【鈴鹿】茶屋川から藤原岳
Posted: 2011年10月24日(月) 23:52
【日 付】2011年10月23日(日)
【山 域】鈴鹿北部 藤原岳周辺
【天 候】晴れ
【コース】茨川8:33---9:26蛇谷出合9:41---10:17三筋の滝---11:40 5m滝上---12:33頭陀ヶ平下13:32---13:58天狗岩
---14:45藤原岳15:00---15:51迷い尾根の頭---16:23茨川
茨川に入るのは6年振りだ。年中水たまりだらけの林道は、昨日の雨で一段とぬかるんでいた。時間をかけてソロソロと
辿り着いた茨川には予想もしなかった光景が待っていた。
伊勢谷へ渡る橋が真ん中の橋脚台を残して跡形もなくなっている。これはいつの豪雨の爪痕なのだろう。
終点となった広場を避けて、100mほど戻ったところに駐車した。水量はやや多い程度だが、足を濡らさず対岸へ渡るのは
難しそうだ。サンダルを履いて登山靴をぶら下げて茶屋川を渡った。Kasayaさんの母校の小屋をはじめ、対岸の小屋まで
は水は上がらなかったようで無事だった。しかし右岸の神社の鳥居は1m以上低くなっているようだ。
渓流シューズを持って来なかったことを後悔する。普段の水量なら登山靴でも飛び石でこなせる河原歩きである。
今日はやや多いとは言え足首程度。問題にならない水量だが、靴を中に水が入らないように歩くのは不可能だ。長靴なら
楽しく遡行して行けるだろう。しかし長靴というのはどうも馴染めない。靴ヒモでグッと締める感覚がないとどうにも頼りなく
感じるのだ。
というわけで面白くもない左岸山腹の巻き道を進んだので行程が捗らない。この道の効用は谷全体を見下ろして紅葉を楽
しめることぐらいだが、色付きもまだ少しというところである。
もうそろそろ蛇谷出合かなと思っていると、見慣れない支流が左から合流していた。はて、こんな谷があったっけと思って
よく見ると、これが本流だった。
茶屋川は蛇谷出合で180度折り返すように方向を変える。合流点の手前に小台地があり、ここをショートカットして蛇谷出合
を見ずに進むのがルートなのだが、なんとここが本流になってしまっていた。
元の流れもチョロチョロと水が流れており、小台地はインゼルに変身していた。屈曲点で行き場を失った大量の水が小台地
を削り取って本流に変えてしまったのだろう。恐るべき水の力である。
6年前に来た時は完全に伏流となっていた善右衛門谷手前の河原は水流が戻っていた。右岸の斜面を見ると3mぐらいの
高さまで抉られて、地層標本のようだ。
ほどなく三筋の滝。もうそろそろ一筋の滝と看板を書き換えなければいけないと思うが、一筋でも十分に美しい滝である。
10mほどの直瀑と1mの小滝で構成されている滝だが、激しく落ちる直瀑の下の釜は泡立っているのに下の小滝は穏やか
に流れ落ちている。この釜はどれぐらいの深さがあるのだろう。
[attachment=0]P1030398_1.JPG[/attachment]
右岸の巻き道は整備もされず悪くなる一方だ。ズルズルのガレを登って固定ロープを頼りに滝頭へ出るがかなり悪い巻き
である。
ここから上流はそれほど荒れておらず、以前とあまり変わらない落ち着いた渓相のままだった。
土倉谷の出合を左に見送ると、頭上を送電線が走る。
軽石のような穴だらけの変わった岩でできた滝が現われた。全身フリークライミングのホールドみたいで面白い。
ややゴルジュっぽくなってきたところで谷は90度右折していた。ほとんどの場合、滝が登場する場面である。
この上流部を歩くのは10数年振りだ。6年前は土倉谷の出合からテーブルランドへ上がっている。本流にこんな滝があった
ことは記憶から消えていた。
滝そのものは5mばかりで、流芯をシャワーで簡単に抜けられそうだが今日はその備えがない。
[attachment=4]P1030429_1.JPG[/attachment]
左岸の草付きの壁、右岸は樹林の斜面。右岸の少し上のラインをトラバースできそうに見えたがこれが大きな勘違いだった。
上がってみるとトラバースできる傾斜ではなくホールドもない。更に上がって薄いケモノ道っぽい踏み跡を辿るがこれも悪かっ
た。普通はとても歩ける気がしないようなルートだろう。滝頭より30mは上がっているであろうこのトラバースルートは高度感
満点だ。
