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【中山連山】予想外の美渓 武庫川西ノ谷から大峰山へ

Posted: 2025年9月16日(火) 21:45
by 山日和
【日 付】2025年9月13日(土)
【山 域】中山連山 大峰山周辺
【天 候】曇り
【コース】武田尾8:15---8:30桜の園入口---9:55満月滝---11:15尾根取付---11:45大峰山12:50---13:50桜の園入口
     ---14:05武田尾

 2週間前に牧川で傷めた左腕の痛みはまだ引かない。なんとか肩より上に上がるようになって、日常生活にそれ
ほど不便はないが、腕を酷使する沢登りには不安が残る。
先週は沢を回避してナイトハイクに切り替えのだが、今週は近場の手軽な沢で様子を見てみよう。
 今回訪れるのはなんと宝塚市内にある武庫川支流の西ノ谷である。以前からガイドブックでその存在を知っては
いたが、短いのとあまりにも標高が低いのとで、たいして面白い谷ではないと決めつけていたのだった。

 JR福知山線の武田尾駅がスタート地点となる。自宅からは新名神が開通したおかげで、わずか30分足らずで行く
ことができるのだ。
 宝塚北のSAで腹ごしらえをしてスマートインターを出ると、武田尾までは5分とかからない。
武庫川べりに出ると駅へ向かう道沿いには広大な有料駐車場があり、その大半は月極めと書かれていた。
温泉旅館があるだけで民家もないここで月極め契約する人がいるのだろうか。なんとも不思議である。
一時貸しの一角に駐車する。駐車の際には駅の下の管理事務所へ届け出るように書かれていたが、戻ってから届け
ればいいだろう。ちなみに駐車料金は500円だ。


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 沢支度を終えて旧福知山線の廃線跡歩道に踏み出した。この道は生瀬から2度歩いたことがある。武庫川沿いを
走っていた旧福知山線は単線で、多くのトンネルと一か所橋梁を渡るところがある面白い道だ。
ただ武庫川の本流は川幅が広いだけの大きな川で、保津峡のような渓谷美がないのが玉にキズである。

 真っ暗なトンネルを2つ抜けると登山口の「桜の園」の入口に着いた。ここは亦楽山荘という小屋を中心にして
里山の整備活動をしている櫻守の会が中心となって森と遊歩道の管理をしている。
特にその名の通り、桜の管理には力を入れており、開花シーズンにはさぞ見事なヤマザクラやエドヒガンザクラの
花が楽しめることだろう。

 遊歩道に入ってすぐに堰堤を越えて入渓。曇り空のせいもあり、谷沿いの照葉樹の森はやや暗い印象だ。
それでも小滝がいくつかあったりして、思ったよりもスッキリした渓相だ。
谷沿いにも以前は遊歩道があったようで、崩壊した橋が残っていた。

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 やがて前方に大きな滝が見えた。霞滝のようだ。高さは10mぐらいだろうが、取り付く島もなく左のルンゼから
巻きにかかるが、これが意外に悪かった。
ホールドになる木が少ないのでチェーンスパイクを履いて慎重に巻き上がる。落ち口へトラバースするラインも見
えたが、その先がわからないので自重して、かなり高いところまで上がってから谷に復帰した。
途中の立ち木に樹木名を書いた標識があったので、かつては遊歩道だったのかもしれないが、これは危な過ぎる
遊歩道だ。


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 霞滝の上流にも小滝が続いて楽しいところ、と思ったら堰堤が現れて腰を折られた。
階段が設えられた左岸から堰堤を越えると、赤い岩肌の美しいナメ滝が現れて期待を持たせる。
しかし、その期待感はまたもや堰堤で断ち切られた。
 ここも左岸から簡単に越えると前方にただならぬ気配を感じた。かなり大きな滝のようだ。
この大滝は5段で構成されていて、下の3段20mほどが桜滝、上の2段25mほどが満月滝と呼ばれているらしい。
この滝をまとめて満月滝としている向きもあるようだが、上2段の下に満月滝の看板があったので間違いないだろう。
 桜滝3段は傾斜も緩く、快適に直登することができた。過去の記録ではヌメりが酷くて苦労したようだが、今日は
前日の大雨でヌメりが流されたのか、フリクションがよく効いている。
満月滝の下段は登れないことはなさそうだったが自重して右岸へ逃げた。
少し上がると立派な遊歩道に出合う。どうやら滝見物用の遊歩道のようだ。


