【熊野】尾川川支流から妙見倉
Posted: 2012年2月23日(木) 00:04
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北山川奥瀞に注ぐ尾川川。その大きな支流、妙見山・鷲ノ巣山・鵯山・白倉山・玉置山等標高700m~800mの山を源流とする谷。
この谷の名前が、もう一つわからない。
ネット検索すると、妙見川(谷)としているものが二つある。現地の橋の欄干の銘板は無く、橋のガードレールに大田井橋というステッカーが貼られているだけだ。
三重県の地図を見るとこの谷名を「大樋川」とし、中流で西から合流する谷・この谷の本流であろう谷を「見野畑川」(源流部に見野畑山がある)としている。するとこの出合から先の左俣が妙見谷だろうか?
また、市町村境界が、稜線や谷を境にするのではなく、この支流の上流部を鋸の歯状にジグザグに境界線がはしっている。これもまたこの谷の人の営みの結果なのだろう。ちょっと不思議な谷だ。
この記録の一週間前にも、この支流をガンガラ滝まで入っている。
第一印象は水がきれいな谷。またガンガラ滝下からしばらくの間は岩床のきれいな谷だった。上流部もさぞきれいな谷ではないかと、続けての入山なのである。
御浜町の妙見山は、信仰の山。表参道は市木から続いているが、熊野市育生町側からは、この支流沿いに石積みされた道が続く。但し地形図見ればわかる通り、この破線道は途中で切れてしまっているのだ。
往路は谷を詰めて妙見倉に登り、復路は参拝道の破線道を降りることにした。往路も復路も記録に接することができず、地形図だけが頼りの山行である。
【 日 付 】2012年02月19日
【 山 域 】熊野市・御浜町。北山水系尾川川
【 地 図 】 http://cyberjapan.jp/cybercgi/ptmap/ope ... T__3J2AWFp
【メンバー】びぃ zipp
【 天 候 】晴時々曇
【 ルート 】《尾川川支流出合から鷲の巣山/妙見山稜線、復路は妙見山参拝道を経て駐車地》
08:45 出合手前路肩--- 09:10 ガンガラ滝(co190)--- 09:30~09:40 二俣(見野畑川出合)--- 10:50~11:00 二俣(co290)--- 12:10~12:20 二俣(co450)---(小尾根取りつき)--- 13:20~14:20 妙見倉--- 15:45~15:50 見野畑川出合--- 16:25 駐車
南国・熊野とはいってもこのあたりの谷に少し入れば、氷柱がぶら下がっている。育生町から表倉を見上げながら尾川川を遡り、大田井橋手前の路肩に車を止めた。
足元にバイカオウレンが咲く苔生した左岸沿いの古道を進む。吊橋にしては立派な石積み橋脚のあるところを手前に、谷に降り、右岸道を辿って行く。
しばらくで、みみじまさま(耳島様)。穴の開いた岩(石)が御神体で、穴を開けた石を奉納しお願いすれば耳の病気を治してくれるという。古い民間信仰の一種だろう。花の岩窟やこれから向かう妙見倉も磐座が御神体だ。またこの近くには、大丹倉やビキ島(ヒキガエルの岩倉)やタツ島(竜の岩倉)なる磐座があって興味深い。
左に柱状節理の発達した崖に達すると、谷には多段の8m程のガンガラ滝が大きな釜に落ちている。
その滝の背に古い砂防。その右岸には取つきこそ壊れているものの、いまも現役の鉄の桟橋が回廊となって河原の奥へと続いている。
砂防上の河原を進み、谷は緩やかに右に曲がるところで、後方からポチャン!と音。振り返ると、びぃちゃんが石の間に背中から落ちている。お尻は濡れていないが、ザックは水の中だ。このままだと、ザックからの水の滴りがお尻を濡らすので、合羽のズボンを履いた。
左から枝谷の出合を過ぎると、谷は岩床になり、ナメや小滝に緑色の釜が連なるきれいな谷となる。その上、左岸の古道の石積みが、川床の延長のように傾斜を持って高く積み上げられ、自然の中に溶け込んでいる風景は、実に美しい。
ここで右から本流である谷と出会う。左岸に続いていた道はここで朽ちた吊橋で本流を渡っている。
谷は河原や岩床、渕を繰り返しながら、両側柱状節理に囲まれた廊下状になり、左から小滝を連続させた岩の樋状の谷が合流した。その奥を見ると磨かれた柱状節理を大きな滝が落ちていて驚いた。
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地形図には水線が描かれていないが、右岸に破線道が描かれている谷である。ザックをデポし、滝見物。40mはあろうかという大滝で、滝飛沫は凍っている。
そこを過ぎると辿る谷にはガンガラ滝以降、初めての滝らしい滝。ガンガラ滝と同じく両岸を岩で繋いだ堤防状から流れ落ちる3m程の大きな釜を持った滝だ。
その奥には深い緑色を湛えた淵に7m滝が飛び込み、その奥にはさらにきれいな大きな釜をもった8m美瀑。突然の滝の連続に嬉しい悲鳴だ。
