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【伊勢本街道】山粕峠,石割峠越えの道(山粕〜榛原)

Posted: 2024年10月10日(木) 14:28
by シュークリーム
やまと座
やまと座
【 日 付 】2024年10月9日(水)
【メンバー】単独
【 天 候 】雨のち晴れ
【 ルート】近鉄津新町駅 6:33 ---🚃--- 7:37 名張駅 7:58 ---🚌--- 8:56 山粕 9:03 --- 9:49 山粕峠 --- 11:47 石割峠 --- 12:15 諸木野 12:30 --- 13:29 高井バス停 --- 14:31 近鉄榛原駅 14:53 ---🚃--- 15:52 近鉄津新町駅

バスが山間部に差し掛かると,名張駅でほぼ降り止んでいた雨が再び降り始めた。天気予報ではもう止んでいるはずの時刻なのだが,山では雨が遅くまで残るようだ。雨中での歩きになるかと覚悟していたら,山粕バス停に降りると雨はほぼやんだ。空の一角には青空も垣間見えて,やはり今日はいいハイキング日和になりそうだ。
山粕集落
山粕集落
山粕バス停から先週とは逆の西に向かって歩き出す。集落を通り抜け国道369号線に出ると,すぐ右に上がっていく坂道があり,これが伊勢本街道だった。さっきまでの雨で地道はぬかるんでいるが,買ったばかりの靴は軽くて歩きやすい。

これまでの登山靴はほとんどネットで購入したものであるが,私の足型が靴の標準にあっているためか,どんな靴でも問題なく履き慣らすことができた。1年ほど前にネットで買ったローカットシューズはドイツ製で,比較的頑丈で,ソールも滑らずいい靴なのだが,西洋人の足型に合わせて作られているせいか,履くたびにあちこちに痛みが出て苦労していた。履き慣れれば大丈夫だろうと思い,1年間かけて履き慣らし,今では痛みはほぼなくなっている。しかし,前回歩いた時に20キロほど歩くと足に痛みが出てきた。

帰宅後,ネットで街道歩きのブログを見ていて,ブログ主がトレランシューズを推奨しているのを知った。早速,モンベルへ行って幅広のトレランシューズと5本指のソックスと,ついでにトレラン用の15リットルザックを買ってきた。今日はその履き始めなのである。新しい靴は軽く,トレランシューズなので山道でそれなりのフリクションがあり,とても歩きやすい。軽量化のために耐久性はないだろうが,街道歩きのように長距離を歩くような場合に,わずかな違いでも疲れの多少に関わってくる。また,新しく買ったトレラン用のザックは軽く,しかも重心が上の方にあるので,重さをあまり感じない。その分,生地が薄くて耐久性はそれほどないだろう。

坂道を上っていくと林道に出る。この先は道が消えているようで,林道を少し上ると左下に谷沿いの道が現れたので,下ってその道に合流した。少し上ると山粕峠,標高650m。麓の標高が約500mなので,150mほど登ったことになる。新しい靴のおかげかほとんど疲れは感じなかい。
黒岩集落
黒岩集落
下って行くと林道に出,その林道を辿ると黒岩集落だった。谷あいの静かな集落である。さらに歩いて行くと主要地方道吉野室生寺針線に合流する。この道を北に行くと室生寺である。この道を左にそれ,室生田口元田口の集落に出る。集落の西端の民家にマコモらしい田が見える。民家の前に女性がいたので聞いてみる。やはりマコモであるという。

マコモというのは食料として栽培されているが,マコモそのものを食べるのではなく,マコモタケと言ってクロボ(黒穂)菌という植物寄生菌類によって肥大,変形したマコモを食べる。黒穂菌というのはマコモ,オオムギ,コムギなどのイネ科植物のほか多くの植物に寄生し,植物の穂が種子の代わりに菌の胞子に置き換わって,文字通り黒い穂になる病気である。マコモタケの場合,黒くなる前の株元が肥厚した時点で収穫して食べるとシャキシャキした独特の食感を味わうことができる。

どうやって菌に感染したマコモを維持,増殖しているのか不思議に思い,聞いてみると,収穫後の株元をそのままにしておき,春に株分けして移植するのだという。確かにその方法だと100%感染した株を植えることができる。私は稲と同じように種子から苗を育てるのだと勘違いしていたのだった。

この女性は長年住んでいた中国・上海から昨年帰国し,ここでマコモを栽培しながらマコモハウスという民泊も経営しているのだという。京都に家があり,ここに通っているらしい。帰宅してから民泊サイトで調べてみると,明日香さんという名前で,中国・上海に30年間住み,中医師という資格を持っているらしい。中医師というのは中国医学を修めた資格で,漢方などの薬剤師としての活動のほかに,中国では医療行為を行うことも認められているらしい。

