朝陽を眺めるお地蔵様達<br />雲海の彼方に浮かぶ伊吹山と御嶽山
武奈ヶ岳にて朝陽を眺めるお地蔵様達
雲海の彼方に浮かぶ伊吹山と御嶽山
>営業が始まってしまうと、とたんに喧騒の世界に引きずり込まれますね。
一度スキーヤーをかき分けながら歩いたことがあります。 :mrgreen:


御意です。ところで、その武勇伝、いつかお聞かせ願いたいものです。

>そんなに短時間で日焼けしたり雪目になったりしますか? :shock:

この日は雲海の方ばかり眺めていたせいかもしれません。気がついたらカメラのモニターの画面がかなり暗く見えるのでした。すぐに回復しましたが。
それから汗を拭かずに歩いていたせいか、顔が軽くヒリヒリする程度に焼けたようです。家に帰って日焼けを家内に指摘されました。

>この道は大昔に歩いたような気がしますが、まったく記憶にない・・・

ここは終始、植林の道になってしまうので、普段は到底食指が動くところではないと思います。
薬師の滝が少しは凍っていることを期待したのですが、完全な当て外れでした。

>それはもったいない。クルマの中でテレワークしては? :mrgreen:

実にもったいないと思いました。半休にして百里ヶ岳にでも行けば良かったと思いました。
私のテレワークはPCのみならず、大型の高精細モニターを必要とするのですが、現在はiPADの画面が良いので、確かにWiFiが繋がりさえすれば確かに車の中でも出来るかもしれません。すごい時代になったものです。
山猫 🐾
返信する