【台高】シャクナゲの回廊とブナの豊潤な森(筏場から振子辻~添谷ノ頭~大台辻周回)
Posted: 2012年5月23日(水) 23:42
[attachment=4]DSCN2367_925.jpg[/attachment]
今回辿った筏場から振子辻~添谷山~大台辻周回ルートは、すでにここヤブにはpiccoloさんによるレポが掲載されている。地形図に見られる槇ノ平谷(北谷)上流域の窪地と添谷ノ頭付近の大ブナが目的だったようだ。
「大ブナ探しに添谷山」
niuyamada氏がその窪地のある槇ノ平周辺について、「山上」の文章を引用して興味深いブログを書かれているので、これもリンクしておく。
「槇ノ平」
「朽の木」「大朽」なる槇ノ平にある大木のことが書かれているが、「朽」は「栃」のことではないだろうか(もしや略字?)。今回植林の中に大木の栃が残されているのを確認していた。
また、このブログでも触れられているのだが、ニッチの登山図には、北谷左岸を屏風岳北東のコルに抜ける点線道が描かれている。
公式には、釜之公吊橋~大台辻間は、歩道の崩壊多く通行止めである。
【 日 付 】2012年05月20日
【 山 域 】台高南部 本沢川周辺
【メンバー】びぃ、zipp
【 天 候 】曇天
【 ルート 】《筏場から槇ノ平谷~振子辻~添谷ノ頭~大台辻~筏場道》
07:10 筏場駐車地--- 07:55~08:05 槇ノ平谷(北谷)出合--- 09:00 大栃--- 09:25 1123mピーク(振子辻の高)--- 09:40~09:50 振子辻南のコル--- 09:40~09:50 引水迫--- 11:10~11:15 御座嵓--- 11:40~12:45 添谷ノ頭(昼食)--- 13:35~13:45 大台辻--- 14:10 銀嶺水--- 14:50~15:00 釜之公谷吊橋--- 15:35 駐車地
家から筏場までおよそ2時間半。遠いような近いような距離である。
ここ筏場は、三重・紀北町船津の花抜峠へ抜ける土倉古道の現在の起点であり、感慨深いところだ。
白倉又谷に架かる橋を渡り、沢音に新緑が降り注ぐ本沢川左岸に付けられた道を辿って行く。
硫黄の香りが、五色湯跡ともう一ヶ所で漂っているが、それらを確認する時間はない。
黒倉又谷を越えて釜之公谷に架かる吊橋を越えたところで、谷に降りる。植林の中、杣道らしき道は槇ノ平谷の出合に導いてくれた。
二俣まで谷を辿り、中間尾根に取つく。地面は岩屑に覆われていて先日の江馬小屋で見た緩傾斜地と同じだ。ただ、こんな岩屑が覆うところにどうやって植林したのか、こちらは杉山である。
傾斜が緩やかになり、槇ノ平の一角に乗る。辺りの植林には真新しい熊剥ぎの痕が残っている。針葉樹の内皮が甘くなる季節がはじまっているのだ。
[attachment=3]DSCN2284_640.jpg[/attachment]尾根が消え斜面の傾斜が強まりはじめた小さな谷筋に、幹周5mはありそうな大きなトチノキが残されていた。その大トチのすぐ上はもう岩盤が露出している。岩盤を巻いて登り、右に顕著になる尾根にのれば、樹木が切れ南面の風景を垣間見えた。残念ながら大台ヶ原方面にはガスが湧いている。今日一日なんとか天候が持ってほしいものだ。
1123ピークは、シャクナゲ・ヤマツツジが咲き、皆伐の三之公谷源流部が見渡せる。そこからすぐで台高主稜線の振子辻だ。風が吹き寒いので、コルまで降りて休憩だ。
左、植林の中緩やかに下る大きな倒木の倒れ込んだ谷筋は、もう宮川不動谷の源流部なのが、奈良県側から入った三重県在住者だからか?不思議な感じがする。
[attachment=2]DSCN2304_800.jpg[/attachment]
ここからしばらくは、進行方向左手・三重県側不動谷源流部は植林、右手・奈良県側は自然林、そして稜線道はヒノキ・コウヤマキなどの大木にシャクナゲの絡む道。そのシャクナゲが見事に花の盛りを迎え、暗い針葉樹の道を照らしてくれている。
いつものように地形図をプリントアウトして持ってきたのだが、県境を幅広く黄色く塗りつぶされた新しい地図は、県境稜線の等高線の見づらいことこの上なしだ。稜線上にいることは確かなんだが、現在位置がいつの間にか不明になってしまい、1118標高点が遠い。
