【白山】DOC出動せよ!! 間名古谷から間名古の頭
Posted: 2012年4月30日(月) 15:57
【日 付】2012年4月28日(土)
【山 域】白山 間名古の頭2123.9m
【天 候】快晴
【コース】平瀬ゲート5:40===6:20間名古谷出合6:50---7:58橋8:11---10:29県境稜線10:51---11:28間名古の頭13:27
---14:24 P1822m---15:28橋15:39---16:21県道16:31---16:52ゲート
連休に白山公園線に入るのは初めてだ。平瀬のゲート前にずらっと車が並んで、一斉にMTBでスタートして行くようなイ
メージがあり躊躇していたのだが、ゲートの前に止まっていたのは2台だけ。準備中にもう1台やってきたが静かなもので
ある。
今日は間名古谷の出合までなのでバッテリー切れの心配はない。晴れ渡った空を仰ぎながら気持ちよくペダルを踏む。
途中の長いトンネルでライトの向きがおかしいので修正しようとしたら、平衡感覚がおかしくなったのか転倒してしまった。
左ヒザを強打したがたいしたことはなさそうだ。飛んだメガネも無事で胸をなでおろした。
予定通り40分ほどで間名古谷出合に到着。いつものことながら起き抜けは食欲がないため飲まず食わずで来たので腹
が減った。まずは腹ごしらえだ。
車が1台上がってきて、「釣りか?」と身振りで聞いてきた。「山です」と上を指さしてジェスチャーで答える。しかし湘南ナン
バーの車がなんで鍵の番号を知っているのか。
食後の一服をしていると、ゲートで出発の準備をしていた単独者がMTBを漕いで上がって来た。背中にはボードとブーツ、
スノーシューを担いでいる。「白山まで行くんですか?」と聞かれ、「間名古ですわ」と答える。
履いて歩くことのできないボードを担いで1500mの標高差を登るのは大変だろう。しかし東面台地をスノボで滑るという一
点の目的のためにあえてバカバカしいような苦労を厭わない姿には清々しさを覚えた。
こちらもこの時期の白山では少数派の歩きである。スキーヤー、ボーダーと対比すればウォーカーと言ったところか。
ゲートの柱にDOCをくくり付け、デブリを乗り越えて林道を進む。道端には開き過ぎたフキノトウがあちこちに見られた。
豊富な雪融け水を運ぶ間名古谷の流れは次々に建設された堰堤で分断されている。
林道の雪がつながったところでスノーシューを装着した。最近は雪があれば履くことにしている。今まではこの時期にスノ
ーシューを持ってくることはなかったのだが、たとえほとんど沈まなくても省エネのためには極めて有効な歩行グッズである。
間名古谷はお隣のワリ谷同様広い谷だ。林道は水流から離れたところに付けられているが、広大な河岸の雪原を歩く
方が気持ちがいい。
林道が本流を渡るCa1270m地点に着いた。ここからは林道と別れて右岸を進む。少しだけ斜面をトラバースすれば再び
雪の台地に乗り、自由に進むことができた。どこから雪渓が繫がるかが最大の関心事である。
それはCa1310m地点で唐突に始まった。それまではどこまで行っても消えそうになかった水流が、ここで突然分厚い雪の
下に吸い込まれていた。これで間名古の頭は手中に入ったか。
[attachment=5]P1070099_1.JPG[/attachment]
間名古谷の特徴は、緩過ぎず急過ぎずの傾斜が延々と続き、目立ったゴルジュ地形や極端に等高線の詰まった場所
がないことだ。言い換えれば特徴がないということなのかもしれないが。
右岸の1642m標高点東側に唯一と言っていい両岸がやや迫ったゴルジュっぽいところがある。さすがにこのあたりはデブ
リが谷を覆い尽くし、油断はできないと感じさせる。しかし狭いと言っても谷の広さはそこそこあるので開津谷のような圧迫
感もないし、今にも落ちてきそうな雪のブロックも見られないので緊張を強いられることもない。
ゴルジュを抜けたところで谷の真ん中から水音が聞こえた。ちょうど滝のありそうな雰囲気の場所だ。万全を期して右岸
寄りを進む。
巨大なハーフパイプの底を行くような感覚の源頭部だ。両岸の尾根近くにはダケカンバの白い枝が真っ青な空に伸び、
そのコントラストが実に美しい。
[attachment=4]P1070125_1.JPG[/attachment]
