【 日 付 】2023年2月24日
【 山 域 】出雲
【メンバー】山猫、家内
【 天 候 】曇り時々晴れ
【 ルート 】林道分岐点(除雪終了地点)10:23〜10:29門坂駐車場〜10:56権現滝11:06〜11:08避難小屋11:14〜11:34地蔵尊展望台〜12:21大万木山頂避難小屋12:26〜12:29大万木山〜12:36展望台12:50〜13:59大万木山権現コース登山口〜14:09出発地
翌日の土曜日の午後に松江で仕事があるだが、金曜日から休暇を取得することが出来たので早朝の飛行機で伊丹から出雲空港へと向かう。この週の金曜日から土曜日にかけての天気予報は猫の目のようにコロコロと変わった。高気圧の間の気圧の谷が通過することは明らかなのだが、それに伴う前線の位置がなかなか読めないからなのだろう。少し雨までは金曜日は1日中雨の予報であったのが、前日には日がな曇りの予報となる。
飛行機が出雲空港へと降下を始めると窓の外には屏風のような大山の北斜面が雲の中から姿を見せている。飛行機のいいところは雲の状態が把握出来ることだろう。この日はどうやら高曇りのようだ。中国地方の山々は標高が低いこともあって、山並みは雲の下だろう。
山行計画をいくつか用意考えてきたのだが、県境の大万木山に向かうことにする。おおよろぎさんと読むのだが、知らなければ読めない難読山名の一つだろう。サンカヨウで有名な山であり、花の季節は大勢の登山者で賑わうらしいが、山頂部には見事なブナの樹林が広がっているらしい。
出雲市でレンタカーを借りて、波多川に沿って県道を南下する。山が低いところが多いせいか山間に入っても二車線の道路が続き走りやすいのが有難い。しかし、周囲の山々には全くといっても良いほど雪が見られたない。国道54号線を経て頓原から再び県道を東に向かうとようやく山肌に雪のある県境の山々が見えてきた。
武智集落を過ぎると途端に道路沿いには雪が現れるようになる。除雪が終了しているのは林道の分岐点であったが、車数台分の道路余地があるのでここに車を停めて出発する。門坂駐車場に向かう道には数名分の踏み跡がある。300mほどで駐車場に到着し、登山道に入るが、なかなか雪がつながらない。
やがて広々とした谷の左手に大きな滝が目に入る。権現滝だ。斜面をトラバースしながら滝に向かう道にはトレースはないが、さほど難しいようにも思えなかったのでスノーシューを履いて谷に下降する。谷に小さな木橋があり、対岸に渡ると容易に滝下に辿り着くことが出来る。
再び登山道に戻るとようやく雪がなんとか繋がる。まもなく避難小屋が現れる。泊まってみたくなるようなところではあるが、登山口から近いので果たしてここに泊まる必要性があるかどうか。小屋を過ぎると広々とした谷の上流部となる。緩斜面に広がる疎林の中にいくすじかの沢が緩やかな流れを描いている。
トレースを辿ると大きな林道に出る。無雪期にはこの道路のおかげで稜線まで車での上がれてしまうらしい。林道からはわずかにひと登りで稜線に出る。地蔵堂のある展望台からは北東に大きく展望が広がった。すぐ北に見えるのは等検鏡という山らしい。晴れていれば宍道湖が見えるようだが、生憎この日は空気が霞んでいる。
尾根を南下するといつしか周囲はブナの純林となる。県境稜線が近づくと早速にも見事なブナの大樹が次々と現れる。ブナの大樹は悉く樹幹に苔を纏っており、風格を感じさせる。
次ついと現れるブナの大樹の佇まいに魅了されながら、県境稜線を進むうちに雲の合間から樹林に陽が差し込み始める。広々とした雪面に描かれる樹々のシルエットを眺めるのはなんとも愉しいものだ。
山頂が近づくと苔を纏ったブナの大樹が集簇し、樹林はますます壮麗なものとなる。その樹林の中におとぎ話に出てくるような瀟洒な小屋が現れる。先ほどの谷と全く同じ作りの小屋だ。小屋の周囲の積雪は1m近くありそうだ。
小屋からわずかに進んだところにある小さな隆起が大万木山の山頂だった。山頂はブナの樹林に囲まれた小さな広場となっているが展望のない地味なところだ。山頂から尾根を北に進むとここでも広々とした尾根にブナの大樹が疎に生えている。
