【奥美濃】無雪期の金糞岳北尾根を歩く
Posted: 2023年11月22日(水) 21:37
【日 付】2023年11月19日(日)
【山 域】奥美濃 金糞岳周辺
【天 候】曇りのち晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】鳥越林道駐車地8:10---8:40尾根取付き---9:40北尾根---12:45三角点倉谷14:15---14:40 P1039---
16:05三角点宮ノ平---16:50林道---17:10駐車地
金糞岳北尾根は積雪期限定というのが常識らしいが、本当にそうだろうか。
坂内川支流の浅又川の林道に車を止めた。林道入口まで戻って、大草履という変わった名前の集落へ続く支線を
上がって行く。路面にはサルのものだろうか、糞があちこちに落ちているのでぼんやり歩いていたら踏んづけて
しまいそうだ。
大草履は集落と言っても一軒の家があるだけだが、誰もいないようである。
獣柵を開けて段々畑の間をつづら折れになった道を進む。獣柵の出口からはもう使われていないようで廃道の趣
きだった。右手を見ると、こことほとんど変わらない高さに雰囲気の良さげな尾根が走っていた。予定では林道
を終点まで歩いてから尾根に取り付くつもりだったが、あの尾根を歩いてみよう。
予定のルートの2本北側の尾根である。
この尾根が大当たりだった。ある程度は植林も覚悟していたが、まったくヤブ無しで踏み跡も明瞭な、全面自
然林の極楽尾根だ。ほとんど期待していなかった紅黄葉もちょうど盛りのようで、尾根の周囲を飾っている。
どんよりとした空の下で色が映えないのが残念だが、今年あまり見ていなかったカエデの赤が多いのがうれしい。
気持ちのいい尾根なのだが、ひとつ誤算があった。前日から夜半にかけての雨は山では雪だったようで、早く
も雪山の様相を呈している。積雪は5~10センチ程度だが、落ち葉の上に積もった雪は安易に足を踏み出すとズル
ズル滑って前に進めない。立ち木や潅木の枝を掴んで足場を確かめながらの登行は疲れる上に時間も食われる。
しかしそのおかげで新雪と紅葉という、低山ではあまり見ることのできない風景を味わうことができたのだから
良しとしよう。
Ca770mピークに近づくとブナが増えてきた。これはいいぞとピークで北尾根に合流すると、反対側は植林が
入っていてガックリである。それでも尾根芯はブナ林が続いているので気を取り直して進む。
予定の尾根との分岐あたりは尾根が広がって実にいい雰囲気だ。
それにしてもヤブがなく、しっかりした踏み跡が続いているのは予想外である。
天気は昼に近付くにつれて回復基調のはずだったが、ガスに覆われ始めた。毎度おなじみの霧に煙るブナ林も
オツなものだ。そのうち晴れてくるだろう。
この尾根は左右に張り出す支尾根の分岐が多く、間違わないように注意が必要だ。そう思いながら、Ca840m
ピークから西へ延びる尾根に引き込まれてしまい、標高差80m以上下ってしまった。ちゃんと地図を見ていれば、
方向はもちろんのことながら、この尾根上には30m以上のアップダウンはないのですぐにおかしいと思わねばな
らない、いつまで経っても未熟の極みである。
このままブナの森がずっと続くのかと思ったが、そうは問屋が卸さなかった。ブナが切れると伐採跡だろうか、
潅木が尾根芯をふさぐ部分があったり、植林の倒木が通せんぼをする地帯が出てきたりと、すんなり歩かせてく
れない。いいところとの落差が大き過ぎて、精神的にも疲れてきた。
981.5mの三角点倉谷の手前は、地形図を見るといかにもという感じの姿だが、現実はイマイチだった。
雪に埋もれた三角点の周りはまあまあだったので、ザックを降ろしてランチタイムとする。
防水の利かなくなった登山靴は雪で染みて靴下までぐしょぐしょだ。今日は気温も低く寒い。
じっとしていると濡れた足の感覚がなくなってしまいそうだ。
