【越美国境】シーズン最後のご褒美 青空と霧氷・残雪の越美国境稜線(アオバ*ト編)
Posted: 2023年3月21日(火) 20:30
【越美国境】シーズン最後のご褒美 青空と霧氷・残雪の越美国境稜線(アオバ*ト編)
【山域】越美国境・美濃俣丸周辺
【山行日】2023年3月19日(日)
【天候】快晴
【メンバー】biwaco、タイラ、アオバ*ト
【ルート】広野ダム〜美濃俣丸〜1144ジャンクション〜広野ダム
未練がましく、越美国境稜線に行こうとしていたら、
もう一人の未練がましい方より絶妙のタイミングでメールが来た。
山でバッタリするより早くテレパシーが通じ合ってしまった。
広野ダムで待ち合わせ。
目的の地は、申し合わせたかのように「笹ヶ峰」。
どこから登るか色々考えたが、とにかく早く稜線に上がるが勝ちだと思った。
極力林道歩きの少ない美濃俣丸へ上がることにする。
私は美濃俣丸は上がったことなかったが、地形図見る限りそんなに難しく無さそうだ。
なんとかなるだろ。
びわ爺さまに、私の古いアッセントをお貸しすることにする。
パイプ形状のヒールリフターのないスノーシューよりマシだと思ったのだが、後にこれが仇となった。
取り付きへの林道はもっと小綺麗な林道を想像していたが、
枝が覆い被さり、落石は多く、なんかテンション下ってきた。
こんなことで稜線まで辿り着くんだろうか。
尾根上には、もちろんもう雪はない。先週の記録では、912からスノーシューと書いてあった。
たぶんそのあたりから雪がまだらに出てきたが、何も装着せずに進む。
912から急登の始まる鞍部までの間は絶景ポイントがあって、ロボットピーク、笹ヶ峰一帯がドーンと迫ってきた。
まだらだけど、すばらしい眺めに圧倒された。
急登の始まる鞍部でスノーシューを装着。沈むからというわけではなく、ヒールリフターでラクしたかった。
リフターを立てると前爪がしっかり雪面を捉えて滑り落ちる心配もなかった。
びわ爺さまも、最初の急坂は、リフターを立てて登ってきて下さった。
登るにつれて稜線の斜面の木々が白く霧氷に覆われているのがわかった。 見上げると尾根上の木々の枝には、融けかかった霧氷のしずくが陽の光を浴びてキラキラと輝いていた。
あまりの望外の神々しく美しい光景にただただ見とれるばかりだった。
振り返って叫んだ。「びわこさぁぁん、すばらしいですよぉぉ!」
小ピークに上り詰めると、正面に美濃俣丸が聳えていた。
右には、三周が大きく、左は、私には新しい世界が広がっていた。
新しい世界は、牧歌的で伸びやかで、何だかハイジの世界を連想させるのだった。
ひとしきりぐるりを眺め、踏み抜かないよう注意しつつ、直下の鞍部へ下って行く。 あと30分くらいで頂上に着くだろうとは思う。でも予定の時刻よりはずいぶんと押していて、
私はもう美濃俣丸でマッタリランチして引き返してもいいと思い始めたが、
びわ爺さまとタイラさんは、まだ周回に望みを持っているようだった。
とにかく登ろう。登ってから考えよう。しばらく登って振り返る。あれ、二人は?
