【日 付】2020年2月15日(土)
【山 域】湖北 江越国境
【天 候】曇りのち晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】中河内7:40---8:10大音波橋---9:45大音波10:05---12:25下谷山13:50---15:20音波15:50---
16:40栃ノ木---17:20国道365号---18:00中河内
滋賀県下でも名うての豪雪地帯である、長浜市余呉の中河内。多い時には4メートルを超す雪が積もり、
平年でも2メートルぐらいの積雪は珍しくないところである。
しかし、今年の積雪はゼロ。住民にとってはありがたいことだが、登山者にとっては寂しい話だ。
まったく雪の無い、菅並への県道を歩く。2年前に来た時には、欄干が見えなかった大音波橋を渡った
ところが取付きだ。ちなみに、その時には中河内からスノーシューを履いて歩いて来た。
獣道のような踏み跡を辿って急斜面を這い上がり、尾根に乗る。
少し雪が出てきたものの、スノーシューを履くほどでもなく、グサグサのシャーベットのような雪である。
817.6mの三角点大音波は開けたブナ林の台地になっている。しかし、ここも台風の影響か倒木が目立っ
ていた。ここは針川からの尾根が合流するジャンクション。こちらの尾根もなかなかの樹林が続いて、魅
力的な尾根だ。
ここからは延々とブナ林の山旅が始まる。一度伐採を受けたのか、若いブナが多く、狭い間隔で文字通
り林立するブナの群れは勢いが感じられる。
873m標高点まで来て、やっとスノーシューを履ける雪量になった。天気予報では朝から週日晴れのはず
だったが、11時を過ぎても晴れる気配がない。
ブナ林は、晴れていなければいっそのことガスに包まれている方が趣きがある。曇り空の下のブナは被写
体としても、もうひとつ冴えないので写真にするのが難しい。しかし、ここからの広がりを見せる尾根の
微妙な起伏は美しく、早足で通り過ぎるのはもったいない。
江越国境稜線の手前からしばらくは潅木帯となり、雪で埋もれていない今は、潅木をかわしながらの前
進となる。
そして、Ca950mピークで右折して、折り返すように国境稜線へ入るのだが、このあたりの地形の複雑さは
特筆すべきものがある。国境稜線はまるで谷間に潜り込んでいくように低い場所を通り、対面する小台地
へ渡る廊下のように伸びる。そこへ四方から谷の源頭が緩やかに上がり、周りはすべて見上げるように尾
根が存在している、なんとも不思議な地形なのである。稜線とは一番高いところであるという概念を覆さ
れるような風景だ。初めてここを訪れた時、いったい何がどうなっているのかわからなかった。
しかし、ここは確かに中央分水嶺。右に流れ出す谷は日本海へ、左に落ちる谷は琵琶湖へと続いている。
鬱陶しい潅木を漕いで山頂に向かうと、ブナの幹の間から真っ白な山が見えた。白山だ。寡雪とはいえ、
さすがにこの時期の白山は白い。
下谷山の山頂に立つ木を久しぶりに見た。2年前に来た時は、まったく何も障害物のない、真っ白な雪の
ドームだったのだ。
南面の展望は全開なので、南を向いてランチタイムとしよう。朝よりは少し空も明るくなったようだ。
大黒山、妙理山、安蔵山、横山岳といった湖北の山々を眺めながらビールで乾杯。
satoさんは、栃ノ木峠からは何度か訪れているらしいが、この南尾根からは初めての登頂だ。
山頂直下の複雑な地形はsatoさんもお気に入りのようで、こういう嗜好は相通ずるものがある。
食後は栃ノ木峠への国境稜線を辿る。件の渡り廊下を通って、小ピークへ。再び若いブナ林が延々と続
く縦走路を行く。シカのラッセル跡がどこまでも続き、それがほとんど道のラインと一致しているのが面
白い。雪が積もっていればどこを歩いても同じはずだが、動物は同じラインを歩く習性があるのだろう。
歩いても歩いても同じようなブナ林が続くので、少し食傷気味になってしまうのは贅沢というものだろ
うか。緩やかなアップダウンと屈曲を繰り返しながら進むと、いつの間にか日が差し始めた。今頃予報通
りの天気になってきたのか。遅すぎるとはいえ、やはり青空の下を歩くのは気分がいいものである。
音波のピーク付近は灌木が密生して少し歩き辛い。ここも平年なら純白のドームになっている山頂だ。
千手観音のブナは健在だが、かなり倒木が目立つのが痛々しい。
潅木をかき分けて猫の額ほどに開けた山頂に立つと、ここでも南側に180度の展望が得られる。日差しを
浴びながら、のんびり展望を楽しんでいると、もう夕刻が迫ってきた。
少し前に比べると日が長くなっているのと、ここから先も勝手知ったる道だということで、慌てる要素は
ない。気楽なものである。
