【若狭】ブナ林逍遥 耳川源流域に遊ぶ
Posted: 2011年11月07日(月) 18:37
【日 付】2011年11月5日(土)
【山 域】若狭 耳川上流域
【天 候】曇りのち雨
【コース】駐車地7:28---7:57新庄乗越---9:17芦谷岳9:39---10:31甲森谷11:57---13:10 P860m---13:26 P850m
---13:43 P795m---13:59鉄塔---14:38駐車地
この週末も天気予報は絶望的だ。土曜の午前中は辛うじて持つかもしれない。たとえ降られてもブナさえ見られれば十分だ。
さらに紅黄葉していれば申し分ない。こういう時は若狭の森に限る。
折戸谷林道の終点まで車を進める。終点付近の谷は豪雨の影響か、かなり荒れて河原のトチの木が2mばかり埋もれていた。
終点から2本目の左岸からの支流へ入る。そこはかとない踏み跡が右岸に残る谷は植林で面白みはない。ところどころに大きな
トチがあるのだけが取り柄だ。林道終点の標高は450m。稜線の新庄乗越までわずか150mほどの登りである。
谷が倒木で鬱陶しくなり始めると、左に砂ザレの急斜面が現われた。そこを上がるとあっけなく稜線に到達した。これが野坂岳
~三国山縦走路への最短ルートだろう。
この稜線を北に向けて歩くのは初めてだ。掘り込まれた古い道の周囲は植林とブナの混生林だ。P661mまで上がると植林も消
え、尾根はブナ1色となる。まだ緑の葉もあるが、徐々に進み始めた黄葉は、どんより曇った空の下でも森を明るくしてくれる。
紅葉のピークは来週あたりだろうか。
[attachment=4]P1030558_1.JPG[/attachment]
尾根芯を外してあっちへフラフラ、こっちへフラフラ。大きな木があれば近寄って確かめずにはおれない。
野坂岳と三国山を結ぶこの稜線はブナの回廊だ。質、量ともに文句のないブナの森が続いている。これに庄部谷山への尾根を加
え、さらに大御影山から大日周辺まではまさにブナの宝庫。福井県美浜町を流れる耳川水源の森である。
P806mの庄部谷山分岐を見送り、芦谷岳866mへ向かう。別に何度も踏んでいるこの山頂へ立つ理由はないのだが、ひとつぐら
いは名前のある山頂をと、ついつい足が向いてしまうのである。
とりあえず山頂に立った。風が強くなり始めて寒い。風を避けて西側斜面に腰を降ろす。ここまでの標高差は400m余り。大した運
動にもならないので、目論み通り甲森谷のトチとカツラのワンダーランドへ下りることにした。460mの下りである。
[attachment=3]P1030592_1.JPG[/attachment]
貧相な林相の尾根芯を外して、西斜面の見事な樹林をトラバースして進む。Ca850mピーク下で右折、この先で尾根はふたつに
分かれている。右は横谷川源流二俣へ、左は甲森谷の白谷出合へと続く。どちらも歩いたことのある尾根だ。
左の尾根を取り、北へ向きが変わるところから真っ直ぐ甲森谷へ下りる尾根を選んだ。このあたりは尾根上に白い岩とトチの巨木
が並ぶ、ちょっと不思議な雰囲気の場所である。
ほとんどヤブもなく、最後は転げ落ちるような急斜面を駈け下りれば、ちょうど庄部谷山直登沢であるサルハシ谷との出合に下りつ
いた。下流へ歩き、まずはカツラの御神木に挨拶して行こう。ここを逆方向に歩くのも初めてだ。
[attachment=2]P1030623_1.JPG[/attachment]
いつも振り返りながら歩いているが、逆の方向から正面に見据える眺めはまた違った印象を受けるものだ。
カツラの巨木を次々に見て、甲森谷一番のトチの大木を見上げれば御神木の台地はすぐそこだ。今日は上の台地へ先に上がって、
