【加賀】白木山 白山の大パノラマを楽しむマイナーピーク
Posted: 2024年3月19日(火) 21:33
【日 付】2024年3月16日(土)
【山 域】加越国境稜線 谷峠周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】五十谷林道入口7:10---8:20尾根取付き8:35---9:55小豆山10:10---12:00 P1261 13:00---13:45白木山15:00
---14:40 P1261 15:00---小豆山16:35---17:35林道---18:30駐車地
昨春、谷峠の下から加越国境の横平山を訪れた時、途中のピークで間違って入りかけた尾根がある。その尾根の
先にあるのが1317.4mの白木山である。白木峰とも呼ばれているようだが、三角点名は白木山だ。
スタンフォード大の古い5万図によると、山頂の南側直下に白木越という新保と赤谷を結ぶ古道が描かれている。
奥深い山村同士を繋ぐ険しい山道は、どういう目的で利用されていたのだろうか。
谷峠から国道を少し下った五十谷林道の入口がうまい具合に除雪されていた。寡雪と言われた今シーズンだが、
終盤になって2回ほどまとまった雪が降り、再び雪山が楽しめるようになった。
国道脇も高い雪の壁ができて、昨年とあまり変わらない景色を見せている。
林道の入口からスノーシューを履いて出発。カチカチの雪を予想していたのだが、くるぶしあたりまで沈むの
は想定外だった。
五十谷の谷間に入ると、雪融け水が流れて地肌が出ているところもわずかにあったが、林道は1m以上のの積雪に
覆われていた。地獄の滑り台がないだけマシだが、あるはずの橋がなかったり、林道が崩壊している箇所もあり、
予定外のラッセルと相まって時間を食う。
三俣で林道が右の谷へ回り込んだところで尾根に取り付いた。この尾根は最初だけが植林帯の急登だが、少し
の我慢で自然林の気持ちのいい尾根に変わる。
振り返れば白山の姿が大きく見えるが、やや霞がちなのが残念だ。
雑木林から雑木林から雑木林から若いブナ林に変わった爽やかな尾根を歩いて行くと、1080.5mの三角点差上
峠から続く尾根に乗った。左折すれば1166mの小豆山へは一投足である。
昨年に続いての小豆山頂上でひと息入れる。今日は加越国境稜線もノートレースだ。
白木山への1160mジャンクションピークへは2度のアップダウンがある。
北側斜面の美しいブナ林を愛でながらジャンクションピークに立つと、越前甲と加賀大日山の姿が迫る。
木立のない雪のドームとなったピークからは経ヶ岳や大長山の眺めも素晴らしい。白山は言わずもがな。
時間が経つにつれ、霞みが取れてすっきりした姿を見せてくれるようになった。
去年はトレースが続いていたこともあり、一見主尾根に見える白木山への尾根に誘い込まれてしまった。
今年はその尾根を辿る。予定より時間が押していることもあり、12時半で区切って引き返すことにした。
細かいアップダウンが続く尾根は行きも帰りもあまり時間が変わらないだろうという読みである。
ブナ林を抜けて白木山へ続く尾根に入ると、すぐに植生が変わった。西側はブナ林、東側は伐採後だろうか、
無木立の尾根となる。このため東側には終始白山方面の大パノラマが展開する好展望の尾根が続いた。
細かいアップダウンが連続する尾根は、軽いとは言えラッセルが続くと体力を消耗する。
しかし、小ピークに立つたびに見事な展望が開けるのがたまらない。
去年の横平山への尾根もよかったが、この尾根はワンランク上だと言えるだろう。
西側に展開するブナ林も素晴らしく、時折風格のある大木が現れるのも好ましい。
1261m標高点まで来たところで思案した。山頂まで30分で行けるようには見えないが、ここで短めのランチ
タイムを取って空身で往復すれば楽だろう。天気は快晴微風。荷物を持たなくても不安な要素はない。