ここからはスノーシューを脱いでツボ足で歩く。ヤブが少々鬱陶しいのと、目に見えて雪量が減ってき
たからだ。尾根芯の潅木を避けながら、道らしきところを選んで進む。
去年のスノー衆でスノーテーブルを作ったランチ場は、ただの草原になっていた。
無線中継所の建つ栃ノ木の三角点を過ぎると、強引に切り開いたような林道が続く。そろそろ日が傾き
始めた林道を急ぎ足で下って行った。
スキー場が営業していないので、ほとんど車の通らない国道は、ど真ん中を歩いても轢かれる心配がない。
中河内へ着く頃には、日はすっかり山の端へ落ちていた。
山日和
【湖北】ブナの回廊を行く 下谷山から音波へ
フォーラムルール
新規トピックは文頭に以下のテンプレートをなるべく使ってください。
【 日 付 】
【 山 域 】
【メンバー】
【 天 候 】
【 ルート 】
※ユーザーでなくても返信が可能です。ユーザー名に名前を入れて返信してください。
新規トピックは文頭に以下のテンプレートをなるべく使ってください。
【 日 付 】
【 山 域 】
【メンバー】
【 天 候 】
【 ルート 】
※ユーザーでなくても返信が可能です。ユーザー名に名前を入れて返信してください。
Re: 【湖北】ブナの回廊を行く 下谷山から音波へ
山日和さま
こんばんは。
気象庁の「現在の雪」情報を見たら、私たちの歩いた国境稜線の積雪の深さは、20~50センチになっていました。
泥だらけになり歩いたぬるぬるの林道は、今、儚く煌めく真っ白な帯となり、昔の風景を懐かしんでいるのかもしれません。
豪雪地帯の中河内に着いて、周りの山を見渡した時、ここまで雪がないのかと唖然としました。
茶色い山肌を眺めながら、南尾根は径があるということなので、冬枯れの山を楽しむ気持ちで歩き始めました。
尾根の取り付きまでの車道歩きで、半明の集落の跡を見ることが出来ました。
雪が積もっていたら通り過ぎてしまう風景ですね。
真っ赤な帽子を被ったお地蔵さまが、今なお、村を思う方々の存在を物語っていました。
大音波へは、木々を掴みながらの急こう配の登りがしばらく続き、汗が出ましたね。
すっくとしたブナに囲まれた平たい大音波は居心地のよい山頂でした。
芽吹きの頃、深緑、紅葉の頃、そして真っ白な雪で覆われた時も美しいのでしょうね。南東に延びる尾根も気持ちよさそう。
ここからはまさにブナ林の山旅でした。育ちざかりのブナが並んでいましたね。
シカはブナの実生は食べないそうです。何十年何百年か後の、豊かなブナ林に覆われた下谷山を想像してドキドキしました。
南尾根の最後は前を歩かせてもらったのですが、地図で確認した950mピークを右に曲がった時、
えっ?と、目の前の光景をどう解釈したらよいのか分からなくなりました。
尾根を辿って稜線に出るのに私の足元には尾根がなくなっている?
山日和さんに、こっちの谷が滋賀、あっちの谷が福井と地図と照らし合わせて教えてもらい、そうかぁと。
以前、栃の木峠から辿ってきた時も、同じように驚き、この不思議な地形に見入っていました。
ほんとうに複雑で面白く美しい地形ですね。レポを読み、この地形を言葉で表現できる山日和さんはすごいなぁと思いました。
流れるような言葉は、私の目に映った光景そのものです。
そう、ここは雪がまだらに残った芽吹きの季節も、しみじみとこころに沁み入る、美しさにあふれた場所です。
かなたの空に真っ白な白山を認めるとこころが震えます。
下谷山から白山を望むのは初めてでした。
冬は、雪の降る日に、何度かラッセルをしに訪れていました。下谷山までたどり着かなかった時も。
二年前の山日和さんが訪れた時の美しい写真を見て、何で晴れの日に歩こうと思わなかったのだろうと、変なこだわりに可笑しくなりました。
雲が流れていき、15時ごろには澄んだ青空が広がっていましたね。
夕方前の少し黄みがかった甘露飴色の陽射しが、周りの山々、ブナの木をやわらかに照らし、穏やかに煌めいていました。
白山は、すべての存在の憧れの地のように光り輝いていました。こんな情景に出会ってしまうと、急いで歩くのがもったいなくなりますね。
△765に着いた時は、びっくりしました。いつの間に、山肌を切り裂くような林道が出来たのか。
稜線上に風力発電の計画が挙がっているのを思い出しました。
今、どんな段階なのか気になりました。
最後の車道歩きでは、ふきのとうを摘みました。
想像以上に雪の少ない国境稜線の山旅でしたが、味わい深い山旅でした。
ありがとうございます。
sato
こんばんは。
気象庁の「現在の雪」情報を見たら、私たちの歩いた国境稜線の積雪の深さは、20~50センチになっていました。
泥だらけになり歩いたぬるぬるの林道は、今、儚く煌めく真っ白な帯となり、昔の風景を懐かしんでいるのかもしれません。