窯跡とカツラの巨木の絶妙な配置を見下ろそう。ここから見る窯跡はまるでドーナツのようなまん丸の形をしている。
[attachment=1]P1030630_1.JPG[/attachment]
少し早いが昼飯とするか。再び上流へ歩いて、ワンダーランド第2位と思しきカツラの対岸に腰を降ろした。サラサラと流れる甲森谷
の流れと深い森。ここの標高はわずか400mである。この標高でこれだけの山深さと神々しいばかりの森に出会えるのは若狭の、
とりわけ美浜の山ならではだ。
食後のコーヒーを楽しんでいると、ついに雨が降り始めた。覚悟していたとは言え、予定より少々早い。店じまいして尾根への登
り返しに備えるか。
本流を渡ってサルハシ谷との中間尾根に取り付く。尾根と呼べる代物ではない激登りの急斜面である。ビアランチの後にはまった
く不適当なアルバイトである。ふうふう言いながらもできるだけ休まず登る。
雨の量が増えてきたので雨具を着ることにする。杉の根方で雨宿り。見下ろす樹林はほどよく色付いて美しい。
なんとか1時間ほどで登り切り、Ca860mの稜線に出た。ここも美しいブナ林だが見慣れ過ぎて新たな感動はない。
南東のCa850mピークへ向かう。そこから795m標高点を経由して、南東の尾根から送電鉄塔を目指す。鉄塔からは折戸谷へ巡視
路があるはずだ。今朝の出発時に林道脇に標識があるのを確認済である。
Ca850mで下降点を探してうろうろしていると、青い物体が目に入った。拾い上げてみると携帯電話だ。見覚えのある形は4年前に
私が落としたものだ。2年ほどまえにここを通った時には発見できなかった。少し汚れているものの、ほとんど無傷と言える状態だっ
たのには驚いた。
恐る恐る電源を入れてみると液晶が光った・・・はずはない。とりあえず自分のゴミを回収できただけ良しとしよう。
795mピークへははっきりした道が付いている。右半分は植林だからである。ピークから南西の尾根へは伐採・植林が入り、林道
がかなり上まで延びて来ているのだ。南東の尾根はどうだろう。
南東尾根にも明瞭な踏み跡があり、少し進んだところで完全な自然林に変わった。天然杉や雑木混じりの林はそのうちブナの純
林に変わった。広い尾根にブナの疎林。単なる下山ルートとして選んだ尾根だったが、これは思わぬ拾い物だ。
[attachment=0]P1030668_1.JPG[/attachment]
ブナ林の奥がやたら明るいと思ったら、案の定丸裸の尾根に鉄塔が聳えていた。ちょうど大日のような尾根の変化だ。
あてにしていた巡視路の標識が見当たらないので次の鉄塔まで進んでみたが、踏み跡はそこまでだった。戻って折戸谷側の斜面
をトラバースして行くと、手前の尾根に道が付いていた。巡視路らしくよく踏まれた道が、尾根を真っ直ぐ下りるのではなく右に左に
回りながらうまく勾配を殺して付けられている。樹林の雰囲気も悪くないこの道は、登路としても十分使えそうだ。
下部ではさすがに植林となり、尾根を外れて斜面をジグザグに切り始めた。さっきの状態のまま下りられればいいコースなのだが。
水音が近くなると最後は再び自然林に戻った。堰堤の横を谷沿いに少し下ると45度傾いた木橋が架かっていた。さすがにこいつは
渡れない。水量も少ないので簡単に渡渉して対岸へ。林道から分岐した支線が50mほど延びており、原形を留めないほど崩れた車
が3台放置してあった。こいつはちょっと薄気味悪いオブジェだ。
林道を少し上がって駐車地に戻った。雨脚が気持ち強くなった。雨と汗で全身ずぶ濡れだが、通い慣れた山域の新しいルートを開
拓できた満足感があった。
これまた通い慣れたきららの湯で早く冷えた体を温めよう。
