【湖北】柳ヶ瀬から中河内へ 余呉トレイルを歩く
Posted: 2011年11月29日(火) 00:12
【日 付】2011年11月27日(日)
【山 域】湖北 余呉トレイル 柳ヶ瀬~中河内
【天 候】曇り時々晴れ
【メンバー】とっちゃん、山日和
【コース】柳ヶ瀬8:20---9:00刀根越---9:12玄蕃尾城跡---10:15椿坂分岐10:30---11:40椿井嶺付近?
---12:48ランチ場14:06---14:52津谷---15:28 P619m 15:58庄野嶺越16:14---16:39中河内
北国街道の温度計は1度を示していた。まるで真冬のようだ。
登山口の柳ヶ瀬から椿坂峠を越えて中河内へとっちゃん号をデポするために走る。
峠越えのバイパスは建設が進んでいる。これができれば中河内まで冬も安心して行くことができるが、その先の栃ノ木
峠は12月から3月まで通れないのであまり意味があるとも思えない。
柳ヶ瀬の登山口には玄蕃尾城跡の案内看板と古い石碑があった。余呉トレイルへの登山口の標識はないが、ここで
間違いはないだろう。
用意をしていると軽トラからおじさんが降りてきて「どこへ登るんや」と聞かれたので、「尾根伝いに中河内まで」と答える
と、「遠いで、行けるんか」とびっくりしていた。
とっちゃんは昨日家で木を切っていた時に、間違えて電ノコで自分の膝を切ってしまったとかで、痛み止めの薬を飲ん
での参戦だ。大丈夫かいな。
橋を渡って林道を進むと分岐があり、ここに余呉トレイルの標識と城跡への看板があった。杉林の中を尾根に取り付く
と、非常によく手入れされたしっかりした道が続く。何回か折り返して高度を上げた後は左側をトラバースするように緩い
道を進むと、ほとんど登りを意識しない内に稜線の峠に着いてしまった。
ここは刀根越の旧道だ。福井県側にはわずか200m先に登山口があることを標識は示していた。
ここから尾根を北上してトレイルに入る。柳ヶ瀬山は知らないうちに通り過ぎてしまった。
やたら整備された遊歩道を行くと玄蕃尾城跡に着く。ここは賎ヶ岳の戦いの際に柴田勝家が本拠地として使った山城だ。
遺構が見事に残されており、非常に見応えがある。たまにはこういうところを訪れて、遠く戦国の世に思いをはせるのも
いいものだ。
[attachment=4]RIMG0230_1.JPG[/attachment]
この先、トレイルは自然林もあるが半分は植林、あるいは全面植林といった状態で、やや見どころに欠ける。城跡まで
の遊歩道から一気に踏み跡へと道は格下げされた。
送電鉄塔をふたつ過ぎると椿坂集落からの道が右から合する。余呉トレイルマップでは、この下にブナの巨木の表示
がある。これを知っていて通り過ぎるわけにはいかない。3分ほど下ったところにそのブナはあった。太さといい枝ぶりと
いい申し分のない巨木だ。メジャーを持っていなかったので細引きで計測すると、ざっと3.5mというところか。
下から見るとカエデの紅葉が前景となってブナの美しさを引き立ててくれた。
椿坂の方から高年の3人パーティーが上がってきたが、「ブナやな」と言っただけで立ち止まるでもなく通り過ぎてしまっ
た。興味のない人はそんなものなんだろうか。
[attachment=3]RIMG0264_1.JPG[/attachment]
455m標高点手前に水場があった。西側の谷で、尾根からわずか10mばかり下を流れている。尾根から音が聞こえる
ほどだから枯れることはないだろう。この稜線上で唯一の貴重な水場だ。
455m手前で県境ラインは尾根を外れてこの谷を横切っている。つまり谷の源頭部の200mほどだけが滋賀県というわけ
だ。トレイルは当然ながら県境を外れて尾根伝いに続いている。県境を忠実にトレースする趣味のある向きには注意が
必要な地点だ。455mピーク付近は気持ちのいい樹林が広がっていた。
途中、「沓掛山559.3m」と書かれた標識があったので、大して期待もせずに山頂へむかったが、予想通り三角点があ
るだけの何も得るもののないピークだった。そうは思っていてもつい山頂に釣られてしまうのが悲しい性である。
しかも県境はこの山頂を除けるように走っている。
今日の行程でひとつのポイントとなるのが椿坂峠上のピーク群である。地図上で縦横に車道が走っているが、ここは別
荘地だ。
最初の台地から幹にネット包帯のような鹿除けを巻いた現役の植林帯が続く。主尾根は峠に向かって落ちて行くので左
側の谷へ下りて乗り直さなければならないが、このあたりは非常に複雑な入り組んだ地形で、進路をこちらと定めるのが
