【鈴鹿】霧に烟る藤原岳
Posted: 2012年1月22日(日) 23:32
【日 付】2012年1月21日(土)
【山 域】鈴鹿北部 藤原岳周辺
【天 候】曇りのち雨
【コース】藤原簡易パーキング8:35---11:00白船峠分岐---11:56頭陀ヶ平---12:25ランチ場12:35 –13:47天狗岩
---14:13藤原山荘14:25---14:57六合目---15:55パーキング
無情の雨が車の屋根を叩いていた。天気予報を睨んで一番マシな選択をしたはずだったが、昨夜からの雨は小降り
ながらも止むことがない。
モチベーションメーターはEを指している。どこかへ転進しようかと各地の予報を見るも五十歩百歩である。
車の中でグズグズしながら様子を見る。本日2度目のお勤めをしようとトイレに向かうとマイクロバスが入って来た。
どこかの工事現場へ向かう途中かと個室に入ると、女子トイレから喧しい話し声が聞こえてくる。かしまし娘が4組ぐらい
いるようだ。工事現場の賄いのおばさんにしては人数が多過ぎる。
外へ出てみると老老男女とり雑ぜた20人以上のパーティーが登山準備をしているところだった。一瞬だじろいだが、彼等
が木和田尾を上がるとは思えないので心配は無用だ。それよりこんな日でも登る人がいるという事実に背中を押される。
うまい具合に雨も上がり、前泊したのがほとんど意味のない出発時間となった。
以前から不思議に思っていたが、この「藤原簡易パーキング」の「簡易」というのはどういう意味なのだろう。休憩所とト
イレのある立派な施設である。このレベルが簡易なら、4階建ての立体駐車場にお食事処やみやげもの屋が併設されて
いないと「普通」の駐車場として認定されないのではないだろうか。
わりばしレポを参考に、国道を歩いて100円自動販売機のところで左折する。道の脇には廃屋や、山口配水池の昔の
施設跡などがあり、中電の黄色い標識が入口を知らせてくれる。
正月からほとんど降っていないのか、雪はカケラもない。巡視路を辿って500mを越すまでまったくの無雪期状態が続く。
登山口の標高が100m台なのでやむを得ないところもあるが、先週のスノー衆のように車を降りてすぐにスノーシューを履
くというシチュエーションに慣れていると、何をしに来たのかという感じである。
尾根の形が現われるとようやく雪も姿を見せ始め、現役の山口配水池からの道を合わせると2人分の足跡が残っていた。
ここでスノースパイクを初めて試してみる。着けなくても歩きにくいというほどではないが、着けて歩いてみるとなかなか具
合がいい。アイゼンを着けるまでもないという場面では重宝しそうである。とにかく軽くて小さいのと、一瞬で着脱できると
いうメリットは大きい。
[attachment=3]P1040970_1_1.JPG[/attachment]
左手から銃声が轟いた。坂本谷の右岸尾根のあたりか。わりばしレポにもあったように、あの付近では盛んに猟が行わ
れているようだ。銃声はは何発も続く。こちらに飛んで来る心配はないものの、あまり気持ちのいいものではない。
徐々に積雪が増えてきた。今度はスノーシューである。足跡を辿れば必要ないが、背中に担いでいるよりはいいだろう。
新しい雪面を踏むと20センチぐらいの沈み込みだ。気温が高く、雨で表面がぼそぼそになった感じである。
Ca770mの鉄塔で展望が開けた。高曇りで遠くまで見通すことはできないものの、背後には多度や養老の山並み、北に
は烏帽子と三国を望むことができる。
P841m付近に広がる雪原と疎林は伸びやかで、鉄塔さえ見なければなかなかの雰囲気だ。やっと雪山らしくなってきた。
足跡は白船峠方面へ向かっており、ここから先はノートレースである。沈み込みも少し大きくなるが、ギィーッと音を立てて
ゆっくり沈むような雪質ではないのでさほど苦しくはない。
左手に大きい木が見えたので、斜面をトラバースして寄り道したが、近くで見るとそうでもなかった。
