【越前】魚見から775m無名峰、金粕へ 雪山でヤブ漕ぎ満喫

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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【越前】魚見から775m無名峰、金粕へ 雪山でヤブ漕ぎ満喫

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2024年1月14日(日)
【山 域】福井県丹南 魚見川源流域
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】金山バス停7:55---8:50鉄塔9:10---11:40 P775m---12:00 P720mランチ場13:35
     ---14:20金粕---15:55県道203号---17:10駐車地

 三角点金粕。普通なら見向きもされない標高700m余りの超マイナーピークである。
福井県池田町の魚見川源流域には、730m前後の同じような高さの山が並んでいるが、一般登山道があるのは
738mの唐木岳だけだ。2年ほど前からこの山域に惹かれ、大小屋山、大曽地、段ノ岳、金粕、岩谷山、唐木岳
といった山々に登ってきた。植林が盛んな山々で地図に載っていない林道があちこちにあるが、思いもかけな
かったブナ林に出会えたり、木々が葉を落とした季節であれば、樹間から白山や越美国境、加越国境の山々を
望むことができる。登山道のある唐木岳と岩谷山の間を除けばまず人に会うこともなく、いわば小さな喜びを
見出す静かな山々である。


1705243654511_1.jpg

 今年一番の冷え込みを見せた朝、池田町内に入ると周りの山々は見渡す限りの雪化粧だ。普段なら黒々とし
て愛想の無い植林も、今は総クリスマスツリー状態である。
しかし思ったよりも降雪は少ないようで、道端の積雪もわずか。凍結だけ注意して魚見の集落へと車を走らせ
た。金山のバス停のある集会所前に駐車させてもらう。
唐木岳に朝陽が当たって黄金色に輝いていた。今日はいい一日になりそうだ。

P1140009_1.JPG

 橋を渡って除雪されていない林道に入る。積雪は10~20センチ程度。さらさらのパウダースノーが心地よい。
当初計画していた尾根の末端はどうも食指が動かないので、林道をしばらく進んで送電線の巡視路を利用する
ことにしたが登り口が見つからない。おなじみの小さな標識が必ずあるはずなのだが。
仕方なく適当な斜面に取り付いたが、これが悪手だった。登るにつれて傾斜が急になるのはいいが、ヤブがひ
どくなり、薄く積もった雪に足場が決まらない。100m登るのに疲労困憊してしまった。
登り付いた尾根にはなんと1m幅の立派な道があってガックリである。
入口をよく観察しながら歩いたつもりだったが見逃してしまったのだろう。鉄塔からは見事な展望が広がった。
ここから609m標高点までは間違いなく巡視路があるが、その先はわからない。


P1140030_1.JPG

 あにはからんや、標高点を過ぎたところで道は尾根を外れて左下へ下降して行った。目の前の尾根芯は密な
潅木のヤブだ。最高の天気とコンディションの中、ここでやめるわけにはいかない。
あの手この手でヤブをだましながら這うように前進する。こんな日になんで雪山でヤブを漕がないといけない
のか、この山を選んだ我が身を呪っても詮無いことである。

 しばらく我慢しているとやがて植林が現れた。いつもならガックリくる植林もこういう場合は救いの神に見
えるのがおかしなものである。
 775mピークの登りにかかるあたりは自然林で悪くない雰囲気だが、粗いヤブを迂回しながらですっきりとは
いかない。


P1140084_1.JPG

 登り着いた775mピークはこの近辺での最高峰なのだが、残念ながら名前がない。魚見川流域では唯一の740m
を超えるピークなので名前が欲しいところだ。
 北面は植林だが尾根芯から南側は自然林で、ブナもぽつぽつと立っている。
金草岳方面の展望が開けるが、これは落葉期限定の眺望である。
 ここまで無風でランチ場所は自由自在だろう思っていたが、意外に風が出てきた。どうやら南風のようだ。
ずっと北面を歩いてきたので風を感じなかったのだ。