すぐにも東側に大きく眺望が広がる展望地に至る。雪の中から「展望」の文字が記された小さなプレートが顔を出している。雪の下に「台」の字が隠れているのだろう。東に見えているのは毛無山、鯛の巣山といった県境稜線の山らしい。山並みを眺めながら行動食とコーヒーでランチ休憩をとる。
下山は尾根を北に向かう。数日前のものと思われるスノーシューのトレースが続いている。尾根はまもなく急下降となり、岩場も現れる。急下降がひとしきり落ち着くと今度は斜面を左に向かってトラバースすることになる。この斜面のトラバースはかなり難儀であり、どうやら積雪期には望ましいルートではなかったようだ。
左手の尾根にたどり着くと後はジグザグと尾根を下降するが、すぐにも雪は途切れがちとなる。下るに従って斜面は緩やかになる。林道の手間には小さな鳥居が現れた。気がつかなかったが尾根の上部には大万木権現が祀られているらしく、その鳥居のようだ。後はわずかに林道を歩いて出発地に戻ることが出来た。
頓原の集落に向かうと西の空にはすっかれ晴れ間が広がっていた。振り返ると彼方で大万木山がなだらかな山容を見せていた。また違う季節にでも訪れたいと思う魅力的な山であった。その時は是非、山頂近くのあの瀟洒な避難小屋に泊まってみたいものだ。
国道に出たところには大きなA-coopがあり、その隣には地酒を豊富に取り揃えた酒屋があったで出雲富士の生原酒と玉櫻の佐香錦の純米酒を入手し、今晩の宿に向かうのだった。
【雲備国境】 大万木山☆雲備国境の山に壮麗なブナの樹林を訪ねて
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- 記事: 539
- 登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
- お住まい: 京都市左京区
Re: 【雲備国境】 大万木山☆雲備国境の山に壮麗なブナの樹林を訪ねて
yamanekoさん、こんにちは
今年はとうとうスノー衆でお会いできませんでしたね。
宮指路
今年はとうとうスノー衆でお会いできませんでしたね。
サンカヨウは昨年初夏に能郷白山できれいな花を愛でることが出来ました。山行計画をいくつか用意考えてきたのだが、県境の大万木山に向かうことにする。おおよろぎさんと読むのだが、知らなければ読めない難読山名の一つだろう。サンカヨウで有名な山であり、花の季節は大勢の登山者で賑わうらしいが、山頂部には見事なブナの樹林が広がっているらしい。
この時期、900m近くまで上がらないと雪はないでしょう武智集落を過ぎると途端に道路沿いには雪が現れるようになる。除雪が終了しているのは林道の分岐点であったが、車数台分の道路余地があるのでここに車を停めて出発する。門坂駐車場に向かう道には数名分の踏み跡がある。300mほどで駐車場に到着し、登山道に入るが、なかなか雪がつながらない。
この先、長丁場でなければ滝見物も良いですねやがて広々とした谷の左手に大きな滝が目に入る。権現滝だ。斜面をトラバースしながら滝に向かう道にはトレースはないが、さほど難しいようにも思えなかったのでスノーシューを履いて谷に下降する。谷に小さな木橋があり、対岸に渡ると容易に滝下に辿り着くことが出来る。
登山口から近い小屋ならば避難小屋というより作業小屋なのではないでしょうか?再び登山道に戻るとようやく雪がなんとか繋がる。まもなく避難小屋が現れる。泊まってみたくなるようなところではあるが、登山口から近いので果たしてここに泊まる必要性があるかどうか。小屋を過ぎると広々とした谷の上流部となる。緩斜面に広がる疎林の中にいくすじかの沢が緩やかな流れを描いている。
ブナ好きには溜まらんですね(^^♪次ついと現れるブナの大樹の佇まいに魅了されながら、県境稜線を進むうちに雲の合間から樹林に陽が差し込み始める。広々とした雪面に描かれる樹々のシルエットを眺めるのはなんとも愉しいものだ。