左からの支流との中間尾根を伝って5m滝の上にもうひとつある滝頭に下り着いた。左岸側を見ると踏み跡っぽいものがある。
2mばかり上がれば乗越し点があり、その向うにテープと固定ロープがぶら下がっていた。
ゲロゲロである。あの苦労はなんだったのか。
ここへ来るまでどう周回するか決めていなかった。テーブルランドからノタノ坂へ向かうか、藤原から治田峠方面に戻るか。
後者ならもっと上流まで遡って白船峠経由のつもりだったが、ここまで3時間も掛かっている。
明るいうちに下りたいので、頭陀ヶ平へダイレクトに上がることにしよう。
右手の斜面に取り付く。息も付かせぬ急斜面である。適当にジグザクを切りながら登るが青息吐息だ。斜面にはこのあた
りの山らしいカレンフェルトの露岩がばら撒かれている。
急な分高度を稼ぐのは早い。尾根の形に乗れば傾斜も幾分緩んで右手に鉄塔が姿を見せた。周りはヤブなしのきれいな
二次林が広がる。鉄塔方向の広い谷は以前下りたところだ。巡視路の標識が現れるも、どこが道なのかさっぱりわからな
い。
[attachment=3]P1030455_1.JPG[/attachment]
二次林の台地を過ぎると最後の急登が始まる。100mほどの我慢で頭陀ヶ平1143.3mの西肩の尾根に着いた。
天狗岩を正面に望むここでランチとしよう。風もほとんどなくポカポカと暖かい。
今シーズン初の鍋にしたがちょっと早過ぎたかもしれない。ここまで半袖1枚で歩いてきたほどだ。
ジャスト1時間で腰を上げる。3時間もあれば茨川に戻れるだろう。
まずは天狗岩を目指す。天狗岩手前の樹林帯は竜・静間と並んで、鈴鹿の県境稜線の中では最もいい雰囲気の尾根だと
思う。適当に道を外しながら天狗岩に到着。目の前に藤原の展望丘が迫る。残念ながら御池のテーブルランドは雲に隠れ
ている。茶屋川の善右衛門谷あたりからここへダイレクトで上がるのも面白いかもしれない。
[attachment=2]P1030479_1.JPG[/attachment]
高原の縦走路といった趣きの展望抜群の道を行く。もう誰にも会わないだろうと思っていたら単独者が向こうからやってきた。
木和田尾でも下りるのだろう。
藤原の避難小屋は10年振りである。以前は向かって右側の建物が開放されていたと思うのだが記憶違いだろうか。左側
の建物の内部はきれいで、昔の記憶とまったく違っていた。
2階へ上がって部屋を覗いてみると、板敷きの室内は快適に寝られそうだ。2人分の荷物があるが人影はない。夕食前に山
頂まで散歩に出かけたのだろう。
これも10年振りの藤原岳山頂。予想通り2人組がいた。いろいろと話をする。「静かな山ですね」と仰るが、この時間ならあ
たり前だ。こちらもこの時間なら誰にも会わないだろうと思っていたが、案に相違して3人も出会ってしまったのである。
大展望を楽しんで下山にかかる。治田峠への道はほとんどバリルートと化していた。非常に分かりにくく、何度も道を外して
しまう。
[attachment=1]P1030506_1.JPG[/attachment]
孫太尾根との分岐である965mピークの手前には意味のよくわからない立派な標識があったりする。はるか下の斜面にピン
クテープが横一列に付いていたが、ルートかどうかわからないのでP965m直下をトラバースして行くと、再び尾根に乗ったとこ
ろにピンクテープが上がってきていた。どうやらこれが新しいルートだったらしい。
しかしここにあった立派な標識では、藤原岳方面はこのルートの方を指していない。マジックで「山腹道」と書き加えられてあ
った。
ここから登山道らしい道が続く。治田峠まで行くと遠回りなので、P845m東の小ピークから直進して、茨川へダイレクトに下
りる尾根を選んだ。迷い尾根と呼ばれているらしい。
これはもちろん治田峠へ向かう登山者が迷って直進する尾根という意味で、最初からここを歩くつもりなら「迷わず」直進だ。
この尾根はP845mの次のピークで左へ振ってすぐに右へ折れるところだけがポイントである。クランク部分は気持ちのいい
疎林が広がり、トンガリコーンみたいな岩がいい目印になる。
歩きやすい尾根はさすがに早く、最後は植林の杣道を下ればP845mから30分で見覚えのある青い屋根の小屋に着いた。
サンダルに履き替えるのも面倒臭い(と言っても最後には登山靴を脱ぐんだから同じなのだが)ので渡渉場所を探すと、ほと