P1140089_1.JPG

 ここからは池田町と南越前町を分ける東西の尾根なのでなかなか風のない場所を見つけるのが難しい。
登りの尾根から見ていたブナ林の感じ良さげな尾根は予想通りのいいブナ林が続いていた。
次の720mピークとその北斜面は特に素晴らしい。
金草岳を眺めながらランチタイムとしたかったが、この斜面も白山が見えて悪くない。風も気にならないので
ここに腰を据えることにしよう。風さえなければ日差しがポカポカと暖かい。
それと引き換えに霧氷は全部落ちてしまったが、すべてを望むのは贅沢というものだ。

 のんびりとランチを楽しんでいると金粕の方から登山者が現れたのにはびっくりした。向こうも同じ思いのよ
うで、同時に「こんなところで人に会うとは」と驚きの声が上がる。
いろいろと話をしている内に、「福井の雪山の本を出しているんです」と仰った。「ひょっとして瓜生さんです
か?」と聞くと、まさにベルグラ山の会の創設者の瓜生氏だったので二度驚いた。
実は20年以上前に夜叉ヶ丸の山頂で会っており、その時に「福井の雪山」の続編の執筆中だと聞いていた。
その後出版された「福井の雪山Ⅱ」の三国岳から夜叉ヶ池の項には、山頂で大阪からの登山者と会ったと書かれ
ている。それが私を含むパーティーだったのだ。
その後「嶺南の谷 耳川編」を出された時には直接コンタクトして送ってもらった。
こんな場所で再会を果たすとは、なんとうれしい山の神様からのプレゼントだろう。

1705243654488_1.jpg
 
 瓜生氏は775mピークには登ったことがないらしく、我々のトレースがあることを教えると、ピークに向かって
行かれた。御年77歳で、ご自分では体力が落ちてと言われていたが、単独でこんな人けのない山に向かうのだか
らまだまだお元気だ。
 ピークを往復して戻ってきたらまだ我々がいたのでびっくりされたが、「いつもランチタイムはこんな調子で
す」と説明すると感心したように笑っておられた。せっかくなので記念撮影をして別れた。
瓜生氏は魚見川の林道を辿って来られたようで、トレースは谷の方へ向かっていた。


P1140118_1.JPG

 ここから金粕までは再びノートレースである。
気持ちのいいブナ林は続かず、潅木と植林の平凡な林相に変わった。こうして見ると、去年辿った大小屋山から
大曽地、735mピークへの稜線は延々とブナ林が続くこの近辺でも稀有な優れた尾根だったことがわかる。
 この付近はナメコの宝庫でもあり、採り残された冷凍ナメコがあちこちに見られた。

P1140147_1.JPG

 下山ルートに選んだのは726m標高点から北東に延びる尾根だ。末端まで歩ければ駐車地までわずかな車道歩き
で済む。仕事が速いルートだろうとの思惑だったが、そうは問屋が卸さず、ユズリハな密なヤブに悩まされてペ
ースが上がらない。それでも今日一日見続けてきた真っ白な姿の白山を真正面に眺めながら下るのは気分がいい。
 魚見峠への車道が交わる地点で車道へ逃げることにする。距離は長いが急がば回れである。
午後になっても雪は緩んでおらず、ほとんど沈まないので何も考えずに歩けるのがありがたい。
尾根上では消えていた木々の雪も、谷間に入るとびっしり残ったままだった。

                   山日和
biwaco
記事: 1423
登録日時: 2011年2月22日(火) 16:56
お住まい: 滋賀県近江八幡市

Re: 【越前】魚見から775m無名峰、金粕へ 雪山でヤブ漕ぎ満喫

投稿記事 by biwaco »