リズミカルに両足を運んで行くと突然谷が形を失った。これまでとまったく変わらない傾斜のまま、谷は尾根に吸収され
てしまった。岐阜・石川県境稜線に登りついたのだ。
あまりにもあっけない幕切れだった。窓のように開いた鞍部の向こう側には仙人谷を挟んでまったく雪を着けていない火の
御子峰の赤い岩肌がひと際異様に見えた。その奥には白いスクリーンを引いたように七倉山の稜線が横たわっている。
山頂までは標高差120mばかりなのだが、ところどころヤブが顔を出している。登山道は山頂を通らず北側を巻いている
ので楽はできない。アイゼンに履き替えてまず左側の雪斜面から攻めたが、雪がボソボソで体を持ち上げるのにひと苦労
である。今度は右からブッシュを縫いながら雪を拾って上がる。距離の割に時間を食ったが、最後は完全な雪斜面となって
快適にステップを刻む。
間名古の頭2123.9m。白山北方稜線上では最後の名前のある2000mピークである。
山頂からの展望は言うまでもなく素晴らしい。御前峰・剣ヶ峰・大汝山の白山三兄弟を始めとして、南白山から別山東尾根
の山並み、御前岳、猿ヶ馬場、金剛堂、人形山、先週登った猿ヶ山、大門山、大笠山。笈は大笠の手前に重なって分かり
にくい。北へ向かう尾根はすぐ先から県境の北方稜線と中宮温泉へ下りる楽々新道の尾根に分かれている。
そして真東に存在感を示しているのは奥三方岳だ。
[attachment=1]パノラマ 2_1.JPG[/attachment]
林道の途中から半袖1枚で登って来た。もう初夏のような日差しだ。いつものように雪に穴を開けて缶ビールを突っ込みグ
ルグル回して急速冷蔵。2分も回せば飲み頃ビールの出来上がりだ。極上の一杯を頂く。
2時間ほどしか寝ていないので眠い。久しぶりに昼寝でもしよう。
隣のワリ谷経由で下るか、奥三方まで頑張るかいろいろ考えていたのだが、すっかり満足してしまった。
[attachment=3]P1070201_1.JPG[/attachment]
気が付けば2時間が過ぎていた。
同じルートをそのまま戻るのも芸がない。奥三方への尾根を辿って1822mの次のピークの先から谷を下ろう。
この谷はちょうど林道と別れた橋のあたりへ落ちる谷である。広い谷であり、雪が切れる心配はないだろう。
オオシラビソの点在する尾根はなかなか快適だった。2000m付近で雪の切れた尾根芯を避けて右側の急斜面を下りる。
相当な急傾斜だが午後の腐った雪にかかと落としのステップで問題なく下ることができた。雪が締まっていればかなり恐
い斜面だろう。
尾根に戻って驚いた。下から見上げた北側斜面は岩壁だった。この尾根を上がってきたらこの岩壁に圧倒されるだろう。
雪の状態次第ではルート取りに苦労する場面に違いない。
[attachment=2]P1070229_1.JPG[/attachment]
尾根の細い部分ではオオシラビソに通せんぼされることもあるが、概ねゆったりとした雪尾根歩きが続き、1822mピーク
付近はなかなかいいところだ。この先のコルからも良さげな雪渓が落ちているが、下部の状況がわからない。
次の広々としたCa1830m台地に登り返してから下りるとしよう。
このコルから台地にかけてはダケカンバの巨木が点在している。台地の登りで本日初めてヒールリフターを立てた。
山頂への最後の登りを除いて、それほど急な傾斜の場面がなかったということだ。
オオシラビソの密生する台地の南端から谷を窺う。正面の尾根をそのまま下りても良さそうだが、やはり左の谷を下りるこ
とにしよう。
スノーシューを脱いで(今日は良く履いたり脱いだりする日だ)斜面に飛び込む。スキーなら一瞬にして滑り降りてしまう場
面なのだろうが、緩み切った雪はシリセードも不可能。ツボ足でずぼずぼ潜りながら重力に身を任せる。
あっという間に奥三方岳からの谷を合わせ、再びスノーシューを履いて広大な雪渓を行く。
[attachment=0]P1070265_1.JPG[/attachment]
谷が広いと集水域も広く、至る所から水流が集まってくる。さすがにここまで下りてくるとあちこちで雪割れが始まり油断
大敵である。注意しながら何度も流れの上の雪面を渡り、朝の実質的スタート地点の橋に到着した。
間名古谷出合まで戻ってくると、止まっていた車から不思議そうな顔でこちらを見ていた。
あとはゲートまで20分のダウンヒルを残すのみだ。
山日和