あちゃ~、二人は鞍部から少しも進んでおらず、しゃがんで何やらやっていた。
「どぉしたのぉ〜。」「ストラップ切れた〜。」
何とか予備のストラップ2本使って応急処置して登ってきてくれた。
10年経ったら壊れる説は本当だった。
ちょっとしたグラがあって、右から木の枝に捕まりもってエイヤッと巻いた。
びわ爺さまは大丈夫だろうか、上から祈るような気持ちで見守る。
あ〜スノーシューが外れた。
どうなることかと思ったが、外れたスノーシューは、タイラさんが手に持ち登ってきてくれた。
やれやれ。
びわ爺さまに不良品をお貸ししてしまったことがほんとに申し訳なかった。
幸いスノーシューがなくても十分歩ける雪質。ここからはチェンスパをはいてもらうことに。
アクシデントに見舞われつつも、頂上では、すばらしいご褒美が待っていた。 360度のパノラマ、全てがくっきりと見えた。こんなに見えることって珍しいのではなかろうか。
やや遠くに見えるピラミダルな山が気になる。蕎麦粒山ではないと思うのだけど、なんていう山だろう。
(上の二枚の写真には写っていません)
山並のいちばん奥にひときわ白い山塊がある。「あれって?」「白山やで。」
「ええっあんなに大きく見えるの?ほんとに白山?ほんとにほんとに白山?」たしかに白山の形なんだけど、何度も聞いてしまった。
さてどうやって帰ろうか。ロボピークはあれでしょう?あんなに遠い。
タイラさんが1144ジャンクションのほうが近いかもしれないよという。
地形図を見ると、ロボピークへは登り基調、1144へは少し距離は長いが下り基調だ。
ロボピークからの尾根は、びわ爺さまは降りたことあるとのことだが、最後に渡渉することになる。
闇下になったとき難儀するかもしれない。
当初の目的は笹ヶ峰。笹ヶ峰方面へ行きたい気持ちは山々だったが、
2週間前に下ったばかりの自分の記憶の新しい道で帰ることにする。
そうと決まったら、頂上から下ってのんびりした場所でランチにしよう。タイラさん先頭で下り始める。
なんてすばらしい日なんだろう。空が真っ青ではないか。 たおやかな雪原をめがけて下っていく。三周と高丸の2つの形のいい山が吊り尾根で繋がっている。 誰か登って来る人があるようだった。二人連れで、タイラさんが話し込んでいる。
びわ爺さまも近づいて行くと、どうも知り合いのようだ、二人連れのうちのひとりとえらく喜びあっている。
もうひとりの人も近づいて来た。濃いサングラスに帽子嫌いなのかノーキャップ。
かっこいいイケメンのおじさん。誰かに似てるなぁ。
距離がますます近づいて、「あれぇ?」、ニコニコとオウム返しに「あれぇ?」
似てるんじゃなくて、まさかのご本人登場でした。
スノー衆のレポ以外で、
私のレポに山日和さんが登場して下さるなんて、これはきっと一生に、
あ、このセリフは、もう2回くらい使用済でした。
もうお一人の方は、「ふ~さん」。
やぶこぎネットのレジェンド?オフ会でまたお会いしたいです。
こんな超絶すばらしいお天気の下、それもこんなに絶景の場所でステキな出会い、
私たち三人はお山の神さまに愛されているなぁと思った。
「あの辺の広いところ、前にスノー衆で、ランチしたとこね。」教えてもらって下っていく。 風もなくて、暑いくらい。
ツリーホールに足を投げ出してランチタイム。
三周を目の前に、今日もご飯一合炊いて3人で分けっこして伊賀牛しぐれ煮丼。
コーヒーとお菓子。極上の時間が流れる。
もう闇下になってもいい。
褒められたことではないけど、今日は闇下になってもちゃんと帰れる自信があった。
この先大きなアップダウンはない。危ないところもない。
しかしながら、びわ爺さまはだんだん疲労が溜まって来たようで、
あとどのくらいでジャンクションかな、という言葉が聞かれるようになった。
