【白山北方稜線】 奈良岳遥かなり
Posted: 2012年4月16日(月) 21:39
【山 域】白山北方稜線
【天 候】晴
【コース】であい橋先ゲート6:15---開津谷右岸尾根取付7:30---P1227.9m10:20---黒池12:00---仙人岩手前コル12:55
開津谷二俣14:05---魚留滝付近14:30---開津谷右岸尾根取付16:00---であい橋先ゲート17:35
昨年4月、開津谷右岸尾根から奥三方山へ進み開津谷を下るというスキー山行レポに出会い、すぐにでも後追いしいたい衝動に駆られた。
しかし開津谷の賞味期限は短く、そのシーズンの挑戦は諦めて来シーズンに向けての作戦を練ることにした。
コースは長くどんな危険地帯が待ってるかもよくわからないため、最強のメンバーで布陣を敷きたい。
まずは経験豊富な山日和さんに早くから声をかけた。
その次はへこたれそうになっても強引に引っ張ってくれる頼もしいふ~さんだ。
この計画を実行する4月中旬の好天となる日をXデーとし、1年間待ちに待ったXデーは15日ドンピシャで晴天となった。
境川ダムまではチャリンコでアプローチしようと意気込んできたが、閉ざされたゲートの向こうにはすでに残雪が迫っていたため仕方なくトボトボと歩くことになった。
林道を進んでいくと例年にないモーレツな残雪、桂湖を渡る橋の上にも残雪があり、1時間強で尾根末端にたどり着いた。
残雪を拾いながらスノーシューで登ればすぐに一面の雪原となる。
少々速いペースに戸惑いながら、途中でバテるんじゃないかと不安がよぎる。
今回は奈良岳に遅くとも15時までに登頂という自分の目標があったが、あえてコースタイム表は公開しなかった。
そしたら山日和さんより12時半に奈良岳登頂というとんでもなく速いコースタイム表をもらって脅されていたのだ。
約3時間で1227.9m雪原に到着、まずまずのペースで進んでいると、驚いたことに先行パーティーのトレースを発見してしまった。
自分たち以外に入山者はいないと信じきっていた3人が同時に発した言葉は「許せん!」だった。
大畠谷を挟んで大笠山が圧倒的なスケールで聳えている。
この尾根はフカバラの尾と開津谷左岸尾根のいいとこ取りをした展望に恵まれている。
笈岳、大笠山、奈良岳、見越山、赤摩木古山の山並みはすばらしく、もうここでも満足してしまいそうだ。
遠くは北ア、朝日岳、白馬岳、白馬鑓と後立山の峰々まで確認できるほど視界がよく利く。
この尾根はフカバラの尾のようなアップダウンも少ないので展望を楽しみながら快適に進んでいると、前方よりオレンジ色のメットを被ったスキーヤーが現れた。
もしや?と思えばあのスーパースターDr.Sではないか。
早速近づいて声をかける、「写真撮らせてもらっていいですか?」
まるでアイドルになったようなDr.Sはファンを避けるかのように斜面を上がっていった。
奈良岳の帰りかと思えばナント!大笠の帰りだったようだ。
やはりDr.Sは凡人とは考えることが違うのだと、そのスーパースターぶりに納得してしまった。
黒池の畔(とはいってもただの雪原)には先行パーティーがテントを張っていた。
1,463峰の登りにかかると山日和さんが例の秘薬を取り出したりと三人ともちょっと疲れて気味の様子。
しかし、眼前にどんどん迫ってくる純白の奈良岳を見ると胸が躍り疲れなんて吹き飛んでしまう。
もう少しだ、奈良岳待っていろよ、目標の15時までには必ず到着してみせるぞ!
ところでふ~さんのエマージェンシーバッグには干しヒミズは入っているのだろうか・・・
1,463峰からの下りでよううやく今回の核心部となる仙人岩南面トラバースの様子が見えてきた。
大きなクレバスが縦に走っているが問題なく通過できそうだ。
これから越える難所とは対照的に大きなブナの木立のあるコルで一息つくことになった。
ところがここで山日和さんから思いもよらぬ発言があった。
奈良岳アタックはふ~たん編隊で行ってくれというのだ。
仕方なく二人で前進しようと思うが、ふ~たん編隊のエンジンであるふ~さんが首を縦に振らない。
前進は危険だと言うのだ。
たんぽぽの躍る心は星飛馬の瞳のようにメラメラと燃え上がっていたが、その炎に水をかけて撤退を決意した。
コルから開津谷左俣まではちょうどいい斜面が延びていて撤退も容易だ。(ちゃんとエスケープルートも考えている)
膝まで潜る斜面にツボ足で突っ込めば、砂糖工場の中ではしゃぐようにしてあっというまに開津谷まで下りてしまった。
谷に下りれば決して安全地帯ではないというのに三人とも腰を下ろしてミニ宴会モード、なんとも心変わりの早い三人衆ではないか。
今回の山行は気合入れまくりなのでストーブやビールの類は持ち上げていない。
「ああっ、こんなことならビールでも持ってこりゃあよかった~」と呟くと、ナント山日和さんのザックからビールが飛び出した!