【山 域】白山 間名古の頭2123.9m
【天 候】快晴
【コース】平瀬ゲート5:40===6:20間名古谷出合6:50---7:58橋8:11---10:29県境稜線10:51---11:28間名古の頭13:27
---14:24 P1822m---15:28橋15:39---16:21県道16:31---16:52ゲート
連休に白山公園線に入るのは初めてだ。平瀬のゲート前にずらっと車が並んで、一斉にMTBでスタートして行くようなイ
メージがあり躊躇していたのだが、ゲートの前に止まっていたのは2台だけ。準備中にもう1台やってきたが静かなもので
ある。
今日は間名古谷の出合までなのでバッテリー切れの心配はない。晴れ渡った空を仰ぎながら気持ちよくペダルを踏む。
途中の長いトンネルでライトの向きがおかしいので修正しようとしたら、平衡感覚がおかしくなったのか転倒してしまった。
左ヒザを強打したがたいしたことはなさそうだ。飛んだメガネも無事で胸をなでおろした。
予定通り40分ほどで間名古谷出合に到着。いつものことながら起き抜けは食欲がないため飲まず食わずで来たので腹
が減った。まずは腹ごしらえだ。
車が1台上がってきて、「釣りか?」と身振りで聞いてきた。「山です」と上を指さしてジェスチャーで答える。しかし湘南ナン
バーの車がなんで鍵の番号を知っているのか。
食後の一服をしていると、ゲートで出発の準備をしていた単独者がMTBを漕いで上がって来た。背中にはボードとブーツ、
スノーシューを担いでいる。「白山まで行くんですか?」と聞かれ、「間名古ですわ」と答える。
履いて歩くことのできないボードを担いで1500mの標高差を登るのは大変だろう。しかし東面台地をスノボで滑るという一
点の目的のためにあえてバカバカしいような苦労を厭わない姿には清々しさを覚えた。
こちらもこの時期の白山では少数派の歩きである。スキーヤー、ボーダーと対比すればウォーカーと言ったところか。
ゲートの柱にDOCをくくり付け、デブリを乗り越えて林道を進む。道端には開き過ぎたフキノトウがあちこちに見られた。
豊富な雪融け水を運ぶ間名古谷の流れは次々に建設された堰堤で分断されている。
林道の雪がつながったところでスノーシューを装着した。最近は雪があれば履くことにしている。今まではこの時期にスノ
ーシューを持ってくることはなかったのだが、たとえほとんど沈まなくても省エネのためには極めて有効な歩行グッズである。
間名古谷はお隣のワリ谷同様広い谷だ。林道は水流から離れたところに付けられているが、広大な河岸の雪原を歩く
方が気持ちがいい。
林道が本流を渡るCa1270m地点に着いた。ここからは林道と別れて右岸を進む。少しだけ斜面をトラバースすれば再び
雪の台地に乗り、自由に進むことができた。どこから雪渓が繫がるかが最大の関心事である。
それはCa1310m地点で唐突に始まった。それまではどこまで行っても消えそうになかった水流が、ここで突然分厚い雪の
下に吸い込まれていた。これで間名古の頭は手中に入ったか。
[attachment=5]P1070099_1.JPG[/attachment]
間名古谷の特徴は、緩過ぎず急過ぎずの傾斜が延々と続き、目立ったゴルジュ地形や極端に等高線の詰まった場所
がないことだ。言い換えれば特徴がないということなのかもしれないが。
右岸の1642m標高点東側に唯一と言っていい両岸がやや迫ったゴルジュっぽいところがある。さすがにこのあたりはデブ
リが谷を覆い尽くし、油断はできないと感じさせる。しかし狭いと言っても谷の広さはそこそこあるので開津谷のような圧迫
感もないし、今にも落ちてきそうな雪のブロックも見られないので緊張を強いられることもない。
ゴルジュを抜けたところで谷の真ん中から水音が聞こえた。ちょうど滝のありそうな雰囲気の場所だ。万全を期して右岸
寄りを進む。
巨大なハーフパイプの底を行くような感覚の源頭部だ。両岸の尾根近くにはダケカンバの白い枝が真っ青な空に伸び、
そのコントラストが実に美しい。
[attachment=4]P1070125_1.JPG[/attachment]
リズミカルに両足を運んで行くと突然谷が形を失った。これまでとまったく変わらない傾斜のまま、谷は尾根に吸収され
てしまった。岐阜・石川県境稜線に登りついたのだ。