それでもキッチリとランチタイムを取るのが習慣である。足先以外は防寒対策をして、今日も1時間半ほどのラ
ンチタイムを楽しんだ。
コーヒーを飲んでいると、目の前に自分たちの影が映り始めた。待望の青空が頭上に広がる。
北の方を見ると、湧谷山の向こうにうっすらと蕎麦粒山の姿が現れた。
腰を上げて1039mピークに向かう。
普段は小さな池だろう場所は雪とシャーベット上の氷に覆われ、わずかな水面を覗かせていた。
積雪期なら大雪原が広がる1039mピークから先も、今はヤブっぽい林床のブナ林だ。積雪期の姿も今の姿も、ど
ちらも金糞岳北尾根である。山は季節を変えて何度も訪れなければ本当の姿を知ることはできない。
ここから金糞岳まで無雪期に歩くことができるのだろうか。
1039mピークからは北東の尾根を辿って下山するのだが、Ca850mあたりからは尾根の形がはっきりしない斜
面の急降下となる。ヤブは薄いのだが、雪と落ち葉のトラップでまったく油断できない。ちょっと気を抜くと
転倒必至だ。ここではヤブが幸いして、いいホールドになってくれるので助かった。
意外に展望のいい尾根で、ブンゲンや貝月山、小津権現山から花房山、雷倉への尾根も望むことができる。
鳥越山の右肩には伊吹山がわずかに覗いていた。
尾根を1本外したと思って隣の尾根にトラバースしたら、結局元の尾根が正解だった。わざわざヒリヒリする
ような急斜面の下降とトラバースを楽しむ結果となった。
チェーンスパイクを持って来ていれば、登りもこの下りも楽勝だったに違いない。
真っ白なお尻のシカが三頭、何をやっているのかと笑うように駆け下りて行った。
急斜面が終わると一転、平和な尾根歩きに変わる。高度が下がって再び復活した紅黄葉を愛でながら、明瞭な
踏み跡が688.6mの三角点宮ノ平に導いてくれた。
この山頂付近だけが植林で、北に延びる尾根は林道に着地するまでずっと雑木林が続いた。これもうれしい誤算だ。
落ち葉散り敷く美しい疎林の尾根を辿って鳥越林道にソフトランディング。光の届かない谷間はもう薄暗い。
山日和
【山 域】奥美濃 金糞岳周辺
【天 候】曇りのち晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】鳥越林道駐車地8:10---8:40尾根取付き---9:40北尾根---12:45三角点倉谷14:15---14:40 P1039---
16:05三角点宮ノ平---16:50林道---17:10駐車地
金糞岳北尾根は積雪期限定というのが常識らしいが、本当にそうだろうか。
坂内川支流の浅又川の林道に車を止めた。林道入口まで戻って、大草履という変わった名前の集落へ続く支線を
上がって行く。路面にはサルのものだろうか、糞があちこちに落ちているのでぼんやり歩いていたら踏んづけて
しまいそうだ。
大草履は集落と言っても一軒の家があるだけだが、誰もいないようである。
獣柵を開けて段々畑の間をつづら折れになった道を進む。獣柵の出口からはもう使われていないようで廃道の趣
きだった。右手を見ると、こことほとんど変わらない高さに雰囲気の良さげな尾根が走っていた。予定では林道
を終点まで歩いてから尾根に取り付くつもりだったが、あの尾根を歩いてみよう。
予定のルートの2本北側の尾根である。
この尾根が大当たりだった。ある程度は植林も覚悟していたが、まったくヤブ無しで踏み跡も明瞭な、全面自
然林の極楽尾根だ。ほとんど期待していなかった紅黄葉もちょうど盛りのようで、尾根の周囲を飾っている。
どんよりとした空の下で色が映えないのが残念だが、今年あまり見ていなかったカエデの赤が多いのがうれしい。
気持ちのいい尾根なのだが、ひとつ誤算があった。前日から夜半にかけての雨は山では雪だったようで、早く
も雪山の様相を呈している。積雪は5~10センチ程度だが、落ち葉の上に積もった雪は安易に足を踏み出すとズル
ズル滑って前に進めない。立ち木や潅木の枝を掴んで足場を確かめながらの登行は疲れる上に時間も食われる。