山日和
【山 域】若狭 耳川上流域
【天 候】曇りのち雨
【コース】駐車地7:28---7:57新庄乗越---9:17芦谷岳9:39---10:31甲森谷11:57---13:10 P860m---13:26 P850m
---13:43 P795m---13:59鉄塔---14:38駐車地
この週末も天気予報は絶望的だ。土曜の午前中は辛うじて持つかもしれない。たとえ降られてもブナさえ見られれば十分だ。
さらに紅黄葉していれば申し分ない。こういう時は若狭の森に限る。
折戸谷林道の終点まで車を進める。終点付近の谷は豪雨の影響か、かなり荒れて河原のトチの木が2mばかり埋もれていた。
終点から2本目の左岸からの支流へ入る。そこはかとない踏み跡が右岸に残る谷は植林で面白みはない。ところどころに大きな
トチがあるのだけが取り柄だ。林道終点の標高は450m。稜線の新庄乗越までわずか150mほどの登りである。
谷が倒木で鬱陶しくなり始めると、左に砂ザレの急斜面が現われた。そこを上がるとあっけなく稜線に到達した。これが野坂岳
~三国山縦走路への最短ルートだろう。
この稜線を北に向けて歩くのは初めてだ。掘り込まれた古い道の周囲は植林とブナの混生林だ。P661mまで上がると植林も消
え、尾根はブナ1色となる。まだ緑の葉もあるが、徐々に進み始めた黄葉は、どんより曇った空の下でも森を明るくしてくれる。
紅葉のピークは来週あたりだろうか。
[attachment=4]P1030558_1.JPG[/attachment]
尾根芯を外してあっちへフラフラ、こっちへフラフラ。大きな木があれば近寄って確かめずにはおれない。
野坂岳と三国山を結ぶこの稜線はブナの回廊だ。質、量ともに文句のないブナの森が続いている。これに庄部谷山への尾根を加
え、さらに大御影山から大日周辺まではまさにブナの宝庫。福井県美浜町を流れる耳川水源の森である。
P806mの庄部谷山分岐を見送り、芦谷岳866mへ向かう。別に何度も踏んでいるこの山頂へ立つ理由はないのだが、ひとつぐら
いは名前のある山頂をと、ついつい足が向いてしまうのである。
とりあえず山頂に立った。風が強くなり始めて寒い。風を避けて西側斜面に腰を降ろす。ここまでの標高差は400m余り。大した運
動にもならないので、目論み通り甲森谷のトチとカツラのワンダーランドへ下りることにした。460mの下りである。
[attachment=3]P1030592_1.JPG[/attachment]
貧相な林相の尾根芯を外して、西斜面の見事な樹林をトラバースして進む。Ca850mピーク下で右折、この先で尾根はふたつに
分かれている。右は横谷川源流二俣へ、左は甲森谷の白谷出合へと続く。どちらも歩いたことのある尾根だ。
左の尾根を取り、北へ向きが変わるところから真っ直ぐ甲森谷へ下りる尾根を選んだ。このあたりは尾根上に白い岩とトチの巨木
が並ぶ、ちょっと不思議な雰囲気の場所である。
ほとんどヤブもなく、最後は転げ落ちるような急斜面を駈け下りれば、ちょうど庄部谷山直登沢であるサルハシ谷との出合に下りつ
いた。下流へ歩き、まずはカツラの御神木に挨拶して行こう。ここを逆方向に歩くのも初めてだ。
[attachment=2]P1030623_1.JPG[/attachment]
いつも振り返りながら歩いているが、逆の方向から正面に見据える眺めはまた違った印象を受けるものだ。
カツラの巨木を次々に見て、甲森谷一番のトチの大木を見上げれば御神木の台地はすぐそこだ。今日は上の台地へ先に上がって、
窯跡とカツラの巨木の絶妙な配置を見下ろそう。ここから見る窯跡はまるでドーナツのようなまん丸の形をしている。