山日和導師サマ、今年もよろしくお付き合いください(^_-)
 三角点金粕。普通なら見向きもされない標高700m余りの超マイナーピークである。
福井県池田町の魚見川源流域には、730m前後の同じような高さの山が並んでいるが、一般登山道があるのは738mの唐木岳だけだ。2年ほど前からこの山域に惹かれ、大小屋山、大曽地、段ノ岳、金粕、岩谷山、唐木岳といった山々に登ってきた。
奥越というか福井の奥座敷のこのエリア、標高も700m前後で、さらに山奥の越美国境の1200mクラスの山と違って昔からヒトと自然が共生してきた度合いが大きい世界なんでしょうね。
例示された山々ですが、私が踏んだことがあるのは岩谷山だけ。今回の金粕も三等三角点があるのに地形図には名前も載っていません。せめて登山道があるらしい唐木岳くらいは登ってみたい気がしますが、他は雪シーズンでないとヤブに阻まれるんでしょうね(@_@。
凍結だけ注意して魚見の集落へと車を走らせた。金山のバス停のある集会所前に駐車させてもらう。
「金山」バス停はどこかいな?と思ったけど、県道の・299の所ですね。どっち回りで来たのかな? ひょっとして開通した冠山トンネルを潜っての東周りでしょうか? わが家からなら北陸道回りからが近いように思いますが。
そういえば地形図では県道203号の魚見峠越えは実線になっていますが、今も4輪が通れる舗装道路なんでしょうね?
登り付いた尾根にはなんと1m幅の立派な道があってガックリである。
入口をよく観察しながら歩いたつもりだったが見逃してしまったのだろう。鉄塔からは見事な展望が広がった。
ここから609m標高点までは間違いなく巡視路があるが、その先はわからない。
あの小さな標識は雪が被っていなくても見落としがちですね。「火の用心」が目印ですが、私と違って愛煙家の貴殿には見落せないメッセージなんでしょうが(^_-)
ところで、私の地形図では、「609m」は「・607」ですけど…(?_?)
 775mピークの登りにかかるあたりは自然林で悪くない雰囲気だが、粗いヤブを迂回しながらですっきりとはいかない。
 登り着いた775mピークはこの近辺での最高峰なのだが、残念ながら名前がない。魚見川流域では唯一の740mを超えるピークなので名前が欲しいところだ。
すぐ近くまで林道が来ていますね。この林道を使えば私でも行けるかな?
・775ピークにはぜひ名前が欲しいですね。地元の人も知らないのでしょうか? 「阿久和山」か「杉谷の頭」なんかどう?
 のんびりとランチを楽しんでいると金粕の方から登山者が現れたのにはびっくりした。向こうも同じ思いのようで、同時に「こんなところで人に会うとは」と驚きの声が上がる。
いろいろと話をしている内に、「福井の雪山の本を出しているんです」と仰った。「ひょっとして瓜生さんですか?」と聞くと、まさにベルグラ山の会の創設者の瓜生氏だったので二度驚いた。
手元にある「福井の雪山」に金粕山が載っていました。1999年1月の瓜生康二さんのレポで、阿久和川の中小屋からの南尾根ルートです。
瓜生さん、satoさんとのアップ写真で初めて拝顔させてもらいました。77歳ですか! 近い目標が見つかりました。(もちろん、鍛え方や経験は比べようがないけど…)
 下山ルートに選んだのは726m標高点から北東に延びる尾根だ。末端まで歩ければ駐車地までわずかな車道歩きで済む。仕事が速いルートだろうとの思惑だったが、そうは問屋が卸さず、ユズリハな密なヤブに悩まされてペースが上がらない。
魚見川の林道へ逃げるより、当然選びたくなる魅力的な尾根ルートですね。いざとなれば県道に逃げたらいいし…。(^_-)

日の出から日没まで雪にスッポリ包まれた大満足の1日でしたね。このエリア、ぜひ足を向けてみたいもんです。もちろん、天候、積雪、体調などの条件を見てのことですが…。 
         ~びわ爺
sato
記事: 422
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【越前】魚見から775m無名峰、金粕へ 雪山でヤブ漕ぎ満喫

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんばんは。
木曜日と今日、明日の雨で、比良の雪は融けてしまいそうですが、来週も雪の予報。
また雪化粧したお姿が見られると期待しています。

