【奥美濃】 イチン谷左俣~千回沢山(1246m)~イチン谷右俣

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ふ~さん
記事: 526
登録日時: 2011年2月20日(日) 19:58

【奥美濃】 イチン谷左俣~千回沢山(1246m)~イチン谷右俣

投稿記事 by ふ~さん »

【日 時】  10月9日(日)~10(月)
【地 図】  http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html ... 5.72362778
【同行者】  博士
【天 候】  晴れ
【ルート】  ①才ノ谷出合(8:40)~イチン谷出合(9:05)~684m二俣(11:55/12:16)~850m分岐(14:15)~1050m幕営地(15:18)
        ②幕営地(7:19)~山頂(9:11/45)~684m二俣(15:33)~イチン谷出合(19:00)~才ノ谷出合(19:59)


余裕のない出張はたまらん(-_-#)。広島・山口を鬼の形相で駆け抜けた三日間。さすがに同行した山好きな同僚も、週末は家で大人しくしているという。

駅弁買って新山口駅でのぞみに乗車。車中、週末をどうしようか迷う私に、同僚がきっぱり予言した。「あんたは明日の今頃は絶対山に登ってるはず」・・・何言ってんだ、こんなに疲れてんのに。明日は絶対ゆっくりしてやる!

夜遅くの帰還。言葉と裏腹にそそくさ山の準備をしている私。速攻で飯・フロ・寝るの三拍子。睡眠時間2時間半。しかし、結構集中して寝たぞ。エンジンスタート・・・いざ出発!
左俣の連瀑
左俣の連瀑

<第一日目>

あかん谷の平流をちゃぽちゃぽ歩く。イチン谷の出合を目指そう。この珍妙なる谷名は一ノ谷が転じたものだろうか。

サワグルミの大木を仰いで歩くと両岸が立ってくる。いささかゴルジュっぽくなった。さらに歩くと、ヤマボウシの赤い実が澄んだ流れにさらさら洗われている。

やがて魚止の滝。右岸の切り立った岩場を見ると、滝脇左側のスラブに古ぼけた固定ロープ。だましだまし掴んで登る。

至る所に廃棄されたワイヤが置き去りだ。さび付いて穴の開いたドラム缶まで転がっている。その先、緑のシャワーに包まれ、しばし平流に癒される。

2mほどの二条の滝。左岸を小さく巻く。溯行を続けると、行く手に倒木が詰まっている。これをジャングルジムしてみるが、ゴルジュの奥には深い釜を伴った滝が収まっていて通行不能。

左岸から慎重に巻いて沢筋に復帰。620m付近の支流が流れ込むポイントも意外に難関。水も冷たそうなので最終的には右岸の巻き。

陽光が射すと、谷の陰影が強調されて、匂い立つような美しさ。とうとうと流れ来る水流が、目に耳に優しい。
森に包まれる
森に包まれる
さて、684分岐だ。右俣には倒木が詰まっている。ここから左俣に踏み込む。

連瀑帯が始まった!トレンチの中の爆流、末広がり二段の美しい斜瀑4m。くらげ状の滝。透明度の高い釜奥のトユ状3m斜瀑。続いて2段5m。「そうめん流しの刑」に問われないよう気を使いながら、快適に登り詰める。

4m滝に詰まる。右辺でがっぷり勝負すべきだったが、寒いシャワーを避けて右岸の巻きを選んだのがとんだ粗相。思いの他厳しい。岩角にテープを掛け、ハンマー投げで抜け切る。

