【南伊勢】 ご縁が紡がれ 淡藤色の花咲く神秘の池へ 天神山薄月池

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sato
記事: 587
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

【南伊勢】 ご縁が紡がれ 淡藤色の花咲く神秘の池へ 天神山薄月池

投稿記事 by sato »

【日付】  2026年4月28日
【山域】  南伊勢 天神山周辺
【天候】  晴れ
【メンバー】Kさん、Iさん、落第忍者さん、sato
【コース】 小方トンネル西側天神山登山口~天神山~・172~薄月池~海岸~・222
      ~天神山~登山口


 道路脇のスペースに止まったちいさな茜色の車から出てきたのは、年齢も住んでいる場所も異なる男女4人。
お互い山と花を通じて出会い、ご縁が紡がれ、この日、こうして集まることができた。
Kさんが、チョウジソウという自生ではなかなか見ることの出来ない花が咲く池に行きませんか、とお声がけしてくださったのだ。
 池は、志摩半島が描くリアス式海岸の、方座浦と古和浦湾に挟まれた天神山で形作られた半島にある。
山の懐に抱かれたような海跡湖で、薄月池という名がついている。『海をながめる山歩き』を読み、想像を掻き立てられ、
いつか訪れたいなぁと思っていた。
 思い描いていた地に、Kさん、落第忍者さん、そしてIさんとご一緒できるのだ。歩き始める前から、わぁっと感激の渦に包まれてしまう。

 薄月池へは、天神山に登ってから下ることになる。
3人は初めてだが、Kさんは、天神山へは小方峠からと東の方座浦の林道途中からの2回訪れていらっしゃり、
今回は、小方トンネル西側からのコースを考えてくださった。

 トンネル脇から山中に入り谷を渡るとしっかりと作られた道が現れた。
ゆるやかな九十九折の道で、曲がるところは石を積んで補強されていて、人びとに利用されていた道だったことが偲ばれる。
登りきると天神山へと続く半島背骨稜線。そして、あっと思う。この道は、半島付け根の、西の栃木竈と東の小方竈とを結ぶ峠道だったのかなと。
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 「天神山まで2・8キロ」の標識を見て、休まずに歩みを進める。ところどころシダが被さるウバメガシの尾根。
くねくね踊るようなウバメガシは見慣れていないので面白く、不思議の森を探索しているような気分になる。
 木立の間から、空と海とリアス式海岸が織りなす素晴らしい景色が見えると、わぁと胸が高鳴る。
 左右に道跡が見られると、地図を見てこの下の開けた谷あいで田んぼをしていたのかもしれないと想像したりしている。
結構長い稜線歩きだなと思ったけれど、飽きることがない。

 △290,5天神山もウバメガシの森。ひと息入れてさらに南下し、・262で西の尾根に入る。
 ざっぶんと波の音が聞こえてきて、あぁ海が近づいてきたのだと実感する。
尾根の北側には目指す池が佇む平坦地が広がっている。どこから下ろうか。地図を見ると迷ってしまう。
・172手前の尾根は、Kさんが行く手を阻まれた猛烈なシダのヤブとなるので、その先の尾根を下っていく。
植物の生態は不思議だ。近くの同じ方向の似たような尾根なのに、こちらはヤブもなくスイスイと下れる。そして、思い描いた池が目の前に。
チョウジソウも咲いている。4人の顔に笑みがこぼれる。
5275_1.jpg
 淡藤色の花に彩られた池は、想像よりも大きく、濃淡緑の中にもこもことカシの木の檸檬色の花が湧きたつ山に包まれて、
やさしい緑色に染まり、ふわりと笑みをうかべたようなあたたかな光を放っていた。
 なんて静謐さに満ちているのだろう。ぽかんと口を開け見入ってしまう。
 環境変化でいちじるしく減少し、準絶滅危惧種に指定されているチョウジソウは、ここでは、池の周りの至る所で群落を作り、
力強く花を咲かせている。すごいなぁ。生きる力をもらう。