豪雪地帯の中河内に着いて、周りの山を見渡した時、ここまで雪がないのかと唖然としました。
茶色い山肌を眺めながら、南尾根は径があるということなので、冬枯れの山を楽しむ気持ちで歩き始めました。
尾根の取り付きまでの車道歩きで、半明の集落の跡を見ることが出来ました。
雪が積もっていたら通り過ぎてしまう風景ですね。
真っ赤な帽子を被ったお地蔵さまが、今なお、村を思う方々の存在を物語っていました。
大音波へは、木々を掴みながらの急こう配の登りがしばらく続き、汗が出ましたね。
すっくとしたブナに囲まれた平たい大音波は居心地のよい山頂でした。
芽吹きの頃、深緑、紅葉の頃、そして真っ白な雪で覆われた時も美しいのでしょうね。南東に延びる尾根も気持ちよさそう。
ここからはまさにブナ林の山旅でした。育ちざかりのブナが並んでいましたね。
シカはブナの実生は食べないそうです。何十年何百年か後の、豊かなブナ林に覆われた下谷山を想像してドキドキしました。
南尾根の最後は前を歩かせてもらったのですが、地図で確認した950mピークを右に曲がった時、
えっ?と、目の前の光景をどう解釈したらよいのか分からなくなりました。
尾根を辿って稜線に出るのに私の足元には尾根がなくなっている?
山日和さんに、こっちの谷が滋賀、あっちの谷が福井と地図と照らし合わせて教えてもらい、そうかぁと。
以前、栃の木峠から辿ってきた時も、同じように驚き、この不思議な地形に見入っていました。
ほんとうに複雑で面白く美しい地形ですね。レポを読み、この地形を言葉で表現できる山日和さんはすごいなぁと思いました。
流れるような言葉は、私の目に映った光景そのものです。
そう、ここは雪がまだらに残った芽吹きの季節も、しみじみとこころに沁み入る、美しさにあふれた場所です。
かなたの空に真っ白な白山を認めるとこころが震えます。
下谷山から白山を望むのは初めてでした。
冬は、雪の降る日に、何度かラッセルをしに訪れていました。下谷山までたどり着かなかった時も。
二年前の山日和さんが訪れた時の美しい写真を見て、何で晴れの日に歩こうと思わなかったのだろうと、変なこだわりに可笑しくなりました。
雲が流れていき、15時ごろには澄んだ青空が広がっていましたね。
夕方前の少し黄みがかった甘露飴色の陽射しが、周りの山々、ブナの木をやわらかに照らし、穏やかに煌めいていました。
白山は、すべての存在の憧れの地のように光り輝いていました。こんな情景に出会ってしまうと、急いで歩くのがもったいなくなりますね。
△765に着いた時は、びっくりしました。いつの間に、山肌を切り裂くような林道が出来たのか。
稜線上に風力発電の計画が挙がっているのを思い出しました。
今、どんな段階なのか気になりました。
最後の車道歩きでは、ふきのとうを摘みました。
想像以上に雪の少ない国境稜線の山旅でしたが、味わい深い山旅でした。
ありがとうございます。
sato
Re: 【湖北】ブナの回廊を行く 下谷山から音波へ
satoさん、どうもです。お疲れさまでした。
気象庁の「現在の雪」情報を見たら、私たちの歩いた国境稜線の積雪の深さは、20~50センチになっていました。
泥だらけになり歩いたぬるぬるの林道は、今、儚く煌めく真っ白な帯となり、昔の風景を懐かしんでいるのかもしれません。
今行ったら、もっと楽しめたかもね。
豪雪地帯の中河内に着いて、周りの山を見渡した時、ここまで雪がないのかと唖然としました。
頭ではわかっていたけど、実際に見ると、これが2月の中河内だとは信じられなかったですね。
尾根の取り付きまでの車道歩きで、半明の集落の跡を見ることが出来ました。
雪が積もっていたら通り過ぎてしまう風景ですね。
真っ赤な帽子を被ったお地蔵さまが、今なお、村を思う方々の存在を物語っていました。
離村した余呉の集落には、それぞれの物語がありますよね。
すっくとしたブナに囲まれた平たい大音波は居心地のよい山頂でした。
芽吹きの頃、深緑、紅葉の頃、そして真っ白な雪で覆われた時も美しいのでしょうね。南東に延びる尾根も気持ちよさそう。
この山頂はお気に入りなんだけど、倒木でちょっと荒れ気味なのが残念でした。
前回は大雪原で気持ちよかったですよ。針川への尾根もなかなか良いです。
ここからはまさにブナ林の山旅でした。育ちざかりのブナが並んでいましたね。
シカはブナの実生は食べないそうです。何十年何百年か後の、豊かなブナ林に覆われた下谷山を想像してドキドキしました。
それまで行きてられたらなあ
南尾根の最後は前を歩かせてもらったのですが、地図で確認した950mピークを右に曲がった時、
えっ?と、目の前の光景をどう解釈したらよいのか分からなくなりました。
尾根を辿って稜線に出るのに私の足元には尾根がなくなっている?
