【江若国境】若狭駒ヶ岳☆美しき山毛欅の林とモノクロームの冬景色

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yamaneko0922
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登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39

【江若国境】若狭駒ヶ岳☆美しき山毛欅の林とモノクロームの冬景色

投稿記事 by yamaneko0922 » 2019年1月14日(月) 17:17

【 日 付 】2019年1月12日(土曜日)
【 山 域 】 江若国境
【メンバー】 山猫+家内
【 天 候 】 曇り
【 ルート 】 足谷口7:51~10:15駒ヶ池~11:06駒ヶ岳11:15~12:13与助谷山~12:58木地山

天気予報は日がな曇りとのことであるが、高曇りとみた。家内が夕方までに自宅に帰り着きたい予定があるので、軽めの山行にと釘をさされる。京都の自宅から近くて、好展望が期待出来る低山・・・真っ先に思いついたのは若狭駒ヶ岳である。山と高原地図に記されている木地山からの周回ルートではコースが短いので、足谷口から池原山を越えて駒ヶ岳にたどり着くルートを考える。勿論、池原山分岐のすぐ西側から始まる山毛欅の稜線が目当てである。

朽木の先でR367を左折し、麻生川に沿って車を走らせると、川沿いの谷が広く、開放感のある光景が目に心地よい。道路は綺麗に除雪されているが、他には全く車の気配がない。はるか前方に高島市営バスが走るのが見えてくる。横谷口のバス停にバスが寄り道している間に一足先に木地山へと向かわせて頂く。

木地山でバス停の近くの除雪された広場に車を停めると、間もなにバスが到着する。バス停の後ろにはログハウス風の立派なトイレがあるが冬季閉鎖中だ。まずは高島市営バスに乗って移動した足谷口へと移動する。木地山からはものの数分とかからないわずかな距離ではあるが、歩くと20分程はかかるであろう。この高島市営バス、一つの路線はどれだけ乗っても一律¥220なので、わずかの距離しか乗らないのは割高のような気がしてしまうが、普段、頻繁に運行しているにも関わらず人が乗っているのをほどんど見たことがない。収益に少しでも貢献したいところである。

足谷口でバスを降りると、めざす尾根は道路のすぐ脇からはじまる。広い谷の光景を写真に収めたかったで、少し手前で降ろしてもらう。高曇りであるが、雲が薄い箇所があるのだろう。空の一角が不可思議な薄水色を呈している。
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尾根の取り付きに辿り着くと驚くことに高島トレイルによる登山口の道標があるのだった。高島トレイルの地図では破線であったが、最近、整備されたのかもしれない。杉の植林地の登りはところどころ地面が露出している。わずかに登ったところで雪が深くなり、いよいよスノーシューの出番だ。最後の降雪から時間が経っているのだろう。杉林の中の雪はほどよく締まっている。

尾根の東側に自然林、西側に植林地という光景が続く。ひとしきり最初の急登が終わると、なだらかに高度を上げてゆく。高度が上がるにつれラッセルの雪が深くなり、2~30cm程沈みこむが、吹き溜まりでは途端に膝上まで沈み込む。杉林の中はところどころ杠(ユズリハ)が出現するが、有り難いことに藪漕ぎに難儀するほどの密集はみられない。ところどころに古びれたテープがつけられている。

植林が切れ、立派な山毛欅の樹々が立ち並ぶピークになると池原山のピークである。三角点は勿論のこと雪の下に埋もれているのだが、樹に架けられた二つの山名標が雪の下に埋もれた三角点が近いことを示している。上の方の山名標は片方の端を固定する針金が外れて、大きく傾いている。とりあえず可能な範囲で針金を固定し直してみる。もう一つの小さな山名標は京都の北山ではお馴染み、PH(ピークハンター)氏のものだ。まだ真新しく、最近になってつけたものではなかろうか。北山のテリトリーを外れたところでPH氏のプレートにこうして出遭うとなんとなく嬉しい気がする。

ピークから先に進むとすぐに東側の斜面から登ってきた林道が尾根上に出現する。林道が尾根芯から離れるところで尾根に上がろうかと思ったが、すぐ上で林道は再び尾根に乗るようだ。積雪した尾根芯が歩きやすいので尾根上を歩くが、林道は池原山分岐の直前で左手の斜面へと入ってゆくまで尾根の左斜面を伴走しているのだった。

池原山分岐からはいよいよ高島トレイルと合流する。分岐のあるピークからは鈍い錫色を放つ琵琶湖の彼方に冠雪した伊吹山と霊仙山の美しい山容を望む。薄墨を流したような雲は意外と高いところにあるようだ。南側では鈍色の雲の一部から淡い光が零れ落ちているのだろう。釣瓶岳、武奈ヶ岳、蓬莱山といった比良の山々が白銀に浮かび上がり、モノクロームの水彩画のようや不思議な光景を呈している。果たして比良におられる方達はどのような空を目にしているのだろうか。
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杉の植林の尾根を西側に下ると、植林が終わった途端に山毛欅の巨樹が出現した。落葉した樹々の樹間からは山毛欅の林が延々と駒ケ岳まで続いているのを垣間見る。山毛欅が尾根の両脇に立ち並ぶ回廊を進む。

