【鈴鹿】霊仙山を越えて<柏原からビン坂峠をつなぐ>
Posted: 2012年4月09日(月) 23:06
【 日 付 】2012年4月8日(日)
【 山 域 】鈴鹿 霊仙山
【メンバー】ハヌルさん、通風山
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】金山駅6:56++7:59柏原駅8:15—9:30二本杉—10:10四合目避難小屋--11:40四丁横崖—12:00米原避難小屋12:30—12:40経塚山—13:00霊仙山13:10—13:45毛ズラオの頭—14:20古道—15:50ビン坂峠—16:20上丹生バス停17:08=17:15醒ヶ井駅17:38++18:48金山
3月4日、霊仙山に柏原から6名で向かったものの、ホワイトアウトと強風であえなく米原避難小屋で昼食後敗退してしまった。
ハヌルさんからリベンジしたいとのメールをいただいた。天候もおちついているようだし、帰路はプチバリエーションでもしましょうと「ビン坂峠道」を計画してみた。
青春18きっぷ利用期限は4月10日だ。その最終日曜日とあってJRは座れないぐらいの混みようだ。シニアの利用者が目立つようで改札もすぐには通れない。
お互いの山岳会の経験など話しているうちに、立っているのも苦もなくあっという間に伊吹山の真っ白な勇姿が見えてきた。
まわりは透きとおった青空なのだが、伊吹山の山頂台地だけまるで笠をかぶったように雲がある。
柏原に降り立ったのは僕たち二人のみ。いい天気なのだがJRでのアプローチは流行らない模様だ。名神高速バスのバス停が柏原にあった頃はもう少し距離が稼げるのだが、もう復活はないだろう。
そんな名神高速のバス停跡を見ながら高速道路をくぐり、杉の木立を見ながらの林道歩きはやがてはっきりとした谷を行くようになってきた。
1ヶ月前は二本杉までの谷の斜面を滑落しないように歩いた雪の道であったが、今日は完全に夏道だ。シャツ2枚での歩きに汗が噴出す。ハヌルさんから甘いバナナをいただく。心遣いに感謝。
時折吹いてくる風は冷たい。昨夜は降雪があったようで薄い新雪が倒れた杉の幹に積もっていた。
雪の深かった四合目避難小屋周辺もところどころ地肌が見えている。遅かった春の訪れが霊仙山にもやってきたようだ。
左下に林道がぐっと寄ってくるころ谷山の大きさが威圧するように近づいてきた。その林道には除雪をあきらめたようにブルドーザーが放置されていた。ふと見上げると米原避難小屋が豆粒のように見える。阿弥陀が峰も今日は緑だ。空はすっきりと青く、気がつけば伊吹山の全貌が雲ひとつなく勇姿を見せた。 谷山の三角点下をトラバースするように行くと、尾根に三角点と間違えてしまいそうな石標がある。はっきりと読めないが「東・・河内・・」「・・領・・」きっとかつての境界争いの決着した証なのだろう。
尾根をどどっと下ると四丁横崖だ、ここには霊仙山登山道の整備に尽力されている西出商店さんの暖かい道標がある。そして今回はこの後、何度も西出商店さんにお世話になるのであった。
避難小屋までのきついのぼりは雪が融け始めやっと虎ロープが見えている、しかしそのぶん泥道だ。雪解けの小さい流れを踏みながらひといき登ると米原避難小屋に着いた。
カップラーメンをすすりながら立派な概念図の案内板で位置関係を確かめる。鈴鹿屈指の避難小屋だけあって板縁の間は「仮眠室」という木札が打ち付けてある。