越美国境や奥越の山に向かう道中、ぼんやりと眺めていた越前市、池田町の集落の裏に並ぶ山々。
存在感を放つ日野山は、惹きつけられるものがあり、奥越の山に向かう前日に登ったことがありましたが、
他は、里山の風景として一括りしたように見ていました。
ある日、増永廸男さんの『福井の山150』を読み返していた時、足羽川上流の魚見川源流の山の記述に目が留まりました。
「おもしろいことに、魚見川の源流には、ほぼ同じ高さの山が、半円を画いて連なっていて」
「地図の中に円形劇場を浮かびあがらせる」
地図を見て「わぁ、ほんとうだ」地形が描いた円形劇場が、頭の中に映し出されました。
どんなお山なのだろう。覗きたくなりました。

山日和さんも気になっていらっしゃった山域で、
2年前、日野川上流の文室町からでしたが唐木岳から日野山にかけて周回することが出来ました。
幾重にも連なる山並みや、田んぼの広がる里を眺めながら、からりと明るい雑木林、清々しいブナの林の中を歩き、
そう、ちいさなよろこびに包まれながら、ぽこぽこいくつものちいさなピークを越え、峠を横切っていきました。
その後も、分け入るごとに、外から見たら木々に覆われた取り立てて特徴のない7,800mの里山の、
味わい深さに魅了されていっています。

きんきんに冷えた山と里。そして青い空。この日の朝の情景は、得も言われぬ趣がありましたね。
登り始める前から満ち足りた気持ちに。
集落から・728へ向かう尾根から変更して、取りついた斜面は、最初は植林でスムーズに登れましたが、
灌木のヤブになってからは手こずりましたね。パーカーを着ていなかったので雪まみれにも。
立派な道のついた尾根に出た時の「最悪の選択をしてしまった」という山日和さんのお言葉、今でも耳に残っています(笑)。

でも、ここからは快適に歩ける尾根に。
見渡す山という山すべて雪と霧氷を纏い白く煌めき、かなたに浮かぶ白山はひと際白く神々しく光り輝いていました。
眺望を楽しみながら・607へ。
地図上では、この先も気持ちよさそうな形の尾根が続いていますが、その尾根は見事なヤブ。
どこまで続くのだろう。・775までどれだけかかるのだろう、と思いましたが、先ほどとは違う、力強い「行こう」というお声に、
「よし」とわくわくしてきました。
雪まみれにならぬよう、パーカーを着てフードを被り、いざヤブへ。いさんで突入していきましたが、
植林が見えた時は、ほっとしましたね。「現金なわたしたち」と思わず笑ってしまいました。
・775に着くと、さんさんと降り注ぐ陽光で、尾根上の木々の霧氷は落ち切ってしまっていましたが、
それをまた楽しんでいる自分を感じました。こんなにも素晴らしい霧氷と青空を味わえる日に、何故、ヤブを漕いでいるのだろう、と。

720mピーク下のブナの木々が立ち並ぶ緩やかにうねる斜面は、こころ躍らせるものがありましたね。
ここで、お昼の時間を楽しんでいると、思いもかけないうれしい出会いが。
ご挨拶した時から、長年、山に分け入ってこられた方なのだなぁ、と感じましたが、瓜生康二さんだったとは。
高島に越してくるまで、嶺北の山には登ったことがありませんでした。
増永廸男さんの本に出会い、福井の山やまへの想像が膨らみ、瓜生康二さんの『福井の雪山Ⅰ、Ⅱ』に出会い、
このお山はこんなルートを描けるのだ、こんな面白い登り方が出来るのだ、と山に分け入っていく夢をいただきました。
福井の山の魅力、山登りの醍醐味を教えてくださったお方にお会いできるとは、ほんとうにうれしかったです。
本を出されてから20年あまり。50代、60代、そして70代とご年齢を重ねた今も、
ご自身の山を楽しんでいらっしゃるお姿に、瓜生さんの山人生、澄み渡った山への情熱を感じ、
私の中にある山への想いと響き合い、胸が熱くなりました。力を夢をいただきました。