まだまだ続く。5mの黒い滝。先ほどの失敗もあるので、右辺をシャワーで直登。おー寒っ!まだまだ先は長い。

850m分岐で1155独標を狙って左俣する。途端に、何じゃこりゃの大滝2段20m。美しいねじれ滝だ。右から巻こう。ここは無難に巻き終えて河床に戻る。

これでもかの連瀑帯。先を急ごう。時間と勝負しながら、ようやく幕営地を選ぶ。

焚き火は成功するかな。燃えろよ、燃えろ。一旦ぶすぶすとくすぶって息絶え絶えだったが、不死鳥のように灰から甦った。煙が目にしみるぜ♪
焚き火の夜
焚き火の夜

<第二日目>

なななんと。台湾ラーメンの朝食で始まった朝。うひゃ、スープが煉瓦色だ。

ぽかぽか身体の芯から温まって、いざ出発。小振りになった滝場を粛々と登り詰める。それでも、先が見えた安心感から、心に余裕も生まれる。ダイモンジソウの清楚さに見とれたり、森の恵み(内緒♪)を頂いたりするゆとりも楽しむ。

いよいよ源流帯に踏み込む。心は軽やかだ。だが、やがて水が切れて水路跡を歩くようになると、どのタイミングで稜線に上がり込むかの戦略に心中忙しい。

タイミングを見計らってヤブに突っ込む。つらいヤブコギと枝渡りのアクロバティックな空中戦。身体のしなやかさが足りんなぁ、わし。

サルナシの甘さに癒される。これが泣けるくらいうまい。そしてようやく三角点に抜ける。博士とがっちり握手。

そういや、前回、千回沢山に登ったのは、徳山村がダム湖に沈みゆく前夜だった。門入から千回沢に入渓して山頂を攻略した後、不動谷右俣に降りたのだが、あれは帰路が大変だったなぁ。

下降はイチン谷右俣だ。すとーんと切れ落ちるような岩壁のルンゼは気を使う。そうこうするうち、博士が上から落ちてきた!ここは大根おろしのおろし金の上を滑ってくるようなもの。幸運にも私の目の前で止まってくれたから安堵する。

侮らず、こまめにロープを出そうということになる。後で聞けば、博士のお尻の青あざはそれはそれは見事なものだったらしい。時間の経過と共に色が微妙に変化し、赤紫と青と黒のグラデーションは神業的だったらしい。

思わず、人に見せたい気持ちになったようだ。彼は何と職場で後輩(ただし同性)に見せようとしたが、固く断られて落胆したらしい。

水流がちょろちょろする頃に大きな滝場が現れ、やにわに緊張感が漂う。とにかく、先ほどの教訓もあるので、時間はかかるが、丁寧にロープを出そうということに。
懸垂①
懸垂①
10m滝の懸垂。2本目は二段8mの懸垂。3本目は流木に支点を取って懸垂。これは8m幅広直瀑だ。4本目は流木が2本突き刺さった7m滝。5本目は流木が1本突っ立った細身の7m滝。6本目はルンゼを一気呵成に流下する荒くれ者の8m。7本目は両岸が苔むした8m滝。

何と何と、滝下で目撃したのが、兎夢さんの残置ロープの残骸だ。何とまぁ痛ましい姿だろう。中味の繊維がでろんと飛び出している。大岩に押しつぶされ、水流に洗われて悲惨な姿。

3mチョックストーンの滝。私はフリーで。博士は「なますを吹く」状態だったので小さく懸垂。8本目は流木が滝頭に詰まった5m滝。いずれの滝も懸垂支点に気を使ったが、9本目5mは落口付近にハーケン1。これにもう一本打ち重ねて、その二本にスリングを通して支点にした。下降してみると、岩の下が洞になっているのが見える。

ようやく684m分岐だ。懸垂に時間がかかり、時間的にはぎりぎりじゃん!しかし、日没までに「魚止の滝」を下れば、後は難所はないことがわかっている。時間読みしながら性急に下る。登りで苦労した所や巻きで苦労した箇所を一つ一つ後追いしながら・・・

魚止めの滝5時半。まだまだ薄暮。慎重に見極めながら固定ロープで下る。ここまで来れば先が読めるぞ。

イチン谷出合からは、あかん谷の悠長な流れを往くのだが、こう暗いとコース読みに気を使う。だが、悲壮感はない。安堵感と充実感半ばというところ。
懸垂②
懸垂②
満月が水先案内人を務めてくれる。ヘッデンの明かりを消して満月を楽しむ余裕さえ出てくる。