経塚山へ一気に上がり、三角点を目指す。登山者は登りも下りも思い思いのトレースをつけている。かけていたサングラスをはずすと目が痛いほどまぶしい。
三角点にタッチ。西南尾根の稜線は福寿草狙いのパーティーが、次から次へとどんどん最高点へと向かっている、残念ながら福寿草は雪の下であろう。ハヌルさんも福寿草を期待していたので残念そうだ。半月ほど先だろうか。
気づけば三角点は大混雑になってきていた。
追われるように三角点をあとにする。経塚山との鞍部から谷を使ってお虎が池へとショートカット。三角点峰北斜面はまだまだ雪が深く、小尾根にさえも雪庇がところどころにできている。
お虎が池を過ぎて北の丘にあがる。「毛ズラオの頭」だ。「毛」に「ズラ」に「頭」とくればまさに笹枯れも5分刈りの坊主頭に見えて、偶然の一致とはいえ愉快になってくる。
そんなご愛嬌とはうらはらに琵琶湖のビッグな湖面が輝いている。今日は対岸まで見えている。実にすばらしい良い景色だ。
ひと時、琵琶湖の雄大な眺めを堪能して、さあ一般登山道からそれてしまおう。 なだらかな丘状の地形は、すぐに石灰岩と緩んだ土の急斜面となる。急に増えた鹿の糞を避けながら滑らないように下っていく。二股に分かれる尾根を右に乗りそうになって修正する。
あいかわらずのズルズルだ。早く安定してくれと願うこと50mほどだったか、尾根が広くなり、まるで猫の背のようになって来た。 あっ、道型だ。ついに地形図の破線を確認する。道幅4~5mだったりして、時に斜面をその幅のままジグザグに切っている。なんという立派な道が現れて、その不思議な道に驚いてしまう。 道の真ん中に生える多くの木の高さを見れば「この道ができたのは江戸時代より前なのは確実だね。」「何のための道だろう?」
「木を切り出した運搬路だろうか?」「牛も通れそうだね。」
「伝説の霊仙寺への参拝路だったのだろうか?」「でもお寺があったなら飲料水はどうしたんだろう?」
それにしても立派な道だ。
「整備すれば汗拭き峠へ向かう登山道よりいい道になるかもね。」いろいろ想像できて楽しい道となる。
やがて対岸の尾根の山肌にすごい岩壁が見えてきた。「屏風岩だ!」
右手の長大な斜面は「静謐の尾根」と呼ばれるいい尾根がこの尾根と並んでいる。そしてまだ道はしっかりとした幅員で続いている。
長い行程の古道もビン坂峠が近くなると、道の脇にはまるで並木道であったかのような杉であろう巨木の切り株が並びだす。切られずに残っていたならすばらしいだろうなと惜しむが、その様子を想像するだけでも楽しい道だ。
やがてアスファルトの道にポンと下りるとそこはビン坂峠であった。
アスファルトの林道が切り裂く風情のある峠ではなくなってしまったが、これも往時を想像して、またそれも良しとしよう。 ビン坂峠には西出商店さん製作の道標を見つけて、上丹生への古道へと下る。荒れかけてはいるが途中何枚でも道標がかけられて親切に上丹生まで誘導してくれる。ありがたいことだ。
なんなく上丹生の村の裏へと出た。
堂々と流れる雪解けの川の清らかな水の流れを見ながら上丹生の家並みを歩く。これもまたいいもんだ。
上丹生のバス停でバスを待つまだ40分ほど時間がるので、持参したタワシで川に降りて靴を洗う。これも公共交通機関利用のマナーのひとつだ。
バス停となりの西出商店でビールを分けてもらった。ここは酒屋ではないので自宅にあるビールを実費で分けていただくことになるのだ。冷たいアサヒスーパードライでハヌルさんと、楽しませてくれた霊仙山とに乾杯!
