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【若狭】甲森谷から庄部谷山へ

Posted: 2025年6月25日(水) 20:15
by 山日和
【日 付】2025年6月21日(土)
【山 域】若狭 庄部谷山周辺
【天 候】晴れ
【コース】横谷川駐車地8:00---9:05甲森谷出合9:20---10:15ワンダーランド---サルハシ谷尾根取付き12:00---
     13:20稜線---13:45庄部谷山15:05---16:35林道---16:45駐車地

 2年振りに訪れた横谷川は少し様子が変わっていた。
いつもの駐車スペースから出発。林道上にはエゴノキの落花が一面に散り敷かれて美しい。
頭上で生きて開花しているエゴノキもいいが、こうやって路面を彩る姿も風情があるのだ。
 林道の崩落場所を過ぎて最終堰堤に着いた。巡視路が荒れ放題だったため、ここしばらくは堰堤上の河原に
下りて遡行していたのだが、元々巡視路のある右斜面に真新しい関電のおなじみの赤い標識が立っていた。
これは整備し直したということか。ちゃんと道があるなら河原を歩くより早いので巡視路を辿ってみることにした。
最初こそそれなりに整備された道だったが、途中から崩れの目立つ悪路になった。
25ミリ巾のテープスリングと金属ペグで安全確保のためのルートが作られていたが、整備してから再び荒れたようだ。
結構危なっかしいところもあり、河原を歩くのとどっちが早かったかわからない。

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 最初の吊橋の手前に真新しいワイヤー製の吊橋ができていた。これは右岸からの道を左岸へ渡るためのもので、
最初から左岸を歩いてきたら渡る必要のないものである。この吊橋は踏み板がなく、30センチ間隔ぐらいのワイヤー
が横に渡してあるスケルトン仕様で、実際渡るのはかなり恐いだろう。
 元々の最初の吊橋は土台も含めて完全に撤去されていたのには驚いた。以前はここに吊橋があったとは言われても
わからないだろう。ここには新しい橋をかけるつもりはないらしく、足を濡らして渡渉しなければ前進できない。

 右岸の道を進んで次の渡渉点にも標識が立っている。水量がやや多いせいもあるが、足を濡らさずに進むことは
不可能だ。
いつも下から見上げていた次の吊橋も完全に撤去されていた。ここから横谷川本流のゴルジュ帯に入る。
左岸の巡視路は新しいプラアングルや先ほどのテープスリングで一度は整備したようだが、やはり荒れは免れていな
いようである。


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 甲森谷の出合にも関電の標識があり、下降点がわかりやすくなっていた。
ここまで1時間余り。いつものように二俣になった河原でひと息入れる。
 甲森谷は変わらず優しい渓相で迎え入れてくれた。たまに岩盤の上を走るナメ状の流れがあるぐらいで、ほとんど
は平凡な河原の連続なのだが、渓畔の樹林の迸るような緑の美しさや木の間越しにこぼれる柔らかい光と相まって、
渓流の美しさを一段と引き立たせている。点在する炭焼窯跡には例外なく大きなトチの木が添えられているのもいい。

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 甲森谷へ入って最初のカツラの巨樹が出迎えてくれたがこれはまだ序章に過ぎない。ここにも原形を留めた立派な
窯跡がある。
両岸が立ってくると間もなく白谷の出合である。トチとカツラのワンダーランドはもうすぐそこだ。

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 何度訪れたかわからないワンダーランド。入口にはまん丸の窯跡が祭壇のように設えられてあり、その奥にはまさ
にご神木とも呼びたいようなカツラの巨樹が見下ろしている。
無信仰の自分でもなにか霊的なものを感じるような静謐な空間がそこにはある。
この巨樹を皮切りに、上流へ進むと次から次へと現れるカツラの巨樹のオンパレード。
 20年前、初めてここへ来た時の驚きを思い出す。今でこそネット上で記録が散見されるようになったが、当時は
なんの予備知識もなく、検索してもまったく何もヒットしない時代だった。
草川啓三氏の「湖西の山を歩く」の庄部谷山の項に載っていた地図でその名前を知った甲森谷。その本では紹介され
ていなかったが、地形図を見てどんなところだろうと思いを巡らせたものだ。そしてその想像を遥かに凌駕する重厚
なカツラの巨樹の森がそこにあった。海からほど近い若狭の里山でこんな風景に出会おうとは夢にも思わなかった。
一本一本のカツラを慈しむように愛でながらゆっくりと歩を進めた。