昨夜の、葉漏れの月に酔いしれた焚き火の夜が甦る。思わず笑みがこぼれる。

 ふ~さん
兔夢
記事: 624
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

Re: 【奥美濃】 イチン谷左俣~千回沢山(1246m)~イチン谷右俣

投稿記事 by 兔夢 »

ふうさん、こんばんは。ご無沙汰してます。
メールをいただいて何かなあと思ったらこういう事だったんですね。
イチン谷〜千回沢というとスタート前の土砂降りの雨を思い出します。

2mほどの二条の滝。左岸を小さく巻く。溯行を続けると、行く手に倒木が詰まっている。これをジャングルジムしてみるが、ゴルジュの奥には深い釜を伴った滝が収まっていて通行不能。

左岸から慎重に巻いて沢筋に復帰。620m付近の支流が流れ込むポイントも意外に難関。水も冷たそうなので最終的には右岸の巻き。


こんな困難そうなところあったのかなあ。何となく過ぎていったような…

さて、684分岐だ。右俣には倒木が詰まっている。ここから左俣に踏み込む。

なるほど左俣へ進んだんですね。僕らは‘直登命’みたいな感じだったので素直に右俣に進みました。

連瀑帯が始まった!トレンチの中の爆流、末広がり二段の美しい斜瀑4m。くらげ状の滝。透明度の高い釜奥のトユ状3m斜瀑。続いて2段5m。「そうめん流しの刑」に問われないよう気を使いながら、快適に登り詰める。

4m滝に詰まる。右辺でがっぷり勝負すべきだったが、寒いシャワーを避けて右岸の巻きを選んだのがとんだ粗相。思いの他厳しい。岩角にテープを掛け、ハンマー投げで抜け切る。

まだまだ続く。5mの黒い滝。先ほどの失敗もあるので、右辺をシャワーで直登。おー寒っ!まだまだ先は長い。


左俣はかなり面白そうですね。いつか行ってみたいです。

50m分岐で1155独標を狙って左俣する。

これがよく分からないです。左俣に行ったら千回沢山から離れていきますよねえ。離れたところに登った後稜線の薮を千回沢山まで漕いでいったと言う事?そうだったらとても真似できない。

下降はイチン谷右俣だ。すとーんと切れ落ちるような岩壁のルンゼは気を使う。そうこうするうち、博士が上から落ちてきた!ここは大根おろしのおろし金の上を滑ってくるようなもの。幸運にも私の目の前で止まってくれたから安堵する。

崖のような沢筋ですよねえ。そこを関ヶ原Nさんは登ったところは降りられると言ってどんどん下りていったので付いていくのが大変でした。落ちる事はなかったけど。

10m滝の懸垂。2本目は二段8mの懸垂。3本目は流木に支点を取って懸垂。これは8m幅広直瀑だ。4本目は流木が2本突き刺さった7m滝。5本目は流木が1本突っ立った細身の7m滝。6本目はルンゼを一気呵成に流下する荒くれ者の8m。7本目は両岸が苔むした8m滝。

この辺り、全部8m位の滝って書いたら山日和さんに突っ込まれちゃいました。流石、ふうさんは表記が細かい。

何と何と、滝下で目撃したのが、兎夢さんの残置ロープの残骸だ。何とまぁ痛ましい姿だろう。中味の繊維がでろんと飛び出している。大岩に押しつぶされ、水流に洗われて悲惨な姿。

長年連れ添ったロープがそんな姿になっていましたか…可哀想な事をしました。でも20mとなった方はちゃんとその後も活躍しています。合掌…

3mチョックストーンの滝。私はフリーで。博士は「なますを吹く」状態だったので小さく懸垂。8本目は流木が滝頭に詰まった5m滝。いずれの滝も懸垂支点に気を使ったが、9本目5mは落口付近にハーケン1。これにもう一本打ち重ねて、その二本にスリングを通して支点にした。下降してみると、岩の下が洞になっているのが見える。

