【加越国境】再びの判官堂湿原とミズバショウ群生地に遊ぶ
Posted: 2025年6月10日(火) 23:05
【日 付】2025年6月7日(土)
【山 域】加越国境 取立山周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】登山口7:15---8:23取立山---9;43板谷の頭---10:23明谷川尾根取付点---11:45下の湿原---12:12上の湿原13:22
---14:57板谷の頭---15:35ミズバショウ群生地16:00---17;00大滝---17;30登山口
山頂まで1時間余りで登ることができる取立山は、みなさんスタートが遅いようで、7時頃に着いても駐車場はまだ
ガラガラだ。今年は雪が多いせいで、例年なら5月の半ば頃から見頃を迎えるミズバショウの群落もようやく満開に
なったらしい。と言っても、今日の第一目的は取立山ではなく、一昨年に訪れた判官堂湿原の再訪である。
まずは取立山に向かうが、今日は気温が高く早くもバテ気味だ。これで判官堂湿原まで辿り着けるのだろうか。
チゴユリやミツバツツジは咲いているが、マイズルソウはまだ早いようだ。この道は楽なのだが、あまり日陰がない
ので暑い日には厳しい。
取立山頂では真正面から白山の雄姿が出迎えてくれた。ただ、この山頂は単なる通過点である。
休憩もそこそこに加越国境稜線へと踏み出した。はずが、なんとなく様子がおかしい。国境稜線への分岐を見逃して、
避難小屋への道を進んでしまっていたのだ。慌てて引き返すと分岐の標識もなく、ここだと言われなければわからな
い程度の踏み跡が分かれていた。道は整備もされていないのだろう、2年前よりずいぶんヤブっぽくなっているようだ。
そう言えばヤマップの地図では「立入禁止」のマークが並んでいる。
加越国境稜線に出るとヤブっぽさはマシになったが、時折手を使ったり木をまたいだり腰を屈めて通過したりと、
あまりスピードが上がらない。6月だというのにショウジョウバカマが満開で、さしずめバカマロードだ。
ツバメオモトやミツバノバイカオウレン、イワウチワもちらほら顔を出し、頭上にはタムシバと、1ヶ月前の山を
歩いているようである。
板谷の頭からは目の前に聳える鉢伏山との鞍部に向かって下る。
この鞍部から明谷川の源流へ下って行くのだが、谷の方を見て驚いた。残雪が谷をびっしりと埋めているのだ。
谷歩きに備えて沢靴も用意してきたのだがこれはラッキーである。
チェーンスパイクを履いて雪渓を下って行く。さすがにずっと雪渓が続いていたとは行かず、流れの両岸に切れ
切れの雪があるという状態となる。
2年前に歩いた支谷の手前に登りやすそうな小谷があったのでそこを上がってみると、並行する小尾根がほとんど
ヤブがなく歩きやすそうに見えた。ピンクのテープもある。
これならあえて谷を歩く必要もない。半端ない急登だが、標高差にして200mの辛抱だ。
ひたすら登り続けてふっと傾斜が緩んだ。傾斜がなくなるのはいいが、ここからが本格的なヤブの始まりである。
ササヤブではなく曲がりくねった潅木が入り組んだヤブはタチが悪い。ササのように押し開いて体をねじ込むわけ
にもいかず、わずかなすき間を見つけて足を入れ、どういう動きをすればすり抜けられるか考えながら、時には
アクロバチックな動作も要求される。
ヤブを抜けて地図で目星を付けていた谷に出ると、そこにはまた想像もしなかった光景が広がっていた。
広い緩やかな谷は一面の雪渓となり、両岸にはブナ林が広がる。2年前とのあまりの違いに躍り上がった。
この谷を少し下って東に進めば、前回見つけられなかった下の湿原に出られるはずだ。
うきうきした気分で雪渓を下り、右折して下の湿原を目指す。
