【京都北山】佐々里峠から廃村八丁~最短ルートで終活山行
Posted: 2023年6月28日(水) 10:57
【日付】2023年6月25日(日)
【山域】京都北山/廃村八丁
【ルート】佐々里峠~品谷山~廃村八丁~品谷山~佐々里峠
【天候】曇り
【メンバー】単独
【コースタイム】佐々里峠7:45-品谷山9:30ーco830分岐10:40ートラゴシ峠11:15-12:05八丁13:00ースモモ谷ー品谷峠14:30ー品谷山15:25ー16:35佐々里峠
長年の懸案だった「廃村八丁」へ行って来た。あの「白壁の土蔵」もとっくに崩壊し跡形もなくなった今、敢えてこの蒸し暑い季節に行く意味があるのか? そう思うと足が重くなる。
「廃村八丁」を知ったのは、ガイド本「京都北山」で目にした20代前後のころ。いつかそのうち…と思いながらいつの間にか50年以上が経ってしまった。前日、とうとう「後期高齢者」の仲間入り。人生の最終コーナーを回った記念に、行ってくるか! 何時までも積み残ししていたのでは安心して次のステップに進めない。
標高735mの佐々里峠からが一番高低差が少なく、今の自分にとってハードルが低そうだ。ルート上の最高点は△880.7品谷山。最低部の廃村八丁はco650m辺りなので、差は200m余りしかない。
自宅を出たのは6時前になった。途中越から安曇川沿いの国道367号を北上。梅ノ木から左折して久多方面へ。さすがにこの時期、久多川沿いは釣り師の車が占領している。能見口で鞍馬からの府道と合流すると佐々里峠は近い。
地蔵尊が祭られる岩屋の隣りに数台分の駐車スペースがある。峠の南北両方に登山口がある。北側は稜線を辿り小野村割岳へ。今回は南側から尾根伝いに品谷山へ向かう。
地図上や山行レポでは何度も確認しているが、実際に歩くのは初めてのルート。「京都府 佐々里無線中継所」と標示がある鉄塔の横をすり抜け、予想通り下草やヤブも無く、歩きやすい尾根を進む。1ヵ月ぶりの山歩きだが、周りの雰囲気や樹間からのぞく近くの山並を楽しみながら、マイペースで足を運ぶ。
ちょっと気になるのは、雨でもないのに湿っぽくてヒルが心配だが、スタート前に靴に殺虫剤をタップリ吹き付けてきたから大丈夫だろう。ルートにはアセビが邪魔するところもあるが、ハッキリした踏み跡が続いているので、外れないように気を付ける。
ダンノ峠からの尾根とのjctピークが近づくといきなり斜度が増す。ルンルンで進めたのもここまで。標高差にして50mほどだろうが立ち止まって息を整えながらガマンの登高だ。
分岐ピークからは「DN5左京消防団広河原分団」の標示柱があるダンノ峠へは下らず、右手に続く尾根を進む。ここから品谷山へはほとんど高低差が無く真西に向かえばいいのだが、倒木とアセビなどによる道塞ぎに悩まされる。
品谷山は樹木に囲まれたのっぺりとした台地の真ん中広場に三角点柱があった。峠から1時間半かかったが、市販マップと同じくらいなので上出来としよう。
この山頂も、ここまでの尾根道も、樹木に邪魔されて眺望には恵まれない。熊剥ぎによる木肌が痛々しい杉の大木、苔を纏ったブナの古木、ヤマボウシの白とピンクの花笠、花期を終え艶やかな葉を広げるトクワカソウ…など、稜線の回廊は目を楽しませてくれる。上空はずっと雲が覆ったままだが、予報通り雨にはならない感じで、暑い日差しが無いだけ助かる。 山頂からは放射状に支尾根が延びているのでGPSで確認しながら稜線を下る。前方でいきなり鳴き声がして、目の前を鳥が1羽駆け抜けていく。雌キジのようだ。立ち止まると、飛んだり走り抜けるのではなく、数m離れてグルリと円を描き、元のヤブの中に消えた。ヒナでも連れていたのだろうか?
