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【室生山地】室生の谷探訪(7)ゴルジュの谷を詰めて夫婦滝へ 青蓮寺川支流夫婦川(地獄谷)

Posted: 2025年5月11日(日) 07:04
by シュークリーム
地獄谷入り口
地獄谷入り口
奈良県曽爾村から三重県名張市に流れ下る青蓮寺川の中流域は両岸に柱状節理が発達し,巨岩,奇岩が数多くあって香落渓(かおちだに)と呼ばれる峡谷を形成している。峡谷上の頂上台地から流れ落ちる谷には,多くの場合上部に大きな滝があり,一気に青蓮寺川に落ち込んでいる。

何度も書いてきたように,このような地形は今から1500万年前に起こった大規模なカルデラ噴火によって形成されたものである。2022年に,室生山地に存在する大滝を探索してきたが,一つ探索し忘れた滝「夫婦滝」があり,ずっと気になっていた。今回はその宿題を終わらせるために夫婦滝の探索に出かけることにした。

【 日 付 】2025年5月8日(木)
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート】紅葉谷駐車場 7:43 --- 9:07 夫婦滝 9:40 --- 9:54 曽爾古道出会い --- 10:32 落合バス停 --- 11:00 紅葉谷駐車場

香落渓にある紅葉谷の駐車場に車を停め,沢装束に着替える。今回は久しぶりにハーネス,30mロープ,スリング,懸垂器具など一通りの沢装備持参だ。なにせ初見の谷なので何が出てくるかわからない。青蓮寺川に一気に流れ落ちる夫婦川には地獄谷という恐ろしげな名前が付いており,地形図をみてもいかにも恐ろしげなゴルジュの谷なのだ。

紅葉谷駐車場から2,30m歩くと谷の入り口に夫婦滝という大きな看板が立っている。ここが夫婦川(地獄谷)の入り口だ。しかし,ここからどう眺めてもそれらしい滝は見えない。実際の夫婦滝はここから約1キロほど遡った柱状節理の上端にある滝のようなのだ。

谷には初手からそれなりの角度が付いている。わずか1キロほどの間に約250mの標高差がある,全体が一つの滝のような谷なのだ。谷を塞ぐように古いロープが張られている。進入禁止のロープなのか,ルートの誘導用なのかよくわからない。さらにすぐその上に真新しい支柱にロープがつけられている。ルートの案内なのだろうか?まだ新しいところを見ると,夫婦滝を一つの観光名所にするつもりなのだろうか。それにしては,この谷に観光客が入れるとは思えないが。
緑の苔の間を水が流れる
緑の苔の間を水が流れる
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ゴーロの谷で,あまり日が当たらないせいかほとんどの岩が緑の苔に覆われて綺麗である。緑の岩間を流れ落ちる白い水流。なかなか絵になる谷である。谷中は意外に広く,想像していたような険悪なゴルジュとは異なる。小さな滝が次々と出てきて,なかなかいい感じである。シャワーでこれらの滝を登るにはまだ抵抗がある時期なので,なるべく濡れないようにして登っていくが,暑い時期だと水と戯れながらの滝登りも楽しいかもしれない。登っているうちに,三峰山のわさび谷を登っているような感覚になってきた。そういえばわさび谷もゴルジュの谷だった。
感じのいい斜滝
感じのいい斜滝
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上部になるにつれてゴーロがだんだんなくなり,末広の滝やら綺麗な斜滝など素敵な滝がいくつも出てくる。そのうち斜滝の向こうの岩壁に幅広のカーテン状に水が落ちる大きな滝が現れた。夫婦滝のようだ。この岩壁で川が二股に分かれ,それぞれから水が落ちているようだ。この形状から夫婦滝と名付けられたのだろう。水量が少ないと貧弱な滝だろうが,幸いに前々日に降った雨で水量が多く,それなりに見られる。
斜滝の向こうに夫婦滝
斜滝の向こうに夫婦滝
夫婦滝
夫婦滝
しばらく滝を愛でたのち,右岸の植林から巻き登る。簡単に巻けるかと思ったが,土が湿っていて滑りやすく,思ったよりも苦労した。滝上は平坦な台地状になっており,下のゴルジュとは大きく異なっている。左股をたどる。川床はナメ状でいい感じなのだが,いかんせん間伐材が行く手を遮っていて雰囲気を壊している。自然林であれば気持ちのいい場所なのだろうに。