下りはそんなに苦労した憶えがないなあ。ロープは2回くらい出した憶えはあるけど。多分一度登ったところだから降りるときはさほど難しく思わなかったんだろうな。

日没までに「魚止の滝」を下れば、後は難所はないことがわかっている。

この気持ちすごく分かりますね。僕らも日没までにはあそこまで行こうと思ってました。

楽しい記録をありがとうございます。またこちら方面へ行きたくなってきました。来シーズン以降のお楽しみ。

            兔夢
たんぽぽ
記事: 709
登録日時: 2011年2月20日(日) 11:54

Re: 【奥美濃】 イチン谷左俣~千回沢山(1246m)~イチン谷右俣

投稿記事 by たんぽぽ »

ふ~さん、こんばんは。

駅弁買って新山口駅でのぞみに乗車。車中、週末をどうしようか迷う私に、同僚がきっぱり予言した。「あんたは明日の今頃は絶対山に登ってるはず」・・・何言ってんだ、こんなに疲れてんのに。明日は絶対ゆっくりしてやる!
ハカセと約束してるのに寝とってはあかんでしょう。

夜遅くの帰還。言葉と裏腹にそそくさ山の準備をしている私。速攻で飯・フロ・寝るの三拍子。睡眠時間2時間半。しかし、結構集中して寝たぞ。エンジンスタート・・・いざ出発!
2.5時間の睡眠とは中途半端やね。
やっぱ睡眠時間ゼロじゃないと本調子出ないでしょ。

あかん谷の平流をちゃぽちゃぽ歩く。イチン谷の出合を目指そう。この珍妙なる谷名は一ノ谷が転じたものだろうか。
イチン、ニチン、サンチン・・・やっぱチンはひとつで十分や。 (意味不明)

連瀑帯が始まった!トレンチの中の爆流、末広がり二段の美しい斜瀑4m。くらげ状の滝。透明度の高い釜奥のトユ状3m斜瀑。続いて2段5m。「そうめん流しの刑」に問われないよう気を使いながら、快適に登り詰める。
そうめん流しの刑にしてもらえば気持ちえかったのに・・・チンを毛がしないでね。(また意味不明」)

4m滝に詰まる。右辺でがっぷり勝負すべきだったが、寒いシャワーを避けて右岸の巻きを選んだのがとんだ粗相。思いの他厳しい。岩角にテープを掛け、ハンマー投げで抜け切る。
霜月にドボンし身震いして悦び給ふ風山入道殿、何故10月にシャワーを避けまんねん?

焚き火は成功するかな。燃えろよ、燃えろ。一旦ぶすぶすとくすぶって息絶え絶えだったが、不死鳥のように灰から甦った。煙が目にしみるぜ♪
灰からよみがえるなんてまるで不死身のふ~さんみたいやね、キム・ジョンイル同志ですら蘇らんで。

なななんと。台湾ラーメンの朝食で始まった朝。うひゃ、スープが煉瓦色だ。
・・・で、朝の勤行も煉瓦色だったって?

ぽかぽか身体の芯から温まって、いざ出発。小振りになった滝場を粛々と登り詰める。それでも、先が見えた安心感から、心に余裕も生まれる。ダイモンジソウの清楚さに見とれたり、森の恵み(内緒♪)を頂いたりするゆとりも楽しむ。
ほんなナイショにせんだって、この時期の谷といえば和製キウィしかないでしょに。
ナイショはおなごはんだけでエエよ。

サルナシの甘さに癒される。これが泣けるくらいうまい。
あらら、もう解答ですか。
和製キウィって言うくらいだからウマイけど、猿無しというくらいで猿にとられて無しになっちゃう前に採るのが難しいんだよね。

侮らず、こまめにロープを出そうということになる。後で聞けば、博士のお尻の青あざはそれはそれは見事なものだったらしい。時間の経過と共に色が微妙に変化し、赤紫と青と黒のグラデーションは神業的だったらしい。
ハカセからお話を伺うだけとはもったいない。
ぜひ実況見分させてもらうべきでしたね!