さらに調べてみると,この近くで古民家を利用して両親とともに「ゆらきぎゃらりー」というギャラリーも経営しているらしい。歩いていると色々な人に出会う機会があるものだ。
オトバヤの滝
オトバヤの滝
オトバヤの滝を過ぎ,林道から山道を登って行くと石割峠695mだった。伊勢本街道の最高到達点である。山道を降り林道に出ると,年配の男性に出会う。反対方向から来たハイカーで,ここで道を間違って戻ってきたところらしい。この人は「今日が調子が悪い」と言って戻って行った。
諸木野集落
諸木野集落
林道を下りて行くと諸木野の集落。昔の茅葺き屋根を銅板で葺いた民家が並んで風情がある。東屋があったので昼食がてら休憩して行くことにする。食べ終わって集落を見ていると首の後ろに大きな蜂の羽音がする。通常の蜂の羽音ではない。スズメバチらしいということはすぐにわかった。さっき食べたパンに塗ってあった蜂蜜の匂いに惹かれてきたのだろう。とりあえずじっとやり過ごして,蜂が少し離れた隙にそっと位置をずらした。蜂は次にパンの食べ残しが入ったザックを物色している。大きなキイロスズメバチだった。こんな奴に首筋でも刺されると命にかかわる。スズメバチが飽きて少し離れた隙にザックを持って急いで東屋を出る。やれやれ,命拾いした。
赤埴甲集落
赤埴甲集落
スズメバチで気が動転したせいか,道を間違える。直進しないといけないところを舗装された車道の方へ左折してしまったのだ。20分ほど歩いて,間道から伊勢本街道に合流する。おかげで諸木野の関所跡を見損なった。さらに赤埴甲の集落から高井への途中でも道を間違える。途中で右の地道に入らないといけないところを直進してしまった。どうもスズメバチ以来験が悪い。
高井
高井
高井からはずっと国道369号線を歩いて近鉄榛原駅前に着いた。駅前には大衆演劇小屋のやまと座がある。こんな田舎町に常設の大衆演劇小屋を作って大丈夫なんだろうかと思うが,まだちゃんと営業しているようだ。一度入ってみたいとかねがね思っているのだが,わざわざこのためだけに榛原まで来る気にもならず,一度も入ったことがない。入るにしても観客が自分一人だったらどうしようかという恐怖もある。
やまと座
やまと座
榛原から近鉄電車に乗り自宅に帰った。

伊勢本街道はこのあと桜井まで続いているが,この区間はすでに歩いているので,今日で伊勢本街道の歩き終わりである。今回歩いた区間はすべて鄙びた山村をつなぐ峠越えの道だった。鉄道も幹線道路も通っていないので,昔ながらの伊勢や奈良の山村風景を楽しみながらの素敵な歩きになった。今,熊野古道中辺路が外国人ハイカーに大人気になっているが,雰囲気としては熊野古道以上に素晴らしい古街道であると思った。できればこの風景を残していって欲しいと思うが,山村の住民の高齢化で今後どうなるか心もとない。さあ,次はどこを歩こうかな?

Re: 【伊勢本街道】山粕峠,石割峠越えの道(山粕〜榛原)

Posted: 2024年10月17日(木) 05:50
by わりばし
おはようございます、シュークリームさん。

【 ルート】近鉄津新町駅 6:33 ---🚃--- 7:37 名張駅 7:58 ---🚌--- 8:56 山粕 9:03 --- 9:49 山粕峠 --- 11:47 石割峠 --- 12:15 諸木野 12:30 --- 13:29 高井バス停 --- 14:31 近鉄榛原駅 14:53 ---🚃--- 15:52 近鉄津新町駅

残り4号で廃刊になる「NAGI」の最新刊97号でここ歩いてますね。
この号の特集は「浦々の郷土富士 浅間さん」で面白いですよ。


これまでの登山靴はほとんどネットで購入したものであるが,私の足型が靴の標準にあっているためか,どんな靴でも問題なく履き慣らすことができた。1年ほど前にネットで買ったローカットシューズはドイツ製で,比較的頑丈で,ソールも滑らずいい靴なのだが,西洋人の足型に合わせて作られているせいか,履くたびにあちこちに痛みが出て苦労していた。履き慣れれば大丈夫だろうと思い,1年間かけて履き慣らし,今では痛みはほぼなくなっている。しかし,前回歩いた時に20キロほど歩くと足に痛みが出てきた。