それに、今を逃したら二度と白木山の山頂に立つ機会は訪れないかもしれない。
食後のルーティンのコーヒータイムをカットして、1時間ほど白山を真正面に見ながらのランチタイムを楽し
んだ。普通の人なら全然短くない時間だが、我々にとって超短縮ランチタイムなのだ。
空身で白木山に向かってスタート。やはり体が軽い。
相変わらずの見事な展望と美しいブナ林、迫力満点の雪堤を楽しみながらの歩行に心が浮き立つ。
一旦下って80mほど登り返せば白木山頂は目の前だ。
手前の鞍部にあったという白木越の両側を見ると、とても峠越えの道があるようには思えなかった。
白いドームを青空に向かって登ると、広い白木山の山頂に到着である。
当然のことながら、ここより高いところはまわりにないので展望は全開だ。
驚いたのは東側の展望である。白山の眺望はさりながら、その右には別山から三ノ峰、銚子ヶ峰と願教寺山、
日岸山まで見える。そして左側には白山北方稜線の笈ヶ岳から大笠山、奈良岳、奥三方山と並ぶ。
白山から続く山々をこれだけワイドな眺めを得られる山は珍しいのではないだろうか。
霞んでいるが荒島岳の姿も確認できた。
この眺めを見ると、あきらめずにここまで来て良かったと心から思った。
普段なら下山は楽だとなるのだが、ここではそうはいかない。往路と同じようなアップダウンを一つひとつ
こなして行かなければ帰れないのである。往復コースは好まないのだが、この山はそうは行かない。
加越国境稜線から大きく張り出した尾根上に存在する白木山は、東西どちらの山麓からもアプローチが困難なのだ。
足は重いが、午前中とは光の方向が変わって同じ景色も違った趣きがある。
ようやく小豆山まで戻って来た。もう4時だが、暗くなる前にはなんとか下山できるだろう。
登りに使った尾根もトレースのある下りは速く、あっという間に五十谷の林道に着地。
少し薄暗くなりかかった林道を歩いていると、正面に見える白山が茜色に染まっていた。
山日和
【山 域】加越国境稜線 谷峠周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】五十谷林道入口7:10---8:20尾根取付き8:35---9:55小豆山10:10---12:00 P1261 13:00---13:45白木山15:00
---14:40 P1261 15:00---小豆山16:35---17:35林道---18:30駐車地
昨春、谷峠の下から加越国境の横平山を訪れた時、途中のピークで間違って入りかけた尾根がある。その尾根の
先にあるのが1317.4mの白木山である。白木峰とも呼ばれているようだが、三角点名は白木山だ。
スタンフォード大の古い5万図によると、山頂の南側直下に白木越という新保と赤谷を結ぶ古道が描かれている。
奥深い山村同士を繋ぐ険しい山道は、どういう目的で利用されていたのだろうか。
谷峠から国道を少し下った五十谷林道の入口がうまい具合に除雪されていた。寡雪と言われた今シーズンだが、
終盤になって2回ほどまとまった雪が降り、再び雪山が楽しめるようになった。
国道脇も高い雪の壁ができて、昨年とあまり変わらない景色を見せている。
林道の入口からスノーシューを履いて出発。カチカチの雪を予想していたのだが、くるぶしあたりまで沈むの
は想定外だった。
五十谷の谷間に入ると、雪融け水が流れて地肌が出ているところもわずかにあったが、林道は1m以上のの積雪に
覆われていた。地獄の滑り台がないだけマシだが、あるはずの橋がなかったり、林道が崩壊している箇所もあり、
予定外のラッセルと相まって時間を食う。
三俣で林道が右の谷へ回り込んだところで尾根に取り付いた。この尾根は最初だけが植林帯の急登だが、少し
の我慢で自然林の気持ちのいい尾根に変わる。