このあと何処から廃村八丁へ下るか考えながら、2つほどコブを越えて品谷峠へ。左になだらかな斜面が広がる。スモモ谷から八丁への谷道だ。しかし、ヒザ痛を思えばできれば尾根を下りたい。・827標高点手前のco830pまで稜線を進んでみる。
分岐にはなんの目印もないが、南に延びる支尾根は明るく、元気なブナも混じり、踏み跡も付いている。この支尾根の終点は八丁からコシキ峠への破線路と交差する「トラゴシ峠」だ。
途中から崩壊箇所や倒木で何度か小さなルートロスを繰り返し、ルーファイに悩みながらの下降。トラブルで尾根芯が通れなくても、常に尾根を見据えながら進めば踏み跡に復帰できる。
トラゴシ峠の標柱は見事に朽ち果てていたが、近くの木に小さなプレートが付いていた。下って来た尾根を左に回り込むようにトラバースし、南東向きの枝尾根に乗る。最後はco680から再び左にトラバし谷に沿って踏み跡(作業路?)を辿ると八丁川に出た。破線路とは少し違っているが、急斜面を下るより楽だろう。
渡渉して廃村エリアに。建物の残骸らしいトタン板や木材片が散らばっているが、よく写真にある四角錐の建物は見あたらない。ここは別の民家の跡だろうか? 広場の中を踏み跡が延びていて、右はババ谷からソトバ峠へ続いているようだ。
左からもう一度渡渉して右岸沿いに進むと石組や建物跡などが出てくる。川が左にカーブしているところを越えると対岸に例の建造物が目に入る。ここだったんか。やっと出会えた。と喜ぶほど入れ込んでいるわけではないが、なんだかこれで懸案に決着がついたような気になるから不思議なものだ。
もう一度渡渉して四角錐の広場に。幸い水量は少なく、飛び渡れるように足場になる石が放り込んである。正午を5分ほど回っているが、時間はたっぷり残っている。
辺りを観察してからランチにしようと店開きしていると、後ろから「こんにちは~」。ブリッジのせいで首を回せない。とりあえず「こんにちは~」と後ろ向きのまま返事を返す。なんだか申し訳ない。食事を終えてから、改めてあいさつ。奈良の人で、今日の山中で唯一出会った人だ。
刑部谷からダンノ峠経由で帰る男性と別れ、彼が通ってきたスモモ谷から品谷峠に出ることにする。いずれもゴールは同じなんだが、果たしてどちらが楽だろう?
スモモ谷の入り口はダダっ広い植林帯。谷を縫うように両岸を何度も渡り直しながら遡行。滝はないが、2つ目の沢分岐から斜度が増してくる。1時間余りで最後の2俣へ到着。品谷山の南西稜線へ突き上げる右俣は水流が元気だが、品谷峠へ続く左俣は涸れ沢状態。右俣で水補給してから峠へ向かう。
緩斜面になり、稜線鞍部の品谷峠に。ヤレヤレ、あとは往路を引き返すだけだ。
と思ったら大間違い。進行方向が180度変われば別世界で、記憶にない景色が続出だ。同じ倒木でも越えたり迂回したりするたびに踏み跡をロスしてしまう。とんでもない支尾根に迷い込みかけたりして、想定外に時間が掛かる。「16時までには佐々里峠へ」などと根拠もない読みは見事に外れてしまった。
奈良の人から峠の駐車地には「4,5台停まっていた」と聞いていたのに、残っているのは自分の車だけ。子ども連れで小野村割岳へ向かったと思われるマイクロバスの姿もない。
~びわ爺
【山域】京都北山/廃村八丁
【ルート】佐々里峠~品谷山~廃村八丁~品谷山~佐々里峠
【天候】曇り
【メンバー】単独
【コースタイム】佐々里峠7:45-品谷山9:30ーco830分岐10:40ートラゴシ峠11:15-12:05八丁13:00ースモモ谷ー品谷峠14:30ー品谷山15:25ー16:35佐々里峠
長年の懸案だった「廃村八丁」へ行って来た。あの「白壁の土蔵」もとっくに崩壊し跡形もなくなった今、敢えてこの蒸し暑い季節に行く意味があるのか? そう思うと足が重くなる。
「廃村八丁」を知ったのは、ガイド本「京都北山」で目にした20代前後のころ。いつかそのうち…と思いながらいつの間にか50年以上が経ってしまった。前日、とうとう「後期高齢者」の仲間入り。人生の最終コーナーを回った記念に、行ってくるか! 何時までも積み残ししていたのでは安心して次のステップに進めない。
標高735mの佐々里峠からが一番高低差が少なく、今の自分にとってハードルが低そうだ。ルート上の最高点は△880.7品谷山。最低部の廃村八丁はco650m辺りなので、差は200m余りしかない。
自宅を出たのは6時前になった。途中越から安曇川沿いの国道367号を北上。梅ノ木から左折して久多方面へ。さすがにこの時期、久多川沿いは釣り師の車が占領している。能見口で鞍馬からの府道と合流すると佐々里峠は近い。
地蔵尊が祭られる岩屋の隣りに数台分の駐車スペースがある。峠の南北両方に登山口がある。北側は稜線を辿り小野村割岳へ。今回は南側から尾根伝いに品谷山へ向かう。
地図上や山行レポでは何度も確認しているが、実際に歩くのは初めてのルート。「京都府 佐々里無線中継所」と標示がある鉄塔の横をすり抜け、予想通り下草やヤブも無く、歩きやすい尾根を進む。1ヵ月ぶりの山歩きだが、周りの雰囲気や樹間からのぞく近くの山並を楽しみながら、マイペースで足を運ぶ。
ちょっと気になるのは、雨でもないのに湿っぽくてヒルが心配だが、スタート前に靴に殺虫剤をタップリ吹き付けてきたから大丈夫だろう。ルートにはアセビが邪魔するところもあるが、ハッキリした踏み跡が続いているので、外れないように気を付ける。
ダンノ峠からの尾根とのjctピークが近づくといきなり斜度が増す。ルンルンで進めたのもここまで。標高差にして50mほどだろうが立ち止まって息を整えながらガマンの登高だ。
分岐ピークからは「DN5左京消防団広河原分団」の標示柱があるダンノ峠へは下らず、右手に続く尾根を進む。ここから品谷山へはほとんど高低差が無く真西に向かえばいいのだが、倒木とアセビなどによる道塞ぎに悩まされる。
品谷山は樹木に囲まれたのっぺりとした台地の真ん中広場に三角点柱があった。峠から1時間半かかったが、市販マップと同じくらいなので上出来としよう。
この山頂も、ここまでの尾根道も、樹木に邪魔されて眺望には恵まれない。熊剥ぎによる木肌が痛々しい杉の大木、苔を纏ったブナの古木、ヤマボウシの白とピンクの花笠、花期を終え艶やかな葉を広げるトクワカソウ…など、稜線の回廊は目を楽しませてくれる。上空はずっと雲が覆ったままだが、予報通り雨にはならない感じで、暑い日差しが無いだけ助かる。 山頂からは放射状に支尾根が延びているのでGPSで確認しながら稜線を下る。前方でいきなり鳴き声がして、目の前を鳥が1羽駆け抜けていく。雌キジのようだ。立ち止まると、飛んだり走り抜けるのではなく、数m離れてグルリと円を描き、元のヤブの中に消えた。ヒナでも連れていたのだろうか?