驚くと同時に大喜びのふ~たん編隊、すぐにカンパ~イとなった。
ハード過ぎるコースタイムに撤退、そしてビールを持ち上げているという山日和さんの不思議な一面を垣間見ることができた。
それにしても開津谷のこんな場所でミニ宴会する輩もいないであろう。
山日和さんも本格的にヘンタイの仲間入り、これはヘンタイコンプレックスの祝杯であろうか。
二俣まで下るとゴ~ッと滝の音が聞こえて三人がビクッとするが、右俣側へ迂回すると谷はしっかりと雪に埋まっておりひと安心。
今年は半端じゃない大雪なので問題はないはずだが、一抹の不安は拭い切れない。
振り返れば純白のベールをまとった奈良岳が美しく、仙人岩の上には日輪(日暈)が出ている。
届かなかった稜線の上に日暈が出てるなんて、柴崎芳太郎に自分を格好よく重ねてしまう。(点の記の冒頭は日暈ではじまる)
ふ~さんがリベンジは開津谷を登ろうと言う。
たんぽぽにとってはコロンブスの卵的発想だ。
こんな危険地帯を登りに使うなんて思ってもなかったが、奈良岳への最も効率のいいアプローチには違いない。
山日和さんも「雪渓のたんぽぽさんやろ!」と乗る気十分。
やはり導師さまや教祖さまともなると考えることが違うものだと関心しながら、奈良岳東面を攻めるラインを考えた。
ゴルジュ帯に入るとモーレツなデブリとなり、トドメは魚留滝が埋まっていると思われる付近にあった。
デブリが滝のようになっているのだ、TVで見たことしかないがまるでアイスフォールのようだ。
そのデブリフォールを抜けるとゴルジュ帯も終わり穏やかな谷の表情を取り戻す。
しかし今度は堰堤が現れる度に雪割れが出現し、最後は渡渉を強いられるのかと気をもんでしまう。
ダム湖の畔まで出ればスタート地点はすぐそこに見えるのだが、そこへ帰るには恐怖林道を通過しなくてはならない。
赤摩木古南尾根を下った際に恐怖林道は通過してるので驚くことはないが、さすがに今年の滑り台は大きい。
疲れ知らずのパワフルふ~さんが先頭になって本日最大の難所?を無事に通過。
ダムまで戻れば後は山菜取りに興じながら楽しくゲートまで戻った。
またしても楽しい課題をもたらしてくれた奈良岳、再アタックの日はいつ訪れるのだろうか。
【天 候】晴
【コース】であい橋先ゲート6:15---開津谷右岸尾根取付7:30---P1227.9m10:20---黒池12:00---仙人岩手前コル12:55
開津谷二俣14:05---魚留滝付近14:30---開津谷右岸尾根取付16:00---であい橋先ゲート17:35
昨年4月、開津谷右岸尾根から奥三方山へ進み開津谷を下るというスキー山行レポに出会い、すぐにでも後追いしいたい衝動に駆られた。
しかし開津谷の賞味期限は短く、そのシーズンの挑戦は諦めて来シーズンに向けての作戦を練ることにした。
コースは長くどんな危険地帯が待ってるかもよくわからないため、最強のメンバーで布陣を敷きたい。
まずは経験豊富な山日和さんに早くから声をかけた。
その次はへこたれそうになっても強引に引っ張ってくれる頼もしいふ~さんだ。
この計画を実行する4月中旬の好天となる日をXデーとし、1年間待ちに待ったXデーは15日ドンピシャで晴天となった。
境川ダムまではチャリンコでアプローチしようと意気込んできたが、閉ざされたゲートの向こうにはすでに残雪が迫っていたため仕方なくトボトボと歩くことになった。
林道を進んでいくと例年にないモーレツな残雪、桂湖を渡る橋の上にも残雪があり、1時間強で尾根末端にたどり着いた。
残雪を拾いながらスノーシューで登ればすぐに一面の雪原となる。
少々速いペースに戸惑いながら、途中でバテるんじゃないかと不安がよぎる。
今回は奈良岳に遅くとも15時までに登頂という自分の目標があったが、あえてコースタイム表は公開しなかった。
そしたら山日和さんより12時半に奈良岳登頂というとんでもなく速いコースタイム表をもらって脅されていたのだ。
約3時間で1227.9m雪原に到着、まずまずのペースで進んでいると、驚いたことに先行パーティーのトレースを発見してしまった。
自分たち以外に入山者はいないと信じきっていた3人が同時に発した言葉は「許せん!」だった。
大畠谷を挟んで大笠山が圧倒的なスケールで聳えている。
この尾根はフカバラの尾と開津谷左岸尾根のいいとこ取りをした展望に恵まれている。
笈岳、大笠山、奈良岳、見越山、赤摩木古山の山並みはすばらしく、もうここでも満足してしまいそうだ。
遠くは北ア、朝日岳、白馬岳、白馬鑓と後立山の峰々まで確認できるほど視界がよく利く。
この尾根はフカバラの尾のようなアップダウンも少ないので展望を楽しみながら快適に進んでいると、前方よりオレンジ色のメットを被ったスキーヤーが現れた。
もしや?と思えばあのスーパースターDr.Sではないか。
早速近づいて声をかける、「写真撮らせてもらっていいですか?」
まるでアイドルになったようなDr.Sはファンを避けるかのように斜面を上がっていった。
奈良岳の帰りかと思えばナント!大笠の帰りだったようだ。
やはりDr.Sは凡人とは考えることが違うのだと、そのスーパースターぶりに納得してしまった。
黒池の畔(とはいってもただの雪原)には先行パーティーがテントを張っていた。
1,463峰の登りにかかると山日和さんが例の秘薬を取り出したりと三人ともちょっと疲れて気味の様子。
しかし、眼前にどんどん迫ってくる純白の奈良岳を見ると胸が躍り疲れなんて吹き飛んでしまう。
もう少しだ、奈良岳待っていろよ、目標の15時までには必ず到着してみせるぞ!