尾根が広がり二重山稜になると、その間にある筈の駒ヶ池のあたりには小さな雪原となっている。二重山稜を左から右手の尾根に乗り越えて進む。時折、雲を介して陽光が零れ落ちると、雪の上に幻影のような束の間のシルエットを落とすのだが、その淡い陰影もすぐに雪の中へと滲み込んむように消えてゆく。稜線の上になると雪質も柔らかくなり、膝下までのラッセルが続くが、モフモフとした新雪の感触は心地よい。
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昨年の台風によるものだろう。尾根上には時折、山毛欅の倒木が見られる。山毛欅の巨樹が倒れているのを目にするのはなんとも痛々しい。尾根の左手にはしばし、樹間から百里ヶ岳を垣間見るのだが、なかなか展望が開けるところがない。ようやく駒ヶ越の手前で眺望が大きく開け、百里ヶ岳の大きな山容を望むことが出来る。行く手の高島トレイルの雪の斜面のところどころには点描のように杉の樹が疎らに生える。
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快晴とはほど遠いがどこまでもモノクロームの光景も冬ならでは美しい景色だ。駒ヶ越から駒ヶ岳の山頂までの短い道のりは山毛欅の樹々の間から北東から南東にかけて眺望を眺めながら進む。

山頂からは先程から優美な姿を見せている野坂西部の山々から琵琶湖を縁取る湖北から伊吹山への稜線、そして霊仙山を始めとする鈴鹿の山々の大展望である。伊吹山の方角では山の上で白く輝く空の一端が薄鼠色の雲の高さを物語る。
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伊吹山と鈴鹿の山々

伊吹山から左手に目を転じると武奈ヶ嶽、三重嶽、三十三間山の野坂西部の優美な山並みを視線が辿ることになる。野坂山地最高峰の三重嶽の左肩にみえる銀嶺は白山かと思われる。
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右より武奈ヶ嶽、三重嶽、三十三間山
三重嶽と三十三間山の間からわずかに顔を見せる銀嶺あり

山頂から先で稜線が西向きに大きく方向を転じると、右手には小浜湾の眺めが広がる。すぐ北側に望む山は千石山と思われる。
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小浜湾
稜線が緩やかに弧を描いて北西に進むと、北の方角に望む海は美浜湾と思われる。茫洋とした海の彼方では薄鼠色の雲と海は混ざり合い、水平線はどこまでも不明瞭だ。
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美方湾

与助谷山への稜線になると、左手の斜面に杉の植林が混じるが、しばしば展望が開け、右に若狭湾、左手には百里ヶ岳から比良山系の展望を楽しみながら尾根をゆくうち、1時間ほどで山毛欅の樹で覆われた与助谷山の山頂にたどり着く。ここからは南側へと延びる尾根を下ってゆくが、尾根上には雪に覆われているものの浅い掘割の古道が出現する。かつての池ノ河内越の滋賀県側のルートだろう。ナカニシヤ出版から最近、上梓された「山登りはこんなに面白い」で草川啓三氏が紹介されておられた「池ノ河内越」は福井県側の古道を巡る話であったが、この滋賀県側のルートも辿ってみたかったのである。

下るにつれて植林地が広がるようになり、なだらかな尾根と急降を繰り返す。下りには問題がないが、登りに辿るとこの段階的な急登は体力を要することになるかと思われる。尾根の中間部あたり、なだらかな植林地が切れて再び自然林の急降になったところで、正面には最初に登った池原山を望む。登っている最中は地味な標高点かと思われたが、ここから見ると意外にも明瞭なピークを形成しているようだ。

尾根芯を辿るルートはわかりやすく、GPSを参照することなく木地山まで辿りつく。足谷口で再び木地山の方面を振り返ると、遠くに今、下ってきた与助谷山を望む。いつしか薄墨を流したような雲は消え、まんべんなく乳液を流したかのような白い空が果てしなく広がっているのだった。

この日、山の上の食事は用意してはいたが、朽木で蕎麦を愉しむことにしようと、下山後は「楽」に立ち寄る。そして、朽木ではお決まりの上原酒蔵による「杣の天狗」と山田錦の純米生原酒を手に入れるのだった。この特徴的な味を有する限定生産の酸味のある薄濁の酒「杣の天狗」は店頭に並んでいるのみ、と聞くと思わず二本購入してしまった。日本酒に興味ある方、まだ残っていれば是非。