山日和さんに、こっちの谷が滋賀、あっちの谷が福井と地図と照らし合わせて教えてもらい、そうかぁと。
以前、栃の木峠から辿ってきた時も、同じように驚き、この不思議な地形に見入っていました。
ここの地形は、他ではちょっと見られないような不思議な姿をしていると思います。
自分がどこにいるのかわからなくなりますね。
ほんとうに複雑で面白く美しい地形ですね。レポを読み、この地形を言葉で表現できる山日和さんはすごいなぁと思いました。
流れるような言葉は、私の目に映った光景そのものです。
褒めても何にも出ませんよ。
かなたの空に真っ白な白山を認めるとこころが震えます。
どこの山からでも、白山を遠望すると特別な感慨が湧きますね。
冬は、雪の降る日に、何度かラッセルをしに訪れていました。下谷山までたどり着かなかった時も。
二年前の山日和さんが訪れた時の美しい写真を見て、何で晴れの日に歩こうと思わなかったのだろうと、変なこだわりに可笑しくなりました。
satoさんも変わった趣味してますね。私なら最初から歩きませんよ。
雲が流れていき、15時ごろには澄んだ青空が広がっていましたね。
夕方前の少し黄みがかった甘露飴色の陽射しが、周りの山々、ブナの木をやわらかに照らし、穏やかに煌めいていました。
白山は、すべての存在の憧れの地のように光り輝いていました。こんな情景に出会ってしまうと、急いで歩くのがもったいなくなりますね。
やっとという感じでしたね。せめて昼頃に回復してくれたらよかったのに。
でも、最後に栃ノ木の手前で見た白山は美しかったですね。
△765に着いた時は、びっくりしました。いつの間に、山肌を切り裂くような林道が出来たのか。
稜線上に風力発電の計画が挙がっているのを思い出しました。
今、どんな段階なのか気になりました。
ずいぶん荒っぽい作りでしたね。もう少し何とかならないものかと思います。
風力発電はどうなってるんでしょうねえ。庄部谷山は助かりましたが。
最後の車道歩きでは、ふきのとうを摘みました。
想像以上に雪の少ない国境稜線の山旅でしたが、味わい深い山旅でした。
この時期にふきのとうを摘めるとは驚きました。
心の持ちようで、雪が少なければ少ないなりに楽しめるものですね。
山日和
気象庁の「現在の雪」情報を見たら、私たちの歩いた国境稜線の積雪の深さは、20~50センチになっていました。
泥だらけになり歩いたぬるぬるの林道は、今、儚く煌めく真っ白な帯となり、昔の風景を懐かしんでいるのかもしれません。
今行ったら、もっと楽しめたかもね。
豪雪地帯の中河内に着いて、周りの山を見渡した時、ここまで雪がないのかと唖然としました。
頭ではわかっていたけど、実際に見ると、これが2月の中河内だとは信じられなかったですね。
尾根の取り付きまでの車道歩きで、半明の集落の跡を見ることが出来ました。
雪が積もっていたら通り過ぎてしまう風景ですね。
真っ赤な帽子を被ったお地蔵さまが、今なお、村を思う方々の存在を物語っていました。
離村した余呉の集落には、それぞれの物語がありますよね。
すっくとしたブナに囲まれた平たい大音波は居心地のよい山頂でした。
芽吹きの頃、深緑、紅葉の頃、そして真っ白な雪で覆われた時も美しいのでしょうね。南東に延びる尾根も気持ちよさそう。
この山頂はお気に入りなんだけど、倒木でちょっと荒れ気味なのが残念でした。
前回は大雪原で気持ちよかったですよ。針川への尾根もなかなか良いです。
ここからはまさにブナ林の山旅でした。育ちざかりのブナが並んでいましたね。
シカはブナの実生は食べないそうです。何十年何百年か後の、豊かなブナ林に覆われた下谷山を想像してドキドキしました。
それまで行きてられたらなあ
南尾根の最後は前を歩かせてもらったのですが、地図で確認した950mピークを右に曲がった時、
えっ?と、目の前の光景をどう解釈したらよいのか分からなくなりました。
尾根を辿って稜線に出るのに私の足元には尾根がなくなっている?
