春のうららの御池岳 捜索Ⅳ
Posted: 2012年4月16日(月) 21:00
鈴鹿北部 御池岳
2012年4月15日(SUN) 晴れ 単独
私としては早く家を出たつもりだったが、コグルミ駐車場は一台の隙間もなかった。後ろめたいが登山口の空きスペースに停めようと思ったら、そこも塞がっていた。そこで更に後ろめたいがその後ろ、僅かに白線からはみ出して駐車した。あぶれたクルマが続々とやってくる。他県ナンバーのご婦人が「ここに駐車していいかしら?」と聞いてくる。「私に許可する権限はないので、自己責任で判断して下さい」と言っておいた。本当はもっと端的に返す言葉があるのだが・・・
仕度をしていると歩人倶楽部隊長がやってきた。上の方に駐車したらしい。zippさんも来ているとのこと。雪の消えたコグルミ谷を、隊長の奥方のうさぎさんと世間話をしながら登る。それにしても陽気が良くなったものだ。登りだすとすぐに暑くなってくる。下着とシャツ一枚で十分だ。タテ谷分岐で隊長夫妻と分かれる。
・708まどろみの尾根に達すると見目麗しき女性が視界に入った。木和田尾捜索で会ったBちゃんだ。当然zippさんがSPとして付いているはずだ。案の定「ハリマオさん、こんなとこで何してんの」とおっちゃんの声が聞こえた。そんな当たり前のことを聞かれても言葉に詰まる。「あんたこそ、そんなとこにしゃがんで何してんの?」 「タヌキのタメ○ソを観察してるの」
・・・やっぱ、この人は筋金入りの変人だ。普通の人なら避けて通るだろう。しかしヘーゲルは言った「人間は教養形成によって、はじめて人間としてかくあるべきものになる」
糞の分析という崇高で気高い研究をしているzipp先生は偉大な人間であると言えよう。きっとタヌキの食生活から地域の自然が分かるのだろうと推察する。
三人で急な登山道を登る。私が草花を探してチンタラしているうちにzippさん達は谷側にトラバースしていった。しばらくして、もう先に行っただろうと思っていたら、下の妙な所をゴソゴソ歩いている。やがて私の方に上がってきて「何で道外れてるって教えてくれなかったの」と叱られる。そりゃないでしょう。仮にもヤブコギネットにこの人ありと謳われたzippさんが道を外したって、ワザとやってると思うでしょ。何か魂胆があってやってると考えるのが普通。例えばタメ○ソの追跡とか(^◇^)。やがて谷との出合で休息。Bちゃんに夏ミカンの差し入れを頂く。これはおいしい。ちゃんと剥いてあるので食べやすい。ありがとう。
zippさんが「今日は1241-1247の北斜面ローラーやるよ」と言う。私もそこが目的だったが、岳連がやるなら重複するのでやめだ。しかしよく聞けばzippさん達がやるとのこと。二人でローラーもないもんだ(^◇^)。それなら私もそこを登ろう。しかし私は出会った人にノコノコ着いていくような登り方は潔しとしない。当初の予定通り、ここからトラバースを掛けることにする。zippさん達はここから県境1148直登だそうな。捜索という性格上なおさら分かれた方がよい。
900mラインを南東に向かってトラバする。グチャグチャで歩きにくいトラバに飽きてきた。それにこのまま行くとコグルミ冬道、詰めの急登が待っている。炭窯を過ぎた所で尾根に乗り換え、1000mラインに切り替えることにする。尾根を登っていると眼下の谷に人影が見えた。こらまた妙な所を登っているなと思ったら隊長夫妻だ。支谷を探っているらしい。オーイと手を振ると気づいたらしい。