△735,6金粕山は、鉱物との関連をうかがわせる山名ですね。
昨冬の初めに日野川に注ぐ牧谷川の上流を囲む尾根を辿る山旅で訪れ、堀割の道に出会い、麓の南越前側の金粕、
池田町側の魚見金山との繋がりについて思いを巡らせ、
刃物の産地として知られる越前の山と人の歴史を知りたくなり、そのままになっていたことを思い出しました。
いろいろ知りたくなっても、そのままになっていることばかりです。

・726からの下りの尾根は、はじまりが谷地形。尾根の形が現れるあたりからヤブが濃くなり、
またすんなりと歩けなくなりましたが、純白の白山を見つめながらのヤブこぎは、私も気分がよかったです。
林道歩きは日陰が多く、木々についた雪もそのまま残っていて、わぁ、きれい、と楽しみながら歩けました。
最後の除雪された道は、ツルツルで緊張しましたが。

山日和さんとの山初め。好きになった山域の新雪の里山でヤブこぎを満喫し、うれしい出会いに恵まれた、輝く一日になりました。
お山の神様に感謝。こうして今年もお山に出かけることが出来る環境に感謝です。

sato
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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【越前】魚見から775m無名峰、金粕へ 雪山でヤブ漕ぎ満喫

投稿記事 by 山日和 »

biwa爺さん、どうもです。
こちらこそよろしくお願いします。 :D

奥越というか福井の奥座敷のこのエリア、標高も700m前後で、さらに山奥の越美国境の1200mクラスの山と違って昔からヒトと自然が共生してきた度合いが大きい世界なんでしょうね。
例示された山々ですが、私が踏んだことがあるのは岩谷山だけ。今回の金粕も三等三角点があるのに地形図には名前も載っていません。せめて登山道があるらしい唐木岳くらいは登ってみたい気がしますが、他は雪シーズンでないとヤブに阻まれるんでしょうね(@_@。

奥越は大野市なので、池田町や南越前町は丹南エリアということになります。
とにかく里に近い山々なので、人の暮らしと密接に関係してたんでしょうね。
唐木岳から岩谷山、野見ヶ岳、日野山と続く縦走路はなかなかいいです。
昨秋登った大平山もよかったので、一度にではなく区切って歩いても楽しいですよ。秋にはおみやげもあるし。
大小屋山や段ノ岳方面は、なんとか踏み跡はあるのではと思います。圧倒的に雪のある時の方が楽しいと思いますが。

P1140002_1.JPG

「金山」バス停はどこかいな?と思ったけど、県道の・299の所ですね。どっち回りで来たのかな? ひょっとして開通した冠山トンネルを潜っての東周りでしょうか? わが家からなら北陸道回りからが近いように思いますが。
そういえば地形図では県道203号の魚見峠越えは実線になっていますが、今も4輪が通れる舗装道路なんでしょうね?


そうです。最短コースは武生から魚見坂越えですね。県道の魚見峠は本来は岩谷峠というらしいです。
前述の魚見坂が魚見峠とも呼ばれていたようです。
岩谷峠の方はふ~さん達と以前車で上がって宴会したのでは?
今回は途中でガケ崩れで通行止めでした。(そうでなくても冬期通行止めだけど)

あの小さな標識は雪が被っていなくても見落としがちですね。「火の用心」が目印ですが、私と違って愛煙家の貴殿には見落せないメッセージなんでしょうが(^_-)
ところで、私の地形図では、「609m」は「・607」ですけど…(?_?)

「何々幹線」とか「№なんとか」と書いた巡視路の標識です。
よく見たら私の地形図でも607でした。 :mrgreen:

P1140051_1.JPG

すぐ近くまで林道が来ていますね。この林道を使えば私でも行けるかな?
・775ピークにはぜひ名前が欲しいですね。地元の人も知らないのでしょうか? 「阿久和山」か「杉谷の頭」なんかどう?