小ピークも巻けるところは巻く。少し登りが続いたら休んで水分補給。
アミノバイタルも摂取してもらい、ゆっくり進む。
やっと1144ジャンクションに着いた。
少し手前で山日和さんたちが登ってきた長い尾根を使う手もあった。
でも自分が知ってる道を使うことにする。
美濃又丸から歩いてきた稜線を眺める。
あんなに歩いて来たんだ。ノロノロだけど、すごいじゃんか。
下りの尾根に入る。ちょっと危険地帯がある。
2週間前5分くらいで通過できたところに30分くらいかかった。でもここだけだ。
こまめにジオグラフィカで現在地を確認する。
間違って登り返しだけは避けたい。暗くなると、知ってる道でもやっぱり間違いやすくなる。
最後は少しヤブに捕まったが、何とか脱出。無事林道に降り立てた。
空には、いつの間にか星が光り、いくつもいくつも光り、私たちを照らしていた。
一日の出来事が、頭の中に次々と押し寄せた。 こんな濃い山行は後にも先にもないんじゃないかと思うくらい濃くて、満ちたりた一日だった。
アオバ*ト
【山域】越美国境・美濃俣丸周辺
【山行日】2023年3月19日(日)
【天候】快晴
【メンバー】biwaco、タイラ、アオバ*ト
【ルート】広野ダム〜美濃俣丸〜1144ジャンクション〜広野ダム
未練がましく、越美国境稜線に行こうとしていたら、
もう一人の未練がましい方より絶妙のタイミングでメールが来た。
山でバッタリするより早くテレパシーが通じ合ってしまった。
広野ダムで待ち合わせ。
目的の地は、申し合わせたかのように「笹ヶ峰」。
どこから登るか色々考えたが、とにかく早く稜線に上がるが勝ちだと思った。
極力林道歩きの少ない美濃俣丸へ上がることにする。
私は美濃俣丸は上がったことなかったが、地形図見る限りそんなに難しく無さそうだ。
なんとかなるだろ。
びわ爺さまに、私の古いアッセントをお貸しすることにする。
パイプ形状のヒールリフターのないスノーシューよりマシだと思ったのだが、後にこれが仇となった。
取り付きへの林道はもっと小綺麗な林道を想像していたが、
枝が覆い被さり、落石は多く、なんかテンション下ってきた。
こんなことで稜線まで辿り着くんだろうか。
尾根上には、もちろんもう雪はない。先週の記録では、912からスノーシューと書いてあった。
たぶんそのあたりから雪がまだらに出てきたが、何も装着せずに進む。
912から急登の始まる鞍部までの間は絶景ポイントがあって、ロボットピーク、笹ヶ峰一帯がドーンと迫ってきた。
まだらだけど、すばらしい眺めに圧倒された。
急登の始まる鞍部でスノーシューを装着。沈むからというわけではなく、ヒールリフターでラクしたかった。
リフターを立てると前爪がしっかり雪面を捉えて滑り落ちる心配もなかった。
びわ爺さまも、最初の急坂は、リフターを立てて登ってきて下さった。
登るにつれて稜線の斜面の木々が白く霧氷に覆われているのがわかった。 見上げると尾根上の木々の枝には、融けかかった霧氷のしずくが陽の光を浴びてキラキラと輝いていた。
あまりの望外の神々しく美しい光景にただただ見とれるばかりだった。
振り返って叫んだ。「びわこさぁぁん、すばらしいですよぉぉ!」
小ピークに上り詰めると、正面に美濃俣丸が聳えていた。
右には、三周が大きく、左は、私には新しい世界が広がっていた。
新しい世界は、牧歌的で伸びやかで、何だかハイジの世界を連想させるのだった。
ひとしきりぐるりを眺め、踏み抜かないよう注意しつつ、直下の鞍部へ下って行く。 あと30分くらいで頂上に着くだろうとは思う。でも予定の時刻よりはずいぶんと押していて、
私はもう美濃俣丸でマッタリランチして引き返してもいいと思い始めたが、
びわ爺さまとタイラさんは、まだ周回に望みを持っているようだった。
とにかく登ろう。登ってから考えよう。しばらく登って振り返る。あれ、二人は?