山日和さんに、こっちの谷が滋賀、あっちの谷が福井と地図と照らし合わせて教えてもらい、そうかぁと。
以前、栃の木峠から辿ってきた時も、同じように驚き、この不思議な地形に見入っていました。
ここの地形は、他ではちょっと見られないような不思議な姿をしていると思います。
自分がどこにいるのかわからなくなりますね。
ほんとうに複雑で面白く美しい地形ですね。レポを読み、この地形を言葉で表現できる山日和さんはすごいなぁと思いました。
流れるような言葉は、私の目に映った光景そのものです。
褒めても何にも出ませんよ。
かなたの空に真っ白な白山を認めるとこころが震えます。
どこの山からでも、白山を遠望すると特別な感慨が湧きますね。
冬は、雪の降る日に、何度かラッセルをしに訪れていました。下谷山までたどり着かなかった時も。
二年前の山日和さんが訪れた時の美しい写真を見て、何で晴れの日に歩こうと思わなかったのだろうと、変なこだわりに可笑しくなりました。
satoさんも変わった趣味してますね。私なら最初から歩きませんよ。
雲が流れていき、15時ごろには澄んだ青空が広がっていましたね。
夕方前の少し黄みがかった甘露飴色の陽射しが、周りの山々、ブナの木をやわらかに照らし、穏やかに煌めいていました。
白山は、すべての存在の憧れの地のように光り輝いていました。こんな情景に出会ってしまうと、急いで歩くのがもったいなくなりますね。
やっとという感じでしたね。せめて昼頃に回復してくれたらよかったのに。
でも、最後に栃ノ木の手前で見た白山は美しかったですね。
△765に着いた時は、びっくりしました。いつの間に、山肌を切り裂くような林道が出来たのか。
稜線上に風力発電の計画が挙がっているのを思い出しました。
今、どんな段階なのか気になりました。
ずいぶん荒っぽい作りでしたね。もう少し何とかならないものかと思います。
風力発電はどうなってるんでしょうねえ。庄部谷山は助かりましたが。
最後の車道歩きでは、ふきのとうを摘みました。
想像以上に雪の少ない国境稜線の山旅でしたが、味わい深い山旅でした。
この時期にふきのとうを摘めるとは驚きました。
心の持ちようで、雪が少なければ少ないなりに楽しめるものですね。
山日和
-
- 記事: 539
- 登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
- お住まい: 京都市左京区
Re: 【湖北】ブナの回廊を行く 下谷山から音波へ
山日和さん satoさん こんばんわ
>滋賀県下でも名うての豪雪地帯である、長浜市余呉の中河内。多い時には4メートルを超す雪が積もり、
平年でも2メートルぐらいの積雪は珍しくないところである。
正月に武奈ヶ岳に登った時に中河内出身という方と山頂でお会いしました。武奈ヶ岳の異様な雪の少なさを前に私より明らかに年上に思われる男性が昔の思い出を語られるには、降雪後に小学校に行こうとしたら道に黒いロープが張ってある、掴んで歩いていたら、電線であることに気がついた・・・という思い出を懐かしそうにお話しされておられました。
2/11は昨日repをあげたルートにしてしまったのですが、このルートも考えたのでした。というのも木ノ本に到着する北陸本線が丁度、中河内行きの始発のバスに接続するのです。近々、訪れてみたいとおみます。
>少し雪が出てきたものの、スノーシューを履くほどでもなく、グサグサのシャーベットのような雪である。
京都の北山でも2/11には相当な量が積もっていた筈でしたが、根雪がないせいか瞬く間に融けてしまったようです。
わずかに残っていたのはそのような雪でした。
Ca950mピークで右折して、折り返すように国境稜線へ入るのだが、このあたりの地形の複雑さは
特筆すべきものがある。国境稜線はまるで谷間に潜り込んでいくように低い場所を通り、対面する小台地
へ渡る廊下のように伸びる。そこへ四方から谷の源頭が緩やかに上がり、周りはすべて見上げるように尾
根が存在している、なんとも不思議な地形なのである。稜線とは一番高いところであるという概念を覆さ
れるような風景だ。初めてここを訪れた時、いったい何がどうなっているのかわからなかった。
地図で確認しましたが、完全な二重稜線に見えますが、その複雑さは実際に歩いてみないとわからないところがありますよね。
裏比良の池が点在するあたりといい複雑な地形の広がる尾根には惹かれるのですが、この山域の魅了の一つですね。
>陶しい潅木を漕いで山頂に向かうと、ブナの幹の間から真っ白な山が見えた。白山だ。寡雪とはいえ、
さすがにこの時期の白山は白い。
