【加賀 白山北方】残雪を求めて口三方岳から烏帽子山
Posted: 2023年3月29日(水) 23:22
【日 付】2023年3月25日(土)
【山 域】白山前衛 口三方岳周辺
【天 候】曇り
【メンバー】sato、山日和
【コース】千丈温泉8:35---9:00登山口---11:20 P959m---12:05P1148m13:05---13:30口三方岳13:45---14:00ランチ場
---14:50烏帽子山---15:25道西山---17:15千丈温泉
どうにも天気の思わしくない週末だが、卓越天気予報でギリギリ雨のラインを外れていた石川県の山へ向かった。
去年オンソリ山から松尾山へ周回した時に存在感を放っていた口三方岳である。
朝から空はどんよりとして、山の方を見てもすべて雲の中。白山と北方稜線の大展望は望むべくもないだろうが、
降られなければ良しということにしよう。
千丈温泉の駐車場に車を止めた。下山すればノータイムで温泉に直行できるというこの上ないスタート地である。
準備をしていると温泉の関係者らしき人に声をかけられた。この時期はまだ登山者も少ないということだ。これは
願ったり叶ったり。国道分岐の立派な案内看板からすれば、地元ではメジャーな山なのだろう。
雪融け水で増水した直海谷川を眺めながら林道を進む。道端のガケにはまだ花びらを閉じたカタクリが群生して
いる。オンソリ山の大群落とは山ひとつ挟んだ場所だ。このあたりはカタクリが多いのかもしれない。
これも花を閉じたキクザクイチゲも多く見られた。
登山口は国道の立派な案内看板の割には朽ちかけた標柱が1本立っているだけの地味なところで、ぼんやり歩い
ていると通り過ぎてしまいそうだ。残雪の中にコンクリート階段が数段あり、崩れかけたような斜面の上に道らし
きものが見えたのでここだとわかる。
急斜面に取り付くとカタクリやスミレ、イワウチワ(トクワカソウ?)の歓迎を受ける。
花の盛期はまだこれからで、時期になればフラワーロードになるだろう。
564m標高点で尾根が緩やかになると、タムシバやマメザクラ、マンサクが目を楽しませてくれた。北側には
倉谷の源流に大きな滝ががかかっていて驚く。その上にあるはずの烏帽子山は完全に雲の中だ。
標高900mあたりでようやく雪が繋がったかに見えたが、ちょっとした岩場の通過に苦労させられた。きっちり
雪が積もっていればなんということはないのだろうが、中途半端な雪は踏み抜きと潅木の通せんぼでルート取り
に頭を悩ませる。そこを通過したところにあった標識によると、今の岩場は「岩屋敷」というらしい。
登るに従ってだんだん空が明るくなってきたようだ。
959m標高点に着くと思わぬ展望が開け、なんと白山が見えるではないか。これはまさに望外の喜び。雪面には
自分たちの影まで現われ、口三方岳から烏帽子山への尾根の向こうには青空が見えた。
今日は展望とは無縁の一日だと覚悟していたのだが、これも日頃の行いの賜物だろうか。
ここからは完全に雪が繋がり、広く緩やかな雪の街道が口三方岳へと続いている。
春の汚れた雪で真っ白でないのが少し残念だ。
不思議なことにここまでブナがほとんどなく、ミズナラばかりが目立つ尾根だったが、烏帽子山への尾根が分岐
する1148m標高点あたりまで来て、ようやくブナの森となった。広大な雪原の奥に若いながらも密度の濃いブナ
林が続いている。
しかし、この頃から再びガスが視界を奪い始める。ガスに包まれた山頂でランチというのも何なので、雰囲気
のいいブナ林でランチタイムとしよう。寒くもなく暑くもない、ちょうどいい気候だ。日差しがあればかなり暑
かっただろう。
早めに切り上げて、空身で山頂を目指す。標高差は100mあまりで距離もそれほどではないが、雪壁状の急斜面
があったり、雪面が三角になったナイフリッジ風があったりで面白い。
山頂の手前には景清池という池があるらしいが、積雪でわからなかった。
最後は無木立のドーム状を登り切れば口三方岳の山頂に到着だ。
山頂手前から少しガスが薄くなったようだったが、一瞬だけ大笠山から奈良岳、見越山、赤摩古木山、大門山、
大獅子山、猿ヶ山と並ぶ白山北方の稜線が姿を現し、1分後にはまた白いベールに包まれてしまった。
ランチ場まで戻り、ザックを担いで烏帽子山へと踏み出した。晴れていれば進むべき方向は簡単にわかるのだろ
うが、このガスでは広大で複雑な1148m付近の地形は判断が難しい。
烏帽子山への尾根に乗ってしまえばあとは一本道である。
口三方岳への登路から見たこの尾根はあまり期待できなさそうだったが、実際に歩いてみるとそれが見当違いだっ
たことを認識させられた。
ブナ林の中を鞍部まで駆け下ると、その後はブナ林の続くゆったりと広い尾根で、気持ちよく歩くことができる。