あちゃ~、二人は鞍部から少しも進んでおらず、しゃがんで何やらやっていた。
「どぉしたのぉ〜。」「ストラップ切れた〜。」
何とか予備のストラップ2本使って応急処置して登ってきてくれた。
10年経ったら壊れる説は本当だった。
ちょっとしたグラがあって、右から木の枝に捕まりもってエイヤッと巻いた。
びわ爺さまは大丈夫だろうか、上から祈るような気持ちで見守る。
あ〜スノーシューが外れた。
どうなることかと思ったが、外れたスノーシューは、タイラさんが手に持ち登ってきてくれた。
やれやれ。
びわ爺さまに不良品をお貸ししてしまったことがほんとに申し訳なかった。
幸いスノーシューがなくても十分歩ける雪質。ここからはチェンスパをはいてもらうことに。
アクシデントに見舞われつつも、頂上では、すばらしいご褒美が待っていた。 360度のパノラマ、全てがくっきりと見えた。こんなに見えることって珍しいのではなかろうか。
やや遠くに見えるピラミダルな山が気になる。蕎麦粒山ではないと思うのだけど、なんていう山だろう。
(上の二枚の写真には写っていません)
山並のいちばん奥にひときわ白い山塊がある。「あれって?」「白山やで。」
「ええっあんなに大きく見えるの?ほんとに白山?ほんとにほんとに白山?」たしかに白山の形なんだけど、何度も聞いてしまった。
さてどうやって帰ろうか。ロボピークはあれでしょう?あんなに遠い。
タイラさんが1144ジャンクションのほうが近いかもしれないよという。
地形図を見ると、ロボピークへは登り基調、1144へは少し距離は長いが下り基調だ。
ロボピークからの尾根は、びわ爺さまは降りたことあるとのことだが、最後に渡渉することになる。
闇下になったとき難儀するかもしれない。
当初の目的は笹ヶ峰。笹ヶ峰方面へ行きたい気持ちは山々だったが、
2週間前に下ったばかりの自分の記憶の新しい道で帰ることにする。
そうと決まったら、頂上から下ってのんびりした場所でランチにしよう。タイラさん先頭で下り始める。
なんてすばらしい日なんだろう。空が真っ青ではないか。 たおやかな雪原をめがけて下っていく。三周と高丸の2つの形のいい山が吊り尾根で繋がっている。 誰か登って来る人があるようだった。二人連れで、タイラさんが話し込んでいる。
びわ爺さまも近づいて行くと、どうも知り合いのようだ、二人連れのうちのひとりとえらく喜びあっている。
もうひとりの人も近づいて来た。濃いサングラスに帽子嫌いなのかノーキャップ。
かっこいいイケメンのおじさん。誰かに似てるなぁ。
距離がますます近づいて、「あれぇ?」、ニコニコとオウム返しに「あれぇ?」
似てるんじゃなくて、まさかのご本人登場でした。
スノー衆のレポ以外で、
私のレポに山日和さんが登場して下さるなんて、これはきっと一生に、
あ、このセリフは、もう2回くらい使用済でした。
もうお一人の方は、「ふ~さん」。
やぶこぎネットのレジェンド?オフ会でまたお会いしたいです。
こんな超絶すばらしいお天気の下、それもこんなに絶景の場所でステキな出会い、
私たち三人はお山の神さまに愛されているなぁと思った。
「あの辺の広いところ、前にスノー衆で、ランチしたとこね。」教えてもらって下っていく。 風もなくて、暑いくらい。
ツリーホールに足を投げ出してランチタイム。
三周を目の前に、今日もご飯一合炊いて3人で分けっこして伊賀牛しぐれ煮丼。
コーヒーとお菓子。極上の時間が流れる。
もう闇下になってもいい。
褒められたことではないけど、今日は闇下になってもちゃんと帰れる自信があった。
この先大きなアップダウンはない。危ないところもない。
しかしながら、びわ爺さまはだんだん疲労が溜まって来たようで、
あとどのくらいでジャンクションかな、という言葉が聞かれるようになった。
小ピークも巻けるところは巻く。少し登りが続いたら休んで水分補給。
アミノバイタルも摂取してもらい、ゆっくり進む。
やっと1144ジャンクションに着いた。
少し手前で山日和さんたちが登ってきた長い尾根を使う手もあった。
でも自分が知ってる道を使うことにする。
美濃又丸から歩いてきた稜線を眺める。
あんなに歩いて来たんだ。ノロノロだけど、すごいじゃんか。
下りの尾根に入る。ちょっと危険地帯がある。
2週間前5分くらいで通過できたところに30分くらいかかった。でもここだけだ。
こまめにジオグラフィカで現在地を確認する。
間違って登り返しだけは避けたい。暗くなると、知ってる道でもやっぱり間違いやすくなる。
最後は少しヤブに捕まったが、何とか脱出。無事林道に降り立てた。
空には、いつの間にか星が光り、いくつもいくつも光り、私たちを照らしていた。
一日の出来事が、頭の中に次々と押し寄せた。 こんな濃い山行は後にも先にもないんじゃないかと思うくらい濃くて、満ちたりた一日だった。
アオバ*ト