私のトレースを辿る人は、しばしば全然無関係な方向に進むことがあるので要注意である。
尾根の形が消えた広大な雪斜面を、ただひたすら高みを目指す。完全にガスの中に入ったようで、視程は100mもない
ぐらいだろうか。
不意に鉄塔が目の前に現われた。県境稜線、頭陀ヶ平だ。視界はさらに悪くなった。風の通り道なのか、三角点が頭を
出していた。当然の如く、稜線上にもトレースはない。
適当なところでメシにしよう。
[attachment=2]P1050012_1.JPG[/attachment]
これだけ何も見えなければどこで食べても似たようなもの。天狗岩の登りにかかる少し手前にランチ場を設営した。
今日は風がないのがありがたい。風さえなければランチ場選定の自由度は格段に上がるのだ。
いつも通りのアルミ鍋に、先週試してみてよかったしゃぶしゃぶ用の黒豚をプラス。野菜も追加すればなかなかの豪華版
である。気温も低くないので日差しがなくてもビールが美味いのだ。
食後のコーヒーを楽しんでいるとポツポツと降り始めた。雪山まで雨かよ。これを潮に撤収開始である。
雨はすぐに止んだ。寄る必要もない天狗岩にもきっちり挨拶して藤原山荘に向かう。だだっ広い雪原を歩いていると感覚が
おかしくなりそうだ。やがてガスの中から小屋の屋根がポッカリと現われた。
もう団体さんはとっくに下山したようで、小屋の中には空身で展望丘に向かったと思われる単独者の荷物が残されていた。
別に小屋で休まなければならないこともないのだが、何かひとつの儀式のような感じで小屋の中にザックを降ろした。
一服していると登山者が戻って来た。ガスの中で迷っていたらしい。
[attachment=1]P1050025_1.JPG[/attachment]
下りは団体のトレースを避けて、小屋の上から一直線にラインを引く。豪快に雪を蹴散らして下って行くと左の方から声
が聞こえた。件の団体さんのようだ。登山道と関係のないラインをわざわざ大回りして歩いている。その横を一気にぶち
抜いて前へ出る。
雪面になぜか季節外れの赤い紅葉の葉が散らばっていた。白と赤のコントラストが美しい。
[attachment=0]P1050038_1.JPG[/attachment]
そのまま委細構わず坂本谷の左俣源頭へ落ちて行くが、谷底は歩きにくそうだ。左岸を辿って詰まりかけたところで右
岸へ乗り換えるとちょうど聖宝寺登山道のトラロープがあった。
なんせ三重県側からの藤原岳は22年振りなので、正規のルートはさっぱりわからない。
まあ、歩ければ正規であろうがなかろうが関係ないのだが。
6合目の標識から登山道を離れて直進の尾根に乗る。雑木主体の可もなく不可もないと言った風情の尾根である。
少し掘り込まれたような道型も残っているようで、古くから使われている尾根なのだろう。
わりばしレポにもあった尾根末端の下りがポイントだ。再び雨が降り出した。熱くほてった体にアウターを羽織る気もし
ない。
植林帯の下りはズルズルのどうしようもない下りだった。かすかに残る杣道を辿っても道以外と大差はなく、リズミカルな
歩きはとてもできない。これなら聖宝寺道を下りる方が楽で早いかもしれない。
ピンポイントで林道終点に出たが、そのまま下に向かって下降を続けた。大規模な工事が行われているようで、重機の
音が次第に大きくなってきた。
車道へ下り立ってひと息入れていると、目の前で重機を操作していた運転手がびっくりしたような顔でこちらを見ていた。
靴もスパッツも泥だらけである。側溝の流れで泥を洗い落して駐車場への道を歩く。
雨が少し強くなったのでアウターを着てフードを被った。
最後の最後でとうとう降られてしまったが、案外いい山登りができたのかもしれない。
いつもは下山する頃には乾いているインナーも今日はずぶ濡れのままだ。早く温泉で冷えた体を温めよう。
山日和