烏帽子山への登りにかかるとヤセ尾根部分も現れ、登山道が露出しているところもあった。
かと思えば再びのびやかな広い斜面に変わったりで、退屈知らずの尾根だ。
1136mの烏帽子山の山頂は名前に似合わず広い雪の台地になっていた。ガスが晴れれば素晴らしい展望が開けて
いるだろうことは想像に難くない。
ガスはますます濃くなり、ちょっとしたホワイトアウト状態になってきた。方向を慎重に定めて進む。
ところどころ雪が切れてヤブが出ているが、積雪自体は1mを軽く超えている。
1042mの三角点ピークには「道西山」という看板があった。三角点名は「板尾」という名前だが、口三方岳の
三角点もなぜか同じ「板尾」である。こういうところは他にあるのだろうか。
道西山から90度左折して南向きの尾根に入る。ここもこれまで同様、広大な雪原にポツンとポツンと立ち木が
点在する、疎林というにもあまりに疎な場所が次々に現れる。
林を形成しているところとまったく無木立のところは、どういう加減で色分けされたのだろうか。
無雪期に歩いてみれば少しは解明できるのかもしれない。
下降のポイントとなるのはCa930mあたりの尾根の分岐である。ここでは南東に緩く広い尾根があり、一見そち
らの方が主尾根に見えるのだが、登山口へは南西の急な尾根に乗らなければいけない。この尾根の末端にテープ
と標識があったのを確認している。
ところがこの尾根がなかなかで、ここまであったテープも見当たらず、歩けないことはないもののヤブ漕ぎ状態
となってペースが極端に落ちた。
さっきの分岐から1時間あれば下れると踏んでいたが、このペースで歩いていてはとても覚束ない。
下の方にヤブのない地面が見えた。そこまで下ると左の斜面から道が来ていた。雪でわからなかったが、どう
やらさっきの尾根の分岐から一旦南東の尾根に入って斜面をトラバースするように道が付けられていたようだ。
行く手には明瞭な道が続いている。これでひと安心である。
道はやがて植林帯に入り、両側がユキツバキで飾られる激下りのユキツバキロードとなった。
あっという間に白波の立つ直海谷川の流れと温泉の駐車場がぐんぐんと近づいて来る。
駐車場に戻って下ってきた尾根を眺めると、よくあんなところに道を付けたと思うようなガケに見えた。
道理でヒザがガクガクになるはずだ。
山日和
【山 域】白山前衛 口三方岳周辺
【天 候】曇り
【メンバー】sato、山日和
【コース】千丈温泉8:35---9:00登山口---11:20 P959m---12:05P1148m13:05---13:30口三方岳13:45---14:00ランチ場
---14:50烏帽子山---15:25道西山---17:15千丈温泉
どうにも天気の思わしくない週末だが、卓越天気予報でギリギリ雨のラインを外れていた石川県の山へ向かった。
去年オンソリ山から松尾山へ周回した時に存在感を放っていた口三方岳である。
朝から空はどんよりとして、山の方を見てもすべて雲の中。白山と北方稜線の大展望は望むべくもないだろうが、
降られなければ良しということにしよう。
千丈温泉の駐車場に車を止めた。下山すればノータイムで温泉に直行できるというこの上ないスタート地である。
準備をしていると温泉の関係者らしき人に声をかけられた。この時期はまだ登山者も少ないということだ。これは
願ったり叶ったり。国道分岐の立派な案内看板からすれば、地元ではメジャーな山なのだろう。
雪融け水で増水した直海谷川を眺めながら林道を進む。道端のガケにはまだ花びらを閉じたカタクリが群生して
いる。オンソリ山の大群落とは山ひとつ挟んだ場所だ。このあたりはカタクリが多いのかもしれない。
これも花を閉じたキクザクイチゲも多く見られた。
登山口は国道の立派な案内看板の割には朽ちかけた標柱が1本立っているだけの地味なところで、ぼんやり歩い
ていると通り過ぎてしまいそうだ。残雪の中にコンクリート階段が数段あり、崩れかけたような斜面の上に道らし
きものが見えたのでここだとわかる。
急斜面に取り付くとカタクリやスミレ、イワウチワ(トクワカソウ?)の歓迎を受ける。
花の盛期はまだこれからで、時期になればフラワーロードになるだろう。
564m標高点で尾根が緩やかになると、タムシバやマメザクラ、マンサクが目を楽しませてくれた。北側には
倉谷の源流に大きな滝ががかかっていて驚く。その上にあるはずの烏帽子山は完全に雲の中だ。
標高900mあたりでようやく雪が繋がったかに見えたが、ちょっとした岩場の通過に苦労させられた。きっちり
雪が積もっていればなんということはないのだろうが、中途半端な雪は踏み抜きと潅木の通せんぼでルート取り