私もこの日、同じ白山を京都の皆子山の北にあるp897から眺めておりました。皆子山からだと武奈ヶ岳が邪魔で見えないのですが、p897からだと白山が皆子山の陰から姿を現すので。他の山々が急速に雪を失ってしまったせいか、白山の純白さが際立っていましたね。
>シカのラッセル跡がどこまでも続き、それがほとんど道のラインと一致しているのが面白い。雪が積もっていればどこを歩いても同じはずだが、動物は同じラインを歩く習性があるのだろう。
鹿は天敵から逃げるのに地面が硬い方が有利なので、同じ踏み固められたところを歩く習性がありますよね。そもそも元は鹿道だったところを登山道にしていることが多いので、鹿のトレースが必然的に道のラインと一致することになりますよね。しかし、雪があっても積雪した鹿道の上を歩くことができる能力は感心してしまいます。
>緩やかなアップダウンと屈曲を繰り返しながら進むと、いつの間にか日が差し始めた。今頃予報通
りの天気になってきたのか。遅すぎるとはいえ、やはり青空の下を歩くのは気分がいいものである。
>夕方前の少し黄みがかった甘露飴色の陽射しが、周りの山々、ブナの木をやわらかに照らし、穏やかに煌めいていました。
京都の北山でも大見湿原を歩いている頃にようやく日が差してきました。私はついつい黄金色の光と陳腐な表現をしてしまいますが、甘露飴色と表現されるsatoさんはさすがですね。カンロ飴・・・懐かしいなあ
>無線中継所の建つ栃ノ木の三角点を過ぎると、強引に切り開いたような林道が続く。そろそろ日が傾き
始めた林道を急ぎ足で下って行った。
>△765に着いた時は、びっくりしました。いつの間に、山肌を切り裂くような林道が出来たのか。
稜線上に風力発電の計画が挙がっているのを思い出しました。
最近、ここを歩かれた知人(flatwellさんのご友人)のヤマレコでもかなり強引に山を切り開くような林道が作られていることを知りました。
この奥深い江越国境の魅力が大きく損なわれてしまうのが懸念されますね。
>最後の車道歩きでは、ふきのとうを摘みました。
羨ましい!
先日のrepでも報告しましたが、横山岳の林道でもフキノトウがいっぱい出ているそうです。
私が作った蕗味噌は瞬く間になくなってしまいました。
>滋賀県下でも名うての豪雪地帯である、長浜市余呉の中河内。多い時には4メートルを超す雪が積もり、
平年でも2メートルぐらいの積雪は珍しくないところである。
正月に武奈ヶ岳に登った時に中河内出身という方と山頂でお会いしました。武奈ヶ岳の異様な雪の少なさを前に私より明らかに年上に思われる男性が昔の思い出を語られるには、降雪後に小学校に行こうとしたら道に黒いロープが張ってある、掴んで歩いていたら、電線であることに気がついた・・・という思い出を懐かしそうにお話しされておられました。
2/11は昨日repをあげたルートにしてしまったのですが、このルートも考えたのでした。というのも木ノ本に到着する北陸本線が丁度、中河内行きの始発のバスに接続するのです。近々、訪れてみたいとおみます。
>少し雪が出てきたものの、スノーシューを履くほどでもなく、グサグサのシャーベットのような雪である。
京都の北山でも2/11には相当な量が積もっていた筈でしたが、根雪がないせいか瞬く間に融けてしまったようです。
わずかに残っていたのはそのような雪でした。
Ca950mピークで右折して、折り返すように国境稜線へ入るのだが、このあたりの地形の複雑さは
特筆すべきものがある。国境稜線はまるで谷間に潜り込んでいくように低い場所を通り、対面する小台地
へ渡る廊下のように伸びる。そこへ四方から谷の源頭が緩やかに上がり、周りはすべて見上げるように尾
根が存在している、なんとも不思議な地形なのである。稜線とは一番高いところであるという概念を覆さ
れるような風景だ。初めてここを訪れた時、いったい何がどうなっているのかわからなかった。
地図で確認しましたが、完全な二重稜線に見えますが、その複雑さは実際に歩いてみないとわからないところがありますよね。
裏比良の池が点在するあたりといい複雑な地形の広がる尾根には惹かれるのですが、この山域の魅了の一つですね。
>陶しい潅木を漕いで山頂に向かうと、ブナの幹の間から真っ白な山が見えた。白山だ。寡雪とはいえ、
さすがにこの時期の白山は白い。
私もこの日、同じ白山を京都の皆子山の北にあるp897から眺めておりました。皆子山からだと武奈ヶ岳が邪魔で見えないのですが、p897からだと白山が皆子山の陰から姿を現すので。他の山々が急速に雪を失ってしまったせいか、白山の純白さが際立っていましたね。