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 満月滝の落ち口に上がるとナメ滝が連続して現れ、これはしたりとほくそ笑んだ。
さらにその上流には延々とナメ床が続いて、予想外の展開に頬が緩む。家から30分の谷でこんなナメを味わえるの
なら、石徹白くんだりまで遠出する必要もないだろう。
なんとものどかなナメをじっくり味わいながら進むと、やや傾斜のあるナメ滝の先に5mほどの滝が落ちている。
なかなかの景観である。先ほどまでと変わってヌメりが出てきたので安易に足を出すとケガの元だ。


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 滝を越えてもなおナメ床とナメ滝は続いた。予想もしていなかった美しい渓相に、谷は入ってみなければわから
ないと実感させられた。
 この状態のままで稜線まで抜けられれば最高だが、そんなうまく行くはずはない。
源流域に入ると狭苦しくなった谷は林相が貧弱になったことと相まって、遡行意欲を失わせるに十分だ。
たまらず左の台地に上がると、テープと大峰山と書かれたプレートを見つけた。ところがテープはすぐになくなり、
とにかく高い方へ進むことに。たいしたヤブではないが、クモの巣のトラップが実に鬱陶しい。
空からは雨までパラつき始める始末である。

 幸い雨はすぐにやんで大峰山頂に到着。小広く開かれた台地の真ん中の三角点脇にザックを降ろした。
こんな日の低山に誰も来ないだろうと思っていたら、単独者と2人パーティーが東の方から登って来て驚いた。
桜の園の方へ下りて行ったということは、車でのアプローチではないのだろう。

 桜の園への道はよく整備された登山道でなんの不安もない。途中の展望地から朝メシを食った宝塚北SAが見えた。
桜の園に入ると立ち並ぶ木々のひとつひとつに樹木名板が付けられていて勉強になる。
 廃線跡まで下りてトンネルを抜けると、左手の土手の上にたくさんのテントが張られており、外国人がウロウロ
していた。次のトンネルから音楽が流れてきている。
誰か音楽を聞きながら歩いているのかと思ったら、なんとトンネルの中でバンドが演奏しており、まわりにスタッフ
と思しき人が屯していた。ギンギラのドレスを着た女性まで居て、何がなんだかわからないカオス状態である。
廃線跡の入口にある飲食店では外国人の姿が目立った。こんな場所までインバウンドの波が押し寄せているようだ。
 駐車場へ戻るとワイパーに紙が挟んであった。管理人からのお手紙だ。着替えてから管理事務所へ料金を払いに
行こうと思っていたら集金の車がやってきて手間が省けたのだった

                    山日和

Re: 【中山連山】予想外の美渓 武庫川西ノ谷から大峰山へ

Posted: 2025年9月18日(木) 20:03
by sato
山日和さま

こんばんは。
今日は少し雨が降り、やっと猛烈な暑さから解放されました。
今晩は網戸にした窓の外から聞こえてくる涼し気な虫の声を楽しめます。

先週末は、武庫川のお山の谷を楽しんでいらっしゃったのですね。
でも、まだ腕の痛みが引いていなかったとは。
今はもう治まりましたか。

大峰山は知りませんでしたが、武庫川渓谷沿いの旧福知山線の廃線跡は、いつか歩きたいなぁと思っていました。
むかしは、この渓谷を機関車が走っていたのですね。
登山口は、桜の園になっているのですね。地元の方のお山と渓谷、そして廃線跡への愛を感じますね。

西ノ谷は、標高552mの山の谷とは思えない大きな滝やナメが続くのですね。
6枚目の写真の滝は、スケールの大きさを感じます。
8枚目のナメも素晴らしいですね。山日和さんのうれしそうなお顔が浮かんできます。
ご自宅から30分以内のちいさなお山に、こんなにも素敵な谷があったのですね。うれしさもひとしおですね。