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 予定ではここからサルハシ谷に入って庄部谷山へ直接上がるつもりだが、その前に大産石室の滝にご挨拶していこう。
何度も登った10m足らずの小滝だが、何度見ても右手に巨大な岩が斜めに倒れかかって岩屋を作っているダイナミック
な風景は見飽きることがない。
 引き返してサルハシ谷へ入る。どうも調子が上がらず、このまま詰め上がろうという気力が湧かなかった。
そこで次の二俣の中間尾根を庄部谷山の北側へ上がろうと歩き出したが、上方にとても通過できそうもない岩壁が見える。
ここは6年前に下っているはずなのだが、どう見ても下りはおろか登りでも突破できそうにない。
どうやって下りてきたのだろうか。

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 あきらめて二俣の左手の小尾根に取り付き、甲森谷とサルハシ谷の中間尾根を上がることにした。
実はもうやる気を失って、ここから甲森谷を戻ろうかとも思っていたのだ。時間もいつの間にか12時を回っている。
 なんとか気力をふり絞って、休み休みながらも高度を上げる。ブナ林に入れば風が心地良く、気分も晴れてきた。

 標高差450mを登り切ると、芦谷山南のP806mと庄部谷山を結ぶ稜線に飛び出す。本当なら濃密なブナ林に包まれて
稜線漫歩のはずなのだが、今は刈り倒されたブナの脇を無味乾燥な林道が走る無残な姿を晒している。

 庄部谷山の山頂は元のままの姿で待っていた。一段下がった庄部谷の源頭に腰を据える。
穏やかな疎林の広がる庄部谷源頭を見下ろすここが定番のランチ場だ。
数年前にここでエイトカンを置き忘れたのだが、当然ながらあるはずもない。
庄部谷の左奥にチラッと林道らしきものが見えるが見えないふりをしてビールを煽る。
 長らく我が最愛の山だった庄部谷山もすっかり足が遠のいてしまった。見たくない現実を見せられるほど辛いもの
はない。

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 下山は下山は林道歩きを短縮できる北西尾根を選ぶ。山頂からすぐ西へ向きを変えて荒谷と庄部谷の間を下る尾根
だが、やや複雑な分岐もあり油断できない。少し下ると見事なブナ林が広がり、右手の荒谷右俣源頭にトチの巨木が
ある。
ひたすら下れば送電鉄塔があり、御岳山や雲谷山方面の展望が開けた。
ここからは巡視路を気楽にというはずだったが、そうは問屋が卸さなかった。最後は道を外して林道の法面にぶつかる。
一番マシそうな斜面を逆モンキーで滑りながら強引に着地。
もっとスマートに下ればいいものを、何かしないと気が済まない性格なのか。
 腕が泥だらけになったので、取水施設の手前で河原に下りて顔を腕を洗う。
美浜に日帰り温泉施設があれば言うことはないのだが、これはないものねだりだろうか。
敦賀へ出てリラポートで汗を流し、敦賀湾の夕日を眺めながら晩飯を食って帰ろう。

                     山日和


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Re: 【若狭】甲森谷から庄部谷山へ

Posted: 2025年6月29日(日) 05:29
by わりばし
おはようございます、山日和さん。

 2年振りに訪れた横谷川は少し様子が変わっていた。
25ミリ巾のテープスリングと金属ペグで安全確保のためのルートが作られていたが、整備してから再び荒れたようだ。
結構危なっかしいところもあり、河原を歩くのとどっちが早かったかわからない。


あらまあ、ホームグラウンドも2年間が空きましたか。


 最初の吊橋の手前に真新しいワイヤー製の吊橋ができていた。これは右岸からの道を左岸へ渡るためのもので、
最初から左岸を歩いてきたら渡る必要のないものである。この吊橋は踏み板がなく、30センチ間隔ぐらいのワイヤー
が横に渡してあるスケルトン仕様で、実際渡るのはかなり恐いだろう。
 元々の最初の吊橋は土台も含めて完全に撤去されていたのには驚いた。以前はここに吊橋があったとは言われても
わからないだろう。ここには新しい橋をかけるつもりはないらしく、足を濡らして渡渉しなければ前進できない。
いつも下から見上げていた次の吊橋も完全に撤去されていた。ここから横谷川本流のゴルジュ帯に入る。
左岸の巡視路は新しいプラアングルや先ほどのテープスリングで一度は整備したようだが、やはり荒れは免れていな
いようである。


関電も金掛けますね。
大金を投資している福井でも自然の力には勝てませんか。


 甲森谷は変わらず優しい渓相で迎え入れてくれた。たまに岩盤の上を走るナメ状の流れがあるぐらいで、ほとんど
は平凡な河原の連続なのだが、渓畔の樹林の迸るような緑の美しさや木の間越しにこぼれる柔らかい光と相まって、
渓流の美しさを一段と引き立たせている。点在する炭焼窯跡には例外なく大きなトチの木が添えられているのもいい。