んど濡れずにジャンプして渡れるところを見付けたのだった。
山日和
【山 域】鈴鹿北部 藤原岳周辺
【天 候】晴れ
【コース】茨川8:33---9:26蛇谷出合9:41---10:17三筋の滝---11:40 5m滝上---12:33頭陀ヶ平下13:32---13:58天狗岩
---14:45藤原岳15:00---15:51迷い尾根の頭---16:23茨川
茨川に入るのは6年振りだ。年中水たまりだらけの林道は、昨日の雨で一段とぬかるんでいた。時間をかけてソロソロと
辿り着いた茨川には予想もしなかった光景が待っていた。
伊勢谷へ渡る橋が真ん中の橋脚台を残して跡形もなくなっている。これはいつの豪雨の爪痕なのだろう。
終点となった広場を避けて、100mほど戻ったところに駐車した。水量はやや多い程度だが、足を濡らさず対岸へ渡るのは
難しそうだ。サンダルを履いて登山靴をぶら下げて茶屋川を渡った。Kasayaさんの母校の小屋をはじめ、対岸の小屋まで
は水は上がらなかったようで無事だった。しかし右岸の神社の鳥居は1m以上低くなっているようだ。
渓流シューズを持って来なかったことを後悔する。普段の水量なら登山靴でも飛び石でこなせる河原歩きである。
今日はやや多いとは言え足首程度。問題にならない水量だが、靴を中に水が入らないように歩くのは不可能だ。長靴なら
楽しく遡行して行けるだろう。しかし長靴というのはどうも馴染めない。靴ヒモでグッと締める感覚がないとどうにも頼りなく
感じるのだ。
というわけで面白くもない左岸山腹の巻き道を進んだので行程が捗らない。この道の効用は谷全体を見下ろして紅葉を楽
しめることぐらいだが、色付きもまだ少しというところである。
もうそろそろ蛇谷出合かなと思っていると、見慣れない支流が左から合流していた。はて、こんな谷があったっけと思って
よく見ると、これが本流だった。
茶屋川は蛇谷出合で180度折り返すように方向を変える。合流点の手前に小台地があり、ここをショートカットして蛇谷出合
を見ずに進むのがルートなのだが、なんとここが本流になってしまっていた。
元の流れもチョロチョロと水が流れており、小台地はインゼルに変身していた。屈曲点で行き場を失った大量の水が小台地
を削り取って本流に変えてしまったのだろう。恐るべき水の力である。
6年前に来た時は完全に伏流となっていた善右衛門谷手前の河原は水流が戻っていた。右岸の斜面を見ると3mぐらいの
高さまで抉られて、地層標本のようだ。
ほどなく三筋の滝。もうそろそろ一筋の滝と看板を書き換えなければいけないと思うが、一筋でも十分に美しい滝である。
10mほどの直瀑と1mの小滝で構成されている滝だが、激しく落ちる直瀑の下の釜は泡立っているのに下の小滝は穏やか
に流れ落ちている。この釜はどれぐらいの深さがあるのだろう。
[attachment=0]P1030398_1.JPG[/attachment]
右岸の巻き道は整備もされず悪くなる一方だ。ズルズルのガレを登って固定ロープを頼りに滝頭へ出るがかなり悪い巻き
である。
ここから上流はそれほど荒れておらず、以前とあまり変わらない落ち着いた渓相のままだった。
土倉谷の出合を左に見送ると、頭上を送電線が走る。
軽石のような穴だらけの変わった岩でできた滝が現われた。全身フリークライミングのホールドみたいで面白い。
ややゴルジュっぽくなってきたところで谷は90度右折していた。ほとんどの場合、滝が登場する場面である。
この上流部を歩くのは10数年振りだ。6年前は土倉谷の出合からテーブルランドへ上がっている。本流にこんな滝があった
ことは記憶から消えていた。
滝そのものは5mばかりで、流芯をシャワーで簡単に抜けられそうだが今日はその備えがない。
[attachment=4]P1030429_1.JPG[/attachment]
左岸の草付きの壁、右岸は樹林の斜面。右岸の少し上のラインをトラバースできそうに見えたがこれが大きな勘違いだった。
上がってみるとトラバースできる傾斜ではなくホールドもない。更に上がって薄いケモノ道っぽい踏み跡を辿るがこれも悪かっ
た。普通はとても歩ける気がしないようなルートだろう。滝頭より30mは上がっているであろうこのトラバースルートは高度感
満点だ。
左からの支流との中間尾根を伝って5m滝の上にもうひとつある滝頭に下り着いた。左岸側を見ると踏み跡っぽいものがある。