何と何と、滝下で目撃したのが、兎夢さんの残置ロープの残骸だ。何とまぁ痛ましい姿だろう。中味の繊維がでろんと飛び出している。大岩に押しつぶされ、水流に洗われて悲惨な姿。
兎夢ちゃんが涙、涙でロープをチョッキンしたのはこの谷でしたっけ。

3mチョックストーンの滝。私はフリーで。博士は「なますを吹く」状態だったので小さく懸垂。
きっとハカセのお尻はまだチンチンだったのでしょうね。

満月が水先案内人を務めてくれる。ヘッデンの明かりを消して満月を楽しむ余裕さえ出てくる。
フクロウさんみたいに目がよくなったんやね。
月明かりの下で乙女を喰わんように。

昨夜の、葉漏れの月に酔いしれた焚き火の夜が甦る。思わず笑みがこぼれる。
灰の中から蘇る不死身のふ~さんが笑みをこぼす・・・
不気味やわ~
ふ~さん
記事: 526
登録日時: 2011年2月20日(日) 19:58

Re: 【奥美濃】 イチン谷左俣~千回沢山(1246m)~イチン谷右俣

投稿記事 by ふ~さん »

ふうさん、こんばんは。ご無沙汰してます。
メールをいただいて何かなあと思ったらこういう事だったんですね。
イチン谷〜千回沢というとスタート前の土砂降りの雨を思い出します。
兎夢さん、こんばんは。あの兎夢さんのレポートは印象的でしたね。あのルートを日帰りでいともたやすく往復してしまうなんて!
2mほどの二条の滝。左岸を小さく巻く。溯行を続けると、行く手に倒木が詰まっている。これをジャングルジムしてみるが、ゴルジュの奥には深い釜を伴った滝が収まっていて通行不能。

左岸から慎重に巻いて沢筋に復帰。620m付近の支流が流れ込むポイントも意外に難関。水も冷たそうなので最終的には右岸の巻き。

こんな困難そうなところあったのかなあ。何となく過ぎていったような…
なんとなく過ぎていくところが兎夢さんらしいですね。私の場合は、本人はギャグのつもりじゃないのにお笑いになったりする。だから兎夢さんが普通に通り過ぎる所でも、わけもなく核心部になってしまうのかも。
兎夢さんのロープ①
兎夢さんのロープ①
さて、684分岐だ。右俣には倒木が詰まっている。ここから左俣に踏み込む。

なるほど左俣へ進んだんですね。僕らは‘直登命’みたいな感じだったので素直に右俣に進みました。
普通の感覚ならそうなんでしょうね。(^_^;) まぁ、私の場合、今回は沢泊だし、ゆったり周遊という目論見でしたから、こうなりました。
連瀑帯が始まった!トレンチの中の爆流、末広がり二段の美しい斜瀑4m。くらげ状の滝。透明度の高い釜奥のトユ状3m斜瀑。続いて2段5m。「そうめん流しの刑」に問われないよう気を使いながら、快適に登り詰める。

4m滝に詰まる。右辺でがっぷり勝負すべきだったが、寒いシャワーを避けて右岸の巻きを選んだのがとんだ粗相。思いの他厳しい。岩角にテープを掛け、ハンマー投げで抜け切る。

まだまだ続く。5mの黒い滝。先ほどの失敗もあるので、右辺をシャワーで直登。おー寒っ!まだまだ先は長い。

左俣はかなり面白そうですね。いつか行ってみたいです。
右俣が面白いのと同様に左俣も捨てがたいですよ。ただ、20m滝を除けば滝は小振りです。もっともその分、連瀑帯のオンパレードなので楽しかったですよ。
兎夢さんのロープ②
兎夢さんのロープ②
50m分岐で1155独標を狙って左俣する。

これがよく分からないです。左俣に行ったら千回沢山から離れていきますよねえ。離れたところに登った後稜線の薮を千回沢山まで漕いでいったと言う事?そうだったらとても真似できない。
左俣からは地形図で三俣状になった分岐で右を選びました。そうすると、1155独標付近が狙えます。確かにヤブコギが大変。でも、ヤブコギがないと耐えられない身体になってしまったのか(-_-;)

