【加越国境】大聖寺川菅倉沢から菅倉山へ
Posted: 2024年8月09日(金) 23:18
【日 付】2024年8月3日(土)
【山 域】加越国境 菅倉(すげくら)山周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】駐車地7:30---7:40入渓点---9:00大滝---11:45加越国境稜線---12:15菅倉山13:50---14:10右俣下降点---17:05本流
---17:30駐車地
加賀の山でシャクナゲと言えば真っ先に挙がるのは富士写ヶ岳である。そして最近人気沸騰の感があるのが陶石山だ。
今回訪れたのは数年前に登山道が拓かれて売り出し中の菅倉山である。シャクナゲの季節ではないが、加越国境稜線上
にあるこの山を谷から目指した。
大聖寺川本流を渡って菅倉沢に入る。出合付近の本流は美しい淵が広がり、菅倉沢は滝とも呼べないような小さな落
ち込みで本流に注いでいる。実に期待を抱かせるスタートだ。
いきなり目に飛び込んできたのは1mほどの小滝の奥に続く、谷幅一杯に広がる美しいナメである。
これはとんでもない名渓なのではないか。こんな谷があまり知られていないのが不思議なぐらいだ。
続いて現れたのが広大な釜を持つ10mの美瀑。右岸から巻き上がると5mの斜瀑の先にもナメが続いた。
これは大当たりの谷だと思わず頬が緩む。
これがずっと続けば誰も放っておかない谷のはずだが、さすがに中だるみもあり、ところどころ伐採後のヤブっぽい
区間も出てきて、そうそう美味しい話はないと思わせられる。
それでも苔むした岩と美しい流れを彩るイワタバコの群落は、十分に目を楽しませてくれた。
中盤に出てくるこの谷最大の15m滝は、下から4分の3ほど直登してロープを出す。最上段は行って行けないことはな
さそうだが安全を期して右から巻き上がった。
その後も随所に小滝やナメ滝が現れたが、やや凡流の部分と流倒木が谷を覆う場面もあり、手放しで喜べないのがや
や残念というところか。
源流に近付くと両岸にブナが目立ち始めるのがこの谷の美点だろう。
水はなかなか切れず、谷芯はヤブもないのでまずまず快適な詰めと言えるだろう。
ほとんど水がなくなっても黒い滝が立ちはだかって、最後まで抵抗を見せる。
最後の滝を左から巻くところでヤマジノホトトギスが目を和ませてくれた。
ほぼヤブ漕ぎなしで加越国境稜線に詰め上がった。いつもなら稜線に出れば一丁上がりなのだが、この稜線には踏み
跡すら存在しない。山頂は間近だが、ササとシャクナゲの激ヤブとの格闘が始まる。
下界では最高気温が40℃にもなろうかという日にヤブをかき分けている自分がおかしい。しかしそれも少しの我慢。
ややヤブの背が低くなったと思ったら、広く刈り込まれた923.7mの菅倉山頂(三角点菅倉)に飛び出した。
日を遮るもののない山頂はたまらなく暑い。
展望を楽しむのは食後にして、ランチ適地を探して登山道を下る。少し歩いたところでブナ林に入ったので、道の
真ん中にシートを広げた。このクソ暑い日に登ってくる酔狂もいないだろう。
ブナ林の中は嘘のように涼しく、快適なランチタイムを楽しむことができた。
食後、空身で再び山頂に向かう。展望は素晴らしく、この2年ほどの間に歩いた丈競山や浄法寺山。越前甲から大日
山、小大日山から高倉山への稜線、千石原山やその山々に刻まれた水上谷、中ノ又谷、千束川といった谷が手に取る
ようにわかって感慨深い。
そしてこの山頂から小倉谷山へと続く加越国境稜線の積雪期に思いを馳せる。
去年、富士写ヶ岳から小倉谷山へ周回した時にランチタイムを取ったジャンクションピークからこちらを眺めていた。
あの時はその視線の先の山頂に立つとは思いもしなかった。
登山道は北に向かって延び、九谷焼の遺跡付近の休憩所に続いているが、これを辿ってしまうと長い車道歩きを強い
られる。それを回避して、P802m手前の鞍部から菅倉沢の右俣支谷の源頭に飛び込んだ。
強烈な急傾斜を転げるように下る。実際には転げないよう、年寄りのように(年寄りなのは事実だが)一歩一歩慎重に
進んだ。標高差200mほど下ったところでようやく右俣の本流に到着。途中で片足のチェーンスパイクを失くしてしまった。
しばらくは平凡な流れが続くが、途中から見事なナメの饗宴が始まった。ナメの規模感から言えば左俣をはるかに凌駕
するだろう。美しいナメを幾度も振り返り見ながら、ヒタヒタと進む。
できるだけ水流沿いを進んだが、左足のふくらはぎが痛み出してきたのと時間が押してきたのとで、途中の連瀑帯を省略
してしまったのが少々心残りだ。
それに、午後の遅い時間であまり光が届かず、少し薄暗い感じになったため本来の美しさを減じてしまったのが惜しい。
右俣を登りに取って、明るく美しいナメに酔いしれるのも楽しいだろう。
本流に復帰して、本日最後のナメと滝を愛でながら大聖寺川本流に到着。
対岸の車道に上がると無数のアブに襲われて大騒ぎである。この時期の北陸の谷には付き物の風物詩なのだが、こればか
りは願い下げである。盆が過ぎるまではあまり近付かない方がいいだろう。
痛む足を引きずってアブを払いながら、車に戻って全身に防虫スプレーを振りかけるとあっという間にアブの姿は消えた。
こんなことならザックに忍ばせておけばよかったと思っても後の祭りである。
菅倉沢は予想以上にいい谷だった。加越周辺にはまだまだあまり知られていない、いい谷が眠っていそうだ。