しばらくで曽爾古道に出,茶屋滝のあるナメの谷の源流部を横切って落合に出る。あとは車道を歩いて駐車地に戻るだけだ。

【室生山地】室生の谷探訪(8)宇野川の滝とナメ再訪(南松の滝・布引滝)

Posted: 2025年5月12日(月) 18:25
by シュークリーム
【 日 付 】2025年5月8日(木)
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート】室生下田口駐車地 12:13 --- 13:00 南松の滝 --- 13:48 布引滝 14:00 --- ナメ歩き 14:15 --- 15:07 室生下田口駐車地

室生下田口の県道吉野室生寺針線脇に車を停め,宇野川に沿った東海自然歩道を歩き始める。林道のヘアピンカーブのところから沢に入るとすぐ上流に南松の滝。4月22日にも訪れたばかりだが,いい滝だ。今回はこの滝から沢を遡行することにする。下段5mは左から登る。下段上はテラス状になっており,その上の滝は熊が滝として南松の滝とは区別されているようだ。
下段:南松の滝 上段:熊が滝
下段:南松の滝 上段:熊が滝
熊が滝
熊が滝
熊が滝は落差15mとされているが,見た感じはもっと高いように思われる。前回の訪問時の記録では4段に分かれている。右側の斜面を木を掴みながら登る。薄い踏み跡らしきものがあるので,誰かは登っているのだろう。
南松の滝上流の斜滝
南松の滝上流の斜滝
熊が滝のうえはゴーロ帯。ゴーロをしばらく登っていくと感じのいいナメ斜滝が出てくる。ナメ上を登っているとツルっと滑ってこけた。もう一度登ろうとするとやっぱりこけた。おかげで全身水浸し。真夏であればウオータースライダーで遊んでもいいんだけど,この時期はご免こうむりたい。
布引の滝下段
布引の滝下段
そんなことをしているうちに前方に大滝が見える。布引滝25mだ。きれいなナメ滝である。今回は水量が多くて豪快だ。下段は左側から登る。下段と上段の間にポーットホール(甑穴)があるのだが,水量が多くて見えにくい。
布引の滝上段
布引の滝上段
上段は右側を,木を掴みながら登っていく。すぐ脇に布引滝の水流が見える。水量が多いので豪快だ。布引滝を登り詰めると次に素敵なナメが待っている。ほんの100mほどのナメだがこんなきれいなナメは滅多にあるもんじゃない。沢屋にとってナメ歩きは大好物なんである。至福のひと時。
美しいナメ
美しいナメ
左からナメ滝が流れ込んでいる。そこを過ぎてしばらく行くと3mほどのナメ斜滝があって,そこで至福のナメ歩きはおしまいである。なぜここだけきれいなナメが保存されたのか,謎である。
左からナメ滝が合流
左からナメ滝が合流
ナメを再度下り,適当なところで左岸の斜面を上がるとすぐに東海自然歩道だった。東海自然歩道をトコトコ下り,駐車地に戻った。

今日は,初見の夫婦川(地獄谷)を遡行し,夫婦滝を初めて確認することができた。午後は,南松の滝から布引滝を遡行し,大好きなナメ歩きを満喫できた大満足の1日だった。真夏になったら,この辺りでウオータースライダーをして遊ぼうかと思っている。

Re: 【室生山地】室生の谷探訪(8)宇野川の滝とナメ再訪(南松の滝・布引滝)

