【鈴鹿北部】谷行かば(藤原岳、真の谷、御池岳)
Posted: 2012年4月10日(火) 00:42
ニイタカヤマノボレ(真の谷遡行せよ)
【日 付】4月8日(日)
【山 域】鈴鹿北部
【メンバー】単独
【ルート】大貝戸4:55→藤原岳6:40→善右エ門谷降下→三筋の滝7:55→真の谷遡行(滝1、滝2)→御池岳取り付き9:55→奥の平11:12→御池頂上11:20~11:30→ボタンブチ降下開始12:10→土倉岳→電線巡視路→着床(真の谷)13:20→三筋の滝13:35→善右エ門谷左岸取り付き13:40→西尾根→展望広場と山荘の鞍部→大貝戸16:55
あきたぬきさんに情報を頂いたが、谷は専門外なので一度はあきらめた。
しかし、気になり複数のブログの真の谷に関する山行記を読むうち、ひょっとしたら私にもできるのではないかという気がしてきた。
頭の中で、遡行のイメージ、滝の高巻きのイメージを繰り返すと、確信に変わり、そこで、冒頭の指令が聞こえたような…。
こうなると、寝ても覚めても、そればかり考えるようになる。
おそらく、今自分が持っている能力、たとえば、事前に危機を感知する研ぎ澄まされた感性、どんな状況に陥っても沈着冷静に分析判断する能力、長時間のハードな山行に耐えうる持久力、心臓破りの急傾斜を登坂する体力・技術力等々を最大限発揮しなければ無事遂行できないだろう。(何一つ持ってませーん。
)
週間天気予報で決行日を決め、その1週間前より準備に取り掛かる。
まずは、ルートの選定。過去のブログ、地形図を繰り返し見ながら、最もリスクの小さいルートを決定する。初見の尾根は下りに使ってはいけないのだが、初見の谷を下りに使うよりリスクは少ないだろう。しかも、巡視路なのだから。(この油断が後に危機を招く。)
イメージトレーニングも欠かせない。八方ふさがりの状態に陥っても、必ず助かる道はある。考えられる危機を種々シュミレーションし、冷静に対処している自分をイメージする。そう、危機に瀕するのが危ないのではなく、慌てふためきとんでもない行動をとることが危ないのである。(無茶をやってかろうじて生き延びてきた私に言う資格ありましぇーん。
)
装備も遡行バージョンに切り替える必要がある。長靴、合羽、着替え、ダブルパッキン。(よし、完璧。って、いつものに着替えがプラスされ、買い物袋の一重を二重にしただけでしたー。
)
ついにXデー。
こみ上げる高揚を抑えるすべもなく、2時半に目覚める。(どんどん早起き症が進行する。)
4時大貝戸駐車場到着。えー、こんな時間から一体何台の車がいるんだ。にーの、しじみの、むしたの、やいたの、8台か。ごそごそしているうちに、くったの、とったの、で10台。捜索関係者かな、それともフクジュソウ目当ての方たちかな。
さて、登山届だすか。げっ、ボックスに1枚も置いてない。仕方ないので、車に戻り、マックでもらったお手ふきに書く。(書きずらー)。闇下出発。
毎週山に通っていた頃は、30分の暖機運転で心臓、脚が慣れてきたものだが、まだ、そのレベルまで戻っていない。
善右エ門谷源頭。この辺りから展望広場を巻いていくと西尾根ルートとなるはず。おっ、ラッキー、足跡があるぞ。初見の私には絶好。
イメージと違い、気のせいか下降が長い。そうか、下の方から巻いていくんだな。だいぶ下がったが、巻く気配がない。しまった、これは誰かが谷を下った跡だ。登り返すには下りすぎたし、足跡も戻った形跡はない。ということは、行ける。
しばらくすると、ゴルジュ状の垂直落下地点。行き詰まった
。先行者はどうやって突破したんだろう。ロープだ。しかし、自分には無い。(有っても使い方知らない。)落ち着け、何らかの手段があるはず。
「知恵をー巡らせー、頭をー使えー、悩みーぬけぬけー、男―ならー」アニメンタリー決断のテーマが頭に響く。
確か、この谷には昔、登山道があったとどこかに書いてあった気がする。すると、ロープがなくても通過できるポイントがあるはず。巻きか。少し登り、右岸側をみるとなんとか巻けそうなルートを想定できた。「3点支持、3点支持」お経を唱えながら、慎重に巻き、目標ポイントに到着。あとは、特に危険な個所もなく、茶屋川に出会う。