しかしそのおかげで新雪と紅葉という、低山ではあまり見ることのできない風景を味わうことができたのだから
良しとしよう。
Ca770mピークに近づくとブナが増えてきた。これはいいぞとピークで北尾根に合流すると、反対側は植林が
入っていてガックリである。それでも尾根芯はブナ林が続いているので気を取り直して進む。
予定の尾根との分岐あたりは尾根が広がって実にいい雰囲気だ。
それにしてもヤブがなく、しっかりした踏み跡が続いているのは予想外である。
天気は昼に近付くにつれて回復基調のはずだったが、ガスに覆われ始めた。毎度おなじみの霧に煙るブナ林も
オツなものだ。そのうち晴れてくるだろう。
この尾根は左右に張り出す支尾根の分岐が多く、間違わないように注意が必要だ。そう思いながら、Ca840m
ピークから西へ延びる尾根に引き込まれてしまい、標高差80m以上下ってしまった。ちゃんと地図を見ていれば、
方向はもちろんのことながら、この尾根上には30m以上のアップダウンはないのですぐにおかしいと思わねばな
らない、いつまで経っても未熟の極みである。
このままブナの森がずっと続くのかと思ったが、そうは問屋が卸さなかった。ブナが切れると伐採跡だろうか、
潅木が尾根芯をふさぐ部分があったり、植林の倒木が通せんぼをする地帯が出てきたりと、すんなり歩かせてく
れない。いいところとの落差が大き過ぎて、精神的にも疲れてきた。
981.5mの三角点倉谷の手前は、地形図を見るといかにもという感じの姿だが、現実はイマイチだった。
雪に埋もれた三角点の周りはまあまあだったので、ザックを降ろしてランチタイムとする。
防水の利かなくなった登山靴は雪で染みて靴下までぐしょぐしょだ。今日は気温も低く寒い。
じっとしていると濡れた足の感覚がなくなってしまいそうだ。
それでもキッチリとランチタイムを取るのが習慣である。足先以外は防寒対策をして、今日も1時間半ほどのラ
ンチタイムを楽しんだ。
コーヒーを飲んでいると、目の前に自分たちの影が映り始めた。待望の青空が頭上に広がる。
北の方を見ると、湧谷山の向こうにうっすらと蕎麦粒山の姿が現れた。
腰を上げて1039mピークに向かう。
普段は小さな池だろう場所は雪とシャーベット上の氷に覆われ、わずかな水面を覗かせていた。
積雪期なら大雪原が広がる1039mピークから先も、今はヤブっぽい林床のブナ林だ。積雪期の姿も今の姿も、ど
ちらも金糞岳北尾根である。山は季節を変えて何度も訪れなければ本当の姿を知ることはできない。
ここから金糞岳まで無雪期に歩くことができるのだろうか。
1039mピークからは北東の尾根を辿って下山するのだが、Ca850mあたりからは尾根の形がはっきりしない斜
面の急降下となる。ヤブは薄いのだが、雪と落ち葉のトラップでまったく油断できない。ちょっと気を抜くと
転倒必至だ。ここではヤブが幸いして、いいホールドになってくれるので助かった。
意外に展望のいい尾根で、ブンゲンや貝月山、小津権現山から花房山、雷倉への尾根も望むことができる。
鳥越山の右肩には伊吹山がわずかに覗いていた。
尾根を1本外したと思って隣の尾根にトラバースしたら、結局元の尾根が正解だった。わざわざヒリヒリする
ような急斜面の下降とトラバースを楽しむ結果となった。
チェーンスパイクを持って来ていれば、登りもこの下りも楽勝だったに違いない。
真っ白なお尻のシカが三頭、何をやっているのかと笑うように駆け下りて行った。
急斜面が終わると一転、平和な尾根歩きに変わる。高度が下がって再び復活した紅黄葉を愛でながら、明瞭な
踏み跡が688.6mの三角点宮ノ平に導いてくれた。
この山頂付近だけが植林で、北に延びる尾根は林道に着地するまでずっと雑木林が続いた。これもうれしい誤算だ。
落ち葉散り敷く美しい疎林の尾根を辿って鳥越林道にソフトランディング。光の届かない谷間はもう薄暗い。
山日和
週に何度か仕事で堅田まで出かけているのですが、帰りに湖周道路を走っている時、