【奥美濃】神又谷三ツ谷から猫ヶ洞 サワグルミとブナとトチの森に遊ぶ
Posted: 2023年7月25日(火) 23:44
【日 付】2023年7月22日(土)
【山 域】奥美濃 神又谷周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】神又谷出合7:50---8:25三ツ谷出合---9:20大堰堤上---11:45江美国境稜線---12:00ランチ場13:40
---13:55猫ヶ洞---15:55神又谷本流--16:35-駐車地
神又谷の出合に車を止めた。夜叉ヶ池登山口へ向かう林道はここで通行止めである。
工事期間が12月22日までとなっているということは、冬期通行止めを入れれば来年の6月まで池ノ又谷から夜叉
ヶ池へ行けないということだろうか。
4年振りの神又谷だ。前回は神又谷を遡行して神又峰へ上がり、中ノ又谷を下降する沢中一泊のルートだった。
今日は右岸の支流である三ツ谷から土蔵岳へ詰め上げて猫ヶ洞へ縦走、北の尾根を下って再び神又谷へ下りて
来る計画である。
前回はずっと流れの中を歩いたのだが、今日は時短のため右岸の廃林道跡を辿る。やはり土の上を歩く方が
ペースが上がる。
流れを横に見ながら進んで行くと、前方の木が揺れていた。風はまったく無いのに不自然な揺れ方だ。何かいる
のか。立ち止まって様子を見ていると、岩陰から真っ黒いヤツが姿を現わした。予想通りのクマである。
向こうもこちらの存在に気付いて目が合った。そこで両手を上げて大声で威嚇すると、一目散に斜面の上に消え
て行った。写真を撮るヒマがなかったのが残念だ。
クマがいたところを見ると、赤い実の生った木があった。一生懸命食事している最中だったのだろう。悪いこと
をしてしまった。
三ツ谷へ入って最大にして唯一の核心部が堰堤の高巻きである。2段25mぐらいはあるだろう巨大な堰堤は小
さく巻くことは不可能。左岸からの巻きを選択して、右から入るルンゼの脇を上がって行く。
6~70m登ったあたりからトラバースを開始。堰堤のラインを見極めないと、下手に下ってしまえば堰堤の手前
だったということになりかねない。
ようやく堰堤のラインを過ぎたところで下降点を探る。どこを見てもかなりの急斜面だ。
立ち木を利用しながら、一ヶ所だけロープを出して堰堤上の河原に着地。この巻きだけで50分ぐらいかかって
しまった。トラバースのラインと下降ポイントをもう少し吟味した方がよかったかもしれない。
三ツ谷はひと言で言えば何もない谷である。2m以上の落差を滝とするならば、滝と呼べるも
のは皆無の、実に穏やかな谷だ。
しかしその代わりにサワグルミの大木が林立する、深く美しい森に包まれている。
神又谷本流を小さくしたような谷と言えるだろうか。
沢登りとして見れば無価値のハズレ谷という向きもあるだろうが、谷としての価値観は人それぞれ。
滝やゴルジュだけが谷の価値を高めるというものでもない。自分にとっては樹林の美しさが最優先事項だ。
何ごとも起こらないまま猫ヶ洞への支流との二俣を迎えた。今日も体調はイマイチである。
ここで土蔵岳をカットしてコース短縮を決める。但し、猫ヶ洞へ直接突き上げる谷はCa850mあたりの等高線の
詰まり具合が気になるので、支流へ入ってすぐに左へ分岐する谷を上がることにした。
谷を包む森はいつしかサワグルミからブナに変わっている。谷は傾斜を増すだけで、相変わらず滝のひとつも
現れない。
細い溝状になった谷を詰めて一面のブナ林が広がる斜面に出た。
ひと登りで土蔵岳と猫ヶ洞を結ぶ江美国境稜線に飛び出す。ここは積雪期に何度も歩いている、細いながらも美
しいブナ林が広がる好きなところだ。
奥土倉へ延びる尾根とのジャンクションでランチタイムとする。積雪期なら素敵なブナのコバのランチ適地な
のだが、やはりこの時期は下草がややうるさいのでスッキリ感には欠ける。わずかな空間を見つけて腰を降ろす。