大峰山は、暑くてお天気の良くない日でも登る方がいるくらい愛されているお山なのですね。
ちょこっと登ったり、まわりの山と周回したり、たくさんの方がいろいろなコースで楽しんでいるのだなぁと。
うつくしい谷と出会ったよろこびを噛みしめながら廃線跡に下ってきたら、野外ライブ会場になっていてカオス状態ですか。
予想外の美渓の後は、予想外のお祭り騒ぎ。どんなライブだったのでしょう。
カオス状態、ちょっと見てみたかったり。

「谷は入ってみないと分からない」
今まで見過ごしていた近くのちいさなお山で、思いもかけない輝きを掬い上げたゆたかな一日だったのだなぁと思いました。
今シーズンの沢山旅もあとひと月?どんな谷に出会えるのか楽しみですね。

sato

Re: 【中山連山】予想外の美渓 武庫川西ノ谷から大峰山へ

Posted: 2025年9月19日(金) 20:46
by 山日和
satoさん、どうもです。

今日は少し雨が降り、やっと猛烈な暑さから解放されました。
今晩は網戸にした窓の外から聞こえてくる涼し気な虫の声を楽しめます。


昨夜は久しぶりに熱帯夜を免れました。このまま涼しくなってくれるといいんだけど。

でも、まだ腕の痛みが引いていなかったとは。
今はもう治まりましたか。


意外に長引いてます・・・ :oops:

大峰山は知りませんでしたが、武庫川渓谷沿いの旧福知山線の廃線跡は、いつか歩きたいなぁと思っていました。
むかしは、この渓谷を機関車が走っていたのですね。
登山口は、桜の園になっているのですね。地元の方のお山と渓谷、そして廃線跡への愛を感じますね。


55年前、夜行列車(でもないか)に乗って八鹿まで行きました。鉢伏山から氷ノ山への縦走でした。
その時にこの線路を走ったんだけど、ほとんどトンネルばかりだし、外は真っ暗で景色は見えないので何も感じませんでした。

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西ノ谷は、標高552mの山の谷とは思えない大きな滝やナメが続くのですね。
6枚目の写真の滝は、スケールの大きさを感じます。
8枚目のナメも素晴らしいですね。山日和さんのうれしそうなお顔が浮かんできます。
ご自宅から30分以内のちいさなお山に、こんなにも素敵な谷があったのですね。うれしさもひとしおですね。


標高だけでは谷は推し量れませんね。低いこともあってほぼノーマークでしたが、行ってみないとわからないもんです。
この近辺ではお隣の惣河谷支流が面白い谷で、40年以上前に何度か遡行しました。
滝とゴルジュの面白い谷だけど、スタートが採石場で終了点がゴルフ場というのが・・・ :mrgreen:
西ノ谷は上に人工物がないのがいいですね。

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大峰山は、暑くてお天気の良くない日でも登る方がいるくらい愛されているお山なのですね。
ちょこっと登ったり、まわりの山と周回したり、たくさんの方がいろいろなコースで楽しんでいるのだなぁと。


中山から歩いてくる人も多いようです。下山後は武田尾からか廃線跡を生瀬まで歩いてJRですね。

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うつくしい谷と出会ったよろこびを噛みしめながら廃線跡に下ってきたら、野外ライブ会場になっていてカオス状態ですか。
予想外の美渓の後は、予想外のお祭り騒ぎ。どんなライブだったのでしょう。
カオス状態、ちょっと見てみたかったり。

いや、お祭り騒ぎじゃなくて妙にしんみりした感じだったので、よけいに混乱しました。
なんか変な宗教の集まりかと。 :mrgreen:

「谷は入ってみないと分からない」
今まで見過ごしていた近くのちいさなお山で、思いもかけない輝きを掬い上げたゆたかな一日だったのだなぁと思いました。
今シーズンの沢山旅もあとひと月?どんな谷に出会えるのか楽しみですね。


その通りですね。当たりもあればハズレもあるけど、受け入れて楽しむ心持ちが大事です。
紅葉の谷も楽しみですね。

                山日和