Posted: 2025年5月16日(金) 14:55
by 山日和
シュークリさん、こんにちは。

奈良県曽爾村から三重県名張市に流れ下る青蓮寺川の中流域は両岸に柱状節理が発達し,巨岩,奇岩が数多くあって香落渓(かおちだに)と呼ばれる峡谷を形成している。峡谷上の頂上台地から流れ落ちる谷には,多くの場合上部に大きな滝があり,一気に青蓮寺川に落ち込んでいる。

この山域はウチからでも比較的アプローチしやすいんですが、どうも植林の匂いが強くてなかなか足が向きません。
地形を見るととても面白そうなんですけどね。

香落渓にある紅葉谷の駐車場に車を停め,沢装束に着替える。今回は久しぶりにハーネス,30mロープ,スリング,懸垂器具など一通りの沢装備持参だ。なにせ初見の谷なので何が出てくるかわからない。青蓮寺川に一気に流れ落ちる夫婦川には地獄谷という恐ろしげな名前が付いており,地形図をみてもいかにも恐ろしげなゴルジュの谷なのだ。

備えあれば患いなしってヤツですね。地獄というからにはそれなりの理由があるんでしょう。

谷には初手からそれなりの角度が付いている。わずか1キロほどの間に約250mの標高差がある,全体が一つの滝のような谷なのだ。

なるほど、なかなか急峻な谷のようですね。
百里ヶ岳の百里沢も900m足らずの間に400mの標高差を稼ぎますが、そんなイメージかな。

谷を塞ぐように古いロープが張られている。進入禁止のロープなのか,ルートの誘導用なのかよくわからない。さらにすぐその上に真新しい支柱にロープがつけられている。ルートの案内なのだろうか?まだ新しいところを見ると,夫婦滝を一つの観光名所にするつもりなのだろうか。それにしては,この谷に観光客が入れるとは思えないが。

駐車場も観光客向け?

ゴーロの谷で,あまり日が当たらないせいかほとんどの岩が緑の苔に覆われて綺麗である。緑の岩間を流れ落ちる白い水流。なかなか絵になる谷である。谷中は意外に広く,想像していたような険悪なゴルジュとは異なる。小さな滝が次々と出てきて,なかなかいい感じである。

いいじゃないですか。でもまわりは植林?

上部になるにつれてゴーロがだんだんなくなり,末広の滝やら綺麗な斜滝など素敵な滝がいくつも出てくる。そのうち斜滝の向こうの岩壁に幅広のカーテン状に水が落ちる大きな滝が現れた。夫婦滝のようだ。この岩壁で川が二股に分かれ,それぞれから水が落ちているようだ。この形状から夫婦滝と名付けられたのだろう。水量が少ないと貧弱な滝だろうが,幸いに前々日に降った雨で水量が多く,それなりに見られる。

いろいろな滝が次々と現れるのは楽しいですね。簡単に直登できるか巻けるならなお良しです。 :D

川床はナメ状でいい感じなのだが,いかんせん間伐材が行く手を遮っていて雰囲気を壊している。自然林であれば気持ちのいい場所なのだろうに。

これなんですよねえ。 :oops:

林道のヘアピンカーブのところから沢に入るとすぐ上流に南松の滝。4月22日にも訪れたばかりだが,いい滝だ。今回はこの滝から沢を遡行することにする。下段5mは左から登る。下段上はテラス状になっており,その上の滝は熊が滝として南松の滝とは区別されているようだ。
熊が滝は落差15mとされているが,見た感じはもっと高いように思われる。前回の訪問時の記録では4段に分かれている。右側の斜面を木を掴みながら登る。薄い踏み跡らしきものがあるので,誰かは登っているのだろう。


こちらの谷も見応えのある滝が続くようで面白そうですね。

熊が滝のうえはゴーロ帯。ゴーロをしばらく登っていくと感じのいいナメ斜滝が出てくる。ナメ上を登っているとツルっと滑ってこけた。もう一度登ろうとするとやっぱりこけた。おかげで全身水浸し。真夏であればウオータースライダーで遊んでもいいんだけど,この時期はご免こうむりたい。

以前ならこけなかったのにって感じですか。さすがに水遊びするにはちと早いですね。 :mrgreen:

