【台高】江馬小屋枝谷の大滝とナンノキ平崩壊地。
Posted: 2012年5月17日(木) 22:29
江馬小屋谷の五所ヶ滝ゴルジュを抜けると、白糸滝の掛かる左俣の支谷が合流する。その先で、右岸からさらに枝谷が合流する。この谷の地形図を見ると出合からしばらくはコンターが混み、またコンターが折れていて明らかに滝のある谷だとわかる。この滝を見に行く。
以前、この谷の右岸岩壁上を登った時、滝音は聞こえども姿の見えない滝だった。また滝上のおだやかな谷を横切った折りに滝口は見えるが、先で折れ曲がった滝で全貌の掴めない滝だったのである。
※谷の水線がやたら引かれるようになった新しい電子国土地図。せめて、谷地形に沿って引いて欲しいものである。
【 日 付 】2012年05月13日
【 山 域 】台高東部 江馬小屋谷 ナンノキ平周辺
【メンバー】単独
【 天 候 】晴天
【 ルート 】《江馬小屋谷から稜線、ナンノキ平》
07:40 江馬小屋谷出合--- 07:55 野江俣谷出合--- 08:15~08:30 行合--- 08:45 夫婦滝--- 09:15 左俣出合--- 09:25~10:10 右岸枝谷出合(枝谷大滝見物)--- 10:40 3段20m滝--- 11:50~12:45 石谷滝(昼食)--- 14:10~14:20 1205ピーク西の岩尾根のコル--- 14:50 ~15:00 1226ピーク西のダイラ--- 15:10~15:20 ナンノキ平(崩壊地)--- 16:30 野江俣谷出合--- 駐車地
江馬小屋林道は、昨年9月の豪雨で崩壊した林道の工事が、やっと始まっている。
橋を渡ったところに車を停め歩き出す。河原では、数台のオフロードバイクが停められテントが張られている。しかし江馬小屋谷は笹濁りだ。
この濁りの原因は、やはり昨年崩壊のあった野江俣谷。江馬小屋谷の水流は清らかに澄んでいた。
野江俣谷出合の崩壊した橋を渡り、江馬小屋谷に付けられていた炭焼き道をひろって遡って行く。
何度来ても、行合では時間をとられてしまう。両岸迫り、僅かにのぞくスリットには陽を浴びて光り輝く新緑。そしてそれは水面にも映え、黒い岩壁と相まって美しい。
[attachment=3]行合_800.jpg[/attachment]
行合を過ぎれば、左岸に道は続く。枝谷に掛かる夫婦滝前を通過し、岩壁上から観音滝を見て、二ヶ所の岩を攀じ上がり、五所ヶ滝ゴルジュ横の窯跡のある左岸台地に飛び出す。ここには、バンセンがとぐろを巻いていて、足に引っ掛け転びかねない。
きょうは、五所ヶ滝ゴルジュに寄らずに先を目指そう。
谷が開けた左俣の出合付近は、好きな場所だ。すでに新緑が覆う谷中を飛び石で進んでいき、目的の枝谷出合だ。
谷を覗くと、勾配のキツイ谷にぎっしり岩が詰まっている。
ザックをデポして空身で谷を登る。谷が右に曲がったその奥に滝が見えた。しかし、手前に見える滝の水量に比べて、ずいぶん水量が少ないのが不思議だ。
8mの前衛の滝を越え、谷筋と90度曲がった滝の正面に立つ。高度のある右岸岩壁を携えた黒い岩壁に、滝口は二筋に分かれ、途中で合流する滝だ。その奥には落差の小さな滝が見え、たぶんその滝下は滝壺になって二筋の水流となっているのだろう。その先は90度折れ曲がり、さらに滝を作って滝口へと続いているはずだ。高低差は30mを越える滝となるだろう。
このまま左岸を巻き上がりたい気持ちも湧くが、ザックをデポしてきた。本谷に戻り、上流を目指す。
河幅広い平凡な谷が、釜を持った2m程の斜瀑で突然狭まり、へつって越えると谷の奥に大きそうな滝が見える。両岸高い壁を持った3段20m程の滝だ。滝前でルートをどう取ろうかと観察するも、厭らしそう。右のルンゼから斜低するバンドで一段目を越えようかと思うものの先が読めないので、安全策を取って左岸に聳える岩壁を大高巻きする。岩壁上は獣道が走るものの、ガレやザレでこれも厭らしい。岩谷が入ったところで、谷に降りようとするが、ストンと岩崖で落ちているようでさらに巻く。
