【白山前衛】加賀の山花紀行 瀬波川から大瓢箪山へ
Posted: 2024年5月29日(水) 22:54
【日 付】2024年5月25日(土)
【山 域】加賀 白山前衛 大瓢箪山
【天 候】晴れのち曇りのち晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】登山口7:45---10:00サンカヨウ群生地10:30---10:40やどみ尾展望台---11:00中宮山11:15---
12:40大瓢箪山13:55---15:30中宮山15:40---17:20登山口
瀬波川沿いの林道を走り、ナメリ谷の出合に車を止めた。瀬波川は大笠山と奈良岳を源頭に持つ奥深い川である。
ナメリ谷右岸尾根の取付きには「中宮山登山口3.5K 大瓢箪山登山口6K」の標識があるが、何故かその上から
「閉鎖」と書かれた板が付けられていた。理由は分からないが、去年も歩いた記録を見たので問題はないだろう。
ところどころトラロープが設置された急坂を、ぐんぐん高度を稼いで行く。ヤブっぽさはまったくなく、よく
整備された道が続いた。
この季節に訪れたのは花が楽しめるという期待からだったが、序盤ではホウチャクソウ?やユキザサが少しとまだ
咲いていないマイズルソウ程度。林相はブナもなく、ちょっとあてが外れたかと暗い気持ちになる。
しかしさらに進んで行くとチゴユリが切れ目なく続くチゴユリロードとなって期待がふくらむ。
標高1000mを超えたあたりでようやく待望のブナ林となった。林床にはまだ日が届かないが、新緑のブナを透か
して木漏れ日が差し込む爽やかな道だ。
ここまでワンピッチで登って来たのでひと息入れる。木の間越しに見えるのは松尾山から加羅頭への稜線か。
その奥に覗いている台形の頭は口三方岳だろう。
1212mの標高点にはブナ兜と名付けられたブナの怪木がある。アガリコなのだろうが、宇宙人のような奇妙な姿
のブナには驚かされた。
素晴らしいブナのコバを過ぎると道は左へトラバースして行く。
ブナ林が切れて明るい日差しに照らされた場所に出ると、一面のサンカヨウの群落が現れて破顔一笑。ほとんど
あきらめていたサンカヨウに出会うことができた。最盛期はこれからといった感じだが、これだけ咲いていれば
十分だ。
気を良くして稜線への最後の登りにかかったところでストックがないのに気が付いた。
サンカヨウの写真を撮っている時に置き忘れたのだろう。引き返して探したが見つからなかった。
帰路にもう一度探すことにして先を急ぐ。
中宮からの登山道が合流する稜線にのったところが「やどみ展望台」だが、展望台とは名ばかりでほとんど眺望
がない。以前はもっと見晴らしがよかったのだろうか。
中宮山へ向かう道は一段と整備されていた。意外だったのはほとんどブナ林の下で日差しを浴びることがなかっ
たことだった。勝手なイメージで、この稜線は潅木とササの暑苦しい尾根が続くと思い込んでいたのだ。
今日は少し涼しいとは言え、直射日光を浴びて歩くのはうれしくない。これはうれしい誤算だった。
ショウジョウバカマやイワカガミを愛でながら1339.8mの中宮山に到着。眺望も悪くあまり潤いのない山頂だが、
なぜか白山だけがよく見える。そこだけが不自然に刈り込まれているようだ。
ここから先は道のレベルが一段下がった。踏み跡は明瞭なのだが、少しヤブが被ったり倒木を乗り越えたりする
ところもある。
大瓢箪山との標高差は200mほどだが、一旦100m以上下らないといけない。まだ下るのかとうんざりしながら、帰
りにこれを登り返さないといけないと思うと嫌になってしまう。相変わらずブナ林が続いているのだけが救いだ。
たまに見応えのある大木が現れるのがうれしい。
1380mピークは南斜面に付けられたトラバース道を使って回避した。これが大正解で、浅い谷状地形に出たとこ
ろでニリンソウの大群落に出会うことができた。道の上から下までびっしりとニリンソウが覆っている。これは
まったく予想していなかった。
稜線に戻ると大瓢箪山(おおふくべやま)への最後の登りにかかる。すでに1000m以上登っているのでさすがに足
が重くなってきたが、依然として続くブナ林と、いつ出てくるのかやきもきしていたツバメオモトの登場に勇気付
けられて、200mの登りを一歩一歩刻んだ。
途中で帽子が無いことに気付いたが、落とした場所はわかっているので帰りに回収するとしよう。
1549mの大瓢箪山頂に到着。三角点名は大福部である。近隣にその名前が見当たらないことからして、国土地理