こんな洒落た小屋なら一度泊まってみたいものです。山頂が近づくと苔を纏ったブナの大樹が集簇し、樹林はますます壮麗なものとなる。その樹林の中におとぎ話に出てくるような瀟洒な小屋が現れる。先ほどの谷と全く同じ作りの小屋だ。小屋の周囲の積雪は1m近くありそうだ。
斜面のトラバースで滑ると止まらないような場所ではヒヤヒヤものです。下山は尾根を北に向かう。数日前のものと思われるスノーシューのトレースが続いている。尾根はまもなく急下降となり、岩場も現れる。急下降がひとしきり落ち着くと今度は斜面を左に向かってトラバースすることになる。この斜面のトラバースはかなり難儀であり、どうやら積雪期には望ましいルートではなかったようだ。
今夜の楽しみが増えましたね。国道に出たところには大きなA-coopがあり、その隣には地酒を豊富に取り揃えた酒屋があったで出雲富士の生原酒と玉櫻の佐香錦の純米酒を入手し、今晩の宿に向かうのだった。
宮指路
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- 記事: 539
- 登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
- お住まい: 京都市左京区
Re: 【雲備国境】 大万木山☆雲備国境の山に壮麗なブナの樹林を訪ねて
宮指路さん ご丁寧にも遠く離れた山のrepにコメントどうも有難うございます。
>今年はとうとうスノー衆でお会いできませんでしたね。
一回目は北九州、二回目はこの松江への出張と重なってしまいました。
次のオフ会が出張と重ならないことを祈るばかりです。
>サンカヨウは昨年初夏に能郷白山できれいな花を愛でることが出来ました。
能郷白山はサンカヨウでも知られますね。
私も能郷白山の花を愛でたいものです。
>この時期、900m近くまで上がらないと雪はないでしょう
改めて地図を見直してみると、雪がつながったのは標高800mを越えてからでした。
意外と登り始めの標高が高かったようです。
>登山口から近い小屋ならば避難小屋というより作業小屋なのではないでしょうか?
さすがに泊まるには登山口から近すぎるだろうと思うのですが、確かに登山者用のようですよ。
でも泊まるなら山頂ですよね。
>ブナ好きには溜まらんですね(^^♪
湖北や越前のブナを見慣れているつもりではありましたが、この山のブナは確かに立派でした。
>こんな洒落た小屋なら一度泊まってみたいものです。
もう一度、泊まりに行こうと真剣に思案しております。 なんと炭火のための小さな囲炉裏までありました。 >今夜の楽しみが増えましたね。
どちらも燗がいいようですが、常温で呑みました。
>今年はとうとうスノー衆でお会いできませんでしたね。
一回目は北九州、二回目はこの松江への出張と重なってしまいました。
次のオフ会が出張と重ならないことを祈るばかりです。
>サンカヨウは昨年初夏に能郷白山できれいな花を愛でることが出来ました。
能郷白山はサンカヨウでも知られますね。
私も能郷白山の花を愛でたいものです。
>この時期、900m近くまで上がらないと雪はないでしょう
改めて地図を見直してみると、雪がつながったのは標高800mを越えてからでした。
意外と登り始めの標高が高かったようです。
>登山口から近い小屋ならば避難小屋というより作業小屋なのではないでしょうか?
さすがに泊まるには登山口から近すぎるだろうと思うのですが、確かに登山者用のようですよ。
でも泊まるなら山頂ですよね。
>ブナ好きには溜まらんですね(^^♪
湖北や越前のブナを見慣れているつもりではありましたが、この山のブナは確かに立派でした。
>こんな洒落た小屋なら一度泊まってみたいものです。
もう一度、泊まりに行こうと真剣に思案しております。 なんと炭火のための小さな囲炉裏までありました。 >今夜の楽しみが増えましたね。
どちらも燗がいいようですが、常温で呑みました。
山猫