最近は谷の中でランチタイムを取って、食後の登りで悪戦苦闘というパターンが多かったが、今日は山頂までの
標高差は100m足らずなので気が楽だ。
食後は登山靴に履き替えて猫ヶ洞へ向かう。
山頂手前のシャクナゲの激ヤブは左から回避。山頂直下は積雪期には大きな雪庇ができて突破にひと工夫要ると
ころだが、ササヤブに覆われたただの斜面を見ると、どこに雪庇ができる要素があるのだろうと不思議な気分に
なる。
猫ヶ洞の三角点(点名三ツ又)は大半が土に埋もれて、10センチばかり頭を出していた。
北東にある積雪期には大展望が得られるピークへ行くが、予想通り何も見えなかった。少なくとも2mは積もら
ないと展望地にはならないのだろう。
ここから北西の尾根を進み、Ca850mで北東を尾根を神又谷へ下りる目論見である。
いざ下りだしてみるとヤブは薄く、若いブナ林が続く歩きやすい尾根だった。踏み跡らしきものもある。
これはなかなかの当たりの尾根だ。
尾根分岐の手前、Ca880mあたりから太いブナが目立ち始めた。Ca850mの分岐はブナの大木が数本立つ美しい
コバになっていた。
そして尾根の右側に緩やかに上がってきた谷の源頭にはトチの巨木が。思わず駆け寄ってみる。幹周は5~6mと
いうところだろうか。谷の下流(水は流れていないが)方向にも数本のトチの大木がある。
広い谷間にはヤブはなく、トチやブナの大木が点在する素晴らしい森である。この場所に出会えただけでも今日
の山行は大成功と言えるだろう。
尾根を外してしばらく谷を散策、地形図の「800」と記された少し上で尾根に戻った。
このままブナ林が谷まで続けばと思ったが、そんなにうまく行くはずもない。
末端近くでユズリハのヤブに阻まれて際どいトラバースを強いられた後、右の谷へ下りた。先ほどの大トチの谷
の下流だ。
ここで再び渓流シューズに履き替える。あとは平和な神又谷をのんびり下るだけだ。
山日和
【山 域】奥美濃 神又谷周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】神又谷出合7:50---8:25三ツ谷出合---9:20大堰堤上---11:45江美国境稜線---12:00ランチ場13:40
---13:55猫ヶ洞---15:55神又谷本流--16:35-駐車地
神又谷の出合に車を止めた。夜叉ヶ池登山口へ向かう林道はここで通行止めである。
工事期間が12月22日までとなっているということは、冬期通行止めを入れれば来年の6月まで池ノ又谷から夜叉
ヶ池へ行けないということだろうか。
4年振りの神又谷だ。前回は神又谷を遡行して神又峰へ上がり、中ノ又谷を下降する沢中一泊のルートだった。
今日は右岸の支流である三ツ谷から土蔵岳へ詰め上げて猫ヶ洞へ縦走、北の尾根を下って再び神又谷へ下りて
来る計画である。
前回はずっと流れの中を歩いたのだが、今日は時短のため右岸の廃林道跡を辿る。やはり土の上を歩く方が
ペースが上がる。
流れを横に見ながら進んで行くと、前方の木が揺れていた。風はまったく無いのに不自然な揺れ方だ。何かいる
のか。立ち止まって様子を見ていると、岩陰から真っ黒いヤツが姿を現わした。予想通りのクマである。
向こうもこちらの存在に気付いて目が合った。そこで両手を上げて大声で威嚇すると、一目散に斜面の上に消え
て行った。写真を撮るヒマがなかったのが残念だ。
クマがいたところを見ると、赤い実の生った木があった。一生懸命食事している最中だったのだろう。悪いこと
をしてしまった。
三ツ谷へ入って最大にして唯一の核心部が堰堤の高巻きである。2段25mぐらいはあるだろう巨大な堰堤は小
さく巻くことは不可能。左岸からの巻きを選択して、右から入るルンゼの脇を上がって行く。
6~70m登ったあたりからトラバースを開始。堰堤のラインを見極めないと、下手に下ってしまえば堰堤の手前