ところでふ~さんのエマージェンシーバッグには干しヒミズは入っているのだろうか・・・
1,463峰からの下りでよううやく今回の核心部となる仙人岩南面トラバースの様子が見えてきた。
大きなクレバスが縦に走っているが問題なく通過できそうだ。
これから越える難所とは対照的に大きなブナの木立のあるコルで一息つくことになった。
ところがここで山日和さんから思いもよらぬ発言があった。
奈良岳アタックはふ~たん編隊で行ってくれというのだ。
仕方なく二人で前進しようと思うが、ふ~たん編隊のエンジンであるふ~さんが首を縦に振らない。
前進は危険だと言うのだ。
たんぽぽの躍る心は星飛馬の瞳のようにメラメラと燃え上がっていたが、その炎に水をかけて撤退を決意した。
コルから開津谷左俣まではちょうどいい斜面が延びていて撤退も容易だ。(ちゃんとエスケープルートも考えている)
膝まで潜る斜面にツボ足で突っ込めば、砂糖工場の中ではしゃぐようにしてあっというまに開津谷まで下りてしまった。
谷に下りれば決して安全地帯ではないというのに三人とも腰を下ろしてミニ宴会モード、なんとも心変わりの早い三人衆ではないか。
今回の山行は気合入れまくりなのでストーブやビールの類は持ち上げていない。
「ああっ、こんなことならビールでも持ってこりゃあよかった~」と呟くと、ナント山日和さんのザックからビールが飛び出した!
驚くと同時に大喜びのふ~たん編隊、すぐにカンパ~イとなった。
ハード過ぎるコースタイムに撤退、そしてビールを持ち上げているという山日和さんの不思議な一面を垣間見ることができた。
それにしても開津谷のこんな場所でミニ宴会する輩もいないであろう。
山日和さんも本格的にヘンタイの仲間入り、これはヘンタイコンプレックスの祝杯であろうか。
二俣まで下るとゴ~ッと滝の音が聞こえて三人がビクッとするが、右俣側へ迂回すると谷はしっかりと雪に埋まっておりひと安心。
今年は半端じゃない大雪なので問題はないはずだが、一抹の不安は拭い切れない。
振り返れば純白のベールをまとった奈良岳が美しく、仙人岩の上には日輪(日暈)が出ている。
届かなかった稜線の上に日暈が出てるなんて、柴崎芳太郎に自分を格好よく重ねてしまう。(点の記の冒頭は日暈ではじまる)
ふ~さんがリベンジは開津谷を登ろうと言う。
たんぽぽにとってはコロンブスの卵的発想だ。
こんな危険地帯を登りに使うなんて思ってもなかったが、奈良岳への最も効率のいいアプローチには違いない。
山日和さんも「雪渓のたんぽぽさんやろ!」と乗る気十分。
やはり導師さまや教祖さまともなると考えることが違うものだと関心しながら、奈良岳東面を攻めるラインを考えた。
ゴルジュ帯に入るとモーレツなデブリとなり、トドメは魚留滝が埋まっていると思われる付近にあった。
デブリが滝のようになっているのだ、TVで見たことしかないがまるでアイスフォールのようだ。
そのデブリフォールを抜けるとゴルジュ帯も終わり穏やかな谷の表情を取り戻す。
しかし今度は堰堤が現れる度に雪割れが出現し、最後は渡渉を強いられるのかと気をもんでしまう。
ダム湖の畔まで出ればスタート地点はすぐそこに見えるのだが、そこへ帰るには恐怖林道を通過しなくてはならない。
赤摩木古南尾根を下った際に恐怖林道は通過してるので驚くことはないが、さすがに今年の滑り台は大きい。
疲れ知らずのパワフルふ~さんが先頭になって本日最大の難所?を無事に通過。
ダムまで戻れば後は山菜取りに興じながら楽しくゲートまで戻った。
またしても楽しい課題をもたらしてくれた奈良岳、再アタックの日はいつ訪れるのだろうか。
昨年4月、開津谷右岸尾根から奥三方山へ進み開津谷を下るというスキー山行レポに出会い、すぐにでも後追いしいたい衝動に駆られた。