山日和
【山 域】加越国境 菅倉(すげくら)山周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】駐車地7:30---7:40入渓点---9:00大滝---11:45加越国境稜線---12:15菅倉山13:50---14:10右俣下降点---17:05本流
---17:30駐車地
加賀の山でシャクナゲと言えば真っ先に挙がるのは富士写ヶ岳である。そして最近人気沸騰の感があるのが陶石山だ。
今回訪れたのは数年前に登山道が拓かれて売り出し中の菅倉山である。シャクナゲの季節ではないが、加越国境稜線上
にあるこの山を谷から目指した。
大聖寺川本流を渡って菅倉沢に入る。出合付近の本流は美しい淵が広がり、菅倉沢は滝とも呼べないような小さな落
ち込みで本流に注いでいる。実に期待を抱かせるスタートだ。
いきなり目に飛び込んできたのは1mほどの小滝の奥に続く、谷幅一杯に広がる美しいナメである。
これはとんでもない名渓なのではないか。こんな谷があまり知られていないのが不思議なぐらいだ。
続いて現れたのが広大な釜を持つ10mの美瀑。右岸から巻き上がると5mの斜瀑の先にもナメが続いた。
これは大当たりの谷だと思わず頬が緩む。
これがずっと続けば誰も放っておかない谷のはずだが、さすがに中だるみもあり、ところどころ伐採後のヤブっぽい
区間も出てきて、そうそう美味しい話はないと思わせられる。
それでも苔むした岩と美しい流れを彩るイワタバコの群落は、十分に目を楽しませてくれた。
中盤に出てくるこの谷最大の15m滝は、下から4分の3ほど直登してロープを出す。最上段は行って行けないことはな
さそうだが安全を期して右から巻き上がった。
その後も随所に小滝やナメ滝が現れたが、やや凡流の部分と流倒木が谷を覆う場面もあり、手放しで喜べないのがや
や残念というところか。
源流に近付くと両岸にブナが目立ち始めるのがこの谷の美点だろう。
水はなかなか切れず、谷芯はヤブもないのでまずまず快適な詰めと言えるだろう。
ほとんど水がなくなっても黒い滝が立ちはだかって、最後まで抵抗を見せる。
最後の滝を左から巻くところでヤマジノホトトギスが目を和ませてくれた。
ほぼヤブ漕ぎなしで加越国境稜線に詰め上がった。いつもなら稜線に出れば一丁上がりなのだが、この稜線には踏み
跡すら存在しない。山頂は間近だが、ササとシャクナゲの激ヤブとの格闘が始まる。
下界では最高気温が40℃にもなろうかという日にヤブをかき分けている自分がおかしい。しかしそれも少しの我慢。
ややヤブの背が低くなったと思ったら、広く刈り込まれた923.7mの菅倉山頂(三角点菅倉)に飛び出した。
日を遮るもののない山頂はたまらなく暑い。
展望を楽しむのは食後にして、ランチ適地を探して登山道を下る。少し歩いたところでブナ林に入ったので、道の
真ん中にシートを広げた。このクソ暑い日に登ってくる酔狂もいないだろう。
ブナ林の中は嘘のように涼しく、快適なランチタイムを楽しむことができた。
食後、空身で再び山頂に向かう。展望は素晴らしく、この2年ほどの間に歩いた丈競山や浄法寺山。越前甲から大日
山、小大日山から高倉山への稜線、千石原山やその山々に刻まれた水上谷、中ノ又谷、千束川といった谷が手に取る
ようにわかって感慨深い。
そしてこの山頂から小倉谷山へと続く加越国境稜線の積雪期に思いを馳せる。
去年、富士写ヶ岳から小倉谷山へ周回した時にランチタイムを取ったジャンクションピークからこちらを眺めていた。
あの時はその視線の先の山頂に立つとは思いもしなかった。
登山道は北に向かって延び、九谷焼の遺跡付近の休憩所に続いているが、これを辿ってしまうと長い車道歩きを強い
られる。それを回避して、P802m手前の鞍部から菅倉沢の右俣支谷の源頭に飛び込んだ。
強烈な急傾斜を転げるように下る。実際には転げないよう、年寄りのように(年寄りなのは事実だが)一歩一歩慎重に
進んだ。標高差200mほど下ったところでようやく右俣の本流に到着。途中で片足のチェーンスパイクを失くしてしまった。
しばらくは平凡な流れが続くが、途中から見事なナメの饗宴が始まった。ナメの規模感から言えば左俣をはるかに凌駕
するだろう。美しいナメを幾度も振り返り見ながら、ヒタヒタと進む。
できるだけ水流沿いを進んだが、左足のふくらはぎが痛み出してきたのと時間が押してきたのとで、途中の連瀑帯を省略
してしまったのが少々心残りだ。
それに、午後の遅い時間であまり光が届かず、少し薄暗い感じになったため本来の美しさを減じてしまったのが惜しい。
右俣を登りに取って、明るく美しいナメに酔いしれるのも楽しいだろう。
本流に復帰して、本日最後のナメと滝を愛でながら大聖寺川本流に到着。
対岸の車道に上がると無数のアブに襲われて大騒ぎである。この時期の北陸の谷には付き物の風物詩なのだが、こればか
りは願い下げである。盆が過ぎるまではあまり近付かない方がいいだろう。
痛む足を引きずってアブを払いながら、車に戻って全身に防虫スプレーを振りかけるとあっという間にアブの姿は消えた。
こんなことならザックに忍ばせておけばよかったと思っても後の祭りである。
菅倉沢は予想以上にいい谷だった。加越周辺にはまだまだあまり知られていない、いい谷が眠っていそうだ。
山日和
毎日、毎日、「暑い、暑い」の繰り返しですね。