再びヤブを突き抜けたところにまたひと筋の小雪渓が現れた。まさにヤブの中のホワイトロード、天の助けである。
このあたりだろうと思われるところで三たびヤブに飛び込む。前方の空間が少し明るいように見えた。
最後に潅木をかき分けて飛び出したところが下の湿原だった。
上の湿原よりも少し小さく白山も見えないが、まわりを白いタムシバが飾っていた。
これで第一の目的は達成、次はメインディッシュの上の湿原でランチタイムだ。
ところが目の前に現れた一面ブナ林に包まれた雪原に引き込まれて、いつの間にか南の方を向いていた。
ヤブと違って雪原歩きはスピードが早く、GPSを確かめると思わぬところまで来てしまっていたのである。
引き返して今度は東に方向を定めてヤブを漕ぐが、湿原のラインよりも南側を歩いているようだ。
それでも距離はわずか、少しの我慢で見覚えのある上の湿原に飛び出した。
湿原は前回よりも池塘の水量が多く見応えがあった。正面には遮るものなく白山の姿を拝むことができる素晴
らしい場所である。実は山上へ上がってからの雪渓や雪原を見て、ひょっとしたら湿原がただの雪原になってい
るのではと危惧していたのだが、それは杞憂に終わってホッとしたのだ。
2年前と同様、至福のランチタイムを楽しむ。ここがミズバショウの群落だったらと思うのは贅沢な願いという
ものだろう。
帰路はまっすぐに登りの尾根を目指すが、先ほどの雪渓の快適さに釣られて少し大回りとなった。
ヤブのない急な尾根の下りは早く、あっという間に明谷川に着地。何度か渡渉しながら雪渓を繋いで鞍部へ。
残るはミズバショウの群落とサンカヨウが本日のデザートメニューである。
板谷の頭に登り返せば後は下り基調。思ったより早く避難小屋に着いた。ミズバショウの群生地はすぐそこだ。
満開で待っていてくれるだろうか。
群生地の入口近くのミズバショウはすでに終わっていた。一抹の不安を感じながら奥へ進むと、あった。
満開のミズバショウの群落である。流れ込む小川の奥にはまだ雪が残っている。今年の多雪のおかげで今日まで
残っていてくれたのだ。
時刻はもう3時半である。この時間にここにいる登山者は一人もおらず、静寂のミズバショウの風景を楽しむこと
ができた。
白いミズバショウの中に目を惹くピンクの花のようなものがぽつぽつと見えた。近付いてみるとショウジョウバ
カマだった。ミズバショウとショウジョウバカマの取り合わせというのは初めて見た。
ミズバショウを堪能して、こつぶり山へわずかな登りで本日最後の白山の姿を仰ぐ。
大滝コースは危険・通行止めということになっているが、みんな自己責任で歩いているようだ。
実際歩いてみると、大滝を支谷から巻き下るところが荒れ気味になっているのと、大滝分岐から水平道へ登ると
ころで少し崩れているぐらいで、さほど危険は感じない。ただ柵ごとロープが流されたりしているので、行政的
には通行止めにしたいのだろう。
肝心のサンカヨウは、大滝の巻きの手前ででようやく見つけたが3株ほどしかない。これで終わりなのだろうか。
大滝は水量も多く、美しい姿を見せてくれた。滝の前に立つとミストが吹きつけて寒いぐらいだ。
サンカヨウはこれで終わりかとガックリしていたら、林道の途中の斜面にぽつぽつと現れてホッとする。
これで本日のミッションはオールコンプリートである。
駐車場に戻ると車は2台だけ。その1台も間もなく走り去った。
国道に向かって車を走らせていると、道端にいくつかサンカヨウの小群落を見つけた。その中のひと株の花の
付き方が、見たことないようなこんもりとした花束のようだったのには驚いた。
白山の展望、雪渓、ヤブ、湿原、ミズバショウ、大滝、サンカヨウと、豪勢なメニューで満腹になった一日だった。