グビグビ~~でもう一本だ。
西出商店のおじさんと話をしてみた。ビン坂峠道は上丹生と<木専>(1文字)ヶ畑(クレガハタ)を結ぶ生活道路だったとのこと、ビン坂峠上部の道について聞いてみたがはっきりとしたことを聞けなかった。
気さくなおじさんで、最近の登山者のことや、整備の苦労話など聞かせていただき、短い時間だったがここでも楽しく時間が過ごせた。感謝を伝えてバスに乗る。
ほろ酔い加減でバスに揺られてザックに目をやると、ストックがない!うわっ!と思ったが後の祭りである。バス停に忘れてきてしまったのだ。
醒ヶ井駅について醒ヶ井養鱒場行きのバスの時刻を確かめると一時間後だ。「帰宅後電話してみますわ」とか言っていると今度はハヌルさんが財布がないと言い出す。
ザックをひっくり返して探すが無い!引きつった顔で上着やズボンのポケットをさがすと、ズボンの後ポケットに入っていた。
酔っ払ってるわけではないが、気の緩みは認めざるを得ない二人である。
帰宅後、西出商店さんに電話してみた。わざわざバス停をのぞいてくださったようで、「ありますよ~」との返事。西出さんは忘れられそうに無い感謝の人となった。
そしてこれで来週も霊仙山行きが確実となったのである。
通風山
【 山 域 】鈴鹿 霊仙山
【メンバー】ハヌルさん、通風山
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】金山駅6:56++7:59柏原駅8:15—9:30二本杉—10:10四合目避難小屋--11:40四丁横崖—12:00米原避難小屋12:30—12:40経塚山—13:00霊仙山13:10—13:45毛ズラオの頭—14:20古道—15:50ビン坂峠—16:20上丹生バス停17:08=17:15醒ヶ井駅17:38++18:48金山
3月4日、霊仙山に柏原から6名で向かったものの、ホワイトアウトと強風であえなく米原避難小屋で昼食後敗退してしまった。
ハヌルさんからリベンジしたいとのメールをいただいた。天候もおちついているようだし、帰路はプチバリエーションでもしましょうと「ビン坂峠道」を計画してみた。
青春18きっぷ利用期限は4月10日だ。その最終日曜日とあってJRは座れないぐらいの混みようだ。シニアの利用者が目立つようで改札もすぐには通れない。
お互いの山岳会の経験など話しているうちに、立っているのも苦もなくあっという間に伊吹山の真っ白な勇姿が見えてきた。
まわりは透きとおった青空なのだが、伊吹山の山頂台地だけまるで笠をかぶったように雲がある。
柏原に降り立ったのは僕たち二人のみ。いい天気なのだがJRでのアプローチは流行らない模様だ。名神高速バスのバス停が柏原にあった頃はもう少し距離が稼げるのだが、もう復活はないだろう。
そんな名神高速のバス停跡を見ながら高速道路をくぐり、杉の木立を見ながらの林道歩きはやがてはっきりとした谷を行くようになってきた。
1ヶ月前は二本杉までの谷の斜面を滑落しないように歩いた雪の道であったが、今日は完全に夏道だ。シャツ2枚での歩きに汗が噴出す。ハヌルさんから甘いバナナをいただく。心遣いに感謝。
時折吹いてくる風は冷たい。昨夜は降雪があったようで薄い新雪が倒れた杉の幹に積もっていた。
雪の深かった四合目避難小屋周辺もところどころ地肌が見えている。遅かった春の訪れが霊仙山にもやってきたようだ。
左下に林道がぐっと寄ってくるころ谷山の大きさが威圧するように近づいてきた。その林道には除雪をあきらめたようにブルドーザーが放置されていた。ふと見上げると米原避難小屋が豆粒のように見える。阿弥陀が峰も今日は緑だ。空はすっきりと青く、気がつけば伊吹山の全貌が雲ひとつなく勇姿を見せた。 谷山の三角点下をトラバースするように行くと、尾根に三角点と間違えてしまいそうな石標がある。はっきりと読めないが「東・・河内・・」「・・領・・」きっとかつての境界争いの決着した証なのだろう。
尾根をどどっと下ると四丁横崖だ、ここには霊仙山登山道の整備に尽力されている西出商店さんの暖かい道標がある。そして今回はこの後、何度も西出商店さんにお世話になるのであった。
避難小屋までのきついのぼりは雪が融け始めやっと虎ロープが見えている、しかしそのぶん泥道だ。雪解けの小さい流れを踏みながらひといき登ると米原避難小屋に着いた。
カップラーメンをすすりながら立派な概念図の案内板で位置関係を確かめる。鈴鹿屈指の避難小屋だけあって板縁の間は「仮眠室」という木札が打ち付けてある。
経塚山へ一気に上がり、三角点を目指す。登山者は登りも下りも思い思いのトレースをつけている。かけていたサングラスをはずすと目が痛いほどまぶしい。