>シカのラッセル跡がどこまでも続き、それがほとんど道のラインと一致しているのが面白い。雪が積もっていればどこを歩いても同じはずだが、動物は同じラインを歩く習性があるのだろう。
鹿は天敵から逃げるのに地面が硬い方が有利なので、同じ踏み固められたところを歩く習性がありますよね。そもそも元は鹿道だったところを登山道にしていることが多いので、鹿のトレースが必然的に道のラインと一致することになりますよね。しかし、雪があっても積雪した鹿道の上を歩くことができる能力は感心してしまいます。
>緩やかなアップダウンと屈曲を繰り返しながら進むと、いつの間にか日が差し始めた。今頃予報通
りの天気になってきたのか。遅すぎるとはいえ、やはり青空の下を歩くのは気分がいいものである。
>夕方前の少し黄みがかった甘露飴色の陽射しが、周りの山々、ブナの木をやわらかに照らし、穏やかに煌めいていました。
京都の北山でも大見湿原を歩いている頃にようやく日が差してきました。私はついつい黄金色の光と陳腐な表現をしてしまいますが、甘露飴色と表現されるsatoさんはさすがですね。カンロ飴・・・懐かしいなあ
>無線中継所の建つ栃ノ木の三角点を過ぎると、強引に切り開いたような林道が続く。そろそろ日が傾き
始めた林道を急ぎ足で下って行った。
>△765に着いた時は、びっくりしました。いつの間に、山肌を切り裂くような林道が出来たのか。
稜線上に風力発電の計画が挙がっているのを思い出しました。
最近、ここを歩かれた知人(flatwellさんのご友人)のヤマレコでもかなり強引に山を切り開くような林道が作られていることを知りました。
この奥深い江越国境の魅力が大きく損なわれてしまうのが懸念されますね。
>最後の車道歩きでは、ふきのとうを摘みました。
羨ましい!
先日のrepでも報告しましたが、横山岳の林道でもフキノトウがいっぱい出ているそうです。
私が作った蕗味噌は瞬く間になくなってしまいました。
山猫
Re: 【湖北】ブナの回廊を行く 下谷山から音波へ
山猫さん、どうもです。亀レス返、申し訳ありません。
正月に武奈ヶ岳に登った時に中河内出身という方と山頂でお会いしました。武奈ヶ岳の異様な雪の少なさを前に私より明らかに年上に思われる男性が昔の思い出を語られるには、降雪後に小学校に行こうとしたら道に黒いロープが張ってある、掴んで歩いていたら、電線であることに気がついた・・・という思い出を懐かしそうにお話しされておられました。
そういう人の話を聞くのは楽しいですね。私が去年、田戸で会った猟師兼肉屋の人の話も興味深かったです。
2/11は昨日repをあげたルートにしてしまったのですが、このルートも考えたのでした。というのも木ノ本に到着する北陸本線が丁度、中河内行きの始発のバスに接続するのです。近々、訪れてみたいと思います。
そうだったんですか。電車とバスなら帰りに飲めますね。
京都の北山でも2/11には相当な量が積もっていた筈でしたが、根雪がないせいか瞬く間に融けてしまったようです。
わずかに残っていたのはそのような雪でした。
そうですね。だからササの上に積もった雪は、足を置くとボソっと潜ってしまいます。
地図で確認しましたが、完全な二重稜線に見えますが、その複雑さは実際に歩いてみないとわからないところがありますよね。
裏比良の池が点在するあたりといい複雑な地形の広がる尾根には惹かれるのですが、この山域の魅了の一つですね。
地形図ではとても表せない複雑な地形です。こういう地形の妙は大好きです。
私もこの日、同じ白山を京都の皆子山の北にあるp897から眺めておりました。皆子山からだと武奈ヶ岳が邪魔で見えないのですが、p897からだと白山が皆子山の陰から姿を現すので。他の山々が急速に雪を失ってしまったせいか、白山の純白さが際立っていましたね。
雪が少ないとはいえ、さすが白山というところです。
鹿は天敵から逃げるのに地面が硬い方が有利なので、同じ踏み固められたところを歩く習性がありますよね。そもそも元は鹿道だったところを登山道にしていることが多いので、鹿のトレースが必然的に道のラインと一致することになりますよね。しかし、雪があっても積雪した鹿道の上を歩くことができる能力は感心してしまいます。
言わば「野生のカン」というヤツでしょう。
山日和
正月に武奈ヶ岳に登った時に中河内出身という方と山頂でお会いしました。武奈ヶ岳の異様な雪の少なさを前に私より明らかに年上に思われる男性が昔の思い出を語られるには、降雪後に小学校に行こうとしたら道に黒いロープが張ってある、掴んで歩いていたら、電線であることに気がついた・・・という思い出を懐かしそうにお話しされておられました。