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少しゴーロを歩いた先には、左から細い直瀑が釜に落ちていて、近づこうとした時、水鳥の群れがバタバタと飛び立った、なんと!オシドリだ。
オシドリのいた釜は、二つの谷が合わさるところ。両方とも滝で合流している。
妙見倉に直接詰めるのなら、左俣。しかし、出合に落ちる10m程の滝を登っても、廊下の奥に見えているさらに大きな滝、磨かれた岩壁を登ることは無理だ。かといって巻くとなると、随分戻ってもこの岩山を巻けるかどうか定かじゃない。
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遠回りなるが、右俣を辿り稜線に達することにした。しかし、このあと谷は思ってもみなかった展開を見せていく。
出合の小滝を登って奥に行くと、連続してハングした岩から落ちる12m程の滝、簡単に左岸を巻いて降り口に立ち、V字状の岩谷をヘツリながら進むと、2段のくノ字の滝。そして廊下のドンずまりには、右から30mを越えそうな黒い大滝。少し戻って左岸大巻を開始。
巻けたかと谷に近づくと、まだ滝途中でさらに巻き、滝口に降り立つ。しかしその廊下の奥も右に折れて嫌な感じ。びぃちゃんに谷に降りずに待ってもらって見に行くと、木の刺さった滝に、その上は緩いナメ滝が続いている。この高さになると、滝の周りが凍ってて厄介、これも巻きだ。ヤブを漕いで巻いていると、思いもしなかった細い杣道に出た。
杣道が谷に近づくと、さらにその上に大きな滝が落ちていて驚く。
その滝口から上は、小滝と岩を丸くえぐられたきれいな釜が連続するきれいなところだ。しかし、岩が凍っているので不用意に谷に降りられない。
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そのまま杣道を使って巻き、左から枝谷が入る対岸に白炭=備長窯跡を見て、やっと悪場が終わった。やれやれだ。
二俣から先、こんなにぎっしりと滝が詰まっているなんて思いもよらなかった。それとも地形図が間違っているのだろうか?少し休憩だ。
右岸にしっかりした道が出てきて、谷先にプレハブの朽ちかけた小屋が残っている。
谷は荒れた感じで、水量も少ない。先ほど見た道は何処へ繋がって行ったのやら?
時間も押し迫ってきている。谷の二俣・左から枝谷の入るところで、昼食用の水を汲み、枝谷の右岸尾根を登る。幸いヤブ程でもなく、切り開きがあって助かった。
しかし、稜線に達しようとした頃、お尻が冷たく濡れだした。ザックも濡れている。
汲んだ水が漏れだしているのだ。ちぇっ!なにもこんなことまで、びぃちゃんと同じようにする必要ないのに!!
稜線に達し、妙見倉へと進む。展望はほとんどない。木々の間から白い大峰が垣間見られるもハッキリとしない。標識に展望所と書かれている電波中継等辺りも見事な七里御浜の展望は得られない。
石段を上がり、先週新調された鳥居をくぐり、磐座前で今日の山行を感謝し、往路の安全をお祈りして、妙見倉の上に登り立つ。びぃちゃんはシャリバテなのか、足があがらないと遅れてくる。
七里御浜と南紀の山々が見渡せる岩の上で遅いランチだ。しかしいつの間にか空は曇り、絶好の展望と云うには程遠い景色になってしまった。それに寒い。
シュウマイを蒸し、キムチ忘れ鍋!つつきながら赤ワインを頂いた。
妙見倉ピークから西の破線道三叉路に降り立ち、破線道を北に辿る。
三叉路の入り口部分は、ちょっとあやしそうな道に思えたが、幅1mほどもある立派な道である。随所に石積みされ、傾斜が緩く、高度を下げる(上げる)ところでは、何度もジグザグに石積道を切返している。荷車でも通れるほどの傾斜で、そういったところは、つひショートカットしてしまう程だ。
地形図の破線道とほぼ同様に山腹の襞を緩やかに高度を下げていく道だ。
しかし、破線道と明らかに違うのは、地形図の南西の尾根を基部から先端・谷に向かっていっているが、谷の左岸をしばらく降りてから、右岸に渡り道が続いているはずだ。
というのは、その谷左岸をしばらく行くと道が消えたため谷に降り、しばらく谷を辿ると右岸に石積み道を見つけて、道に上がったからだ。
そうしてこの谷は、往路の谷を辿った時見た出合奥に40m大滝のかかる谷だった。
地形図で破線道は切れてはいるが、その後も道は続き、241標高点手前で谷に降り、谷を渡って、吊橋に続いている。吊橋からは左岸道、砂防上の河原で右岸道になって続いていた。
この道は、谷を渡る部分は不明だったが、崩壊箇所も思ってたほどではなく、思いの外いい道で助かった。
ただ、途中唸り声が二度聞こえた。びぃちゃんには、「イノシシだよ」と云ったが、イノシシにしては、直ぐ脱兎のごとく逃げていく音がしなかったし、クマだったかも。
県道からの入口に熊出没注意の看板もあり、ここはクマの生息域なのだ。
すでに書いたが、予想以上に滝の詰まった面白い渓だった。岩床も雰囲気がいい。
この山域は、自然や人の営み含めて非常に面白そうだ…というのが一番の印象だ。
北山川奥瀞に注ぐ尾川川。その大きな支流、