魚見川沿いの林道が稜線直下まで上がってますね。瓜生さんはそれを使って登って来られました。
三角点があれば点名魚見というところでしょうか。

手元にある「福井の雪山」に金粕山が載っていました。1999年1月の瓜生康二さんのレポで、阿久和川の中小屋からの南尾根ルートです。
瓜生さん、satoさんとのアップ写真で初めて拝顔させてもらいました。77歳ですか! 近い目標が見つかりました。(もちろん、鍛え方や経験は比べようがないけど…)


P1140079_1.JPG

一昨年、千石谷山から西尾根を登って金粕へ行きましたが、道レベルの明瞭な踏み跡があります。
瓜生さんはbiwa爺さんやバーチャリさんと同世代ですね。
めっきり体力が落ちたと言われてましたが、今の体力に合わせて自分らしい山登りを見つけておられるのがうれしいです。

魚見川の林道へ逃げるより、当然選びたくなる魅力的な尾根ルートですね。いざとなれば県道に逃げたらいいし…。(^_-)

そう思ったんですが、そうそう美味しい話は転がってなかったですね。 :lol:

日の出から日没まで雪にスッポリ包まれた大満足の1日でしたね。このエリア、ぜひ足を向けてみたいもんです。もちろん、天候、積雪、体調などの条件を見てのことですが…。 
       

危険なところがなく、葉の落ちた時期なら意外に大展望を得られるのでいいですよ。
しかし万一の場合、まず人は来ないですが。 :mrgreen:

                   山日和
アバター
山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【越前】魚見から775m無名峰、金粕へ 雪山でヤブ漕ぎ満喫

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、どうもです。お疲れさまでした。

越美国境や奥越の山に向かう道中、ぼんやりと眺めていた越前市、池田町の集落の裏に並ぶ山々。
存在感を放つ日野山は、惹きつけられるものがあり、奥越の山に向かう前日に登ったことがありましたが、他は、里山の風景として一括りしたように見ていました。


普通はそうですよね。

ある日、増永廸男さんの『福井の山150』を読み返していた時、足羽川上流の魚見川源流の山の記述に目が留まりました。
「おもしろいことに、魚見川の源流には、ほぼ同じ高さの山が、半円を画いて連なっていて」
「地図の中に円形劇場を浮かびあがらせる」
地図を見て「わぁ、ほんとうだ」地形が描いた円形劇場が、頭の中に映し出されました。
どんなお山なのだろう。覗きたくなりました。

絵に描いたように735m前後の山々が並んでいるのに気付いて興味を惹かれました。
増永さんのおかげです。

山日和さんも気になっていらっしゃった山域で、2年前、日野川上流の文室町からでしたが唐木岳から日野山にかけて周回することが出来ました。
幾重にも連なる山並みや、田んぼの広がる里を眺めながら、からりと明るい雑木林、清々しいブナの林の中を歩き、そう、ちいさなよろこびに包まれながら、ぽこぽこいくつものちいさなピークを越え、峠を横切っていきました。

あれはなかなかのロングコースでしたが、なんとか日野山の最後の登りをこなせてよかったです。
山頂でのんびりし過ぎて闇下寸前になっちゃいましたが。 :mrgreen:

きんきんに冷えた山と里。そして青い空。この日の朝の情景は、得も言われぬ趣がありましたね。
登り始める前から満ち足りた気持ちに。


里と背後の里山の風景が素晴らしかったですね。もう登らなくてもいいんじゃないかと思ったぐらいです。 :lol:


P1140026_1.JPG

集落から・728へ向かう尾根から変更して、取りついた斜面は、最初は植林でスムーズに登れましたが、灌木のヤブになってからは手こずりましたね。パーカーを着ていなかったので雪まみれにも。
立派な道のついた尾根に出た時の「最悪の選択をしてしまった」という山日和さんのお言葉、今でも耳に残っています(笑)。


手袋もテムレスにしとけばよかったのに、びしょ濡れになって指先が冷えてしまいましたよ。
あの言葉は実感です。 :mrgreen:

地図上では、この先も気持ちよさそうな形の尾根が続いていますが、その尾根は見事なヤブ。
どこまで続くのだろう。・775までどれだけかかるのだろう、と思いましたが、先ほどとは違う、力強い「行こう」というお声に、「よし」とわくわくしてきました。
雪まみれにならぬよう、パーカーを着てフードを被り、いざヤブへ。いさんで突入していきましたが、
植林が見えた時は、ほっとしましたね。「現金なわたしたち」と思わず笑ってしまいました。