だったということになりかねない。
ようやく堰堤のラインを過ぎたところで下降点を探る。どこを見てもかなりの急斜面だ。
立ち木を利用しながら、一ヶ所だけロープを出して堰堤上の河原に着地。この巻きだけで50分ぐらいかかって
しまった。トラバースのラインと下降ポイントをもう少し吟味した方がよかったかもしれない。
三ツ谷はひと言で言えば何もない谷である。2m以上の落差を滝とするならば、滝と呼べるも
のは皆無の、実に穏やかな谷だ。
しかしその代わりにサワグルミの大木が林立する、深く美しい森に包まれている。
神又谷本流を小さくしたような谷と言えるだろうか。
沢登りとして見れば無価値のハズレ谷という向きもあるだろうが、谷としての価値観は人それぞれ。
滝やゴルジュだけが谷の価値を高めるというものでもない。自分にとっては樹林の美しさが最優先事項だ。
何ごとも起こらないまま猫ヶ洞への支流との二俣を迎えた。今日も体調はイマイチである。
ここで土蔵岳をカットしてコース短縮を決める。但し、猫ヶ洞へ直接突き上げる谷はCa850mあたりの等高線の
詰まり具合が気になるので、支流へ入ってすぐに左へ分岐する谷を上がることにした。
谷を包む森はいつしかサワグルミからブナに変わっている。谷は傾斜を増すだけで、相変わらず滝のひとつも
現れない。
細い溝状になった谷を詰めて一面のブナ林が広がる斜面に出た。
ひと登りで土蔵岳と猫ヶ洞を結ぶ江美国境稜線に飛び出す。ここは積雪期に何度も歩いている、細いながらも美
しいブナ林が広がる好きなところだ。
奥土倉へ延びる尾根とのジャンクションでランチタイムとする。積雪期なら素敵なブナのコバのランチ適地な
のだが、やはりこの時期は下草がややうるさいのでスッキリ感には欠ける。わずかな空間を見つけて腰を降ろす。
最近は谷の中でランチタイムを取って、食後の登りで悪戦苦闘というパターンが多かったが、今日は山頂までの
標高差は100m足らずなので気が楽だ。
食後は登山靴に履き替えて猫ヶ洞へ向かう。
山頂手前のシャクナゲの激ヤブは左から回避。山頂直下は積雪期には大きな雪庇ができて突破にひと工夫要ると
ころだが、ササヤブに覆われたただの斜面を見ると、どこに雪庇ができる要素があるのだろうと不思議な気分に
なる。
猫ヶ洞の三角点(点名三ツ又)は大半が土に埋もれて、10センチばかり頭を出していた。
北東にある積雪期には大展望が得られるピークへ行くが、予想通り何も見えなかった。少なくとも2mは積もら
ないと展望地にはならないのだろう。
ここから北西の尾根を進み、Ca850mで北東を尾根を神又谷へ下りる目論見である。
いざ下りだしてみるとヤブは薄く、若いブナ林が続く歩きやすい尾根だった。踏み跡らしきものもある。
これはなかなかの当たりの尾根だ。
尾根分岐の手前、Ca880mあたりから太いブナが目立ち始めた。Ca850mの分岐はブナの大木が数本立つ美しい
コバになっていた。
そして尾根の右側に緩やかに上がってきた谷の源頭にはトチの巨木が。思わず駆け寄ってみる。幹周は5~6mと
いうところだろうか。谷の下流(水は流れていないが)方向にも数本のトチの大木がある。
広い谷間にはヤブはなく、トチやブナの大木が点在する素晴らしい森である。この場所に出会えただけでも今日
の山行は大成功と言えるだろう。
尾根を外してしばらく谷を散策、地形図の「800」と記された少し上で尾根に戻った。
このままブナ林が谷まで続けばと思ったが、そんなにうまく行くはずもない。
末端近くでユズリハのヤブに阻まれて際どいトラバースを強いられた後、右の谷へ下りた。先ほどの大トチの谷
の下流だ。
ここで再び渓流シューズに履き替える。あとは平和な神又谷をのんびり下るだけだ。
山日和
清冽な流れと、サワグルミとブナとトチの森に遊んだ一日、なんて清々しい沢山旅だったのだろう、と振り返っています。