そんなことをしているうちに前方に大滝が見える。布引滝25mだ。きれいなナメ滝である。今回は水量が多くて豪快だ。下段は左側から登る。下段と上段の間にポーットホール(甑穴)があるのだが,水量が多くて見えにくい。

まだ大物が控えてましたか。いいですね~。ポットホールは火山特有の造形でしょうか。

布引滝を登り詰めると次に素敵なナメが待っている。ほんの100mほどのナメだがこんなきれいなナメは滅多にあるもんじゃない。沢屋にとってナメ歩きは大好物なんである。至福のひと時。

これまた素晴らしいナメ床ですね。でもまわりは植林?

今日は,初見の夫婦川(地獄谷)を遡行し,夫婦滝を初めて確認することができた。午後は,南松の滝から布引滝を遡行し,大好きなナメ歩きを満喫できた大満足の1日だった。

一粒で二度おいしい一日でしたね。お疲れさまでした。 :D

                     山日和

Re: 【室生山地】室生の谷探訪(7)ゴルジュの谷を詰めて夫婦滝へ 青蓮寺川支流夫婦川(地獄谷)

Posted: 2025年5月17日(土) 10:08
by シュークリーム
山日和さん,おはようございます。
消えかけていたレポを引き上げていただき,ありがとうございます。


この山域はウチからでも比較的アプローチしやすいんですが、どうも植林の匂いが強くてなかなか足が向きません。
地形を見るととても面白そうなんですけどね。


人の営みの匂いがプンプンする里山ですからね。私は人が全くいないところよりは,人の匂いがするところの方が好きなのかもしれません。

備えあれば患いなしってヤツですね。地獄というからにはそれなりの理由があるんでしょう。

コンタが密集した地形図を見たときに,こんなところへ単独で入っていいのかどうか迷いました。夫婦滝に上流からアプロートした記録はあるんですが,下から遡行した記録が見当たらなかったので,それなりの理由があるのだろうと思いました。行ってみたら意外にすんなりと登れる谷で,綺麗な滝もいくつか出てきたのでよかったと思いました。

なるほど、なかなか急峻な谷のようですね。
百里ヶ岳の百里沢も900m足らずの間に400mの標高差を稼ぎますが、そんなイメージかな。


地形図を見て想像できるように,谷全体が一つの滝みたいな感じですね。

駐車場も観光客向け?

紅葉谷の駐車場は香落渓の観光向けですね。週末限定ですが食堂もあります。

いいじゃないですか。でもまわりは植林?

周りは植林ですが,谷中は植林じゃないです。台高の谷はみんなこんな感じですね。まあ,ここは台高じゃないですけど。

いろいろな滝が次々と現れるのは楽しいですね。簡単に直登できるか巻けるならなお良しです。 :D

今回は濡れたくなかったのでみんな巻きましたけど,ほとんどの滝が直登できそうなので,夏場は楽しいかもしれません。この辺りはヤマビルもいないようなので。

こちらの谷も見応えのある滝が続くようで面白そうですね。

ここら辺一帯,ナメ滝やナメが多いですね。
この近くで最近,知られていなかった大滝が見つかったようなので,今度行ってみようと思っています。


以前ならこけなかったのにって感じですか。さすがに水遊びするにはちと早いですね。 :mrgreen:

いやあ,滑りそうだなと思っていたら見事にすべってこけました。
ナメ滝なんで,夏場はウオータースライダーで遊べそうです。


まだ大物が控えてましたか。いいですね~。ポットホールは火山特有の造形でしょうか。

どうなんでしょうか。知っている人がいたら教えてください。
ポットホールというと,昔わりばしさんがポットホールに落ちたことを思い出します :mrgreen:


これまた素晴らしいナメ床ですね。でもまわりは植林?

こんな綺麗なナメは貴重品ですね。見つけたときはワクワクしました。

一粒で二度おいしい一日でしたね。お疲れさまでした。 :D

ありがとうございます。
ここら辺の谷は小さいので,1日で二つの谷へ行くとちょうどいいくらいになります。