[attachment=1]P1030630_1.JPG[/attachment]
少し早いが昼飯とするか。再び上流へ歩いて、ワンダーランド第2位と思しきカツラの対岸に腰を降ろした。サラサラと流れる甲森谷
の流れと深い森。ここの標高はわずか400mである。この標高でこれだけの山深さと神々しいばかりの森に出会えるのは若狭の、
とりわけ美浜の山ならではだ。
食後のコーヒーを楽しんでいると、ついに雨が降り始めた。覚悟していたとは言え、予定より少々早い。店じまいして尾根への登
り返しに備えるか。
本流を渡ってサルハシ谷との中間尾根に取り付く。尾根と呼べる代物ではない激登りの急斜面である。ビアランチの後にはまった
く不適当なアルバイトである。ふうふう言いながらもできるだけ休まず登る。
雨の量が増えてきたので雨具を着ることにする。杉の根方で雨宿り。見下ろす樹林はほどよく色付いて美しい。
なんとか1時間ほどで登り切り、Ca860mの稜線に出た。ここも美しいブナ林だが見慣れ過ぎて新たな感動はない。
南東のCa850mピークへ向かう。そこから795m標高点を経由して、南東の尾根から送電鉄塔を目指す。鉄塔からは折戸谷へ巡視
路があるはずだ。今朝の出発時に林道脇に標識があるのを確認済である。
Ca850mで下降点を探してうろうろしていると、青い物体が目に入った。拾い上げてみると携帯電話だ。見覚えのある形は4年前に
私が落としたものだ。2年ほどまえにここを通った時には発見できなかった。少し汚れているものの、ほとんど無傷と言える状態だっ
たのには驚いた。
恐る恐る電源を入れてみると液晶が光った・・・はずはない。とりあえず自分のゴミを回収できただけ良しとしよう。
795mピークへははっきりした道が付いている。右半分は植林だからである。ピークから南西の尾根へは伐採・植林が入り、林道
がかなり上まで延びて来ているのだ。南東の尾根はどうだろう。
南東尾根にも明瞭な踏み跡があり、少し進んだところで完全な自然林に変わった。天然杉や雑木混じりの林はそのうちブナの純
林に変わった。広い尾根にブナの疎林。単なる下山ルートとして選んだ尾根だったが、これは思わぬ拾い物だ。
[attachment=0]P1030668_1.JPG[/attachment]
ブナ林の奥がやたら明るいと思ったら、案の定丸裸の尾根に鉄塔が聳えていた。ちょうど大日のような尾根の変化だ。
あてにしていた巡視路の標識が見当たらないので次の鉄塔まで進んでみたが、踏み跡はそこまでだった。戻って折戸谷側の斜面
をトラバースして行くと、手前の尾根に道が付いていた。巡視路らしくよく踏まれた道が、尾根を真っ直ぐ下りるのではなく右に左に
回りながらうまく勾配を殺して付けられている。樹林の雰囲気も悪くないこの道は、登路としても十分使えそうだ。
下部ではさすがに植林となり、尾根を外れて斜面をジグザグに切り始めた。さっきの状態のまま下りられればいいコースなのだが。
水音が近くなると最後は再び自然林に戻った。堰堤の横を谷沿いに少し下ると45度傾いた木橋が架かっていた。さすがにこいつは
渡れない。水量も少ないので簡単に渡渉して対岸へ。林道から分岐した支線が50mほど延びており、原形を留めないほど崩れた車
が3台放置してあった。こいつはちょっと薄気味悪いオブジェだ。
林道を少し上がって駐車地に戻った。雨脚が気持ち強くなった。雨と汗で全身ずぶ濡れだが、通い慣れた山域の新しいルートを開
拓できた満足感があった。
これまた通い慣れたきららの湯で早く冷えた体を温めよう。
山日和
5日、もう少し寝坊していたらばったりだったかもしれません(^^;