1118標高点からの降りは、マーキングは右の尾根を進み、トラバースして正しい尾根に進んでいる。
帰宅後見たエアリアの地図の振子辻は明らかに位置が違うし、引水迫も違う。この辺りは迷う仕掛けがいっぱい揃っていそうだ(^^;。
左から谷が稜線に沿うように登って来ている、引水迫だ。昼食と午後からのお茶用の水を汲みに谷に降りる。
ここにきて不動谷の植林からはなたれて辺りは自然林に変わった。稜線にはシロヤシオにヤマツツジが開花し、対岸の尾根には、びっしりとピンクの花を付けたシャクナゲが並んでいる。
[attachment=1]ヒメシャラにシロヤシオ_800.jpg[/attachment] 御座嵓への急登斜面ではたくさんの花を付けたシャクナゲをかき分け登って行く。すでにシャクナゲの花には食傷気味になってしまっている。
180度の展望地でひと休み。朝見た時よりガスは晴れて、日出ケ岳の山頂部にガスが残っているだけだ。咲残りのアケボノツツジがチラホラと咲いている。
そのアケボノツツジも添谷ノ頭付近では見頃に咲くのを見て、予想より若干早く山頂に到着し、東尾根に少し入った風避けの底部でシートを広げた。
きょうの山は暑いのではないかと予想していたが、寒い。ランチはびぃちゃんが用意してくれた皿うどん。餡かけなので温まり、ちょうどいい。
片づけを始めたころ、ここにもガスが掛かり、雨滴が落ち始めた。幸い雨は少しで降りやみ、雨具を付けなくても大丈夫な気配だ。
幹に空洞の開いた大ヒノキに、ウスギヨウラクが着生し花を咲かせている。見頃のアケボノツツジを写真にとって、添谷の頭を後にする。
ここから先は、三重県側は西谷の源流部が稜線へ緩やかに登りあがり、ブナやミズナラ、ヒノキやツガなどの大木の森。彷徨い歩きたい森が続く。
そして、本日の最高標高点1290+αm、左に尾根を延ばすピークを越えたところが最高点。ピークの先には、満艦飾の花を付けたシャクナゲだ。さらにその先に進もうとして、ルートを外していることに気づいた。太尾根なのでトラバースして本来のルートにもどった。普通ここでは間違わないだろうというところで間違ってしまった。たぶん好奇心が勝った迷いだ。
時間が遅くなればバイパスとして使おうかと思っていた、下部で筏場道と合流する尾根を見送り、大台辻へと向かった。このあたりは、スズタケの枯竿が甚だしい。
大台辻。筏場から上がってきた土倉古道は、三重県側の大台ケ原山腹を、西谷を堂倉谷を越えトラバースして沖見峠を越え花抜峠へ向かう。
山中の筏場から船津へ向かった時、初めて海が見えるのはやはり沖見峠だろうか。そうやって歩いた人は、海を見たときどんな思いが湧き上がったろう、などと考える。すでに林道で寸断されてはいるが、まだ歩いていないここから粟谷木屋までの道を辿ってみたいものだ。
この辻から南下し、川上辻へ抜ける道は、大台教会への道だ。これもまた土倉庄三郎氏が作り、大台教会へ寄進した道である。
大台辻から筏場へ降りる道は、予想だにしていなかった道周りにツガなど針葉樹の巨木の道だった。釜之公谷側はストンと落ちる崖のようなところが多い。
この道が通行止めである原因の崩落地は数あれど、一ヶ所を除けばバリエーションルートに慣れている人なら歩ける崩落現場であり、すでに巻道ができている。
問題の一ヶ所の橋も流された崩落個所は、急傾斜のガレ沢で何本もロープが張られてはいるものの足元が不安定で、灌木が生えるところまで大きく高巻くのが賢明だろう。
[attachment=0]DSCN2387_800.jpg[/attachment] 銀嶺水で美味しい水で口を潤し進んでいくと、前方からきょう初めてあう人・単独者とすれ違う。こんな時間に小さなザックで?と思い声をかけると、できれば大台辻までとのこと。理解できない登山者が増えてそうな気がする。
倒れた建物があるところが「三十三荷」だろうか?ここで尾根を越え釜之公谷側から本沢川側斜面に移り、自然林から植林に変わった。
釜之公谷吊橋でケーキにお茶して、思わぬシャクナゲの盛期に巡り合わせた幸運、アケボノツツジからシロヤシオ、ヤマツツジまで見れ、豊かなブナの新緑の森に、巨木が沿う古道と、天候こそ恵まれなかったがこの日の山行を愛で駐車地へと帰ったのであった。