このあと何処から廃村八丁へ下るか考えながら、2つほどコブを越えて品谷峠へ。左になだらかな斜面が広がる。スモモ谷から八丁への谷道だ。しかし、ヒザ痛を思えばできれば尾根を下りたい。・827標高点手前のco830pまで稜線を進んでみる。
分岐にはなんの目印もないが、南に延びる支尾根は明るく、元気なブナも混じり、踏み跡も付いている。この支尾根の終点は八丁からコシキ峠への破線路と交差する「トラゴシ峠」だ。
途中から崩壊箇所や倒木で何度か小さなルートロスを繰り返し、ルーファイに悩みながらの下降。トラブルで尾根芯が通れなくても、常に尾根を見据えながら進めば踏み跡に復帰できる。
トラゴシ峠の標柱は見事に朽ち果てていたが、近くの木に小さなプレートが付いていた。下って来た尾根を左に回り込むようにトラバースし、南東向きの枝尾根に乗る。最後はco680から再び左にトラバし谷に沿って踏み跡(作業路?)を辿ると八丁川に出た。破線路とは少し違っているが、急斜面を下るより楽だろう。
渡渉して廃村エリアに。建物の残骸らしいトタン板や木材片が散らばっているが、よく写真にある四角錐の建物は見あたらない。ここは別の民家の跡だろうか? 広場の中を踏み跡が延びていて、右はババ谷からソトバ峠へ続いているようだ。
左からもう一度渡渉して右岸沿いに進むと石組や建物跡などが出てくる。川が左にカーブしているところを越えると対岸に例の建造物が目に入る。ここだったんか。やっと出会えた。と喜ぶほど入れ込んでいるわけではないが、なんだかこれで懸案に決着がついたような気になるから不思議なものだ。
もう一度渡渉して四角錐の広場に。幸い水量は少なく、飛び渡れるように足場になる石が放り込んである。正午を5分ほど回っているが、時間はたっぷり残っている。
辺りを観察してからランチにしようと店開きしていると、後ろから「こんにちは~」。ブリッジのせいで首を回せない。とりあえず「こんにちは~」と後ろ向きのまま返事を返す。なんだか申し訳ない。食事を終えてから、改めてあいさつ。奈良の人で、今日の山中で唯一出会った人だ。
刑部谷からダンノ峠経由で帰る男性と別れ、彼が通ってきたスモモ谷から品谷峠に出ることにする。いずれもゴールは同じなんだが、果たしてどちらが楽だろう?
スモモ谷の入り口はダダっ広い植林帯。谷を縫うように両岸を何度も渡り直しながら遡行。滝はないが、2つ目の沢分岐から斜度が増してくる。1時間余りで最後の2俣へ到着。品谷山の南西稜線へ突き上げる右俣は水流が元気だが、品谷峠へ続く左俣は涸れ沢状態。右俣で水補給してから峠へ向かう。
緩斜面になり、稜線鞍部の品谷峠に。ヤレヤレ、あとは往路を引き返すだけだ。
と思ったら大間違い。進行方向が180度変われば別世界で、記憶にない景色が続出だ。同じ倒木でも越えたり迂回したりするたびに踏み跡をロスしてしまう。とんでもない支尾根に迷い込みかけたりして、想定外に時間が掛かる。「16時までには佐々里峠へ」などと根拠もない読みは見事に外れてしまった。
奈良の人から峠の駐車地には「4,5台停まっていた」と聞いていたのに、残っているのは自分の車だけ。子ども連れで小野村割岳へ向かったと思われるマイクロバスの姿もない。
~びわ爺