山日和
【山 域】加越国境 取立山周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】登山口7:15---8:23取立山---9;43板谷の頭---10:23明谷川尾根取付点---11:45下の湿原---12:12上の湿原13:22
---14:57板谷の頭---15:35ミズバショウ群生地16:00---17;00大滝---17;30登山口
山頂まで1時間余りで登ることができる取立山は、みなさんスタートが遅いようで、7時頃に着いても駐車場はまだ
ガラガラだ。今年は雪が多いせいで、例年なら5月の半ば頃から見頃を迎えるミズバショウの群落もようやく満開に
なったらしい。と言っても、今日の第一目的は取立山ではなく、一昨年に訪れた判官堂湿原の再訪である。
まずは取立山に向かうが、今日は気温が高く早くもバテ気味だ。これで判官堂湿原まで辿り着けるのだろうか。
チゴユリやミツバツツジは咲いているが、マイズルソウはまだ早いようだ。この道は楽なのだが、あまり日陰がない
ので暑い日には厳しい。
取立山頂では真正面から白山の雄姿が出迎えてくれた。ただ、この山頂は単なる通過点である。
休憩もそこそこに加越国境稜線へと踏み出した。はずが、なんとなく様子がおかしい。国境稜線への分岐を見逃して、
避難小屋への道を進んでしまっていたのだ。慌てて引き返すと分岐の標識もなく、ここだと言われなければわからな
い程度の踏み跡が分かれていた。道は整備もされていないのだろう、2年前よりずいぶんヤブっぽくなっているようだ。
そう言えばヤマップの地図では「立入禁止」のマークが並んでいる。
加越国境稜線に出るとヤブっぽさはマシになったが、時折手を使ったり木をまたいだり腰を屈めて通過したりと、
あまりスピードが上がらない。6月だというのにショウジョウバカマが満開で、さしずめバカマロードだ。
ツバメオモトやミツバノバイカオウレン、イワウチワもちらほら顔を出し、頭上にはタムシバと、1ヶ月前の山を
歩いているようである。
板谷の頭からは目の前に聳える鉢伏山との鞍部に向かって下る。
この鞍部から明谷川の源流へ下って行くのだが、谷の方を見て驚いた。残雪が谷をびっしりと埋めているのだ。
谷歩きに備えて沢靴も用意してきたのだがこれはラッキーである。
チェーンスパイクを履いて雪渓を下って行く。さすがにずっと雪渓が続いていたとは行かず、流れの両岸に切れ
切れの雪があるという状態となる。
2年前に歩いた支谷の手前に登りやすそうな小谷があったのでそこを上がってみると、並行する小尾根がほとんど
ヤブがなく歩きやすそうに見えた。ピンクのテープもある。
これならあえて谷を歩く必要もない。半端ない急登だが、標高差にして200mの辛抱だ。
ひたすら登り続けてふっと傾斜が緩んだ。傾斜がなくなるのはいいが、ここからが本格的なヤブの始まりである。
ササヤブではなく曲がりくねった潅木が入り組んだヤブはタチが悪い。ササのように押し開いて体をねじ込むわけ
にもいかず、わずかなすき間を見つけて足を入れ、どういう動きをすればすり抜けられるか考えながら、時には
アクロバチックな動作も要求される。
ヤブを抜けて地図で目星を付けていた谷に出ると、そこにはまた想像もしなかった光景が広がっていた。
広い緩やかな谷は一面の雪渓となり、両岸にはブナ林が広がる。2年前とのあまりの違いに躍り上がった。
この谷を少し下って東に進めば、前回見つけられなかった下の湿原に出られるはずだ。
うきうきした気分で雪渓を下り、右折して下の湿原を目指す。
再びヤブを突き抜けたところにまたひと筋の小雪渓が現れた。まさにヤブの中のホワイトロード、天の助けである。