少し遡行すると、巨大な岩の壁が立ちはだかる。これが、三筋の滝か。想定していた規模を大きく上回っている。しかし、右岸側にフィックスドロープがあるので問題なし。問題は、登った後。滝の上、すなわち遡行ルート(真の谷)へ出るには、右に滝の下が見える巻き道を通過しなければならない。五階建てビルの屋上縁を歩く感じか
。高所恐怖症の私には気が遠くなるような場所だ。時間がたてば、益々怖さが募ってくるので、例のお経を唱えながら、エイヤッ。
ここから先は、子供の頃、川遊びが好きだった私の独壇場。
牛若丸のように岩から岩へ(グラッ、ボチャン)。スパイダーマンのように淵の岩肌を通過し(ずるっ、どぼんっ)、忍者のように岩をよじ登る(ゴツッ、イタタター)。
三つ子の魂百までは嘘である
。
やがて、目の前に直登不能の滝が現れた。これか、あきたぬきさんの滝は。確か、左岸側に巻き道があったはず。うーーん、取り付きが判らん。巻きにしてもかなり急な斜面だ。
幹、枝、根が生木でしっかりした支点として確保できることを確認しながら高度を上げる。かなり登り、斜面が緩やかになったところで、左下に保険となる立木を視界に入れながら、トラバースを進める。よさそうな着床点を視認し降下に入る。
先ほどの遡行の調子では捜索目線どころか、いっぱいいっぱいの涙目線になってしまう。力を抜いて、自然体で上流へ進む。
あれっ、巻きが必要な滝はもうないはずだが、これはいったい。またも直登不能と思われる同規模の滝が目の前に。しかし、安全と前進を得るためには再度の高巻きしかない。今度はより安全度を高めるため、四点支持にしよう。アレッ、進まん。
さらに遡行を進めると、川に横たわった倒木に白瀬峠→の標識がつりさげられているのが目に入る。Nさんが真の谷を下ってきて、これを目にしていれば助かったかもしれないのに…。これが最後のチャンスの箇所。ここから下流は雪の付いた急斜面を両側に従え、落差のある滝が二か所、巨大な関所(三筋の滝)が一か所あり、とても通過できるものではない。
しばらく、渡渉したり、雪の緩んだ岸を歩いたりして、二股分岐に出会う。三筋の滝から二時間かかっている。右がカタクリ峠、左が真の池に向かう分岐と勝手に判断。左に進路をとり急傾斜の谷筋を進む。
だんだん谷の形状がなくなってくる。あれっ?しっかり雪の付いた急斜面をジグザグのトラバースを繰り返し、ハアハア、ゼイゼイ。なかなか高度を上げることができない。このアルバイトはこたえる。時給が悪すぎる。
そうだ、あの技を使おう。忍法移し身の術。町内の運動会で使った気持ちと体を分離させ気持ちだけ御池頂上へ。(体はどうすんねん。)それとも、どこでもドアで、テレポーテーション。あかん、疲れがピークに近づき、妄想が始まった
。
そうこうするうちに上部に木がまだらになった場所が現れる。頂上か?しばし、進むと奥の平の標識が。テーブルランドだ。ここから御池頂上→ボタンブチとピストンするまでの間に多くの山行者に出会った。
このあと自分にもしものことがあった場合を想定し、何組かに声をかけ、目撃情報に上がるよう意識する。(実は、善右エ門谷下降から御池取り付けに至る行程でも、警察犬がルートを追跡できるよう何箇所かに痕跡を残してきたのだ。頻〇のなせる技である。匂いで犬が失神しなければいいが・・・。
)
そのうちのT字尾根からのグループの方、真の谷からボタンブチに這い上がった単独行者、そして、地理に詳しい単独女性に教えていただいた土倉岳へのルートを進み、ボタンブチから立木をつかみながら下降開始。
土倉岳までの稜線でボタンブチ南急崖斜面に目をやり、黄緑のアウターが見えないか、しばし観察する。
ボタンブチ→土倉岳→ヘリポート跡地(鉄塔台地)と足跡があり、安心して進むことができた。
さて、谷への降下開始である。足跡を見失っていた。しかし、両方の電線の間あたりを進めばどこかで巡視路と交錯するだろう。
最も注意しなければならない個所で、判断を誤った。その安易な選択がかなりヤバイ状態を惹起した。
斜度や雪の付き具合から何とでもなると思い下降していくが、どこにも巡視路らしきものがない。下には、真の谷に落ちていく一本の谷筋が見られ、その向こう左岸側に北側の電線鉄塔基部が目に入る。あの尾根が巡視路だったのか。