に頭を悩ませる。そこを通過したところにあった標識によると、今の岩場は「岩屋敷」というらしい。
登るに従ってだんだん空が明るくなってきたようだ。
959m標高点に着くと思わぬ展望が開け、なんと白山が見えるではないか。これはまさに望外の喜び。雪面には
自分たちの影まで現われ、口三方岳から烏帽子山への尾根の向こうには青空が見えた。
今日は展望とは無縁の一日だと覚悟していたのだが、これも日頃の行いの賜物だろうか。
ここからは完全に雪が繋がり、広く緩やかな雪の街道が口三方岳へと続いている。
春の汚れた雪で真っ白でないのが少し残念だ。
不思議なことにここまでブナがほとんどなく、ミズナラばかりが目立つ尾根だったが、烏帽子山への尾根が分岐
する1148m標高点あたりまで来て、ようやくブナの森となった。広大な雪原の奥に若いながらも密度の濃いブナ
林が続いている。
しかし、この頃から再びガスが視界を奪い始める。ガスに包まれた山頂でランチというのも何なので、雰囲気
のいいブナ林でランチタイムとしよう。寒くもなく暑くもない、ちょうどいい気候だ。日差しがあればかなり暑
かっただろう。
早めに切り上げて、空身で山頂を目指す。標高差は100mあまりで距離もそれほどではないが、雪壁状の急斜面
があったり、雪面が三角になったナイフリッジ風があったりで面白い。
山頂の手前には景清池という池があるらしいが、積雪でわからなかった。
最後は無木立のドーム状を登り切れば口三方岳の山頂に到着だ。
山頂手前から少しガスが薄くなったようだったが、一瞬だけ大笠山から奈良岳、見越山、赤摩古木山、大門山、
大獅子山、猿ヶ山と並ぶ白山北方の稜線が姿を現し、1分後にはまた白いベールに包まれてしまった。
ランチ場まで戻り、ザックを担いで烏帽子山へと踏み出した。晴れていれば進むべき方向は簡単にわかるのだろ
うが、このガスでは広大で複雑な1148m付近の地形は判断が難しい。
烏帽子山への尾根に乗ってしまえばあとは一本道である。
口三方岳への登路から見たこの尾根はあまり期待できなさそうだったが、実際に歩いてみるとそれが見当違いだっ
たことを認識させられた。
ブナ林の中を鞍部まで駆け下ると、その後はブナ林の続くゆったりと広い尾根で、気持ちよく歩くことができる。
烏帽子山への登りにかかるとヤセ尾根部分も現れ、登山道が露出しているところもあった。
かと思えば再びのびやかな広い斜面に変わったりで、退屈知らずの尾根だ。
1136mの烏帽子山の山頂は名前に似合わず広い雪の台地になっていた。ガスが晴れれば素晴らしい展望が開けて
いるだろうことは想像に難くない。
ガスはますます濃くなり、ちょっとしたホワイトアウト状態になってきた。方向を慎重に定めて進む。
ところどころ雪が切れてヤブが出ているが、積雪自体は1mを軽く超えている。
1042mの三角点ピークには「道西山」という看板があった。三角点名は「板尾」という名前だが、口三方岳の
三角点もなぜか同じ「板尾」である。こういうところは他にあるのだろうか。
道西山から90度左折して南向きの尾根に入る。ここもこれまで同様、広大な雪原にポツンとポツンと立ち木が
点在する、疎林というにもあまりに疎な場所が次々に現れる。
林を形成しているところとまったく無木立のところは、どういう加減で色分けされたのだろうか。
無雪期に歩いてみれば少しは解明できるのかもしれない。
下降のポイントとなるのはCa930mあたりの尾根の分岐である。ここでは南東に緩く広い尾根があり、一見そち
らの方が主尾根に見えるのだが、登山口へは南西の急な尾根に乗らなければいけない。この尾根の末端にテープ
と標識があったのを確認している。
ところがこの尾根がなかなかで、ここまであったテープも見当たらず、歩けないことはないもののヤブ漕ぎ状態
となってペースが極端に落ちた。
さっきの分岐から1時間あれば下れると踏んでいたが、このペースで歩いていてはとても覚束ない。
下の方にヤブのない地面が見えた。そこまで下ると左の斜面から道が来ていた。雪でわからなかったが、どう
やらさっきの尾根の分岐から一旦南東の尾根に入って斜面をトラバースするように道が付けられていたようだ。
行く手には明瞭な道が続いている。これでひと安心である。
道はやがて植林帯に入り、両側がユキツバキで飾られる激下りのユキツバキロードとなった。
あっという間に白波の立つ直海谷川の流れと温泉の駐車場がぐんぐんと近づいて来る。
駐車場に戻って下ってきた尾根を眺めると、よくあんなところに道を付けたと思うようなガケに見えた。
道理でヒザがガクガクになるはずだ。
山日和
どうにも天気の思わしくない週末だが、卓越天気予報でギリギリ雨のラインを外れていた石川県の山へ向かった。