三角点にタッチ。西南尾根の稜線は福寿草狙いのパーティーが、次から次へとどんどん最高点へと向かっている、残念ながら福寿草は雪の下であろう。ハヌルさんも福寿草を期待していたので残念そうだ。半月ほど先だろうか。
気づけば三角点は大混雑になってきていた。
追われるように三角点をあとにする。経塚山との鞍部から谷を使ってお虎が池へとショートカット。三角点峰北斜面はまだまだ雪が深く、小尾根にさえも雪庇がところどころにできている。
お虎が池を過ぎて北の丘にあがる。「毛ズラオの頭」だ。「毛」に「ズラ」に「頭」とくればまさに笹枯れも5分刈りの坊主頭に見えて、偶然の一致とはいえ愉快になってくる。
そんなご愛嬌とはうらはらに琵琶湖のビッグな湖面が輝いている。今日は対岸まで見えている。実にすばらしい良い景色だ。
ひと時、琵琶湖の雄大な眺めを堪能して、さあ一般登山道からそれてしまおう。 なだらかな丘状の地形は、すぐに石灰岩と緩んだ土の急斜面となる。急に増えた鹿の糞を避けながら滑らないように下っていく。二股に分かれる尾根を右に乗りそうになって修正する。
あいかわらずのズルズルだ。早く安定してくれと願うこと50mほどだったか、尾根が広くなり、まるで猫の背のようになって来た。 あっ、道型だ。ついに地形図の破線を確認する。道幅4~5mだったりして、時に斜面をその幅のままジグザグに切っている。なんという立派な道が現れて、その不思議な道に驚いてしまう。 道の真ん中に生える多くの木の高さを見れば「この道ができたのは江戸時代より前なのは確実だね。」「何のための道だろう?」
「木を切り出した運搬路だろうか?」「牛も通れそうだね。」
「伝説の霊仙寺への参拝路だったのだろうか?」「でもお寺があったなら飲料水はどうしたんだろう?」
それにしても立派な道だ。
「整備すれば汗拭き峠へ向かう登山道よりいい道になるかもね。」いろいろ想像できて楽しい道となる。
やがて対岸の尾根の山肌にすごい岩壁が見えてきた。「屏風岩だ!」
右手の長大な斜面は「静謐の尾根」と呼ばれるいい尾根がこの尾根と並んでいる。そしてまだ道はしっかりとした幅員で続いている。
長い行程の古道もビン坂峠が近くなると、道の脇にはまるで並木道であったかのような杉であろう巨木の切り株が並びだす。切られずに残っていたならすばらしいだろうなと惜しむが、その様子を想像するだけでも楽しい道だ。
やがてアスファルトの道にポンと下りるとそこはビン坂峠であった。
アスファルトの林道が切り裂く風情のある峠ではなくなってしまったが、これも往時を想像して、またそれも良しとしよう。 ビン坂峠には西出商店さん製作の道標を見つけて、上丹生への古道へと下る。荒れかけてはいるが途中何枚でも道標がかけられて親切に上丹生まで誘導してくれる。ありがたいことだ。
なんなく上丹生の村の裏へと出た。
堂々と流れる雪解けの川の清らかな水の流れを見ながら上丹生の家並みを歩く。これもまたいいもんだ。
上丹生のバス停でバスを待つまだ40分ほど時間がるので、持参したタワシで川に降りて靴を洗う。これも公共交通機関利用のマナーのひとつだ。
バス停となりの西出商店でビールを分けてもらった。ここは酒屋ではないので自宅にあるビールを実費で分けていただくことになるのだ。冷たいアサヒスーパードライでハヌルさんと、楽しませてくれた霊仙山とに乾杯!
グビグビ~~でもう一本だ。
西出商店のおじさんと話をしてみた。ビン坂峠道は上丹生と<木専>(1文字)ヶ畑(クレガハタ)を結ぶ生活道路だったとのこと、ビン坂峠上部の道について聞いてみたがはっきりとしたことを聞けなかった。
気さくなおじさんで、最近の登山者のことや、整備の苦労話など聞かせていただき、短い時間だったがここでも楽しく時間が過ごせた。感謝を伝えてバスに乗る。
ほろ酔い加減でバスに揺られてザックに目をやると、ストックがない!うわっ!と思ったが後の祭りである。バス停に忘れてきてしまったのだ。
醒ヶ井駅について醒ヶ井養鱒場行きのバスの時刻を確かめると一時間後だ。「帰宅後電話してみますわ」とか言っていると今度はハヌルさんが財布がないと言い出す。
ザックをひっくり返して探すが無い!引きつった顔で上着やズボンのポケットをさがすと、ズボンの後ポケットに入っていた。
酔っ払ってるわけではないが、気の緩みは認めざるを得ない二人である。
帰宅後、西出商店さんに電話してみた。わざわざバス停をのぞいてくださったようで、「ありますよ~」との返事。西出さんは忘れられそうに無い感謝の人となった。
そしてこれで来週も霊仙山行きが確実となったのである。
通風山
登山口へのバスでのアプローチは本数も激減していて難しいですね。