トラバースしながら谷筋に降り、再トラバーで尾根に乗るしかないか。しかし、斜面がかなりキツクなっており、失敗すると尻セードの直滑降で谷へ一直線。幸い、谷筋に岩はなく、砂利が見えており、雪が若干残っている。致命傷は受けないが、着地の衝撃をうまく吸収できないと、足首のねん挫、亀裂骨折の恐れ無きにしも非ず。
高低差20mか。右岸側この先10mで複数の立木がある。うまくトラバーできれば、これらの木を伝って谷底へ降下できそうだ。
進路の下方5m中央にちょっとした土盛りがある。滑りだしたら、そこをめがけコントロールしよう。
慎重にトラバー開始。半分ぐらい進んだところで、アッ
。すばやく体制を整え、両手、両足で制動かけながら、盛土部にピンポイントで到達。やれやれ。ここで、アイゼンを付けていないことに気づく。やはり、足跡を見失った動揺から冷静さを欠いてしまっていたようだ。
装着後は、お経(三点支持経)を唱えながら、立木に到着。谷底へ降下後、ドキドキしながら左岸尾根へトラバースをかけ、どうにか真の谷へ舞い降りた。(正確にはずり落ちた。)
この後、心臓バクバクの五階建てビルの屋上縁を通り抜け、善右エ門谷左岸に。
おかしい。どう見ても取り付きが判らない。しかし、白瀬峠と藤原岳を結ぶ真の谷登山ルートはここを通っているはず。
しばしの逡巡後、意を決して斜面に張り付きよじ登り始める。最初木がまだらで恐ろしい思いをするが、なんとかヤブに到着後はカミソリエッジの岩肌を乗り越え進む。ここからは、立木が多いため、痩せ尾根の割に恐怖感は少ない。
かなり、高度を上げるとなだらかな樹林地が広がる。茨川からの登山道との合流点。
秋はすばらしいだろーなー。
どんどん(正しくはフラフラになって)高度を稼ぐと、展望広場への最後の急斜面が眼前に。たどってきた足跡は、トラバースして善右エ門谷源頭部へ向かっているようだ。最後の急斜面トラバーである。慎重に足跡をたどり、鞍部へ。
無事生還。この後の藤原の下りは、ひざガクに加え、もも筋プルプル
。
しばらくの間、日常生活での階段の登り降りは、ロボジイになること間違いない。
以上、ロボジイ、アンタッチャブルエリアへミッションインポッシブル遂行の巻でした。
【日 付】4月8日(日)
【山 域】鈴鹿北部
【メンバー】単独
【ルート】大貝戸4:55→藤原岳6:40→善右エ門谷降下→三筋の滝7:55→真の谷遡行(滝1、滝2)→御池岳取り付き9:55→奥の平11:12→御池頂上11:20~11:30→ボタンブチ降下開始12:10→土倉岳→電線巡視路→着床(真の谷)13:20→三筋の滝13:35→善右エ門谷左岸取り付き13:40→西尾根→展望広場と山荘の鞍部→大貝戸16:55
あきたぬきさんに情報を頂いたが、谷は専門外なので一度はあきらめた。
しかし、気になり複数のブログの真の谷に関する山行記を読むうち、ひょっとしたら私にもできるのではないかという気がしてきた。
頭の中で、遡行のイメージ、滝の高巻きのイメージを繰り返すと、確信に変わり、そこで、冒頭の指令が聞こえたような…。
こうなると、寝ても覚めても、そればかり考えるようになる。
おそらく、今自分が持っている能力、たとえば、事前に危機を感知する研ぎ澄まされた感性、どんな状況に陥っても沈着冷静に分析判断する能力、長時間のハードな山行に耐えうる持久力、心臓破りの急傾斜を登坂する体力・技術力等々を最大限発揮しなければ無事遂行できないだろう。(何一つ持ってませーん。
週間天気予報で決行日を決め、その1週間前より準備に取り掛かる。
まずは、ルートの選定。過去のブログ、地形図を繰り返し見ながら、最もリスクの小さいルートを決定する。初見の尾根は下りに使ってはいけないのだが、初見の谷を下りに使うよりリスクは少ないだろう。しかも、巡視路なのだから。(この油断が後に危機を招く。)
イメージトレーニングも欠かせない。八方ふさがりの状態に陥っても、必ず助かる道はある。考えられる危機を種々シュミレーションし、冷静に対処している自分をイメージする。そう、危機に瀕するのが危ないのではなく、慌てふためきとんでもない行動をとることが危ないのである。(無茶をやってかろうじて生き延びてきた私に言う資格ありましぇーん。