まあ、沢泊溯行だからオプションでやぶこぎのおまけがついてもいいかなって(^^;)
下降はイチン谷右俣だ。すとーんと切れ落ちるような岩壁のルンゼは気を使う。そうこうするうち、博士が上から落ちてきた!ここは大根おろしのおろし金の上を滑ってくるようなもの。幸運にも私の目の前で止まってくれたから安堵する。

崖のような沢筋ですよねえ。そこを関ヶ原Nさんは登ったところは降りられると言ってどんどん下りていったので付いていくのが大変でした。落ちる事はなかったけど。
確かに、登ったところは降りられる・・・落石に気を使いながら慎重に降りましたが、何故か博士は落ちてきました(^_^;)
10m滝の懸垂。2本目は二段8mの懸垂。3本目は流木に支点を取って懸垂。これは8m幅広直瀑だ。4本目は流木が2本突き刺さった7m滝。5本目は流木が1本突っ立った細身の7m滝。6本目はルンゼを一気呵成に流下する荒くれ者の8m。7本目は両岸が苔むした8m滝。

この辺り、全部8m位の滝って書いたら山日和さんに突っ込まれちゃいました。流石、ふうさんは表記が細かい。
ははは。全部8mでも問題ないですよ。私も測量してるわけじゃないしね~。写真の中の滝と人物の写り具合で勝手な推測してるだけですよ(^_-)。ちょっと詳しく書いた理由は、単純に溯行者のための参考になるようにと意識しただけです。
何と何と、滝下で目撃したのが、兎夢さんの残置ロープの残骸だ。何とまぁ痛ましい姿だろう。中味の繊維がでろんと飛び出している。大岩に押しつぶされ、水流に洗われて悲惨な姿。

長年連れ添ったロープがそんな姿になっていましたか…可哀想な事をしました。でも20mとなった方はちゃんとその後も活躍しています。合掌…
溯行している時には、兎夢さんのロープのことは忘れてました。でも、あのロープの残骸を見た瞬間にあのレポが甦ってきたんです。それも、落石やら流水に虐められて、すり切れすり減り、それは痛ましかったんですよ。

まぁ、それでも兎夢さんの安全山行を支えてくれたロープですからね、兎夢さんに代わって、しっかりお弔いの合掌で別れを告げてきました。
兎夢さんのロープ③
兎夢さんのロープ③
3mチョックストーンの滝。私はフリーで。博士は「なますを吹く」状態だったので小さく懸垂。8本目は流木が滝頭に詰まった5m滝。いずれの滝も懸垂支点に気を使ったが、9本目5mは落口付近にハーケン1。これにもう一本打ち重ねて、その二本にスリングを通して支点にした。下降してみると、岩の下が洞になっているのが見える。

下りはそんなに苦労した憶えがないなあ。ロープは2回くらい出した憶えはあるけど。多分一度登ったところだから降りるときはさほど難しく思わなかったんだろうな。
滝脇を慎重に下れば、ここまでロープを出さずとも下降できたはずですよ。ただ、博士は「おろし金の刑」にあってたから、とにかくロープを出そうって。逆に、ロープを出すのが一つのゲームみたいな感覚になって面白いほど。でもね、さすがに、こんなことしてたら、時間ギレやむなしですよねぇ。やれやれ。
日没までに「魚止の滝」を下れば、後は難所はないことがわかっている。

この気持ちすごく分かりますね。僕らも日没までにはあそこまで行こうと思ってました。
ホントそうですね。兎夢さんはとにかく日帰り日程で駆け抜ける猛者ぶりでしたから、明るいうちに魚止めの滝までは確実に下っておかないといけないですしねぇ。
楽しい記録をありがとうございます。またこちら方面へ行きたくなってきました。来シーズン以降のお楽しみ。

            兔夢
今から来年の沢シーズンを心待ちですか。その前にしばし、パウダーをお楽しみくださいね!