今回辿った筏場から振子辻~添谷山~大台辻周回ルートは、すでにここヤブにはpiccoloさんによるレポが掲載されている。地形図に見られる槇ノ平谷(北谷)上流域の窪地と添谷ノ頭付近の大ブナが目的だったようだ。
「大ブナ探しに添谷山」
niuyamada氏がその窪地のある槇ノ平周辺について、「山上」の文章を引用して興味深いブログを書かれているので、これもリンクしておく。
「槇ノ平」
「朽の木」「大朽」なる槇ノ平にある大木のことが書かれているが、「朽」は「栃」のことではないだろうか(もしや略字?)。今回植林の中に大木の栃が残されているのを確認していた。
また、このブログでも触れられているのだが、ニッチの登山図には、北谷左岸を屏風岳北東のコルに抜ける点線道が描かれている。
公式には、釜之公吊橋~大台辻間は、歩道の崩壊多く通行止めである。
【 日 付 】2012年05月20日
【 山 域 】台高南部 本沢川周辺
【メンバー】びぃ、zipp
【 天 候 】曇天
【 ルート 】《筏場から槇ノ平谷~振子辻~添谷ノ頭~大台辻~筏場道》
07:10 筏場駐車地--- 07:55~08:05 槇ノ平谷(北谷)出合--- 09:00 大栃--- 09:25 1123mピーク(振子辻の高)--- 09:40~09:50 振子辻南のコル--- 09:40~09:50 引水迫--- 11:10~11:15 御座嵓--- 11:40~12:45 添谷ノ頭(昼食)--- 13:35~13:45 大台辻--- 14:10 銀嶺水--- 14:50~15:00 釜之公谷吊橋--- 15:35 駐車地
家から筏場までおよそ2時間半。遠いような近いような距離である。
ここ筏場は、三重・紀北町船津の花抜峠へ抜ける土倉古道の現在の起点であり、感慨深いところだ。
白倉又谷に架かる橋を渡り、沢音に新緑が降り注ぐ本沢川左岸に付けられた道を辿って行く。
硫黄の香りが、五色湯跡ともう一ヶ所で漂っているが、それらを確認する時間はない。
黒倉又谷を越えて釜之公谷に架かる吊橋を越えたところで、谷に降りる。植林の中、杣道らしき道は槇ノ平谷の出合に導いてくれた。
二俣まで谷を辿り、中間尾根に取つく。地面は岩屑に覆われていて先日の江馬小屋で見た緩傾斜地と同じだ。ただ、こんな岩屑が覆うところにどうやって植林したのか、こちらは杉山である。
傾斜が緩やかになり、槇ノ平の一角に乗る。辺りの植林には真新しい熊剥ぎの痕が残っている。針葉樹の内皮が甘くなる季節がはじまっているのだ。
[attachment=3]DSCN2284_640.jpg[/attachment]尾根が消え斜面の傾斜が強まりはじめた小さな谷筋に、幹周5mはありそうな大きなトチノキが残されていた。その大トチのすぐ上はもう岩盤が露出している。岩盤を巻いて登り、右に顕著になる尾根にのれば、樹木が切れ南面の風景を垣間見えた。残念ながら大台ヶ原方面にはガスが湧いている。今日一日なんとか天候が持ってほしいものだ。
1123ピークは、シャクナゲ・ヤマツツジが咲き、皆伐の三之公谷源流部が見渡せる。そこからすぐで台高主稜線の振子辻だ。風が吹き寒いので、コルまで降りて休憩だ。
左、植林の中緩やかに下る大きな倒木の倒れ込んだ谷筋は、もう宮川不動谷の源流部なのが、奈良県側から入った三重県在住者だからか?不思議な感じがする。
[attachment=2]DSCN2304_800.jpg[/attachment]
ここからしばらくは、進行方向左手・三重県側不動谷源流部は植林、右手・奈良県側は自然林、そして稜線道はヒノキ・コウヤマキなどの大木にシャクナゲの絡む道。そのシャクナゲが見事に花の盛りを迎え、暗い針葉樹の道を照らしてくれている。
いつものように地形図をプリントアウトして持ってきたのだが、県境を幅広く黄色く塗りつぶされた新しい地図は、県境稜線の等高線の見づらいことこの上なしだ。稜線上にいることは確かなんだが、現在位置がいつの間にか不明になってしまい、1118標高点が遠い。
1118標高点からの降りは、マーキングは右の尾根を進み、トラバースして正しい尾根に進んでいる。