このあたりだろうと思われるところで三たびヤブに飛び込む。前方の空間が少し明るいように見えた。
最後に潅木をかき分けて飛び出したところが下の湿原だった。
上の湿原よりも少し小さく白山も見えないが、まわりを白いタムシバが飾っていた。
これで第一の目的は達成、次はメインディッシュの上の湿原でランチタイムだ。
ところが目の前に現れた一面ブナ林に包まれた雪原に引き込まれて、いつの間にか南の方を向いていた。
ヤブと違って雪原歩きはスピードが早く、GPSを確かめると思わぬところまで来てしまっていたのである。
引き返して今度は東に方向を定めてヤブを漕ぐが、湿原のラインよりも南側を歩いているようだ。
それでも距離はわずか、少しの我慢で見覚えのある上の湿原に飛び出した。
湿原は前回よりも池塘の水量が多く見応えがあった。正面には遮るものなく白山の姿を拝むことができる素晴
らしい場所である。実は山上へ上がってからの雪渓や雪原を見て、ひょっとしたら湿原がただの雪原になってい
るのではと危惧していたのだが、それは杞憂に終わってホッとしたのだ。
2年前と同様、至福のランチタイムを楽しむ。ここがミズバショウの群落だったらと思うのは贅沢な願いという
ものだろう。
帰路はまっすぐに登りの尾根を目指すが、先ほどの雪渓の快適さに釣られて少し大回りとなった。
ヤブのない急な尾根の下りは早く、あっという間に明谷川に着地。何度か渡渉しながら雪渓を繋いで鞍部へ。
残るはミズバショウの群落とサンカヨウが本日のデザートメニューである。
板谷の頭に登り返せば後は下り基調。思ったより早く避難小屋に着いた。ミズバショウの群生地はすぐそこだ。
満開で待っていてくれるだろうか。
群生地の入口近くのミズバショウはすでに終わっていた。一抹の不安を感じながら奥へ進むと、あった。
満開のミズバショウの群落である。流れ込む小川の奥にはまだ雪が残っている。今年の多雪のおかげで今日まで
残っていてくれたのだ。
時刻はもう3時半である。この時間にここにいる登山者は一人もおらず、静寂のミズバショウの風景を楽しむこと
ができた。
白いミズバショウの中に目を惹くピンクの花のようなものがぽつぽつと見えた。近付いてみるとショウジョウバ
カマだった。ミズバショウとショウジョウバカマの取り合わせというのは初めて見た。
ミズバショウを堪能して、こつぶり山へわずかな登りで本日最後の白山の姿を仰ぐ。
大滝コースは危険・通行止めということになっているが、みんな自己責任で歩いているようだ。
実際歩いてみると、大滝を支谷から巻き下るところが荒れ気味になっているのと、大滝分岐から水平道へ登ると
ころで少し崩れているぐらいで、さほど危険は感じない。ただ柵ごとロープが流されたりしているので、行政的
には通行止めにしたいのだろう。
肝心のサンカヨウは、大滝の巻きの手前ででようやく見つけたが3株ほどしかない。これで終わりなのだろうか。
大滝は水量も多く、美しい姿を見せてくれた。滝の前に立つとミストが吹きつけて寒いぐらいだ。
サンカヨウはこれで終わりかとガックリしていたら、林道の途中の斜面にぽつぽつと現れてホッとする。
これで本日のミッションはオールコンプリートである。
駐車場に戻ると車は2台だけ。その1台も間もなく走り去った。
国道に向かって車を走らせていると、道端にいくつかサンカヨウの小群落を見つけた。その中のひと株の花の
付き方が、見たことないようなこんもりとした花束のようだったのには驚いた。
白山の展望、雪渓、ヤブ、湿原、ミズバショウ、大滝、サンカヨウと、豪勢なメニューで満腹になった一日だった。
山日和
取立山の登山道は、初夏の陽光が降り注ぐ道で朝から暑かったですね。