【三遠南信】 びびった・ちびった(/_;)熊伏山(1653m)観音山(1418m)
Posted: 2012年1月30日(月) 22:42
【日 時】 12月10日(土)
【地 図】 http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html ... 3178564967
【同行者】 単独
【天 候】 晴れ~曇り~雪
【ルート】 塩の道園地P(7:33)~青崩峠(7:48)~前熊伏山(9:01)~熊伏山(9:18/37)~前熊伏山(9:49)~観音岳(13:48)~1320mP下降点(14:09)~梅島(15:29)~青崩峠分岐(16:05)~塩の道園地入口P(17:06)
①<はじめに>
秋葉街道は塩の道。海の幸・山の幸が人や馬の背によって運ばれたと聞く。峠に置かれた案内書きを読めば「戦国時代に武田信玄が南攻のためにこの峠を越えた」ともある。
また、近世には信仰の道。人々が信州、遠州、三河の神社・仏閣に詣でるために足繁く通った道らしい。
秋葉の道は明治期から戦前にかけては違う表情も見せる。遠州山間部の娘たちが信州の機屋に赴いたり、南信の娘が茶摘みのために峠を越えていったようだ。(※参考;南信州遠山郷HP¥遠山風土記¥青崩峠)
私の持っている道路地図(S文社の〇ップル)には、青崩峠で国道が寸断されている事実に触れて「あまりの崩落の激しさに日本のトンネル技術が敗退」とまで書いてある。
②<水窪へ>
自宅を2時に出発。水窪(みさくぼ)に5時頃。満天の星だ!気温-3℃。
青崩峠への登山口には5時半に到着した。
まわりは漆を塗りたくったような闇。明るくなるまでの1時間ほどは仮眠が出来そう。シュラフに潜り込んでぬくぬく気分でうつらうつら。
③<熊伏山へ>
信玄ゆかりの腰掛岩や茶屋の屋敷跡の解説を見ながら歩くと、兵越峠への道を右に分ける。青崩峠の道祖神に手を合わせて熊伏の山頂を目指す。
冬木立の向こうに青空が広がる。氷点下の気温でも、山の空気はきりっと冷えて心地よい。南アルプスや深南部の山々の展望が開けてくる。
青崩の源頭部を巻きながら歩くと反射板が現れる。その脇には三角点が鎮座している。雪の散り敷く林床を急ぐと「青崩の頭」と書かれた凡庸なピークがあった。
ややあって前熊伏山(1610m)に到達。ここからいくつかのアップダウンをこなすと待望の熊伏山の山頂だ。
山頂での積雪は数㎝程度か。残念ながら樹木が育って大展望というわけではない。しかし、東面の切り拓きからは、はっきりと聖岳の大三角形が望める。そして、深南部の盟主たちが居並ぶ様子が手に取るように見える。
左から中ノ尾根山、黒沢山がすぐ目についた。右奥には不動岳、鎌崩の頭、丸盆岳と並び、さらに黒法師岳とバラ谷の頭が確認できる。その手前が奈良代山からシャウヅ山の稜線だ。飽きない風景に別れを告げて前熊伏山まで戻った。
本当はここで青崩峠に戻り返すつもりだった。その後、車で移動して所能から観音山にでも・・・という思惑もあった。ところが、前熊伏山の東稜線から観音山を見てしまうと、居ても立ってもいられなくなってきた。
計算外だが「このまま観音山まで縦走してしまおう」と言うよこしまな考えが頭に浮かぶ。手持ちの地図をにらむ。時間的な余裕はある。タイムリミットを決めて戻り返す腹づもりさえあれば大丈夫だと思った。ところが・・・
④<観音山へ>
「善は急げ!」とばかりに観音山を目指して縦走路に突入。最初から二山をつなぐ予定だったならば「塩の道園地」に自転車をデポすべきだった。観音山を起点としながら標高を上げて熊伏山を目指す方が美しいからだ。帰路はオール・ダウンヒルという特典つき。
ままよ、とばかりに先を急ぐ。凍結した足元にさえ気をつければ、下生えもない快走路。コンクリ製の境界杭や金属製の境界見出標が所々にあって気楽なもんだ。しかし、沢の源頭が入ってきて二重山稜っぽくなると、ルートに気を使う。
稜線の北側からは熊伏山や天龍村の平岡周辺を望むことができた。時折、熊ハギの跡があっておっかない。温度計を見ると-3℃だ。これでも少しづつ暖かくなってきた方だ。
⑤<小バチ>
快調に尾根歩きするうち、笹ヤブが出てくる。ヤブっぽいのは、ほんの一部区間だけだろう、と言う甘い読みもあった。だが、ますますヤブが濃くなってきた。これは計算外だなぁ。踏み分け道があって救われるが、ヤブを分けると雪が首筋に入ってきて、うひゃぁ!となる。