京都の自宅に帰り着いたのは15時前であった。久しぶりの早い帰宅にも関わらず、美しい山毛欅の林、そして琵琶湖と若狭湾を交互に眺める展望の尾根道には家内もすっかり満足したようだった。

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山日和
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登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
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Re: 【江若国境】若狭駒ヶ岳☆美しき山毛欅の林とモノクロームの冬景色

投稿記事 by 山日和 » 2019年1月16日(水) 16:28

yamanekoさん、こんばん。相変わらず精力的ですね。
針川ではわしたかさんとも初対面されたとかでご同慶の至りです。 :D

木地山でバス停の近くの除雪された広場に車を停めると、間もなにバスが到着する。バス停の後ろにはログハウス風の立派なトイレがあるが冬季閉鎖中だ。

ここには高島トレイルの立派な看板があるんですが、なぜかここは駐車ご遠慮下さいと書いてます。それにどっちへ行けばいいかもわからない不思議な登山口ですね。
以前は前の橋を渡って畑の中を通らせてもらったんですが。

尾根の取り付きに辿り着くと驚くことに高島トレイルによる登山口の道標があるのだった。

まあ、それほど驚くことではないかも。 :mrgreen:

分岐のあるピークからは鈍い錫色を放つ琵琶湖の彼方に冠雪した伊吹山と霊仙山の美しい山容を望む。薄墨を流したような雲は意外と高いところにあるようだ。

森山岳からもよく見えてました。曇り空ながら白山や乗鞍・御嶽まではっきり見えたのでラッキーでした。

尾根が広がり二重山稜になると、その間にある筈の駒ヶ池のあたりには小さな雪原となっている。二重山稜を左から右手の尾根に乗り越えて進む。

このあたり、とてもいいところですね。秋が一番美しいかもしれません。

昨年の台風によるものだろう。尾根上には時折、山毛欅の倒木が見られる。山毛欅の巨樹が倒れているのを目にするのはなんとも痛々しい。

これはどこの山域でも共通してますが、実に悲しい光景ですね。

快晴とはほど遠いがどこまでもモノクロームの光景も冬ならでは美しい景色だ。駒ヶ越から駒ヶ岳の山頂までの短い道のりは山毛欅の樹々の間から北東から南東にかけて眺望を眺めながら進む。

この日は北へ行くほど天気が良かったようです。比良よりも晴れ間が多かったのでは?

1時間ほどで山毛欅の樹で覆われた与助谷山の山頂にたどり着く。ここからは南側へと延びる尾根を下ってゆくが、尾根上には雪に覆われているものの浅い掘割の古道が出現する。かつての池ノ河内越の滋賀県側のルートだろう。ナカニシヤ出版から最近、上梓された「山登りはこんなに面白い」で草川啓三氏が紹介されておられた「池ノ河内越」は福井県側の古道を巡る話であったが、この滋賀県側のルートも辿ってみたかったのである。

この尾根は意外に林相が良くなかったんじゃないですか?ひとつ手前の焼尾谷の二俣へ下りる尾根の方が好きですね。中間部に素敵な樹林と台地があります。
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この日、山の上の食事は用意してはいたが、朽木で蕎麦を愉しむことにしようと、下山後は「楽」に立ち寄る。そして、朽木ではお決まりの上原酒蔵による「杣の天狗」と山田錦の純米生原酒を手に入れるのだった。

なるほど、yamanekoさんはグルメで酒飲みなんですね~
わしたかさんやわりばしさんと気が合いそうですね。

                山日和

yamaneko0922
記事: 162
登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39

Re: 【江若国境】若狭駒ヶ岳☆美しき山毛欅の林とモノクロームの冬景色

投稿記事 by yamaneko0922 » 2019年1月16日(水) 22:31

山日和さん コメントどうも有難うございます。

>針川ではわしたかさんとも初対面されたとかでご同慶の至りです。 :D

やはり、情報は届いておりましたか。

>曇り空ながら白山や乗鞍・御嶽まではっきり見えたのでラッキーでした。

森山岳の方が標高が高く、また野坂の山々に遮られない分、遠くまで見えたのでしょうね。

>この日は北へ行くほど天気が良かったようです。比良よりも晴れ間が多かったのでは?

残念ながら晴れ間が見えることはありませんでした。

>この尾根は意外に林相が良くなかったんじゃないですか?ひとつ手前の焼尾谷の二俣へ下りる尾根の方が好きですね。中間部に素敵な樹林と台地があります。

仰る通り、山毛欅の林が広がっていたのは尾根の下り始めばかりでした。また一つ、課題を頂いたようです :D

>yamanekoさんはグルメで酒飲みなんですね~
わしたかさんやわりばしさんと気が合いそうですね。


それほどではありませんが
わしたかさん、わりばしさん、機会があれば、どうぞ宜しくお願い致します。

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