トチのアガリコってことですね。

 何度訪れたかわからないワンダーランド。入口にはまん丸の窯跡が祭壇のように設えられてあり、その奥にはまさ
にご神木とも呼びたいようなカツラの巨樹が見下ろしている。
無信仰の自分でもなにか霊的なものを感じるような静謐な空間がそこにはある。
この巨樹を皮切りに、上流へ進むと次から次へと現れるカツラの巨樹のオンパレード。
 20年前、初めてここへ来た時の驚きを思い出す。今でこそネット上で記録が散見されるようになったが、当時は
なんの予備知識もなく、検索してもまったく何もヒットしない時代だった。
草川啓三氏の「湖西の山を歩く」の庄部谷山の項に載っていた地図でその名前を知った甲森谷。その本では紹介され
ていなかったが、地形図を見てどんなところだろうと思いを巡らせたものだ。そしてその想像を遥かに凌駕する重厚
なカツラの巨樹の森がそこにあった。海からほど近い若狭の里山でこんな風景に出会おうとは夢にも思わなかった。
一本一本のカツラを慈しむように愛でながらゆっくりと歩を進めた。


ヤブメンも数多く訪れて聖地になっていますね。

 
 標高差450mを登り切ると、芦谷山南のP806mと庄部谷山を結ぶ稜線に飛び出す。本当なら濃密なブナ林に包まれて
稜線漫歩のはずなのだが、今は刈り倒されたブナの脇を無味乾燥な林道が走る無残な姿を晒している。
 庄部谷山の山頂は元のままの姿で待っていた。一段下がった庄部谷の源頭に腰を据える。
穏やかな疎林の広がる庄部谷源頭を見下ろすここが定番のランチ場だ。
数年前にここでエイトカンを置き忘れたのだが、当然ながらあるはずもない。
庄部谷の左奥にチラッと林道らしきものが見えるが見えないふりをしてビールを煽る。
 長らく我が最愛の山だった庄部谷山もすっかり足が遠のいてしまった。見たくない現実を見せられるほど辛いもの
はない。


福井は投資額も多いだけに動き出すと早いですね。
雪国のおかげて自然林が多く残った貴重な場所なのに。



 ここからは巡視路を気楽にというはずだったが、そうは問屋が卸さなかった。最後は道を外して林道の法面にぶつかる。
一番マシそうな斜面を逆モンキーで滑りながら強引に着地。
もっとスマートに下ればいいものを、何かしないと気が済まない性格なのか。
 腕が泥だらけになったので、取水施設の手前で河原に下りて顔を腕を洗う。

まあこれは性(サガ)としか言いようがありませんね。
すばらしいスピードでの復活、おめでとうございます。 :mrgreen:

                          わりばし

Re: 【若狭】甲森谷から庄部谷山へ

Posted: 2025年7月02日(水) 22:49
by 山日和
わりばしさん、どうもです。

あらまあ、ホームグラウンドも2年間が空きましたか。

しばらく間が空くと微妙に変わりますね。

関電も金掛けますね。
大金を投資している福井でも自然の力には勝てませんか。

ずっと長い間ほったらかしだったのに、突然整備し出しましたね。
まあ、あの程度の整備だと大水が出れば一発でアウトですが。
新しい吊橋だけはスケルトンにして壊れにくくしたようです。


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>点在する炭焼窯跡には例外なく大きなトチの木が添えられているのもいい。

トチのアガリコってことですね。


それがアガリコでもないんですねえ。単に切らずに置いてるだけみたいな。

>何度訪れたかわからないワンダーランド。入口にはまん丸の窯跡が祭壇のように設えられてあり、その奥にはまさにご神木とも呼びたいようなカツラの巨樹が見下ろしている。

ヤブメンも数多く訪れて聖地になっていますね。


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岳人で紹介されたこともありますが、ヤマップにアップされるとあっという間に有名になりますね。結構レポが上がるようになりました。
私が命名した「トチとカツラのワンダーランド」もどこで見たのか出てきます。 :lol:

>標高差450mを登り切ると、芦谷山南のP806mと庄部谷山を結ぶ稜線に飛び出す。本当なら濃密なブナ林に包まれて稜線漫歩のはずなのだが、今は刈り倒されたブナの脇を無味乾燥な林道が走る無残な姿を晒している。
 
福井は投資額も多いだけに動き出すと早いですね。
雪国のおかげて自然林が多く残った貴重な場所なのに。

地元の新庄の人々の愛着を感じられる場所だったんですが・・・
グリーンパワーに丸め込まれたのか。 :oops:


P6210153_1.JPG

>一番マシそうな斜面を逆モンキーで滑りながら強引に着地。
もっとスマートに下ればいいものを、何かしないと気が済まない性格なのか。

まあこれは性(サガ)としか言いようがありませんね。
すばらしいスピードでの復活、おめでとうございます。 :mrgreen:

まあ、そういうことなんでしょう。 :mrgreen:
ありがとうございます。

                         
             山日和