帰宅後見たエアリアの地図の振子辻は明らかに位置が違うし、引水迫も違う。この辺りは迷う仕掛けがいっぱい揃っていそうだ(^^;。
左から谷が稜線に沿うように登って来ている、引水迫だ。昼食と午後からのお茶用の水を汲みに谷に降りる。
ここにきて不動谷の植林からはなたれて辺りは自然林に変わった。稜線にはシロヤシオにヤマツツジが開花し、対岸の尾根には、びっしりとピンクの花を付けたシャクナゲが並んでいる。
[attachment=1]ヒメシャラにシロヤシオ_800.jpg[/attachment] 御座嵓への急登斜面ではたくさんの花を付けたシャクナゲをかき分け登って行く。すでにシャクナゲの花には食傷気味になってしまっている。
180度の展望地でひと休み。朝見た時よりガスは晴れて、日出ケ岳の山頂部にガスが残っているだけだ。咲残りのアケボノツツジがチラホラと咲いている。
そのアケボノツツジも添谷ノ頭付近では見頃に咲くのを見て、予想より若干早く山頂に到着し、東尾根に少し入った風避けの底部でシートを広げた。
きょうの山は暑いのではないかと予想していたが、寒い。ランチはびぃちゃんが用意してくれた皿うどん。餡かけなので温まり、ちょうどいい。
片づけを始めたころ、ここにもガスが掛かり、雨滴が落ち始めた。幸い雨は少しで降りやみ、雨具を付けなくても大丈夫な気配だ。
幹に空洞の開いた大ヒノキに、ウスギヨウラクが着生し花を咲かせている。見頃のアケボノツツジを写真にとって、添谷の頭を後にする。
ここから先は、三重県側は西谷の源流部が稜線へ緩やかに登りあがり、ブナやミズナラ、ヒノキやツガなどの大木の森。彷徨い歩きたい森が続く。
そして、本日の最高標高点1290+αm、左に尾根を延ばすピークを越えたところが最高点。ピークの先には、満艦飾の花を付けたシャクナゲだ。さらにその先に進もうとして、ルートを外していることに気づいた。太尾根なのでトラバースして本来のルートにもどった。普通ここでは間違わないだろうというところで間違ってしまった。たぶん好奇心が勝った迷いだ。
時間が遅くなればバイパスとして使おうかと思っていた、下部で筏場道と合流する尾根を見送り、大台辻へと向かった。このあたりは、スズタケの枯竿が甚だしい。
大台辻。筏場から上がってきた土倉古道は、三重県側の大台ケ原山腹を、西谷を堂倉谷を越えトラバースして沖見峠を越え花抜峠へ向かう。
山中の筏場から船津へ向かった時、初めて海が見えるのはやはり沖見峠だろうか。そうやって歩いた人は、海を見たときどんな思いが湧き上がったろう、などと考える。すでに林道で寸断されてはいるが、まだ歩いていないここから粟谷木屋までの道を辿ってみたいものだ。
この辻から南下し、川上辻へ抜ける道は、大台教会への道だ。これもまた土倉庄三郎氏が作り、大台教会へ寄進した道である。
大台辻から筏場へ降りる道は、予想だにしていなかった道周りにツガなど針葉樹の巨木の道だった。釜之公谷側はストンと落ちる崖のようなところが多い。
この道が通行止めである原因の崩落地は数あれど、一ヶ所を除けばバリエーションルートに慣れている人なら歩ける崩落現場であり、すでに巻道ができている。
問題の一ヶ所の橋も流された崩落個所は、急傾斜のガレ沢で何本もロープが張られてはいるものの足元が不安定で、灌木が生えるところまで大きく高巻くのが賢明だろう。
[attachment=0]DSCN2387_800.jpg[/attachment] 銀嶺水で美味しい水で口を潤し進んでいくと、前方からきょう初めてあう人・単独者とすれ違う。こんな時間に小さなザックで?と思い声をかけると、できれば大台辻までとのこと。理解できない登山者が増えてそうな気がする。
倒れた建物があるところが「三十三荷」だろうか?ここで尾根を越え釜之公谷側から本沢川側斜面に移り、自然林から植林に変わった。
釜之公谷吊橋でケーキにお茶して、思わぬシャクナゲの盛期に巡り合わせた幸運、アケボノツツジからシロヤシオ、ヤマツツジまで見れ、豊かなブナの新緑の森に、巨木が沿う古道と、天候こそ恵まれなかったがこの日の山行を愛で駐車地へと帰ったのであった。
昨年坊主上げの道から花抜峠を歩いた時から奈良県側の古道は気になっていました。