装備も遡行バージョンに切り替える必要がある。長靴、合羽、着替え、ダブルパッキン。(よし、完璧。って、いつものに着替えがプラスされ、買い物袋の一重を二重にしただけでしたー。
ついにXデー。
こみ上げる高揚を抑えるすべもなく、2時半に目覚める。(どんどん早起き症が進行する。)
4時大貝戸駐車場到着。えー、こんな時間から一体何台の車がいるんだ。にーの、しじみの、むしたの、やいたの、8台か。ごそごそしているうちに、くったの、とったの、で10台。捜索関係者かな、それともフクジュソウ目当ての方たちかな。
さて、登山届だすか。げっ、ボックスに1枚も置いてない。仕方ないので、車に戻り、マックでもらったお手ふきに書く。(書きずらー)。闇下出発。
毎週山に通っていた頃は、30分の暖機運転で心臓、脚が慣れてきたものだが、まだ、そのレベルまで戻っていない。
善右エ門谷源頭。この辺りから展望広場を巻いていくと西尾根ルートとなるはず。おっ、ラッキー、足跡があるぞ。初見の私には絶好。
イメージと違い、気のせいか下降が長い。そうか、下の方から巻いていくんだな。だいぶ下がったが、巻く気配がない。しまった、これは誰かが谷を下った跡だ。登り返すには下りすぎたし、足跡も戻った形跡はない。ということは、行ける。
しばらくすると、ゴルジュ状の垂直落下地点。行き詰まった
「知恵をー巡らせー、頭をー使えー、悩みーぬけぬけー、男―ならー」アニメンタリー決断のテーマが頭に響く。
確か、この谷には昔、登山道があったとどこかに書いてあった気がする。すると、ロープがなくても通過できるポイントがあるはず。巻きか。少し登り、右岸側をみるとなんとか巻けそうなルートを想定できた。「3点支持、3点支持」お経を唱えながら、慎重に巻き、目標ポイントに到着。あとは、特に危険な個所もなく、茶屋川に出会う。
少し遡行すると、巨大な岩の壁が立ちはだかる。これが、三筋の滝か。想定していた規模を大きく上回っている。しかし、右岸側にフィックスドロープがあるので問題なし。問題は、登った後。滝の上、すなわち遡行ルート(真の谷)へ出るには、右に滝の下が見える巻き道を通過しなければならない。五階建てビルの屋上縁を歩く感じか
ここから先は、子供の頃、川遊びが好きだった私の独壇場。
牛若丸のように岩から岩へ(グラッ、ボチャン)。スパイダーマンのように淵の岩肌を通過し(ずるっ、どぼんっ)、忍者のように岩をよじ登る(ゴツッ、イタタター)。
三つ子の魂百までは嘘である
やがて、目の前に直登不能の滝が現れた。これか、あきたぬきさんの滝は。確か、左岸側に巻き道があったはず。うーーん、取り付きが判らん。巻きにしてもかなり急な斜面だ。
幹、枝、根が生木でしっかりした支点として確保できることを確認しながら高度を上げる。かなり登り、斜面が緩やかになったところで、左下に保険となる立木を視界に入れながら、トラバースを進める。よさそうな着床点を視認し降下に入る。
先ほどの遡行の調子では捜索目線どころか、いっぱいいっぱいの涙目線になってしまう。力を抜いて、自然体で上流へ進む。
あれっ、巻きが必要な滝はもうないはずだが、これはいったい。またも直登不能と思われる同規模の滝が目の前に。しかし、安全と前進を得るためには再度の高巻きしかない。今度はより安全度を高めるため、四点支持にしよう。アレッ、進まん。
さらに遡行を進めると、川に横たわった倒木に白瀬峠→の標識がつりさげられているのが目に入る。Nさんが真の谷を下ってきて、これを目にしていれば助かったかもしれないのに…。これが最後のチャンスの箇所。ここから下流は雪の付いた急斜面を両側に従え、落差のある滝が二か所、巨大な関所(三筋の滝)が一か所あり、とても通過できるものではない。
しばらく、渡渉したり、雪の緩んだ岸を歩いたりして、二股分岐に出会う。三筋の滝から二時間かかっている。右がカタクリ峠、左が真の池に向かう分岐と勝手に判断。左に進路をとり急傾斜の谷筋を進む。
だんだん谷の形状がなくなってくる。あれっ?しっかり雪の付いた急斜面をジグザグのトラバースを繰り返し、ハアハア、ゼイゼイ。なかなか高度を上げることができない。このアルバイトはこたえる。時給が悪すぎる。
