【若狭】復活の沢 観音川から雲谷山へ
Posted: 2025年6月15日(日) 22:39
【日 付】2025年6月13日(金)
【山 域】若狭 雲谷山周辺
【天 候】晴れ
【コース】三方石観世音8:00---8:30雄滝---10:00三俣---11:50ランチ場13:30---14:15登山道---14:35雲谷山15:00
---16:00下降点---16:20林道---16:45駐車地
土日の天気予報は絶望的だ。一週空けて体をなまらせたくないので、好天が約束された金曜日に急遽計画した。
目的地は若狭の観音川から雲谷山。あの事故以来、9ヶ月振りの沢登りである。登山再開から約半年。ほぼ毎週
山に出かけてきたが、沢で思い通りに動くことができるだろうか。
若狭の低山、雲谷山の西から伸びる観音川は、沢登りの対象とは見なされていない谷だ。
私自身もこれまでまったくノーマークで、「若狭の山 東部編」にも雲谷山西面の谷は今古川しか載せていなかった。
ところがヤマレコでhillwanderer氏が雲谷川周辺の谷を集中的に探索した記録を発表した。そこでこれまでまったく
記録を見なかった谷(おそらく一般的には沢登りの対象外と思われていた谷)に知られざる大滝やナメ、連瀑帯が眠っ
ていることを知ったのである。
雲谷山は780mほどの低山だが、登山口の三方石観世音の標高は80m余りしかない。三方湖まで直線距離で1キロ
強というロケーションである。
三方石観世音に車を止めて出発。奥の院を目指して林道を歩くが、これがなかなかの急傾斜だ。
小屋があるところで右に分かれる谷沿いに続く山道に入る。堰堤を越えるといきなりの5m斜瀑に顔がほころぶ。
石畳のように作られた人工的な水路の奥に赤い岩肌が印象的な2条10mの美しい滝が落ちていた。これが雌滝と呼ば
れる滝のようだ。右から巻き上がると右岸にガードレールが見えた。
小滝を登ると目の前に橋がかかり、右手に朱塗りの建物がある。これが奥の院の拝殿らしい。奥には雄滝と呼ばれ
る10mほどの滝が見える。
ここから谷はミニゴルジュっぽい様相を呈するが、中は小滝ばかりで直登と巻きを交えて簡単に通過。
すると前方に球形の空間と釜を設えた面白い滝が現れた。その下にももう一つ丸い釜を備えている。あまり見たこ
とのない造形だ。
この滝を皮切りに、次々とナメ滝が現れ、応接に暇がない状態となった。そのほとんどが2本足だけで快適に登れ
る傾斜で楽しい限りである。若狭にまだこんな素晴らしい谷が残されていたというのも驚きだ。
まあ、自分が知らなかっただけの話なのだが。
少し中だるみの凡流区間を経てCa350mの三俣に到着。右から入る谷は斜瀑の先に何段もの連瀑をかけ、はるか高
いところに水流が見えた。
正面の谷は渇水期には水が流れていないのだろう、高さはあるがわずかな水を落としている。
本流と目される左俣は3段15mほどの溝状の滝がかかっていた。最上段は手が出ないので右岸から巻き上がる。
その上にも5m前後の滝が続いて飽きることがない。
一旦谷の傾斜が緩んで平流帯となると、炭焼窯跡がいくつか現れた。そして再び連瀑帯に突入。
この谷には直瀑はほとんどなく、斜瀑とナメ滝で構成されている。傾斜の緩いうちはいいが、少し立って来るとホー
ルドも乏しく高巻きを強いられた。
10~15mの滝が次々に現れ、チェーンスパイクを履いて慎重にトラバースを繰り返す。
628m標高点の南西あたりまで来るとこんどは源流部の平流帯となる。
谷に入ってしばらくは低い標高のせいで常緑樹の森だったが、このあたりまで来ると美しいブナ林が広がっている。
まったく傾斜のない流れとブナの森。ここでランチタイムにしない理由がない。
地図上で登山道と最接近している地点だ。尾根上の登山道とは10mほどの標高差しかないのでまったく圧迫感がな
いのがいい。
ブナ林の木漏れ日の下、そよ風も吹いて暑さ知らずどころか少し寒いぐらいである。下界では30℃まで気温が上が
っているらしい。
食後は登山靴に履き替えてリスタート。残す行程はゆるゆるとした源流を詰め上がるだけである。