 「お昼ごはんにしましょうか」
Kさんが海へと導いてくださる。眩い光が目を射り、さざ波立つ海岸に飛び出た。わぁと歓声をあげてしまう。
緑の山から青い海へ。劇的な風景の移り変わりにぞくぞくする。
 さんさんと陽光降り注ぐ浜は、爽やかな風が通り、暑さは感じない。鏡のような海を挟んだ正面に見える緑の山並みは座左の高。
右奥からは、ぼぉっと音を立てて船が現れる。横一列に並び、リアス式海岸が描く風景を眺め、和やかにおしゃべりしながらお昼の時間を楽しむ。
5283_1.jpg
 帰りは、池の東から・222に登ることにする。浜の北端には小川が流れ、辿っていくと池に戻っていた。
池沿いには道がついている。須賀利大池で見た風景が浮かんでくる。この地も人が住んでいた時代があったのだろうか。
古和浦の人たちが山仕事で入っていたのだろうか。思いは巡る。

 東側に着いて池を眺めると、ぽこぽこと水の泡が湧き上がっていた。
 山から生まれた水が地下を通って東側でぽこぽこと湧き、西側から海へと向かい水が流れ出す、
水中に過ぎ去った時をあたため、水面に今を謳歌する緑の山を映す静かな池は、ひとつの完全なる世界を描いているようだった。

 ・222へは急こう配の斜面が続いていく。木を掴み、よいしょよいしょと登っていく。
額に汗を光らせ登りきり、水分補給をしながら「低山侮るなかれですね」とみなで笑い合う。
天神山へは歩きやすい道がついていて、あれよという間に着いていた。
5267_1_1.jpg
 行きはわくわく、帰りはちょっぴりさみしい。
Kさん、Iさん、落第忍者さん、そして私。それぞれ偶然出会い、ご縁が紡がれ、今日こうして一緒にお山を歩いている。
素敵な風景を素敵なお仲間と味わい、感動を分かち合う。なんて素晴らしくしあわせなことなのだろうと思う。
お別れの時間までまだある。次もあるはず。
 ご縁に感謝。今日一日に感謝しながら、ウバメガシの森を戻っていくお三方の後ろを追って行く。

sato
 



 

 
落第忍者
記事: 1328
登録日時: 2011年2月20日(日) 15:31
お住まい: 三重県伊賀市
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Re: 【南伊勢】 ご縁が紡がれ 淡藤色の花咲く神秘の池へ 天神山薄月池

投稿記事 by 落第忍者 »

satoさん、おはようございます。

当日は長時間の運転、お疲れ様でした。

縁って不思議なものですね。
昨年はバーチャリさんが繋いでくれた縁で3回もsatoさんと歩けました。
そして今回はsatoさんの繋がりでKさん、Iさんとも。
最近は単独志向が顕著になっている私には、もうこんな機会もないのかなと思っていただけに嬉しいことでした。

Iさんと初めて会ったのは数年前の蛇谷ヶ峰、お互いにキバナサバノオを見るためでした。
ほんの短い会話をしただけですが、花好きがすることは同じなんだなと思いました。
そして昨年は赤目四十八滝で2度目の出会いです。
その時に少しだけ花の案内をさせて貰いましたが、まさかこんなにガッツリ歩く山行でご一緒出来るとは思いもよりませんでした。

Kさんとは何処かのスノー衆の時に、山日和さんから紹介してもらった記憶があります。
確かsatoさんも同行されていたような。
一瞬の出来事でしたが、それがお二人との初めての出会いでした。
何冊かの著書と、山と高原地図でお世話になっている凄い人という認識でしたので、今回のお誘いには驚きました。
更に、私よりも一回り上の年齢ですのに歩きの軽いことにはビックリです。
昔よりも20キロ体重が減っていると言われていましたが、筋力は衰えていないようですね。
水分補給を殆どされないのも私には考えられないことでした。

南伊勢方面の山を全く知らない私には、海が見える山歩きは新鮮そのものでした。
最高標高点が290メートルですから海が近くに見えて、ある程度降りると波音も聞こえる素晴らしいロケーションですね。
ただ300メートル未満の低山なのに、しんどくて長く感じるのは、3倍近くある累積標高差がボディブローのように利いてくるからでしょうか。
P1090897.JPG

チョウジソウは『亀山里山公園みちくさ』で植栽されているので何度か見たことはあったのですが、自生のものを見るのは初めてですから感激しました。
海跡湖という特殊な環境で長い年月をかけて淡水化したことで保たれているのでしょうね。
伏流水があちこちから湧き出ており、大きな鯉も泳いでいましたね。
嫌な想像ですが、必ず起こると言われている東南海・南海地震で津波が襲ったらどうなってしまうのでしょう。
自然の営みに対してあれこれ考えても詮無いことですけどね。
チョウジソウ
チョウジソウ