【山 域】鈴鹿北部 藤原岳周辺
【天 候】曇りのち雨
【コース】藤原簡易パーキング8:35---11:00白船峠分岐---11:56頭陀ヶ平---12:25ランチ場12:35 –13:47天狗岩
---14:13藤原山荘14:25---14:57六合目---15:55パーキング
無情の雨が車の屋根を叩いていた。天気予報を睨んで一番マシな選択をしたはずだったが、昨夜からの雨は小降り
ながらも止むことがない。
モチベーションメーターはEを指している。どこかへ転進しようかと各地の予報を見るも五十歩百歩である。
車の中でグズグズしながら様子を見る。本日2度目のお勤めをしようとトイレに向かうとマイクロバスが入って来た。
どこかの工事現場へ向かう途中かと個室に入ると、女子トイレから喧しい話し声が聞こえてくる。かしまし娘が4組ぐらい
いるようだ。工事現場の賄いのおばさんにしては人数が多過ぎる。
外へ出てみると老老男女とり雑ぜた20人以上のパーティーが登山準備をしているところだった。一瞬だじろいだが、彼等
が木和田尾を上がるとは思えないので心配は無用だ。それよりこんな日でも登る人がいるという事実に背中を押される。
うまい具合に雨も上がり、前泊したのがほとんど意味のない出発時間となった。
以前から不思議に思っていたが、この「藤原簡易パーキング」の「簡易」というのはどういう意味なのだろう。休憩所とト
イレのある立派な施設である。このレベルが簡易なら、4階建ての立体駐車場にお食事処やみやげもの屋が併設されて
いないと「普通」の駐車場として認定されないのではないだろうか。
わりばしレポを参考に、国道を歩いて100円自動販売機のところで左折する。道の脇には廃屋や、山口配水池の昔の
施設跡などがあり、中電の黄色い標識が入口を知らせてくれる。
正月からほとんど降っていないのか、雪はカケラもない。巡視路を辿って500mを越すまでまったくの無雪期状態が続く。
登山口の標高が100m台なのでやむを得ないところもあるが、先週のスノー衆のように車を降りてすぐにスノーシューを履
くというシチュエーションに慣れていると、何をしに来たのかという感じである。
尾根の形が現われるとようやく雪も姿を見せ始め、現役の山口配水池からの道を合わせると2人分の足跡が残っていた。
ここでスノースパイクを初めて試してみる。着けなくても歩きにくいというほどではないが、着けて歩いてみるとなかなか具
合がいい。アイゼンを着けるまでもないという場面では重宝しそうである。とにかく軽くて小さいのと、一瞬で着脱できると
いうメリットは大きい。
[attachment=3]P1040970_1_1.JPG[/attachment]
左手から銃声が轟いた。坂本谷の右岸尾根のあたりか。わりばしレポにもあったように、あの付近では盛んに猟が行わ
れているようだ。銃声はは何発も続く。こちらに飛んで来る心配はないものの、あまり気持ちのいいものではない。
徐々に積雪が増えてきた。今度はスノーシューである。足跡を辿れば必要ないが、背中に担いでいるよりはいいだろう。
新しい雪面を踏むと20センチぐらいの沈み込みだ。気温が高く、雨で表面がぼそぼそになった感じである。
Ca770mの鉄塔で展望が開けた。高曇りで遠くまで見通すことはできないものの、背後には多度や養老の山並み、北に
は烏帽子と三国を望むことができる。
P841m付近に広がる雪原と疎林は伸びやかで、鉄塔さえ見なければなかなかの雰囲気だ。やっと雪山らしくなってきた。
足跡は白船峠方面へ向かっており、ここから先はノートレースである。沈み込みも少し大きくなるが、ギィーッと音を立てて
ゆっくり沈むような雪質ではないのでさほど苦しくはない。
左手に大きい木が見えたので、斜面をトラバースして寄り道したが、近くで見るとそうでもなかった。
私のトレースを辿る人は、しばしば全然無関係な方向に進むことがあるので要注意である。