二俣では稜線に近いところに突き上げる左俣を選ぶつもりだったが、目の前の伸びやかな谷の広がりに誘われて
右俣に入る。苔むした岩から源流の一滴がしたたっているのを見ながら緩やかな源頭へ。
視線の先に大きな木が一本立っていた。ブナかなと思ったが、幹周り3mを超すと思われるイタヤカエデの大木
だった。この源流部は紅葉の時期に彷徨い歩いてみたいところだ。
詰め上がった支尾根には赤い境界杭があり、踏み跡が続いていた。ほぼヤブ無しで三方石観音からの登山道に
合流。豊かなブナ林の中を雲谷山頂を目指す。
さすがに谷から上がると暑いが、ブナのおかげで日に晒されることはない。
十何度目かの雲谷山。そのすべてが沢からである。東面の雲谷川右俣右谷・左谷と左俣。門近谷、滝ヤ谷。
西面の今古川を5回も遡行しているのはそれほど楽しい沢だということだろう。
山頂そのものは若狭湾の展望が開けるだけで平凡なのだが、ここに至る道程のブナを主体とする樹林が素晴らしい
のだ。山頂ではコナスビとヤマボウシが控えめに迎えてくれた。
石観音への道を下山にかかる。ブナ林の中の道は気持ちがいい。特に628m標高点手前で尾根芯を外れて観音川
左俣側へ巻くように付けられた道の佇まいは素晴らしい。
すぐ横に穏やかな源流の流れを見ながら再び尾根に復帰。628m直前の鞍部が谷との最接近点だ。
ランチタイムを楽しんだ桃源郷がすぐそこに見えている。
登山道をこのまま辿ってもよかったのだが、展望台の手前から直接観音川の林道へ下るルートが早かろうとそ
ちらを選択した。
鞍部からは丸太の階段の先に幅広い道が続いているように見えて、これは楽勝かとこの時は思った。
しかし道はすぐに細くなり、崩壊箇所が現れた。なかなか一筋縄ではいかない道である
。予想より時間がかかってようやく舗装された観音川の林道に着地。結局展望台経由で下りた方が早かったかも
しれないと思ったが、鞍部から林道まで20分しか経っていなかった。その割にはずいぶん長く感じたのだ。
何度となく訪れている雲谷川だが、まだまだ知らない魅力が潜んでいるのを再認識させられた一日だった。
山日和
【山 域】若狭 雲谷山周辺
【天 候】晴れ
【コース】三方石観世音8:00---8:30雄滝---10:00三俣---11:50ランチ場13:30---14:15登山道---14:35雲谷山15:00
---16:00下降点---16:20林道---16:45駐車地
土日の天気予報は絶望的だ。一週空けて体をなまらせたくないので、好天が約束された金曜日に急遽計画した。
目的地は若狭の観音川から雲谷山。あの事故以来、9ヶ月振りの沢登りである。登山再開から約半年。ほぼ毎週
山に出かけてきたが、沢で思い通りに動くことができるだろうか。
若狭の低山、雲谷山の西から伸びる観音川は、沢登りの対象とは見なされていない谷だ。
私自身もこれまでまったくノーマークで、「若狭の山 東部編」にも雲谷山西面の谷は今古川しか載せていなかった。
ところがヤマレコでhillwanderer氏が雲谷川周辺の谷を集中的に探索した記録を発表した。そこでこれまでまったく
記録を見なかった谷(おそらく一般的には沢登りの対象外と思われていた谷)に知られざる大滝やナメ、連瀑帯が眠っ
ていることを知ったのである。
雲谷山は780mほどの低山だが、登山口の三方石観世音の標高は80m余りしかない。三方湖まで直線距離で1キロ
強というロケーションである。
三方石観世音に車を止めて出発。奥の院を目指して林道を歩くが、これがなかなかの急傾斜だ。
小屋があるところで右に分かれる谷沿いに続く山道に入る。堰堤を越えるといきなりの5m斜瀑に顔がほころぶ。
石畳のように作られた人工的な水路の奥に赤い岩肌が印象的な2条10mの美しい滝が落ちていた。これが雌滝と呼ば
れる滝のようだ。右から巻き上がると右岸にガードレールが見えた。
小滝を登ると目の前に橋がかかり、右手に朱塗りの建物がある。これが奥の院の拝殿らしい。奥には雄滝と呼ばれ
る10mほどの滝が見える。
ここから谷はミニゴルジュっぽい様相を呈するが、中は小滝ばかりで直登と巻きを交えて簡単に通過。