海岸にはイワタイゲキの群生もあり楽しめました。
白山ではよく見るハクサンタイゲキの仲間だと教えてもらいましたが、咲く環境が全く違うのに面白いことですね。
イワタイゲキ
イワタイゲキ

帰路の直登の急なことと言ったらありません。
普段から緩い歩きしかしていない私には全身を駆使しての登りはキツイです。
Kさんはスイスイと登っていかれるので、ついていくのに必死でした。
最後尾のsatoさんはあまり見えませんでしたが、きっと何時ものように平地を歩くように登っていたことでしょう。

同じ山に何度も行く私には、なかなか新しい世界は開けませんが、誘ってもらえたことで新たな景色を見ることができました。
またの機会がありましたら、よろしくお願いします。
ありがとうございました。
落第忍者
シュークリーム
記事: 2210
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【南伊勢】 ご縁が紡がれ 淡藤色の花咲く神秘の池へ 天神山薄月池

投稿記事 by シュークリーム »

satoさん、おはようございます。
遠い南伊勢の山までよくおいでくださいました。

南伊勢の山へは冬季によく訪れていて、めぼしいピークにはほとんど登ったと思っていたんですが、天神山は見逃していました。南伊勢町が出しているハイキングマップにもわずかに紹介されていますが、地図を見てもあまり食指がわかないような場所だったので、スルーしていました。

薄月池湖畔にはチョウジソウというキョウチクトウ科の花が咲くんですね。今、膝を悪くしていてなかなか山に行けないのですが、来年の今頃、膝が良くなっていたら一度訪問したいと思います。

satoさんが人との「ご縁」を大切にされているのが、レポを読んでいて良くわかります。
私は人見知りするタイプなので、初めて会う人とは少し緊張して尻込みするのですが、人との関係が大事なことをこの歳になってだんだんわかってきました。仕事を辞めてからは職場の人たちとは疎遠になりましたが、代わりにテニス仲間、山仲間、ボルダリング仲間など、職場以外の仲間との関係はずっと続いていて、こういう仲間がいて良かったと心から思っています。

できれば新しい人に出会って、より多くのいい人間関係を築いていきたいと思っています。
いい山旅を・・・
                         @シュークリーム@
sato
記事: 587
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【南伊勢】 ご縁が紡がれ 淡藤色の花咲く神秘の池へ 天神山薄月池

投稿記事 by sato »

落第忍者さま

こんにちは。
先週水曜日の夜に投稿して、木曜日の早朝に早速のご感想をいただいたのに、お返事が大変遅くなり申し訳ありません。
お写真までつけてくださり、うれしく読ませていただきました。

ほんとうに縁って不思議なものですね。
信州で暮らしていこうと思っていた20代前半には、京都に住むなんて思っていませんでしたし、高島の地名は知りませんでした。
海外ひとり旅に出かけた先で、偶然夫と知り合い、京都で暮らすようになったのですが、
関西の山は登ったことがなく、どんな山があるのかもほとんど知りませんでした。Kさんの本に出会い、近江の山に惹きこまれていきました。
比良や野坂山地の山に導かれるように高島に移住して、図書館に置いてあった「巨木と水源の郷をまもる会」のチラシを見て興味を覚え入会すると、
Kさんご本人がいらっしゃってびっくりしました。
私は、時代の流れについて行けない人間で、9年くらい前までスマホを持っていなくて、その少し前までパソコンも夫と共有でしたので、
SNSとは全く無縁で、当然ヤブこぎネットも知りませんでした。
落第忍者さんが初めてKさんとお会いしたのは美濃俣丸ですね。私もご一緒しておりました。
この時、ヤブこぎネットの存在を知ったのですが、お仲間に入るなんて想像もしませんでした。

Iさんとは、何年か前の夏、Kさんとお花探しに出かけた山で出会いました。
夏の暑い日にこんな地味なお山に登るとは?と思ったら、やはり同じお花を探していらっしゃいました。
お花は人と人を繋ぐ力もあるのだなぁと感じます。
その後、KさんとIさんは、何度か山中でばったりと出会われ、アドレスを交換されたとのことです。
落第忍者さんも、Iさんと2回会われているのですね。
それぞれの繋がりが結びつき、4月28日、4人でお山を楽しむことができたのですね。
ご縁に感謝感謝です。