一瞬このまま引き返そうかと思ったけど、そんなわけにもいかんし。
とりあえず薄そうなところへ頭から突っ込んだらそれほどでもなかったので助かりました。
それにしても植林はいいですね~ :lol:


P1140079_1.JPG
P1140088_1.JPG

・775に着くと、さんさんと降り注ぐ陽光で、尾根上の木々の霧氷は落ち切ってしまっていましたが、それをまた楽しんでいる自分を感じました。こんなにも素晴らしい霧氷と青空を味わえる日に、何故、ヤブを漕いでいるのだろう、と。

普通はそれを「アホ」と言いますね。 :mrgreen:

720mピーク下のブナの木々が立ち並ぶ緩やかにうねる斜面は、こころ躍らせるものがありましたね。

この日のコースで一番いいところでした。


P1140090_2.JPG

ここで、お昼の時間を楽しんでいると、思いもかけないうれしい出会いが。
ご挨拶した時から、長年、山に分け入ってこられた方なのだなぁ、と感じましたが、瓜生康二さんだったとは。


最初はお互い物好きな人がいるなあという感じでしたが、話をしていくうちにビックリ。
20年ぶりの再会でした。

増永廸男さんの本に出会い、福井の山やまへの想像が膨らみ、瓜生康二さんの『福井の雪山Ⅰ、Ⅱ』に出会い、このお山はこんなルートを描けるのだ、こんな面白い登り方が出来るのだ、と山に分け入っていく夢をいただきました。
福井の山の魅力、山登りの醍醐味を教えてくださったお方にお会いできるとは、ほんとうにうれしかったです。


あの本は私にとってはバイブルに近いです。
増永さんの本は記憶のバイブルですが、瓜生さんの本は記録のバイブル。

本を出されてから20年あまり。50代、60代、そして70代とご年齢を重ねた今も、
ご自身の山を楽しんでいらっしゃるお姿に、瓜生さんの山人生、澄み渡った山への情熱を感じ、
私の中にある山への想いと響き合い、胸が熱くなりました。力を夢をいただきました。


そうですね。いくつになっても今の自分の身の丈に合った登山を続けて行けるんだという励みになりますね。

P1140118_2.JPG

△735,6金粕山は、鉱物との関連をうかがわせる山名ですね。
昨冬の初めに日野川に注ぐ牧谷川の上流を囲む尾根を辿る山旅で訪れ、堀割の道に出会い、麓の南越前側の金粕、池田町側の魚見金山との繋がりについて思いを巡らせ、刃物の産地として知られる越前の山と人の歴史を知りたくなり、そのままになっていたことを思い出しました。
いろいろ知りたくなっても、そのままになっていることばかりです。


金粕は金糞と同義のようです。地名・山名からいろんなことを想像させてくれますね。

・726からの下りの尾根は、はじまりが谷地形。尾根の形が現れるあたりからヤブが濃くなり、
またすんなりと歩けなくなりましたが、純白の白山を見つめながらのヤブこぎは、私も気分がよかったです。


真ん前に見える白山だけが強い味方でした。 :D

P1140145_1.JPG

林道歩きは日陰が多く、木々についた雪もそのまま残っていて、わぁ、きれい、と楽しみながら歩けました。
最後の除雪された道は、ツルツルで緊張しましたが。

普通なら退屈する林道歩きも楽しめましたね。
突然立派な車道が目の前からなくなった時にはびっくりしましたが。

山日和さんとの山初め。好きになった山域の新雪の里山でヤブこぎを満喫し、うれしい出会いに恵まれた、輝く一日になりました。
お山の神様に感謝。こうして今年もお山に出かけることが出来る環境に感謝です。


この日はみんなどこかで満開の霧氷や大展望を楽しんでいたはず。
でもこんな雪山も悪くはないですね。うれしい出会いもあり、トータルではいい一日でした。 :D

                 山日和
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