すると前方に球形の空間と釜を設えた面白い滝が現れた。その下にももう一つ丸い釜を備えている。あまり見たこ
とのない造形だ。
この滝を皮切りに、次々とナメ滝が現れ、応接に暇がない状態となった。そのほとんどが2本足だけで快適に登れ
る傾斜で楽しい限りである。若狭にまだこんな素晴らしい谷が残されていたというのも驚きだ。
まあ、自分が知らなかっただけの話なのだが。
少し中だるみの凡流区間を経てCa350mの三俣に到着。右から入る谷は斜瀑の先に何段もの連瀑をかけ、はるか高
いところに水流が見えた。
正面の谷は渇水期には水が流れていないのだろう、高さはあるがわずかな水を落としている。
本流と目される左俣は3段15mほどの溝状の滝がかかっていた。最上段は手が出ないので右岸から巻き上がる。
その上にも5m前後の滝が続いて飽きることがない。
一旦谷の傾斜が緩んで平流帯となると、炭焼窯跡がいくつか現れた。そして再び連瀑帯に突入。
この谷には直瀑はほとんどなく、斜瀑とナメ滝で構成されている。傾斜の緩いうちはいいが、少し立って来るとホー
ルドも乏しく高巻きを強いられた。
10~15mの滝が次々に現れ、チェーンスパイクを履いて慎重にトラバースを繰り返す。
628m標高点の南西あたりまで来るとこんどは源流部の平流帯となる。
谷に入ってしばらくは低い標高のせいで常緑樹の森だったが、このあたりまで来ると美しいブナ林が広がっている。
まったく傾斜のない流れとブナの森。ここでランチタイムにしない理由がない。
地図上で登山道と最接近している地点だ。尾根上の登山道とは10mほどの標高差しかないのでまったく圧迫感がな
いのがいい。
ブナ林の木漏れ日の下、そよ風も吹いて暑さ知らずどころか少し寒いぐらいである。下界では30℃まで気温が上が
っているらしい。
食後は登山靴に履き替えてリスタート。残す行程はゆるゆるとした源流を詰め上がるだけである。
二俣では稜線に近いところに突き上げる左俣を選ぶつもりだったが、目の前の伸びやかな谷の広がりに誘われて
右俣に入る。苔むした岩から源流の一滴がしたたっているのを見ながら緩やかな源頭へ。
視線の先に大きな木が一本立っていた。ブナかなと思ったが、幹周り3mを超すと思われるイタヤカエデの大木
だった。この源流部は紅葉の時期に彷徨い歩いてみたいところだ。
詰め上がった支尾根には赤い境界杭があり、踏み跡が続いていた。ほぼヤブ無しで三方石観音からの登山道に
合流。豊かなブナ林の中を雲谷山頂を目指す。
さすがに谷から上がると暑いが、ブナのおかげで日に晒されることはない。
十何度目かの雲谷山。そのすべてが沢からである。東面の雲谷川右俣右谷・左谷と左俣。門近谷、滝ヤ谷。
西面の今古川を5回も遡行しているのはそれほど楽しい沢だということだろう。
山頂そのものは若狭湾の展望が開けるだけで平凡なのだが、ここに至る道程のブナを主体とする樹林が素晴らしい
のだ。山頂ではコナスビとヤマボウシが控えめに迎えてくれた。
石観音への道を下山にかかる。ブナ林の中の道は気持ちがいい。特に628m標高点手前で尾根芯を外れて観音川
左俣側へ巻くように付けられた道の佇まいは素晴らしい。
すぐ横に穏やかな源流の流れを見ながら再び尾根に復帰。628m直前の鞍部が谷との最接近点だ。
ランチタイムを楽しんだ桃源郷がすぐそこに見えている。
登山道をこのまま辿ってもよかったのだが、展望台の手前から直接観音川の林道へ下るルートが早かろうとそ
ちらを選択した。
鞍部からは丸太の階段の先に幅広い道が続いているように見えて、これは楽勝かとこの時は思った。
しかし道はすぐに細くなり、崩壊箇所が現れた。なかなか一筋縄ではいかない道である
。予想より時間がかかってようやく舗装された観音川の林道に着地。結局展望台経由で下りた方が早かったかも
しれないと思ったが、鞍部から林道まで20分しか経っていなかった。その割にはずいぶん長く感じたのだ。
何度となく訪れている雲谷川だが、まだまだ知らない魅力が潜んでいるのを再認識させられた一日だった。
山日和
土日の天気予報は絶望的だ。一週空けて体をなまらせたくないので、好天が約束された金曜日に急遽計画した。