最初に買った革靴「ローバ チベッタ」はかかとと靴の裏皮との戦いで苦労しました。
2年掛けて裏皮が破けて、ようやく足になじみました。
:mrgreen:

マコモというのは食料として栽培されているが,マコモそのものを食べるのではなく,マコモタケと言ってクロボ(黒穂)菌という植物寄生菌類によって肥大,変形したマコモを食べる。黒穂菌というのはマコモ,オオムギ,コムギなどのイネ科植物のほか多くの植物に寄生し,植物の穂が種子の代わりに菌の胞子に置き換わって,文字通り黒い穂になる病気である。マコモタケの場合,黒くなる前の株元が肥厚した時点で収穫して食べるとシャキシャキした独特の食感を味わうことができる。

菰野町が町の特産品として宣伝してますね。

スズメバチで気が動転したせいか,道を間違える。直進しないといけないところを舗装された車道の方へ左折してしまったのだ。20分ほど歩いて,間道から伊勢本街道に合流する。おかげで諸木野の関所跡を見損なった。さらに赤埴甲の集落から高井への途中でも道を間違える。途中で右の地道に入らないといけないところを直進してしまった。どうもスズメバチ以来験が悪い。

元田口や黒岩で行悦道標見かけませんでした?
長谷寺と伊勢神宮間に9基の道標を設置した僧で、歩いた区間に2カ所あるんですが。
隔夜参りをしていたのかな。


伊勢本街道はこのあと桜井まで続いているが,この区間はすでに歩いているので,今日で伊勢本街道の歩き終わりである。今回歩いた区間はすべて鄙びた山村をつなぐ峠越えの道だった。鉄道も幹線道路も通っていないので,昔ながらの伊勢や奈良の山村風景を楽しみながらの素敵な歩きになった。今,熊野古道中辺路が外国人ハイカーに大人気になっているが,雰囲気としては熊野古道以上に素晴らしい古街道であると思った。できればこの風景を残していって欲しいと思うが,山村の住民の高齢化で今後どうなるか心もとない。さあ,次はどこを歩こうかな?

お疲れさまでした。
伊勢本街道はなかなか深いですよ。

追伸
オフ会の延期という理屈は無理がありますよね。

                                わりばし


Re: 【伊勢本街道】山粕峠,石割峠越えの道(山粕〜榛原)

Posted: 2024年10月18日(金) 11:47
by シュークリーム
わりばしさん,こんにちは。レスありがとうございます。

残り4号で廃刊になる「NAGI」の最新刊97号でここ歩いてますね。
この号の特集は「浦々の郷土富士 浅間さん」で面白いですよ。


「NAGI」ですか。うかつにも私はこの雑誌のことを知りませんでした。こんな雑誌があるんですね。地元の雑誌みたいですね。私の興味のあることなどもいろいろ載っているみたいですね。

最初に買った革靴「ローバ チベッタ」はかかとと靴の裏皮との戦いで苦労しました。
2年掛けて裏皮が破けて、ようやく足になじみました。 :mrgreen:


私も革靴は何足か履き潰しましたが,最初の靴はアッパーの皮が破れるまで履き潰しました。2足目のスカルパのアイガーは冬靴として愛用していましたが,ソールが剥がれて引退しました。いずれも愛着のある靴でした。やっぱり革靴はいいですね。足になじむととても優しい靴になります。

菰野町が町の特産品として宣伝してますね。

はい,菰野町の名前はマコモから由来しているようですね。

元田口や黒岩で行悦道標見かけませんでした?
長谷寺と伊勢神宮間に9基の道標を設置した僧で、歩いた区間に2カ所あるんですが。
隔夜参りをしていたのかな。


「行悦道標」かあ。これも私は知りませんでした。見ているかもしれないけど,「行悦道標」というものを知らなかったので,認識しませんでした。今度行くことがあったら注意してみます。

お疲れさまでした。
伊勢本街道はなかなか深いですよ。


山里の間をつなぐ街道で,地元に凄く愛されていることがよくわかりました。
道中の山里の風景も素晴らしくて,素晴らしかったです。これまで,熊野古道,東海道,中山道などいろいろ歩いてきましたが,もう一度歩いてみたいと思ったのは伊勢本街道だけでした。

追伸
オフ会の延期という理屈は無理がありますよね。


何人かの人から意見がありましたが,いずれも実施すべきということでしたね。
残念なのは,グーさんの問いかけに反応したのがわずか数人ということです。10年前だったらもっといろいろな人が意見を投稿したと思うんですが。