そうだ、あの技を使おう。忍法移し身の術。町内の運動会で使った気持ちと体を分離させ気持ちだけ御池頂上へ。(体はどうすんねん。)それとも、どこでもドアで、テレポーテーション。あかん、疲れがピークに近づき、妄想が始まった
そうこうするうちに上部に木がまだらになった場所が現れる。頂上か?しばし、進むと奥の平の標識が。テーブルランドだ。ここから御池頂上→ボタンブチとピストンするまでの間に多くの山行者に出会った。
このあと自分にもしものことがあった場合を想定し、何組かに声をかけ、目撃情報に上がるよう意識する。(実は、善右エ門谷下降から御池取り付けに至る行程でも、警察犬がルートを追跡できるよう何箇所かに痕跡を残してきたのだ。頻〇のなせる技である。匂いで犬が失神しなければいいが・・・。
そのうちのT字尾根からのグループの方、真の谷からボタンブチに這い上がった単独行者、そして、地理に詳しい単独女性に教えていただいた土倉岳へのルートを進み、ボタンブチから立木をつかみながら下降開始。
土倉岳までの稜線でボタンブチ南急崖斜面に目をやり、黄緑のアウターが見えないか、しばし観察する。
ボタンブチ→土倉岳→ヘリポート跡地(鉄塔台地)と足跡があり、安心して進むことができた。
さて、谷への降下開始である。足跡を見失っていた。しかし、両方の電線の間あたりを進めばどこかで巡視路と交錯するだろう。
最も注意しなければならない個所で、判断を誤った。その安易な選択がかなりヤバイ状態を惹起した。
斜度や雪の付き具合から何とでもなると思い下降していくが、どこにも巡視路らしきものがない。下には、真の谷に落ちていく一本の谷筋が見られ、その向こう左岸側に北側の電線鉄塔基部が目に入る。あの尾根が巡視路だったのか。
トラバースしながら谷筋に降り、再トラバーで尾根に乗るしかないか。しかし、斜面がかなりキツクなっており、失敗すると尻セードの直滑降で谷へ一直線。幸い、谷筋に岩はなく、砂利が見えており、雪が若干残っている。致命傷は受けないが、着地の衝撃をうまく吸収できないと、足首のねん挫、亀裂骨折の恐れ無きにしも非ず。
高低差20mか。右岸側この先10mで複数の立木がある。うまくトラバーできれば、これらの木を伝って谷底へ降下できそうだ。
進路の下方5m中央にちょっとした土盛りがある。滑りだしたら、そこをめがけコントロールしよう。
慎重にトラバー開始。半分ぐらい進んだところで、アッ
装着後は、お経(三点支持経)を唱えながら、立木に到着。谷底へ降下後、ドキドキしながら左岸尾根へトラバースをかけ、どうにか真の谷へ舞い降りた。(正確にはずり落ちた。)
この後、心臓バクバクの五階建てビルの屋上縁を通り抜け、善右エ門谷左岸に。
おかしい。どう見ても取り付きが判らない。しかし、白瀬峠と藤原岳を結ぶ真の谷登山ルートはここを通っているはず。
しばしの逡巡後、意を決して斜面に張り付きよじ登り始める。最初木がまだらで恐ろしい思いをするが、なんとかヤブに到着後はカミソリエッジの岩肌を乗り越え進む。ここからは、立木が多いため、痩せ尾根の割に恐怖感は少ない。
かなり、高度を上げるとなだらかな樹林地が広がる。茨川からの登山道との合流点。
秋はすばらしいだろーなー。
どんどん(正しくはフラフラになって)高度を稼ぐと、展望広場への最後の急斜面が眼前に。たどってきた足跡は、トラバースして善右エ門谷源頭部へ向かっているようだ。最後の急斜面トラバーである。慎重に足跡をたどり、鞍部へ。
無事生還。この後の藤原の下りは、ひざガクに加え、もも筋プルプル
しばらくの間、日常生活での階段の登り降りは、ロボジイになること間違いない。
以上、ロボジイ、アンタッチャブルエリアへミッションインポッシブル遂行の巻でした。
【ルート】大貝戸4:55→藤原岳6:40→善右エ門谷降下→三筋の滝7:55→真の谷遡行(滝1、滝2)→御池岳取り付き9:55→奥の平11:12→御池頂上11:20~11:30→ボタンブチ降下開始12:10→土倉岳→電線巡視路→着床(真の谷)13:20→三筋の滝13:35→善右エ門谷左岸取り付き13:40→西尾根→展望広場と山荘の鞍部→大貝戸16:55