院が地元での聞き取りで「おおふくべ」という名前を聞いて適当に当て字をした感が満載の名前だ。
山頂は潅木に覆われて風情に欠けるが、東側の展望が素晴らしい。
地形的な要因だろうが、尾根芯はべっとりと雪が付いて雪原となっており、その奥に大笠山と笈ヶ岳が間近に迫る。
おそらく山頂直下の尾根芯は窪地状になっていて、そこに溜った雪が融けずに残っているのだろう。
雪原の切れ目に腰を降ろして、白山北方稜線の重鎮を眺めながらのランチタイム。暑くもなく寒くもない絶好の
コンディションである。
晴れ渡っていた空にいつしか雲が湧き始め、気が付けば大笠山も笈ヶ岳も見えなくなってしまったのを潮に腰を
上げる。
帰路はもう一度ニリンソウを見てみたい気持ちもあったが、少しでも変化を付けようと1380mピークへの道を選
んだ。そこでツバメオモトのミニ群落を見たり、ちょっと道を間違えたおかげで池を発見したりでいい選択だった
と言えるだろう。帽子は手前で回収済みだ。
中宮山への登り返しはさすがにしんどいが、これを我慢すれば登りは終了である。
当然ながら白山も雲の中に隠れてしまった。
ストックはサンカヨウの群落の中で無事発見、回収することができた。木の枝に掛けた覚えはないのに、なぜか
枝からぶら下がった状態で待っていた。あれだけ探したのに見つからなかったのは、地面に置き忘れているという
意識が強過ぎて上を見ていなかったからかもしれない。
急坂の連続にヒザは笑い出す寸前だ。850mを一気に下って駐車地に到着。見下ろした時に走り回っていたサルの
群れは姿を消していた。
大瓢箪山。地味だがいい山だった。
駐車地からほど近いところにある瀬波温泉白山里で汗を流そうと入ると、職員から「登山ですか」と聞かれた。
そこで大瓢箪山に登って来たことを話し、登山口の標識に「閉鎖」の文字があった理由を聞いてみた。
すると、この登山道を整備した人(個人)が78歳になり、もう整備するのは無理なので閉鎖しようということで、
つい先日「閉鎖」の札を付けたということだった。立派な標識があったので、行政が関与していると思っていたの
で驚いた。
仕方のないことかもしれないが、あの素晴らしい登山道が数年も経てばヤブに埋もれてしまうと思うと非常に残念
である。サンカヨウの群落も訪れる人もなく、静かに佇むばかりになるのだろう。
山日和
【山 域】加賀 白山前衛 大瓢箪山
【天 候】晴れのち曇りのち晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】登山口7:45---10:00サンカヨウ群生地10:30---10:40やどみ尾展望台---11:00中宮山11:15---
12:40大瓢箪山13:55---15:30中宮山15:40---17:20登山口
瀬波川沿いの林道を走り、ナメリ谷の出合に車を止めた。瀬波川は大笠山と奈良岳を源頭に持つ奥深い川である。
ナメリ谷右岸尾根の取付きには「中宮山登山口3.5K 大瓢箪山登山口6K」の標識があるが、何故かその上から
「閉鎖」と書かれた板が付けられていた。理由は分からないが、去年も歩いた記録を見たので問題はないだろう。
ところどころトラロープが設置された急坂を、ぐんぐん高度を稼いで行く。ヤブっぽさはまったくなく、よく
整備された道が続いた。
この季節に訪れたのは花が楽しめるという期待からだったが、序盤ではホウチャクソウ?やユキザサが少しとまだ
咲いていないマイズルソウ程度。林相はブナもなく、ちょっとあてが外れたかと暗い気持ちになる。
しかしさらに進んで行くとチゴユリが切れ目なく続くチゴユリロードとなって期待がふくらむ。
標高1000mを超えたあたりでようやく待望のブナ林となった。林床にはまだ日が届かないが、新緑のブナを透か
して木漏れ日が差し込む爽やかな道だ。
ここまでワンピッチで登って来たのでひと息入れる。木の間越しに見えるのは松尾山から加羅頭への稜線か。
その奥に覗いている台形の頭は口三方岳だろう。
1212mの標高点にはブナ兜と名付けられたブナの怪木がある。アガリコなのだろうが、宇宙人のような奇妙な姿
のブナには驚かされた。
素晴らしいブナのコバを過ぎると道は左へトラバースして行く。
ブナ林が切れて明るい日差しに照らされた場所に出ると、一面のサンカヨウの群落が現れて破顔一笑。ほとんど
あきらめていたサンカヨウに出会うことができた。最盛期はこれからといった感じだが、これだけ咲いていれば
十分だ。
気を良くして稜線への最後の登りにかかったところでストックがないのに気が付いた。