 ふ~さん
ふ~さん
記事: 526
登録日時: 2011年2月20日(日) 19:58

Re: 【奥美濃】 イチン谷左俣~千回沢山(1246m)~イチン谷右俣

投稿記事 by ふ~さん »

ふ~さん、こんばんは。
たんぽぽさん、おはようさんです。窓から外を見ると、藤原岳から仙ヶ岳まで真っ白々です。鈴鹿の銀嶺が朝日に輝いています。
駅弁買って新山口駅でのぞみに乗車。車中、週末をどうしようか迷う私に、同僚がきっぱり予言した。「あんたは明日の今頃は絶対山に登ってるはず」・・・何言ってんだ、こんなに疲れてんのに。明日は絶対ゆっくりしてやる!
ハカセと約束してるのに寝とってはあかんでしょう。
今回は最後の最後まで、「ドタキャンの失礼がありそうなんで許しあれ」・・・ってひたすら頭下げてましたがな。
サワグルミの大木
サワグルミの大木
夜遅くの帰還。言葉と裏腹にそそくさ山の準備をしている私。速攻で飯・フロ・寝るの三拍子。睡眠時間2時間半。しかし、結構集中して寝たぞ。エンジンスタート・・・いざ出発!
2.5時間の睡眠とは中途半端やね。
やっぱ睡眠時間ゼロじゃないと本調子出ないでしょ。
睡眠時間ゼロだとアドレナリンが異常に分泌されるから相当に後遺症が残るんですよ。
あかん谷の平流をちゃぽちゃぽ歩く。イチン谷の出合を目指そう。この珍妙なる谷名は一ノ谷が転じたものだろうか。
イチン、ニチン、サンチン・・・やっぱチンはひとつで十分や。 (意味不明)
あんたはホンマわからんチンですね。相手を攻略するに武器は多い方がいいんじゃ。新撰組さんみたいに実力あらばこその真剣勝負。しかし、わしは各種武器を用意しないとね~。鉄砲は足軽の技にあらずじゃ。
連瀑帯が始まった!トレンチの中の爆流、末広がり二段の美しい斜瀑4m。くらげ状の滝。透明度の高い釜奥のトユ状3m斜瀑。続いて2段5m。「そうめん流しの刑」に問われないよう気を使いながら、快適に登り詰める。
そうめん流しの刑にしてもらえば気持ちえかったのに・・・チンを毛がしないでね。(また意味不明」)
う~む、緑水流で勝負を挑んできたかの。
4m滝に詰まる。右辺でがっぷり勝負すべきだったが、寒いシャワーを避けて右岸の巻きを選んだのがとんだ粗相。思いの他厳しい。岩角にテープを掛け、ハンマー投げで抜け切る。
霜月にドボンし身震いして悦び給ふ風山入道殿、何故10月にシャワーを避けまんねん?
はぁ、これは白山の水系での溯行の件ですかいな。よくぞ情報をGETしたもんだ。敵ながらあっぱれ。それはそうと、寒いもんは寒いんじゃ。体中鳥肌で総毛だってましたわ。
焚き火は成功するかな。燃えろよ、燃えろ。一旦ぶすぶすとくすぶって息絶え絶えだったが、不死鳥のように灰から甦った。煙が目にしみるぜ♪
灰からよみがえるなんてまるで不死身のふ~さんみたいやね、キム・ジョンイル同志ですら蘇らんで。
いえいえ、いつの日か甦ることもあらん。金日成だってそのご遺体は錦繍山記念宮殿に安置されておる。
なななんと。台湾ラーメンの朝食で始まった朝。うひゃ、スープが煉瓦色だ。
・・・で、朝の勤行も煉瓦色だったって?
ご想像におまかせします。あたし品行方正なんで。
左俣の連瀑帯
左俣の連瀑帯
ぽかぽか身体の芯から温まって、いざ出発。小振りになった滝場を粛々と登り詰める。それでも、先が見えた安心感から、心に余裕も生まれる。ダイモンジソウの清楚さに見とれたり、森の恵み(内緒♪)を頂いたりするゆとりも楽しむ。
ほんなナイショにせんだって、この時期の谷といえば和製キウィしかないでしょに。
ナイショはおなごはんだけでエエよ。
ちゃいます、ちゃいます。ま、なんでもエエんですけど。(^^;)
サルナシの甘さに癒される。これが泣けるくらいうまい。
あらら、もう解答ですか。
和製キウィって言うくらいだからウマイけど、猿無しというくらいで猿にとられて無しになっちゃう前に採るのが難しいんだよね。
たんぽぽさんはギョウジャニンニクで精力倍増、ヤマブドウでおなごはんトロけさせ・・・でしたね。今宵、クリスマスイブはモンテ・ビアンコのスイーツで総本山攻撃ですかいな。
侮らず、こまめにロープを出そうということになる。後で聞けば、博士のお尻の青あざはそれはそれは見事なものだったらしい。時間の経過と共に色が微妙に変化し、赤紫と青と黒のグラデーションは神業的だったらしい。
ハカセからお話を伺うだけとはもったいない。
ぜひ実況見分させてもらうべきでしたね!
わしは遠慮させて頂きとうございます。なんなら、たんぽぽさん、どうでっか?
何と何と、滝下で目撃したのが、兎夢さんの残置ロープの残骸だ。何とまぁ痛ましい姿だろう。中味の繊維がでろんと飛び出している。大岩に押しつぶされ、水流に洗われて悲惨な姿。
兎夢ちゃんが涙、涙でロープをチョッキンしたのはこの谷でしたっけ。
そうそう、回収できない時にゃ泣けてきますね。釣りに行って高価なルアーを取られたらこんな気分でしょう。
3mチョックストーンの滝。私はフリーで。博士は「なますを吹く」状態だったので小さく懸垂。
きっとハカセのお尻はまだチンチンだったのでしょうね。
お尻触られてもわからないくらい、感覚が麻痺した状態だったはずです。
満月が水先案内人を務めてくれる。ヘッデンの明かりを消して満月を楽しむ余裕さえ出てくる。
フクロウさんみたいに目がよくなったんやね。
月明かりの下で乙女を喰わんように。
そんな勿体ないことしませんよ。ガラスケースに囲って観賞用にしますわ。
昨夜の、葉漏れの月に酔いしれた焚き火の夜が甦る。思わず笑みがこぼれる。
灰の中から蘇る不死身のふ~さんが笑みをこぼす・・・
不気味やわ~
我が身を鏡で見てから言ってね(^_-)