振り返れば白山の姿が大きく見えるが、やや霞がちなのが残念だ。
雑木林から雑木林から雑木林から若いブナ林に変わった爽やかな尾根を歩いて行くと、1080.5mの三角点差上
峠から続く尾根に乗った。左折すれば1166mの小豆山へは一投足である。
昨年に続いての小豆山頂上でひと息入れる。今日は加越国境稜線もノートレースだ。
白木山への1160mジャンクションピークへは2度のアップダウンがある。
北側斜面の美しいブナ林を愛でながらジャンクションピークに立つと、越前甲と加賀大日山の姿が迫る。
木立のない雪のドームとなったピークからは経ヶ岳や大長山の眺めも素晴らしい。白山は言わずもがな。
時間が経つにつれ、霞みが取れてすっきりした姿を見せてくれるようになった。
去年はトレースが続いていたこともあり、一見主尾根に見える白木山への尾根に誘い込まれてしまった。
今年はその尾根を辿る。予定より時間が押していることもあり、12時半で区切って引き返すことにした。
細かいアップダウンが続く尾根は行きも帰りもあまり時間が変わらないだろうという読みである。
ブナ林を抜けて白木山へ続く尾根に入ると、すぐに植生が変わった。西側はブナ林、東側は伐採後だろうか、
無木立の尾根となる。このため東側には終始白山方面の大パノラマが展開する好展望の尾根が続いた。
細かいアップダウンが連続する尾根は、軽いとは言えラッセルが続くと体力を消耗する。
しかし、小ピークに立つたびに見事な展望が開けるのがたまらない。
去年の横平山への尾根もよかったが、この尾根はワンランク上だと言えるだろう。
西側に展開するブナ林も素晴らしく、時折風格のある大木が現れるのも好ましい。
1261m標高点まで来たところで思案した。山頂まで30分で行けるようには見えないが、ここで短めのランチ
タイムを取って空身で往復すれば楽だろう。天気は快晴微風。荷物を持たなくても不安な要素はない。
それに、今を逃したら二度と白木山の山頂に立つ機会は訪れないかもしれない。
食後のルーティンのコーヒータイムをカットして、1時間ほど白山を真正面に見ながらのランチタイムを楽し
んだ。普通の人なら全然短くない時間だが、我々にとって超短縮ランチタイムなのだ。
空身で白木山に向かってスタート。やはり体が軽い。
相変わらずの見事な展望と美しいブナ林、迫力満点の雪堤を楽しみながらの歩行に心が浮き立つ。
一旦下って80mほど登り返せば白木山頂は目の前だ。
手前の鞍部にあったという白木越の両側を見ると、とても峠越えの道があるようには思えなかった。
白いドームを青空に向かって登ると、広い白木山の山頂に到着である。
当然のことながら、ここより高いところはまわりにないので展望は全開だ。
驚いたのは東側の展望である。白山の眺望はさりながら、その右には別山から三ノ峰、銚子ヶ峰と願教寺山、
日岸山まで見える。そして左側には白山北方稜線の笈ヶ岳から大笠山、奈良岳、奥三方山と並ぶ。
白山から続く山々をこれだけワイドな眺めを得られる山は珍しいのではないだろうか。
霞んでいるが荒島岳の姿も確認できた。
この眺めを見ると、あきらめずにここまで来て良かったと心から思った。
普段なら下山は楽だとなるのだが、ここではそうはいかない。往路と同じようなアップダウンを一つひとつ
こなして行かなければ帰れないのである。往復コースは好まないのだが、この山はそうは行かない。
加越国境稜線から大きく張り出した尾根上に存在する白木山は、東西どちらの山麓からもアプローチが困難なのだ。
足は重いが、午前中とは光の方向が変わって同じ景色も違った趣きがある。
ようやく小豆山まで戻って来た。もう4時だが、暗くなる前にはなんとか下山できるだろう。
登りに使った尾根もトレースのある下りは速く、あっという間に五十谷の林道に着地。
少し薄暗くなりかかった林道を歩いていると、正面に見える白山が茜色に染まっていた。
山日和