そろそろ二俣出合付近だろうと降りていくと、シャクナゲがきれいに咲いている。対岸にはヤマツツジの大木の木が、たくさんの朱色の花を付けている。またこんなところに二本並行に張られたバンセンが、残っている。
結局下部は岩が出てきて、厭らしい、厭らしいとかいいながら、谷になんとか無事着地。が、もう高巻きはコリゴリだ。
すぐに二俣。左岸にはテントを張るような台地はあるものの、雑然としていて昼食を食べる気にならない。さらに本谷を上流に向かうと、右岸に石積み道の名残があり、その先には窯跡があり、こんな奥地までとびっくりさせられる。
右から枝谷が入りその向こうに滝が見えた。滝口に石を詰め二筋に分かれた水流が合流し、岩をハーフパイプ状に穿い、身をくねるように落ちる大きな釜を持った美瀑だ。滝前にはカエデの木があり、紅葉の頃に訪れればさぞきれいだろう。
陽も射す滝前の岩に座ってランチだ。
[attachment=2]石谷滝_640.jpg[/attachment]
昼食後は先ほどの二俣まで戻り、右俣の支流を登る。右岸の岩が途切れたところで右岸に乗り、等高線の緩やかなところを目指す。1205mピークの北、標高950m辺りだ。
途中、ここまで何度か見たバンセンに小さな滑車が二つ掛かり放置されているのを見た。これは、たぶん炭焼きの人たちが使ったバンセンであり滑車だ。俵に入れた製品をバンセンの索道で降ろしたのだろうと思う。
こんな江馬小屋の奥地の二次林も炭焼きの二次林だったのかと、少し感動。そういえば、大径木の切株をあまり見なかった。それに、ミズナラの大木は何故か残してあったな。これは、宮ノ谷周辺の炭焼き山とおんなじだ。
標高950m辺りの台地は、苔生した岩が折重なるように敷き詰められている所だった。その岩を根が食み二次林が育っている。
1205標高点には向かわず、トラバースして西のコルへ。残置ロープのある岩場のコルである。
ここは、ミツバ、アケボノ、シャクナゲが良く咲くところだが、ミツバが終わり、ちょっと寂しいアケボノツツジが終わりつつあり、シャクナゲは赤いツボミをいまにも開こうとしていた。
1226ピークは南を巻いて、その西ピークに向かうが、この1226ピークは来るたびに倒木が増え、荒れてしまっている。
大ブナに挨拶をして、近くのシロヤシオを見るとたくさんの蕾を持っていた。すでに稜線でもシロヤシオは新葉を展開しているのだが、蕾を持っているものは極めて少なく、今年のシロヤシオは期待できないだけに、この樹はさぞきれいに咲き誇るだろう。
ヌタ場のあるダイラに岩場のあるお気に入りの場所。ここのアケボノツツジも花付きはまばらだ。桧塚から千石山の稜線を眺めながら一休み。
[attachment=1]DSCN2274_800.jpg[/attachment]
ナンノキ平への尾根道に倒れ込んだ大木のミズナラ二本は、今年も新緑を纏いはじめている。何年振りかに通る道だけど、この尾根道もいいもんだ。
ナンノキ平へ行かずに崩落地へトラバースすると、スカスカの林が見え、すぐに崩壊地がわかった。
足元が沈むのは落ち葉ばかりか?と訝しげながら崩壊地を覗きこむ。広大な崩壊地の中、滑り落ちた木々の一部が、瑞々しい新緑を付けているのは、唯一の救いだろうか。
ナンノ木平のミズナラも随分朽ちつつあり、今年の新緑を付けた枝はごくわずかだ。
そしてここから崩壊地を振り返ると、スカスカの林が見える、崩壊地は直ぐそこなのだった。
開花したシロヤシオが無いかとキョロキョロしながら降りていくが、一花も咲いていない。そのかわりというわけでもないが、食べごろのコシアブラの新芽を見つけた。
採取していると野江俣谷から、キョロロロ~と鳴声が響き渡った。野江俣谷は土砂で埋もれてしまったが、今年もまたアカショウビンは戻ってきたのだ。
[attachment=0]ナンノキ平崩壊地_800.jpg[/attachment]
有名な行合も行ってないんですよね。台高は押さえておかなければならない所が満載です。