【山 域】 鈴鹿山脈 タイジョウ (滋賀県東近江市)
【メンバー】 単独
【天 候】 晴れときどき曇り
【ルート】 鳴野橋8:50---向平9:30/9:35---稜線10:45---862mP(向平西峰)10:55/11:00
---911mP 11:35---タイジョウ北尾根12:15/13:25---タイジョウ13:35---アケビダン14:10
---渡渉点14:25/14:30---桜地蔵14:45---鳴野橋15:30
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■お客様へご注意
これは、11月下旬の山行のレポです。樽から出してみたらよく漬かっていて食べごろを過ぎていますが、
あの「ふ~さん漬け」みたいに酸っぱくはなってないから、大丈夫と思います。
このごろは、だいぶ涼しくなってきた。
これなら「山に登ってやろう」という気にもなるというものだ。
ということで、久しぶりに鈴鹿の山に行くことにする。
前夜発のつもりで、夕食にノンアルコールビールを飲んで、チンタラと山準備をしていたら、
久しぶりに息子が帰って来たので、それを口実に「ふにゃふにゃモード」に突入して飲み直しになった。
翌朝、4時半に起きた。
ふだんの起床時刻だからその気になればチョロいもんだが、
休日はなかなかその気にならないから、特別に気合いがいる。
5時20分に家を出て5時半に吹田インターを入ったが、途中でゆっくりしすぎたのか鳴野橋には8時半に着いた。
眠たい。これだから早朝発はいやだ。
昨夜は3時間しか寝る時間がなかったし、
朝出てこの時間に着くのなら、やはり前夜発にして現地でゆっくり朝寝するほうが絶対に身体にいいと思う。
話は、約2ヵ月前にさかのぼる。
ここで、「あれ、ちょっと話がおかしいぞ。」と気がついたあなたはエラい。
そうです、すでに洞吹漬け本舗名物の「どうでもええ話し」に突入しているのです。
今回はお客様ご優待のジャンプマーク(●)はありません。
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きっと後悔すると思うけど。
それでやね、話は2ヵ月前にさかのぼる。
夜、仕事が終わり、ワシの乗った愛車「洞吹丸二世号」は、会社を出て1キロほど走ったところで、
突然、ババババババ、ブブブブブブ、ボボボボボボ、プッス~ンとエンジンが止まってしまった。
セルモーターくんは元気よく回ってくれるのだが、肝心のエンジン殿がボボッ、ボボッ、プスン……とふてくされている。
こらあかんがな。
腹へってるのになあ。こんなとこでビバークなんかしたくないぞ。
交差点のそばなので、信号待ちの車から「あのおっさん、どツボにはまっとるなあ。」と、憐れみの視線が注がれる。
よっしゃ。
困ったときの神頼み、JAFに電話してみる。
自慢じゃないが、会員歴27年で過去にバッテリー上がり1回だけしかサービスカーを呼んだことはない超優良会員だ。
実に会費がもったいない。
会費の無事故割引きくらいあってもいいのに。
すぐ、やさしいお姉さんが電話口に出て、「ご心配なさらずに、しばらくお待ちくださいね。」となぐさめてくれる。
20分ほど待っていると、サービスカーがやって来た。
あれやこれやと試みるが復旧しない。
「エンジンに燃料が来てないみたいですね。一度給油してもらってもいいですかね。」……とガソリンスタンドまで牽引され、
ガソリン入れ始めてすぐにセル回すと、ブブブブブォンブォン、ブルンブルンブルンブルンとエンジンが息を吹き返し、元気に回り出した。
なぬ、ガス欠?