くっそ~(>_<) 楽観視してたバチが当たったようだ。踏跡を失っては探し当てる。これを繰り返して前進する。
⑥<中バチ>
そうこうするうち、尾根がやせてきた。岩も脆い。おまけに岩についた雪が凍結している。ここで落っこちるとストーンといくので、まったくもって油断ならない。あ~あ、バチが当たったのは日頃の悪行のせいなのか。
小さなキレット状に降りて登り返す。結構厳しい。全体的に崩落傾向にある尾根。片側あるいは両側がすぽんと切れ落ちる場面が連綿と続いてイヤになる。こりゃ、ミスが致命傷になりかねないや。
これでクリアかなって思うはなから、またまた両側すぱんと切れ落ちる。加えてボロボロのやせ尾根じゃん。地形図からはとても読み切れなかったわな。股間がもぞもぞしてきた。
たまらずロープを出す。まさかだよ、これは。このルート、元来ロープなんぞ車に置いてきてもよかったはず。それでも、敢えて標準装備として持ってて大正解。これも虫の知らせだったのか。こんな所でロープを出す羽目になろうとは。
そもそもザックにゃハーネスなんて入ってないんで、120cmのソーンスリングと安環付きのカラビナで簡易ハーネスをしつらえる。
⑦<大バチ>
岩壁を登るとまたまた愕然。どういうことだ。境界杭が鎮座しているくせに、設置後に崩落が進んだか、ボロボロのやせ尾根。あり得んよ。チビりそう。引き返すのも同様に危険水域。結構びびり入ってる私。
細った馬の背の先には怪しげな松の木がある。その先がすーっと切れ落ちている。松の木を揺すってみるが、不安な気持ちを写してか、どこかぐらぐらするような錯覚を覚える。もう一度冷静に松の木のすわりを確認してみる。「僕は君を信じてるからね」と、そっと囁いてから懸垂する。
何だかなぁ。ボロ岩が雪を被ってなかったらまだしも、こいつばかりはたまんない。心を落ち着かせてやせボロ尾根を渡る。
予習不足の自分を呪う気持ちよりも、お気楽に「禁断のエリア」に突っ込んだ私の馬鹿さ加減に呆れるわい。文字通り崖っぷち。
ここは北穂ゴジラの背でもないし、奥穂ジャンダルムの縦走路でもない。固い岩が約束されてるゲレンデならともかく、凍結もあって寿命が縮むよ(><)。ザックにアイゼンを突っ込んで来なかったが、たとえ持ってても、そんなの履いた日にゃ、ボロ岩を突き崩すだけだぜ。
それでも、どうにか難所をクリアして針葉樹の尾根を歩く。ぼんやり歩いて間違い尾根に迷い込みそうになったりもする。しっかりしろ、ふ~太郎!
⑧<観音山から梅島に下山>
観音山への通常の登路を合わせて歩くと忽然と現れたヘリポート。熊伏山が見える。宗教施設とされる研修棟の傍らに観音山の三角点が置かれている。
しばし息を整えてから山頂を辞して南下。1320mピークへ。ガイドブックにはないコースだが、ここから東尾根を下降する。目印のテープがあって間違えようがない。やせた箇所もあるが、順調に高度を下げると寂しげな伊豆・諏訪神社が眼下に見えてくる。
鳥居をくぐって道路に出ると、「送水管入口」の案内表示があった。西浦(にしうれ)地区と書いた案内看板がある。ここは梅島なのか。観音山への正規の登山口は翁川のさらに上流にある。
⑨<駐車地へ>
ここから駐車地までは相当な距離があるので、ヒッチハイクをたくらんでいた。ところが、一台も車が通らないのだ。いきなり非常事態宣言。
エンジン音が響いてきて期待していると、残念ながらやってきたのは対向する軽トラさんだ。お百姓仕事の帰りなのか、助手席には奥さんが座ってるし、荷台も一杯だ。そもそも、行き先が反対方向じゃどうにもならないなぁ。
やむなく池島まで、ぽくぽく歩く。ここから青崩峠への分岐道に入るが、遠い遠い。足神神社を経て歩くがいい加減バテそう。足神さまの御利益がありますように。
重いザックをよっぽどデポしようかと迷うが、結局担ぎ上げることにする。これもケチなプライドだ。
闇が降りてくる。辰之戸(たつんど)集落跡を過ぎる。塩の道園地までは4.8km、標高差453m戻り返すことになった。無計画のツケが回ったよなぁ(T_T)
闇に浮かぶ愛車を見つけた時の嬉しさよ。ザックを降ろして身軽になる。雪がぼんぼん降ってくるよ。ぎりぎりセーフだね(^_-)。
ふ~さん