困難な場所だ。林床は伐木が散乱して歩きづらい。アスレチックをこなしながら反対側の尾根に乗ると、どこからかテープ
が現れた。結局ルートを外していたようである。
ここで鈴なりのナメコを発見したが、ぬめりがない。とっちゃんと協議の結果、ナメコに間違いないが、鍋に入れるのは見
送ろうとの結論に達した。
トレールは台地の端の斜面をトラバースして付けられている。別荘地の車道を歩く方がよほど楽だと思うが、私有地なの
で敢えて通らないようにしているのだろう。植林のトラバース道からは尾根上の自然林が楽園のように見えた。
ところで、余呉トレイルの標識では「椿井嶺(つばいみね)」と方向を指し示されている地点がわからなかった。この付近
の最高点である623m三角点は椿井嶺ではないようだ。
トレイルマップでも特定のピークではなく、このピーク群全体を指しているようにも見える。
帰ってから調べてみると「椿井峠(椿坂峠)は椿井嶺とも言われ」と書かれた資料があった。「嶺」すなわち「峠」ということ
なのだろう。と言うことは、これから向かう「庄野嶺越」も「庄野嶺」が峠を表すことになる。
だとすれば、「椿井嶺越」「庄野嶺越」と言う表現はおかしいような気がするがどうだろう。
長いトラバースを終えて623m三角点西の別荘地端に出ると、廃墟のような別荘が数軒建っていた。ここで久し振りに
稜線に復帰する。そろそろランチをと思うが、なかなかいい場所が見つからない。
565mピークの手前のコルで日本海が見えるところがあった。少し風が通るが雰囲気も悪くない。早速鍋の用意だ。
今日はとっちゃんお薦めの鳥味噌鍋。ところがなんたることか、ビールを忘れてしまった。ビール抜きの鍋は淋しいものだ
が食べることに専念しよう。時間も限られている。ここから庄野嶺越を経て中河内まではまだ長い。
[attachment=2]RIMG0300_1.JPG[/attachment]
決めた通り2時に切り上げて出発。地図上のコースタイムは4時間ほどかかることになっているが、距離と標高差からし
てそんなにかからないだろう。
細かいアップダウンが多く、意外にスタミナを消耗するルートだが、ひとつひとつの登りが短いのが救いだ。ここまで来れ
ば植林の影はなく、明るい自然林の中を歩けるのがいい。ただブナが少ないのが玉にキズだ。
踏み跡はここまでに比べて格段に薄く、もはやバリハイルートである。適度な間隔で付けられたテープが有難い。
稜線は複雑に屈曲しており、ただ尾根を辿ればいいというルートではない。右手には大黒山北尾根が並走している。その
向こうに白く雪を被っているのは上谷山だ。そこから続く音波、栃ノ木峠への県境稜線は、今踏んでいるこの尾根とつなが
っている。そしてこの区間が今日一番の雰囲気を持った自然林の尾根だった。
[attachment=1]RIMG0325_1.JPG[/attachment]
ところどころに薄く雪が積もる尾根を北上、628.1m三角点(点名津谷)、619m標高点と、90度左折するピークを過ぎて平
坦な地形が続くと、左から見事な掘割の道が合わさった。庄野嶺越だ。
ここには郵便マークのような印の付いたトンガリ屋根の不思議なコンクリート造りの建物があった。中には観測機器の残骸
のようなものがあったが、果たして何の施設だったのだろう。
ランチ場所から1時間45分ほど。ほぼ読み通りの時間だ。これで闇下を回避できるメドが付いたのでひと安心である。
[attachment=0]RIMG0328_1.JPG[/attachment]
沈みかけた日に追われるように峠越えの旧道を下る。ここも良く踏まれてヤブっぽさは微塵もない、いい道だった。
コースタイムでは1時間となっていたが、特に飛ばしたわけでもなく30分足らずで中河内の集落に下り立った。
登山口の民家では2匹のワンコがワンワンと歓迎してくれた。家の主人に「どこへ行って来た」と聞かれたので「柳ヶ瀬か
ら尾根通しで来ました」と言うとまたびっくりされた。
隣の家のお婆さんには「クマに遭わんかったか」と聞かれる。「クマに遭ったらどうしたらいいんですか」と聞くと「死んだふ
りするんや」と古典的な対処法を教えてくれた。
一日の始めと終わりに地元の人の温かさに触れられたことが、今日の山行きを豊かなものにしてくれたと思う。
山日和
【山 域】湖北 余呉トレイル 柳ヶ瀬~中河内
【天 候】曇り時々晴れ
【メンバー】とっちゃん、山日和
【コース】柳ヶ瀬8:20---9:00刀根越---9:12玄蕃尾城跡---10:15椿坂分岐10:30---11:40椿井嶺付近?