そういう人の話を聞くのは楽しいですね。私が去年、田戸で会った猟師兼肉屋の人の話も興味深かったです。
2/11は昨日repをあげたルートにしてしまったのですが、このルートも考えたのでした。というのも木ノ本に到着する北陸本線が丁度、中河内行きの始発のバスに接続するのです。近々、訪れてみたいと思います。
そうだったんですか。電車とバスなら帰りに飲めますね。
京都の北山でも2/11には相当な量が積もっていた筈でしたが、根雪がないせいか瞬く間に融けてしまったようです。
わずかに残っていたのはそのような雪でした。
そうですね。だからササの上に積もった雪は、足を置くとボソっと潜ってしまいます。
地図で確認しましたが、完全な二重稜線に見えますが、その複雑さは実際に歩いてみないとわからないところがありますよね。
裏比良の池が点在するあたりといい複雑な地形の広がる尾根には惹かれるのですが、この山域の魅了の一つですね。
地形図ではとても表せない複雑な地形です。こういう地形の妙は大好きです。
私もこの日、同じ白山を京都の皆子山の北にあるp897から眺めておりました。皆子山からだと武奈ヶ岳が邪魔で見えないのですが、p897からだと白山が皆子山の陰から姿を現すので。他の山々が急速に雪を失ってしまったせいか、白山の純白さが際立っていましたね。
雪が少ないとはいえ、さすが白山というところです。
鹿は天敵から逃げるのに地面が硬い方が有利なので、同じ踏み固められたところを歩く習性がありますよね。そもそも元は鹿道だったところを登山道にしていることが多いので、鹿のトレースが必然的に道のラインと一致することになりますよね。しかし、雪があっても積雪した鹿道の上を歩くことができる能力は感心してしまいます。
言わば「野生のカン」というヤツでしょう。
山日和
Re: 【湖北】ブナの回廊を行く 下谷山から音波へ
山猫さま
こんばんは。
先日、若狭の里山に出かけた時、大きなふきの花が咲いていました。
麓の集落の庭先のモクレンのつぼみもふっくらしていました。春の訪れの早さに戸惑ってしまいます。
山猫さんは蕗味噌も作るのですか。ご家庭でもお料理をされるのですね。
三角点栃ノ木に着いた時、びっくりしました。数年前の春に訪れた時と風景が違っていたからです。
そうだったと、風力発電計画を思い出しました。
こんなことが、静かな国境の稜線で起っているのです。
栃ノ木峠から下谷山にかけて国境稜線付近で、
「(仮称)余呉南越前ウインドファーム発電事業」という再生可能エネルギー事業が展開されています。
国境の962ヘクタールの山林に、高さ148~208m、直径108~136mの風車が50基ほど設置されるといいます。
最大出力は17万kwで国内最大規模になるそうです。
この山域はイヌワシやクマタカの生息、繁殖が確認されているそうです。サシバやハチクマの渡りの経路にも入っています。
稜線上には美しいブナの林が広がり、私たちの飲み水の水源の地でもあります。
実現された風景を想像すると、胸が痛くなります。
昨年の夏、ブンゲンを訪れた時は、滋賀県一周トレラン大会へ向けての稜線の切り開きを目の当たりにしました。
山と人との関係性の移り変わりを考えてしまいます。
sato
こんばんは。
先日、若狭の里山に出かけた時、大きなふきの花が咲いていました。
麓の集落の庭先のモクレンのつぼみもふっくらしていました。春の訪れの早さに戸惑ってしまいます。
山猫さんは蕗味噌も作るのですか。ご家庭でもお料理をされるのですね。
三角点栃ノ木に着いた時、びっくりしました。数年前の春に訪れた時と風景が違っていたからです。
そうだったと、風力発電計画を思い出しました。
こんなことが、静かな国境の稜線で起っているのです。
栃ノ木峠から下谷山にかけて国境稜線付近で、
「(仮称)余呉南越前ウインドファーム発電事業」という再生可能エネルギー事業が展開されています。
国境の962ヘクタールの山林に、高さ148~208m、直径108~136mの風車が50基ほど設置されるといいます。
最大出力は17万kwで国内最大規模になるそうです。
この山域はイヌワシやクマタカの生息、繁殖が確認されているそうです。サシバやハチクマの渡りの経路にも入っています。
稜線上には美しいブナの林が広がり、私たちの飲み水の水源の地でもあります。
実現された風景を想像すると、胸が痛くなります。
昨年の夏、ブンゲンを訪れた時は、滋賀県一周トレラン大会へ向けての稜線の切り開きを目の当たりにしました。
山と人との関係性の移り変わりを考えてしまいます。
sato