【地 図】 http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html ... 3178564967
【同行者】 単独
【天 候】 晴れ~曇り~雪
【ルート】 塩の道園地P(7:33)~青崩峠(7:48)~前熊伏山(9:01)~熊伏山(9:18/37)~前熊伏山(9:49)~観音岳(13:48)~1320mP下降点(14:09)~梅島(15:29)~青崩峠分岐(16:05)~塩の道園地入口P(17:06)
①<はじめに>
秋葉街道は塩の道。海の幸・山の幸が人や馬の背によって運ばれたと聞く。峠に置かれた案内書きを読めば「戦国時代に武田信玄が南攻のためにこの峠を越えた」ともある。
また、近世には信仰の道。人々が信州、遠州、三河の神社・仏閣に詣でるために足繁く通った道らしい。
秋葉の道は明治期から戦前にかけては違う表情も見せる。遠州山間部の娘たちが信州の機屋に赴いたり、南信の娘が茶摘みのために峠を越えていったようだ。(※参考;南信州遠山郷HP¥遠山風土記¥青崩峠)
私の持っている道路地図(S文社の〇ップル)には、青崩峠で国道が寸断されている事実に触れて「あまりの崩落の激しさに日本のトンネル技術が敗退」とまで書いてある。
②<水窪へ>
自宅を2時に出発。水窪(みさくぼ)に5時頃。満天の星だ!気温-3℃。
青崩峠への登山口には5時半に到着した。
まわりは漆を塗りたくったような闇。明るくなるまでの1時間ほどは仮眠が出来そう。シュラフに潜り込んでぬくぬく気分でうつらうつら。
③<熊伏山へ>
信玄ゆかりの腰掛岩や茶屋の屋敷跡の解説を見ながら歩くと、兵越峠への道を右に分ける。青崩峠の道祖神に手を合わせて熊伏の山頂を目指す。
冬木立の向こうに青空が広がる。氷点下の気温でも、山の空気はきりっと冷えて心地よい。南アルプスや深南部の山々の展望が開けてくる。
青崩の源頭部を巻きながら歩くと反射板が現れる。その脇には三角点が鎮座している。雪の散り敷く林床を急ぐと「青崩の頭」と書かれた凡庸なピークがあった。
ややあって前熊伏山(1610m)に到達。ここからいくつかのアップダウンをこなすと待望の熊伏山の山頂だ。
山頂での積雪は数㎝程度か。残念ながら樹木が育って大展望というわけではない。しかし、東面の切り拓きからは、はっきりと聖岳の大三角形が望める。そして、深南部の盟主たちが居並ぶ様子が手に取るように見える。
左から中ノ尾根山、黒沢山がすぐ目についた。右奥には不動岳、鎌崩の頭、丸盆岳と並び、さらに黒法師岳とバラ谷の頭が確認できる。その手前が奈良代山からシャウヅ山の稜線だ。飽きない風景に別れを告げて前熊伏山まで戻った。
本当はここで青崩峠に戻り返すつもりだった。その後、車で移動して所能から観音山にでも・・・という思惑もあった。ところが、前熊伏山の東稜線から観音山を見てしまうと、居ても立ってもいられなくなってきた。
計算外だが「このまま観音山まで縦走してしまおう」と言うよこしまな考えが頭に浮かぶ。手持ちの地図をにらむ。時間的な余裕はある。タイムリミットを決めて戻り返す腹づもりさえあれば大丈夫だと思った。ところが・・・
④<観音山へ>
「善は急げ!」とばかりに観音山を目指して縦走路に突入。最初から二山をつなぐ予定だったならば「塩の道園地」に自転車をデポすべきだった。観音山を起点としながら標高を上げて熊伏山を目指す方が美しいからだ。帰路はオール・ダウンヒルという特典つき。
ままよ、とばかりに先を急ぐ。凍結した足元にさえ気をつければ、下生えもない快走路。コンクリ製の境界杭や金属製の境界見出標が所々にあって気楽なもんだ。しかし、沢の源頭が入ってきて二重山稜っぽくなると、ルートに気を使う。
稜線の北側からは熊伏山や天龍村の平岡周辺を望むことができた。時折、熊ハギの跡があっておっかない。温度計を見ると-3℃だ。これでも少しづつ暖かくなってきた方だ。
⑤<小バチ>
快調に尾根歩きするうち、笹ヤブが出てくる。ヤブっぽいのは、ほんの一部区間だけだろう、と言う甘い読みもあった。だが、ますますヤブが濃くなってきた。これは計算外だなぁ。踏み分け道があって救われるが、ヤブを分けると雪が首筋に入ってきて、うひゃぁ!となる。
くっそ~(>_<) 楽観視してたバチが当たったようだ。踏跡を失っては探し当てる。これを繰り返して前進する。
⑥<中バチ>