2mばかり上がれば乗越し点があり、その向うにテープと固定ロープがぶら下がっていた。
ゲロゲロである。あの苦労はなんだったのか。
ここへ来るまでどう周回するか決めていなかった。テーブルランドからノタノ坂へ向かうか、藤原から治田峠方面に戻るか。
後者ならもっと上流まで遡って白船峠経由のつもりだったが、ここまで3時間も掛かっている。
明るいうちに下りたいので、頭陀ヶ平へダイレクトに上がることにしよう。
右手の斜面に取り付く。息も付かせぬ急斜面である。適当にジグザクを切りながら登るが青息吐息だ。斜面にはこのあた
りの山らしいカレンフェルトの露岩がばら撒かれている。
急な分高度を稼ぐのは早い。尾根の形に乗れば傾斜も幾分緩んで右手に鉄塔が姿を見せた。周りはヤブなしのきれいな
二次林が広がる。鉄塔方向の広い谷は以前下りたところだ。巡視路の標識が現れるも、どこが道なのかさっぱりわからな
い。
[attachment=3]P1030455_1.JPG[/attachment]
二次林の台地を過ぎると最後の急登が始まる。100mほどの我慢で頭陀ヶ平1143.3mの西肩の尾根に着いた。
天狗岩を正面に望むここでランチとしよう。風もほとんどなくポカポカと暖かい。
今シーズン初の鍋にしたがちょっと早過ぎたかもしれない。ここまで半袖1枚で歩いてきたほどだ。
ジャスト1時間で腰を上げる。3時間もあれば茨川に戻れるだろう。
まずは天狗岩を目指す。天狗岩手前の樹林帯は竜・静間と並んで、鈴鹿の県境稜線の中では最もいい雰囲気の尾根だと
思う。適当に道を外しながら天狗岩に到着。目の前に藤原の展望丘が迫る。残念ながら御池のテーブルランドは雲に隠れ
ている。茶屋川の善右衛門谷あたりからここへダイレクトで上がるのも面白いかもしれない。
[attachment=2]P1030479_1.JPG[/attachment]
高原の縦走路といった趣きの展望抜群の道を行く。もう誰にも会わないだろうと思っていたら単独者が向こうからやってきた。
木和田尾でも下りるのだろう。
藤原の避難小屋は10年振りである。以前は向かって右側の建物が開放されていたと思うのだが記憶違いだろうか。左側
の建物の内部はきれいで、昔の記憶とまったく違っていた。
2階へ上がって部屋を覗いてみると、板敷きの室内は快適に寝られそうだ。2人分の荷物があるが人影はない。夕食前に山
頂まで散歩に出かけたのだろう。
これも10年振りの藤原岳山頂。予想通り2人組がいた。いろいろと話をする。「静かな山ですね」と仰るが、この時間ならあ
たり前だ。こちらもこの時間なら誰にも会わないだろうと思っていたが、案に相違して3人も出会ってしまったのである。
大展望を楽しんで下山にかかる。治田峠への道はほとんどバリルートと化していた。非常に分かりにくく、何度も道を外して
しまう。
[attachment=1]P1030506_1.JPG[/attachment]
孫太尾根との分岐である965mピークの手前には意味のよくわからない立派な標識があったりする。はるか下の斜面にピン
クテープが横一列に付いていたが、ルートかどうかわからないのでP965m直下をトラバースして行くと、再び尾根に乗ったとこ
ろにピンクテープが上がってきていた。どうやらこれが新しいルートだったらしい。
しかしここにあった立派な標識では、藤原岳方面はこのルートの方を指していない。マジックで「山腹道」と書き加えられてあ
った。
ここから登山道らしい道が続く。治田峠まで行くと遠回りなので、P845m東の小ピークから直進して、茨川へダイレクトに下
りる尾根を選んだ。迷い尾根と呼ばれているらしい。
これはもちろん治田峠へ向かう登山者が迷って直進する尾根という意味で、最初からここを歩くつもりなら「迷わず」直進だ。
この尾根はP845mの次のピークで左へ振ってすぐに右へ折れるところだけがポイントである。クランク部分は気持ちのいい
疎林が広がり、トンガリコーンみたいな岩がいい目印になる。
歩きやすい尾根はさすがに早く、最後は植林の杣道を下ればP845mから30分で見覚えのある青い屋根の小屋に着いた。
サンダルに履き替えるのも面倒臭い(と言っても最後には登山靴を脱ぐんだから同じなのだが)ので渡渉場所を探すと、ほと
んど濡れずにジャンプして渡れるところを見付けたのだった。
山日和
久々の鈴鹿ですね。