それにしても暑い。ズボン下を履いてきたので蒸れる。誰もいないから脱ごうかなと思ったが、着替え中に転落して下半身裸の遺体で発見されるのもイヤだなと思ってやめておく。ここから登山道7合目までやけに長かった。一か所だけフクジュソウが群れていた。不思議なことにあったのはそこだけで、土質を調べたら何か分かるかも知れない。
ようやく登山道に出ると人がたくさんいた。乗っ越しからそのまま真の谷に下りるが雪に足跡がない。zippさん達はまだ来ていないようだ。遅いなあ、またキツネかサルのフンでも観察しているのだろうか。しばらく待つが来ない。先に行こう。足跡で分かるだろう。丸山登山道一本東の谷沿いを登る。まだ谷筋は1mくらい雪がある。遭難者が埋まっていたら分からない。斜面途中で休息していると下から声が掛かった。「ハリマオさん、そこ真っすぐ登るの~?」「そう。東側頼むわ~」と返事をする。聞こえただろうか。
手掛かりもなく鞍部に着いた。1241へ向かい、北斜面が見える所で待つ。良いお天気で伊吹、能郷白山、加賀白山の揃い踏み。右手には御嶽乗鞍、槍穂に笠まで見えている。zippさんは待てど暮らせどやってこない。腹減ったからお昼にしよう。そのうち来るだろう。しかし昼食が終わっても上がってこない。考えられる理由は四つ。
1. 斜面の途中でお昼にした
2. 遭難者を発見した
3. 端から端までジグザグ切って、マジでローラーやってた
4. 私とまた顔を合わせるのがイヤで逃げた(^◇^)
そのどれかは分からないが、その後zippさんに会うことはなかった。テーブルの上は人だらけで30名ほどの団体さんまでいた。こんな所を歩き回っても意味ないわと思って帰ることにする。1241の東の谷を下りつつ西にトラバして尾根を巻いていくと、泥の中に丸いものがあった。シカ角の付け根だ。引っ張り出すと何処も欠損のない立派なものだ。今まで持ち帰ったことはないが、今回は優美な曲線が妙に気に入って雪で洗ってみる。生け花みたいに雪に立てて写真を撮る。飾りになるかもだ。
途中でちょうど見ごろのフクジュソウが群れていた。あとで見もしないのに性懲りもなく、たくさん撮影する。やがて自分の足跡だらけの往路の登り口(真の谷)に達した。幻池の尾根に這いあがると1241北斜面が一望できる。わざわざ登らなくても、ここから双眼鏡で見た方が効率的かもしれない。
山は将に圧せんとし 尾根は広く谷は白く 樹木黒く浮かびて人の小さき
乗越しからは登山道を使わず右の支谷を下りてみる。この付近は捜索済みだが、雪解けが進んでいるので無意味ではない。しかし手掛かりもなくカタクリ峠南の出合に着いた。カタクリ峠で休んでいた登山者と雑談ののち、コグルミ右岸尾根を下りる。途中で・801西のコバ(イタドリバ)へ下りて休む。ここも杣人さんを思い出す場所だ。そこから登山口近くへ達する谷を下りる。丁字桜のご機嫌伺いだ。下りにくい谷である。桜は一輪のみ咲いていた。花一輪 一輪ほどの 暖かさ・・・である。
出合に着くとコグルミ谷を下りてきた二人連れに「この谷を下りてきたんですか? 帽子とか手袋とか落ちていなかったですか?」と尋問を受けた。岳連の人らしい。クルマに着くとワイパーに紙が挟んであった。
「警告 この車は駐車違反です。他の通行車両の迷惑云々 いなべ警察署」
キャー、ありがたや。わしだって後ろめたくて溝に落ちるほど路肩へ寄せていたんだけど。私のうしろ10台ほどに連続して貼られている様は壮観であった。
ハリマオ
私としては早く家を出たつもりだったが、コグルミ駐車場は一台の隙間もなかった。後ろめたいが登山口の空きスペースに停めようと思ったら、そこも塞がっていた。そこで更に後ろめたいがその後ろ、僅かに白線からはみ出して駐車した。