---12:48ランチ場14:06---14:52津谷---15:28 P619m 15:58庄野嶺越16:14---16:39中河内
北国街道の温度計は1度を示していた。まるで真冬のようだ。
登山口の柳ヶ瀬から椿坂峠を越えて中河内へとっちゃん号をデポするために走る。
峠越えのバイパスは建設が進んでいる。これができれば中河内まで冬も安心して行くことができるが、その先の栃ノ木
峠は12月から3月まで通れないのであまり意味があるとも思えない。
柳ヶ瀬の登山口には玄蕃尾城跡の案内看板と古い石碑があった。余呉トレイルへの登山口の標識はないが、ここで
間違いはないだろう。
用意をしていると軽トラからおじさんが降りてきて「どこへ登るんや」と聞かれたので、「尾根伝いに中河内まで」と答える
と、「遠いで、行けるんか」とびっくりしていた。
とっちゃんは昨日家で木を切っていた時に、間違えて電ノコで自分の膝を切ってしまったとかで、痛み止めの薬を飲ん
での参戦だ。大丈夫かいな。
橋を渡って林道を進むと分岐があり、ここに余呉トレイルの標識と城跡への看板があった。杉林の中を尾根に取り付く
と、非常によく手入れされたしっかりした道が続く。何回か折り返して高度を上げた後は左側をトラバースするように緩い
道を進むと、ほとんど登りを意識しない内に稜線の峠に着いてしまった。
ここは刀根越の旧道だ。福井県側にはわずか200m先に登山口があることを標識は示していた。
ここから尾根を北上してトレイルに入る。柳ヶ瀬山は知らないうちに通り過ぎてしまった。
やたら整備された遊歩道を行くと玄蕃尾城跡に着く。ここは賎ヶ岳の戦いの際に柴田勝家が本拠地として使った山城だ。
遺構が見事に残されており、非常に見応えがある。たまにはこういうところを訪れて、遠く戦国の世に思いをはせるのも
いいものだ。
[attachment=4]RIMG0230_1.JPG[/attachment]
この先、トレイルは自然林もあるが半分は植林、あるいは全面植林といった状態で、やや見どころに欠ける。城跡まで
の遊歩道から一気に踏み跡へと道は格下げされた。
送電鉄塔をふたつ過ぎると椿坂集落からの道が右から合する。余呉トレイルマップでは、この下にブナの巨木の表示
がある。これを知っていて通り過ぎるわけにはいかない。3分ほど下ったところにそのブナはあった。太さといい枝ぶりと
いい申し分のない巨木だ。メジャーを持っていなかったので細引きで計測すると、ざっと3.5mというところか。
下から見るとカエデの紅葉が前景となってブナの美しさを引き立ててくれた。
椿坂の方から高年の3人パーティーが上がってきたが、「ブナやな」と言っただけで立ち止まるでもなく通り過ぎてしまっ
た。興味のない人はそんなものなんだろうか。
[attachment=3]RIMG0264_1.JPG[/attachment]
455m標高点手前に水場があった。西側の谷で、尾根からわずか10mばかり下を流れている。尾根から音が聞こえる
ほどだから枯れることはないだろう。この稜線上で唯一の貴重な水場だ。
455m手前で県境ラインは尾根を外れてこの谷を横切っている。つまり谷の源頭部の200mほどだけが滋賀県というわけ
だ。トレイルは当然ながら県境を外れて尾根伝いに続いている。県境を忠実にトレースする趣味のある向きには注意が
必要な地点だ。455mピーク付近は気持ちのいい樹林が広がっていた。
途中、「沓掛山559.3m」と書かれた標識があったので、大して期待もせずに山頂へむかったが、予想通り三角点があ
るだけの何も得るもののないピークだった。そうは思っていてもつい山頂に釣られてしまうのが悲しい性である。
しかも県境はこの山頂を除けるように走っている。
今日の行程でひとつのポイントとなるのが椿坂峠上のピーク群である。地図上で縦横に車道が走っているが、ここは別
荘地だ。
最初の台地から幹にネット包帯のような鹿除けを巻いた現役の植林帯が続く。主尾根は峠に向かって落ちて行くので左
側の谷へ下りて乗り直さなければならないが、このあたりは非常に複雑な入り組んだ地形で、進路をこちらと定めるのが
困難な場所だ。林床は伐木が散乱して歩きづらい。アスレチックをこなしながら反対側の尾根に乗ると、どこからかテープ