海をながめる山歩きは、実際に歩くと、その魅力に取りつかれていきます。
そう、波音が大きくなり山から海へと近づいていく時のワクワク感、海岸に降りられた時の感動はひとしお。
でも、下ったら登り返さなければならない。そしてこの登り返しがしんどかったりしますが、旅を印象づけてくれます。
Kさんからは、歩き方も学んでいます。下りの足の運び方、ヤブやトラバースのルート取りなど絶妙ですごいなぁと思います。

チョウジソウは、以前は各地の湿地帯などで普通に見られていましたが、今ではほとんど見ることができないそうです。
湖畔を彩る淡藤色のお花畑、神秘的でうつくしかったですね。
そうそう、海岸にはイワタイゲキの群落も。こちらもニョキニョキと力強く咲いていました。
目を近づけてお花を見ると、万華鏡のようにうつくしく、見入ってしまいました。
イワタイゲキもハクサンタイゲキもトウダイグサの仲間なのですね。

池にコイが何匹も泳いでいたのにはびっくりしました。誰かが放流して増えたのでしょうか。
大地震が起こり津波が発生したら・・・。
私たち人間にとっては怖ろしくて、想像したくないのですが、地球の歴史、自然界という目で見たら、大したことではないのでしょうね。
何かが失われても、新たな何かが生まれる。

ひとりの山歩きも好きですが、ひとりでは見ることの出来ない、ひとりでは感じることのない風景もあるのだなぁと思います。
ご一緒する中で、学ぶこともいろいろあります。感動を分かちあえる方々との山歩きは、何より楽しいです。
私も、こうしてご縁が繋がった方々とお山をご一緒させていただき、山の世界が広がりました。

こちらこそ、また是非ご一緒させてください。

そう、落第忍者さんのお写真は素敵ですね。お花ってこんなにも繊細で、不思議で、うつくしい形をしているのだなぁ、とうっとり。
そんなお花を愛してやまない落第忍者さんのおこころも伝わってきます。
『森のしずく7号』楽しみです。

ご感想ありがとうございました。

sato
sato
記事: 587
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【南伊勢】 ご縁が紡がれ 淡藤色の花咲く神秘の池へ 天神山薄月池

投稿記事 by sato »

シュークリームさま

おはようございます。お返事が遅くなり申し訳ありません。
コメントうれしかったです。ありがとうございました。

シュークリームさんのお住まいは津市ですね。
山とお花を通じてご縁が繋がった4人で、伊勢のお山と海を楽しんでまいりました。

昨冬は、シュークリームさんのご案内で、ヤブこぎネットで繋がった6人で田曽浦浅間神社から三崎さんの山旅を楽しみましたね。
山の裾野に張り巡らされた路地にぎっしりと家々が立ち並ぶ宿浦の独特の風情。
青い空と海と陸地が織りなす素晴らしき自然の造形。
山中に残された石垣と放置されたみかん畑。
波しぶき立つ三崎さん。
道中出会った風景が次々に蘇り、そこには、絶えずみなさまの「今」を楽しむ笑顔があったなぁ、とあたたかな気持ちに包まれています。

天神山から薄月池も、様々な風景に出会い、4人で感動とよろこびを分かち合ったゆたかな山旅でした。
チョウジソウ咲く4月は新緑の季節。濃淡緑色に染まったお山も素敵です。
来春、是非、お訪ねください。

若い頃は、ご縁とかあまり考えませんでしたが、年を重ねるごとに、様々なご縁によって私は今、ここに生かされているのだなぁ、
という思いが強くなっています。
好きなことを通して出会った方々とは、年齢とか肩書とかの垣根を超えて交流できますね。
好きなことを分かち合える仲間の存在は、人生をゆたかにさせてくれますね。
私は、社交的でなく、口下手で、よく分らない人間なのですが、素敵なご縁に恵まれていき、ありがたいなぁ、しあわせだなぁ、と思う日々です。
そんな気持ちを言葉に表したくて、この山旅記を書きました。

シュークリームさん、今、膝の調子がよくないのですね。
痛みがあると気持ちも重くなりますね。一日も早く、痛みが和らぎ、消えますようお祈りいたします。
オフ会でシュークリームさんのやわらかな笑顔にお会いできるのを楽しみにしております。

sato
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