 ふ~さん
兔夢
記事: 624
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

Re: 【奥美濃】 イチン谷左俣~千回沢山(1246m)~イチン谷右俣

投稿記事 by 兔夢 »

ふうさん、こんばんは。

まだ月日もそれほど経っていないというのに我がロープのこの姿…
見るに忍びない感じです。
ふうさんに見つけてもらって弔ってもらって良かったです。感謝します。

           兔夢
ふ~さん
記事: 526
登録日時: 2011年2月20日(日) 19:58

Re: 【奥美濃】 イチン谷左俣~千回沢山(1246m)~イチン谷右俣

投稿記事 by ふ~さん »

ふうさん、こんばんは。
兎夢さん、丁寧な返信ありがとうございます。
森に包まれる
森に包まれる
まだ月日もそれほど経っていないというのに我がロープのこの姿…
見るに忍びない感じです。
ふうさんに見つけてもらって弔ってもらって良かったです。感謝します。

           兔夢
見るに忍びない・・・ほんと、その言葉通りですね。それほど時間がたっているわけでもないのに、大岩につぶされ、流れに洗われて、これほどまでに様変わりしてしまうものなのでしょうか。
左俣20mの滝
左俣20mの滝
それほど自然の力は大きいという事ですね。裏を返せば、渓谷というのは常に大きな自然の力を受けながら姿形を変えていく運命。右俣出合に詰まっていた流木のジャングルジムも自然の脅威を物語るに十分なものです。

ある意味、その自然の脅威に堪え忍ぶからこそ、渓谷は美しいのかも知れません。我々はそんなエリアで遊ばせてもらっている小さな存在。

これからも安全登山でいきましょう。

 ふ~さん
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