そうこうするうち、尾根がやせてきた。岩も脆い。おまけに岩についた雪が凍結している。ここで落っこちるとストーンといくので、まったくもって油断ならない。あ~あ、バチが当たったのは日頃の悪行のせいなのか。
小さなキレット状に降りて登り返す。結構厳しい。全体的に崩落傾向にある尾根。片側あるいは両側がすぽんと切れ落ちる場面が連綿と続いてイヤになる。こりゃ、ミスが致命傷になりかねないや。
これでクリアかなって思うはなから、またまた両側すぱんと切れ落ちる。加えてボロボロのやせ尾根じゃん。地形図からはとても読み切れなかったわな。股間がもぞもぞしてきた。
たまらずロープを出す。まさかだよ、これは。このルート、元来ロープなんぞ車に置いてきてもよかったはず。それでも、敢えて標準装備として持ってて大正解。これも虫の知らせだったのか。こんな所でロープを出す羽目になろうとは。
そもそもザックにゃハーネスなんて入ってないんで、120cmのソーンスリングと安環付きのカラビナで簡易ハーネスをしつらえる。
⑦<大バチ>
岩壁を登るとまたまた愕然。どういうことだ。境界杭が鎮座しているくせに、設置後に崩落が進んだか、ボロボロのやせ尾根。あり得んよ。チビりそう。引き返すのも同様に危険水域。結構びびり入ってる私。
細った馬の背の先には怪しげな松の木がある。その先がすーっと切れ落ちている。松の木を揺すってみるが、不安な気持ちを写してか、どこかぐらぐらするような錯覚を覚える。もう一度冷静に松の木のすわりを確認してみる。「僕は君を信じてるからね」と、そっと囁いてから懸垂する。
何だかなぁ。ボロ岩が雪を被ってなかったらまだしも、こいつばかりはたまんない。心を落ち着かせてやせボロ尾根を渡る。
予習不足の自分を呪う気持ちよりも、お気楽に「禁断のエリア」に突っ込んだ私の馬鹿さ加減に呆れるわい。文字通り崖っぷち。
ここは北穂ゴジラの背でもないし、奥穂ジャンダルムの縦走路でもない。固い岩が約束されてるゲレンデならともかく、凍結もあって寿命が縮むよ(><)。ザックにアイゼンを突っ込んで来なかったが、たとえ持ってても、そんなの履いた日にゃ、ボロ岩を突き崩すだけだぜ。
それでも、どうにか難所をクリアして針葉樹の尾根を歩く。ぼんやり歩いて間違い尾根に迷い込みそうになったりもする。しっかりしろ、ふ~太郎!
⑧<観音山から梅島に下山>
観音山への通常の登路を合わせて歩くと忽然と現れたヘリポート。熊伏山が見える。宗教施設とされる研修棟の傍らに観音山の三角点が置かれている。
しばし息を整えてから山頂を辞して南下。1320mピークへ。ガイドブックにはないコースだが、ここから東尾根を下降する。目印のテープがあって間違えようがない。やせた箇所もあるが、順調に高度を下げると寂しげな伊豆・諏訪神社が眼下に見えてくる。
鳥居をくぐって道路に出ると、「送水管入口」の案内表示があった。西浦(にしうれ)地区と書いた案内看板がある。ここは梅島なのか。観音山への正規の登山口は翁川のさらに上流にある。
⑨<駐車地へ>
ここから駐車地までは相当な距離があるので、ヒッチハイクをたくらんでいた。ところが、一台も車が通らないのだ。いきなり非常事態宣言。
エンジン音が響いてきて期待していると、残念ながらやってきたのは対向する軽トラさんだ。お百姓仕事の帰りなのか、助手席には奥さんが座ってるし、荷台も一杯だ。そもそも、行き先が反対方向じゃどうにもならないなぁ。
やむなく池島まで、ぽくぽく歩く。ここから青崩峠への分岐道に入るが、遠い遠い。足神神社を経て歩くがいい加減バテそう。足神さまの御利益がありますように。
重いザックをよっぽどデポしようかと迷うが、結局担ぎ上げることにする。これもケチなプライドだ。
闇が降りてくる。辰之戸(たつんど)集落跡を過ぎる。塩の道園地までは4.8km、標高差453m戻り返すことになった。無計画のツケが回ったよなぁ(T_T)
闇に浮かぶ愛車を見つけた時の嬉しさよ。ザックを降ろして身軽になる。雪がぼんぼん降ってくるよ。ぎりぎりセーフだね(^_-)。
ふ~さん
【ルート】 塩の道園地P(7:33)~青崩峠(7:48)~前熊伏山(9:01)~熊伏山(9:18/37)~前熊伏山(9:49)~観音岳(13:48)~1320mP下降点(14:09)~梅島(15:29)~青崩峠分岐(16:05)~塩の道園地入口P(17:06)