が現れた。結局ルートを外していたようである。
ここで鈴なりのナメコを発見したが、ぬめりがない。とっちゃんと協議の結果、ナメコに間違いないが、鍋に入れるのは見
送ろうとの結論に達した。
トレールは台地の端の斜面をトラバースして付けられている。別荘地の車道を歩く方がよほど楽だと思うが、私有地なの
で敢えて通らないようにしているのだろう。植林のトラバース道からは尾根上の自然林が楽園のように見えた。
ところで、余呉トレイルの標識では「椿井嶺(つばいみね)」と方向を指し示されている地点がわからなかった。この付近
の最高点である623m三角点は椿井嶺ではないようだ。
トレイルマップでも特定のピークではなく、このピーク群全体を指しているようにも見える。
帰ってから調べてみると「椿井峠(椿坂峠)は椿井嶺とも言われ」と書かれた資料があった。「嶺」すなわち「峠」ということ
なのだろう。と言うことは、これから向かう「庄野嶺越」も「庄野嶺」が峠を表すことになる。
だとすれば、「椿井嶺越」「庄野嶺越」と言う表現はおかしいような気がするがどうだろう。
長いトラバースを終えて623m三角点西の別荘地端に出ると、廃墟のような別荘が数軒建っていた。ここで久し振りに
稜線に復帰する。そろそろランチをと思うが、なかなかいい場所が見つからない。
565mピークの手前のコルで日本海が見えるところがあった。少し風が通るが雰囲気も悪くない。早速鍋の用意だ。
今日はとっちゃんお薦めの鳥味噌鍋。ところがなんたることか、ビールを忘れてしまった。ビール抜きの鍋は淋しいものだ
が食べることに専念しよう。時間も限られている。ここから庄野嶺越を経て中河内まではまだ長い。
[attachment=2]RIMG0300_1.JPG[/attachment]
決めた通り2時に切り上げて出発。地図上のコースタイムは4時間ほどかかることになっているが、距離と標高差からし
てそんなにかからないだろう。
細かいアップダウンが多く、意外にスタミナを消耗するルートだが、ひとつひとつの登りが短いのが救いだ。ここまで来れ
ば植林の影はなく、明るい自然林の中を歩けるのがいい。ただブナが少ないのが玉にキズだ。
踏み跡はここまでに比べて格段に薄く、もはやバリハイルートである。適度な間隔で付けられたテープが有難い。
稜線は複雑に屈曲しており、ただ尾根を辿ればいいというルートではない。右手には大黒山北尾根が並走している。その
向こうに白く雪を被っているのは上谷山だ。そこから続く音波、栃ノ木峠への県境稜線は、今踏んでいるこの尾根とつなが
っている。そしてこの区間が今日一番の雰囲気を持った自然林の尾根だった。
[attachment=1]RIMG0325_1.JPG[/attachment]
ところどころに薄く雪が積もる尾根を北上、628.1m三角点(点名津谷)、619m標高点と、90度左折するピークを過ぎて平
坦な地形が続くと、左から見事な掘割の道が合わさった。庄野嶺越だ。
ここには郵便マークのような印の付いたトンガリ屋根の不思議なコンクリート造りの建物があった。中には観測機器の残骸
のようなものがあったが、果たして何の施設だったのだろう。
ランチ場所から1時間45分ほど。ほぼ読み通りの時間だ。これで闇下を回避できるメドが付いたのでひと安心である。
[attachment=0]RIMG0328_1.JPG[/attachment]
沈みかけた日に追われるように峠越えの旧道を下る。ここも良く踏まれてヤブっぽさは微塵もない、いい道だった。
コースタイムでは1時間となっていたが、特に飛ばしたわけでもなく30分足らずで中河内の集落に下り立った。
登山口の民家では2匹のワンコがワンワンと歓迎してくれた。家の主人に「どこへ行って来た」と聞かれたので「柳ヶ瀬か
ら尾根通しで来ました」と言うとまたびっくりされた。
隣の家のお婆さんには「クマに遭わんかったか」と聞かれる。「クマに遭ったらどうしたらいいんですか」と聞くと「死んだふ
りするんや」と古典的な対処法を教えてくれた。
一日の始めと終わりに地元の人の温かさに触れられたことが、今日の山行きを豊かなものにしてくれたと思う。
山日和
【山 域】湖北 余呉トレイル 柳ヶ瀬~中河内