あまりにもあっけない幕切れだった。窓のように開いた鞍部の向こう側には仙人谷を挟んでまったく雪を着けていない火の
御子峰の赤い岩肌がひと際異様に見えた。その奥には白いスクリーンを引いたように七倉山の稜線が横たわっている。
山頂までは標高差120mばかりなのだが、ところどころヤブが顔を出している。登山道は山頂を通らず北側を巻いている
ので楽はできない。アイゼンに履き替えてまず左側の雪斜面から攻めたが、雪がボソボソで体を持ち上げるのにひと苦労
である。今度は右からブッシュを縫いながら雪を拾って上がる。距離の割に時間を食ったが、最後は完全な雪斜面となって
快適にステップを刻む。
間名古の頭2123.9m。白山北方稜線上では最後の名前のある2000mピークである。
山頂からの展望は言うまでもなく素晴らしい。御前峰・剣ヶ峰・大汝山の白山三兄弟を始めとして、南白山から別山東尾根
の山並み、御前岳、猿ヶ馬場、金剛堂、人形山、先週登った猿ヶ山、大門山、大笠山。笈は大笠の手前に重なって分かり
にくい。北へ向かう尾根はすぐ先から県境の北方稜線と中宮温泉へ下りる楽々新道の尾根に分かれている。
そして真東に存在感を示しているのは奥三方岳だ。
[attachment=1]パノラマ 2_1.JPG[/attachment]
林道の途中から半袖1枚で登って来た。もう初夏のような日差しだ。いつものように雪に穴を開けて缶ビールを突っ込みグ
ルグル回して急速冷蔵。2分も回せば飲み頃ビールの出来上がりだ。極上の一杯を頂く。
2時間ほどしか寝ていないので眠い。久しぶりに昼寝でもしよう。
隣のワリ谷経由で下るか、奥三方まで頑張るかいろいろ考えていたのだが、すっかり満足してしまった。
[attachment=3]P1070201_1.JPG[/attachment]
気が付けば2時間が過ぎていた。
同じルートをそのまま戻るのも芸がない。奥三方への尾根を辿って1822mの次のピークの先から谷を下ろう。
この谷はちょうど林道と別れた橋のあたりへ落ちる谷である。広い谷であり、雪が切れる心配はないだろう。
オオシラビソの点在する尾根はなかなか快適だった。2000m付近で雪の切れた尾根芯を避けて右側の急斜面を下りる。
相当な急傾斜だが午後の腐った雪にかかと落としのステップで問題なく下ることができた。雪が締まっていればかなり恐
い斜面だろう。
尾根に戻って驚いた。下から見上げた北側斜面は岩壁だった。この尾根を上がってきたらこの岩壁に圧倒されるだろう。
雪の状態次第ではルート取りに苦労する場面に違いない。
[attachment=2]P1070229_1.JPG[/attachment]
尾根の細い部分ではオオシラビソに通せんぼされることもあるが、概ねゆったりとした雪尾根歩きが続き、1822mピーク
付近はなかなかいいところだ。この先のコルからも良さげな雪渓が落ちているが、下部の状況がわからない。
次の広々としたCa1830m台地に登り返してから下りるとしよう。
このコルから台地にかけてはダケカンバの巨木が点在している。台地の登りで本日初めてヒールリフターを立てた。
山頂への最後の登りを除いて、それほど急な傾斜の場面がなかったということだ。
オオシラビソの密生する台地の南端から谷を窺う。正面の尾根をそのまま下りても良さそうだが、やはり左の谷を下りるこ
とにしよう。
スノーシューを脱いで(今日は良く履いたり脱いだりする日だ)斜面に飛び込む。スキーなら一瞬にして滑り降りてしまう場
面なのだろうが、緩み切った雪はシリセードも不可能。ツボ足でずぼずぼ潜りながら重力に身を任せる。
あっという間に奥三方岳からの谷を合わせ、再びスノーシューを履いて広大な雪渓を行く。
[attachment=0]P1070265_1.JPG[/attachment]
谷が広いと集水域も広く、至る所から水流が集まってくる。さすがにここまで下りてくるとあちこちで雪割れが始まり油断
大敵である。注意しながら何度も流れの上の雪面を渡り、朝の実質的スタート地点の橋に到着した。
間名古谷出合まで戻ってくると、止まっていた車から不思議そうな顔でこちらを見ていた。
あとはゲートまで20分のダウンヒルを残すのみだ。
山日和
【コース】平瀬ゲート5:40===6:20間名古谷出合6:50---7:58橋8:11---10:29県境稜線10:51---11:28間名古の頭13:27