サンカヨウの写真を撮っている時に置き忘れたのだろう。引き返して探したが見つからなかった。
帰路にもう一度探すことにして先を急ぐ。
中宮からの登山道が合流する稜線にのったところが「やどみ展望台」だが、展望台とは名ばかりでほとんど眺望
がない。以前はもっと見晴らしがよかったのだろうか。
中宮山へ向かう道は一段と整備されていた。意外だったのはほとんどブナ林の下で日差しを浴びることがなかっ
たことだった。勝手なイメージで、この稜線は潅木とササの暑苦しい尾根が続くと思い込んでいたのだ。
今日は少し涼しいとは言え、直射日光を浴びて歩くのはうれしくない。これはうれしい誤算だった。
ショウジョウバカマやイワカガミを愛でながら1339.8mの中宮山に到着。眺望も悪くあまり潤いのない山頂だが、
なぜか白山だけがよく見える。そこだけが不自然に刈り込まれているようだ。
ここから先は道のレベルが一段下がった。踏み跡は明瞭なのだが、少しヤブが被ったり倒木を乗り越えたりする
ところもある。
大瓢箪山との標高差は200mほどだが、一旦100m以上下らないといけない。まだ下るのかとうんざりしながら、帰
りにこれを登り返さないといけないと思うと嫌になってしまう。相変わらずブナ林が続いているのだけが救いだ。
たまに見応えのある大木が現れるのがうれしい。
1380mピークは南斜面に付けられたトラバース道を使って回避した。これが大正解で、浅い谷状地形に出たとこ
ろでニリンソウの大群落に出会うことができた。道の上から下までびっしりとニリンソウが覆っている。これは
まったく予想していなかった。
稜線に戻ると大瓢箪山(おおふくべやま)への最後の登りにかかる。すでに1000m以上登っているのでさすがに足
が重くなってきたが、依然として続くブナ林と、いつ出てくるのかやきもきしていたツバメオモトの登場に勇気付
けられて、200mの登りを一歩一歩刻んだ。
途中で帽子が無いことに気付いたが、落とした場所はわかっているので帰りに回収するとしよう。
1549mの大瓢箪山頂に到着。三角点名は大福部である。近隣にその名前が見当たらないことからして、国土地理
院が地元での聞き取りで「おおふくべ」という名前を聞いて適当に当て字をした感が満載の名前だ。
山頂は潅木に覆われて風情に欠けるが、東側の展望が素晴らしい。
地形的な要因だろうが、尾根芯はべっとりと雪が付いて雪原となっており、その奥に大笠山と笈ヶ岳が間近に迫る。
おそらく山頂直下の尾根芯は窪地状になっていて、そこに溜った雪が融けずに残っているのだろう。
雪原の切れ目に腰を降ろして、白山北方稜線の重鎮を眺めながらのランチタイム。暑くもなく寒くもない絶好の
コンディションである。
晴れ渡っていた空にいつしか雲が湧き始め、気が付けば大笠山も笈ヶ岳も見えなくなってしまったのを潮に腰を
上げる。
帰路はもう一度ニリンソウを見てみたい気持ちもあったが、少しでも変化を付けようと1380mピークへの道を選
んだ。そこでツバメオモトのミニ群落を見たり、ちょっと道を間違えたおかげで池を発見したりでいい選択だった
と言えるだろう。帽子は手前で回収済みだ。
中宮山への登り返しはさすがにしんどいが、これを我慢すれば登りは終了である。
当然ながら白山も雲の中に隠れてしまった。
ストックはサンカヨウの群落の中で無事発見、回収することができた。木の枝に掛けた覚えはないのに、なぜか
枝からぶら下がった状態で待っていた。あれだけ探したのに見つからなかったのは、地面に置き忘れているという
意識が強過ぎて上を見ていなかったからかもしれない。
急坂の連続にヒザは笑い出す寸前だ。850mを一気に下って駐車地に到着。見下ろした時に走り回っていたサルの
群れは姿を消していた。
大瓢箪山。地味だがいい山だった。
駐車地からほど近いところにある瀬波温泉白山里で汗を流そうと入ると、職員から「登山ですか」と聞かれた。
そこで大瓢箪山に登って来たことを話し、登山口の標識に「閉鎖」の文字があった理由を聞いてみた。
すると、この登山道を整備した人(個人)が78歳になり、もう整備するのは無理なので閉鎖しようということで、
つい先日「閉鎖」の札を付けたということだった。立派な標識があったので、行政が関与していると思っていたの
で驚いた。
仕方のないことかもしれないが、あの素晴らしい登山道が数年も経てばヤブに埋もれてしまうと思うと非常に残念
である。サンカヨウの群落も訪れる人もなく、静かに佇むばかりになるのだろう。
山日和
そう、瀬波川は、奈良岳と大笠山を源頭に持つ川。