尾根の形が消えた広大な雪斜面を、ただひたすら高みを目指す。完全にガスの中に入ったようで、視程は100mもない
ぐらいだろうか。
不意に鉄塔が目の前に現われた。県境稜線、頭陀ヶ平だ。視界はさらに悪くなった。風の通り道なのか、三角点が頭を
出していた。当然の如く、稜線上にもトレースはない。
適当なところでメシにしよう。
[attachment=2]P1050012_1.JPG[/attachment]
これだけ何も見えなければどこで食べても似たようなもの。天狗岩の登りにかかる少し手前にランチ場を設営した。
今日は風がないのがありがたい。風さえなければランチ場選定の自由度は格段に上がるのだ。
いつも通りのアルミ鍋に、先週試してみてよかったしゃぶしゃぶ用の黒豚をプラス。野菜も追加すればなかなかの豪華版
である。気温も低くないので日差しがなくてもビールが美味いのだ。
食後のコーヒーを楽しんでいるとポツポツと降り始めた。雪山まで雨かよ。これを潮に撤収開始である。
雨はすぐに止んだ。寄る必要もない天狗岩にもきっちり挨拶して藤原山荘に向かう。だだっ広い雪原を歩いていると感覚が
おかしくなりそうだ。やがてガスの中から小屋の屋根がポッカリと現われた。
もう団体さんはとっくに下山したようで、小屋の中には空身で展望丘に向かったと思われる単独者の荷物が残されていた。
別に小屋で休まなければならないこともないのだが、何かひとつの儀式のような感じで小屋の中にザックを降ろした。
一服していると登山者が戻って来た。ガスの中で迷っていたらしい。
[attachment=1]P1050025_1.JPG[/attachment]
下りは団体のトレースを避けて、小屋の上から一直線にラインを引く。豪快に雪を蹴散らして下って行くと左の方から声
が聞こえた。件の団体さんのようだ。登山道と関係のないラインをわざわざ大回りして歩いている。その横を一気にぶち
抜いて前へ出る。
雪面になぜか季節外れの赤い紅葉の葉が散らばっていた。白と赤のコントラストが美しい。
[attachment=0]P1050038_1.JPG[/attachment]
そのまま委細構わず坂本谷の左俣源頭へ落ちて行くが、谷底は歩きにくそうだ。左岸を辿って詰まりかけたところで右
岸へ乗り換えるとちょうど聖宝寺登山道のトラロープがあった。
なんせ三重県側からの藤原岳は22年振りなので、正規のルートはさっぱりわからない。
まあ、歩ければ正規であろうがなかろうが関係ないのだが。
6合目の標識から登山道を離れて直進の尾根に乗る。雑木主体の可もなく不可もないと言った風情の尾根である。
少し掘り込まれたような道型も残っているようで、古くから使われている尾根なのだろう。
わりばしレポにもあった尾根末端の下りがポイントだ。再び雨が降り出した。熱くほてった体にアウターを羽織る気もし
ない。
植林帯の下りはズルズルのどうしようもない下りだった。かすかに残る杣道を辿っても道以外と大差はなく、リズミカルな
歩きはとてもできない。これなら聖宝寺道を下りる方が楽で早いかもしれない。
ピンポイントで林道終点に出たが、そのまま下に向かって下降を続けた。大規模な工事が行われているようで、重機の
音が次第に大きくなってきた。
車道へ下り立ってひと息入れていると、目の前で重機を操作していた運転手がびっくりしたような顔でこちらを見ていた。
靴もスパッツも泥だらけである。側溝の流れで泥を洗い落して駐車場への道を歩く。
雨が少し強くなったのでアウターを着てフードを被った。
最後の最後でとうとう降られてしまったが、案外いい山登りができたのかもしれない。
いつもは下山する頃には乾いているインナーも今日はずぶ濡れのままだ。早く温泉で冷えた体を温めよう。
山日和
【コース】藤原簡易パーキング8:35---11:00白船峠分岐---11:56頭陀ヶ平---12:25ランチ場12:35 –13:47天狗岩