そんなわけあるかいな。
そこで満タンにしたら40リットル入った。
タンク容量は66リットルだから、少なくとも20リットルは残っていたはず。
一昨日の給油時にトリップメーターをゼロ戻ししているが、その走行距離も400kmほど。
昨日、高速道路走行で40リットルほど消費している計算だから、つじつまが合っている。
なんで燃料が供給されなかったのか。
翌日、クルマをディーラーへ持っていくが、症状が再現せず原因不明。
但しコンピュータの履歴に燃料噴射装置の異常が記録されている……とのこと。
またいつどこでエンジンが止まるかわからない。
これからの冬シーズン、雪の降る山中で故障したら生命にかかわる。
来年3月の車検期限いっぱい23万キロまで乗るつもりだったが、買い替えを前倒しするしかないかな。
というわけで、愛車「洞吹丸二世号」は車齢8年8ヵ月、走行距離217,460kmの一生を終え、引き取られて行きました。
だから今回から、新しい「洞吹丸三世号」での山行なのです。
それがどうしたと言われても、ただそれだけなのです。
よくぞここまで我慢して、どうでもええ話にお付き合いくださいました。
貴殿の忍耐に感謝いたします。
ワシ、もう疲れましたけど、これで「ほな、さいなら。」ではあまりにも申し訳ないので、ここから山に登り始めることにします。
いざ、山へ。
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駐車車両が10台と盛況の鳴野橋。新林道の終点から谷間の杣道を辿り、向平へ入った。
そこから急登の尾根を、立木を引き寄せるように掴みながら一歩一歩身体を持ち上げて行く。
鈴鹿らしい雰囲気でいっぱいの、明るい尾根だ。
息が切れて立ち止まると、しばらくは自分の高ぶった鼓動だけがドッドッドッドッと響いてくる。
そして、少しずつ鼓動が収まってくると、あとは何の物音もしない静かな尾根だ。
気持ちがいい。
780mのコバを過ぎて、斜面に岩くらが見られるようになると、やがて傾斜が緩み、カクレグラ~タイジョウ間の稜線に出た。
ここから稜線を南に進むと、「向平西」というプレートがかかる962m標高点ピークに着く。
すぐ先の、佐目子谷を挟んだ対岸稜線が一望できるガレ場で一息入れた。
イブネが白く冠雪している。御池、霊仙、伊吹は雲がかかっている。
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のびやかな尾根から細尾根へとアップダウンを繰り返しながら進む。
911m標高点ピークを過ぎて大きく下ると、タイジョウ西コルと呼ばれる雰囲気のよい鞍部を通る。
さらに気持ちの良い尾根を辿ると、タイジョウ直下に来る。
大岩がゴロゴロしている谷を横切って正面の小尾根に上がると、そこがタイジョウ北尾根。
本日の昼食場所だ。
今日はきつねどん兵衛。ビールがうまい。
コーヒーを飲んでボーッとしていると、鍋でもないのに1時間以上たってしまった。
でも、静かに山の気に包まれて居るこの時間がいいのだ。
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食後は、すぐそばのタイジョウ山頂に向かう。
ここはパスでもいいのだが、山頂の向こう側へ降りたいので、必然的に頂上を経由することになる。
あちこちにある例の「200mごとGPSポイント」の標識は健在だが、
設置されてたった2年でここのものは表面のコーティングが剥がれかけていて、
千草街道が十草街道に、標高1050mが105mになっていた。
それも、もうすぐ標高10mになりそうだ。
遭難促進協議会の面目躍如たるものがある。
頂上に登り着くと、登山者がひとり食事中だった。
そばに来るまでわからず突然だったので、お互いにちょっとびっくりした。
軽くあいさつして、そのまま西尾根を下り、アケビダンから千草街道に出る。
久し振りの桜地蔵にお参りして、ミニ羊羹をお供えした。
てくてくと千草街道を戻る。
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レポート書くのも、もう息切れ。
ああしんど。
山の記事部分が少ないと、どうでもええ話しで行数を稼ぎますけど、そのほうがいいという人もいるし、まあいいだろう。
きのうの紅皿岳行きのレポは、きょうは浅漬けにしておきますので、
またこんど、ほどよく漬かったところでお召し上がりください。
総本家 洞吹漬け本舗
店主 柳川洞吹 謹白