【奥越】知られざる秘峰を歩く 野田ヶ大和たおやかなり
Posted: 2022年2月14日(月) 22:26
【日 付】2022年2月12日(土)
【山 域】奥越 油阪峠周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】越美通洞西口7:50---10:10 P1195---11:10野田ヶ大和13:30---14:20 P1259---14:35鮭ヶ洞源流---16:40駐車地
「野田ヶ大和」。「のだがたわ」と読む、九頭竜川最上流部に位置する地図に名前のない山である。
九頭竜川対岸に対峙する赤樽山や徳平山から望むその山容は実にたおやかで、いわゆる登行欲を刺激するような
姿ではないが、地形図から見て取れる山頂周辺の微妙な起伏は、自分の目で確かめてみたいと思わせるに十分な
ものだ。
国道158号の越美通洞西口、旧油阪峠道路の料金所跡からスタート。ここは除雪ステーションとなっているの
で常に除雪されている。
雪に覆われた旧国道へ入ってすぐに尾根に取り付いた。植林の急登を少し我慢すれば自然林の尾根に乗る。
週初めの大雪からしばらく降っていないので、雪質はまずまずの締まり具合。これなら問題なく山頂へ届きそう
だ。天気も申し分ない。
ただ、駐車地から見た東側の山肌に霧氷の森があったので期待したのだが、行く手の尾根には霧氷のカケラも見
えない。
尾根上は雑木の疎林が続いて歩きやすいが、林相としては可もなく不可もないというところか。しかし高度が
上がるにつれブナの姿が見られるようになると様相が変わってきた。
木立ちの間隔がまばらになり、ブナもそこそこの太さのものが増え始めた。
1195mピークに立つと、目の前のわずかな高みに山頂部を捉える。地形図通りの茫洋とした広がりを感じられ
る風景である。ここでまっすぐに山頂を目指さず、左側の谷に下りて右岸斜面をトラバース。雪庇の切れ目から
支尾根に乗る。西側にある三角点「立岩」を経由して山頂に向かうつもりだっのだが、さらに下って登り返すの
が面倒になってしまった。
その尾根からの展望が見事だった。隣に見えるのは昨年歩いた三ノ宿から岩ヶ谷山の尾根だが、その向こうに神
々しいほどに純白の三角錐が姿を現した。荒島岳である。魂を奪われてしまいそうなほどの美しい姿であるが、
快晴の今日は大勢の人で賑わっていることだろう。
そして左側には能郷白山、平家岳、美濃平家、滝波山と続く越美国境稜線が横たわり、その前衛に昨年スノー衆
で辿った赤樽山と徳平山が控えている。思わぬ展望スポットに満足して山頂へ続く尾根を進んだ。
山頂手前からは再び広大な尾根と言うより雪原と呼んだ方が相応しい台地となり、ミズナラの巨木が目を惹く。
眼前の真っ白な台地が野田ヶ大和の山頂だ。台地に乗るとここまでで最高の展望が待っていた。
ブナの木が少し邪魔をしているものの、白山と石徹白の山々、恵那山、南アルプス、中央アルブス、御嶽、北ア
ルプスの山々と、予想以上の大パノラマが展開した。展望という面ではさほど期待していなかっただけに、これ
はうれしい大誤算である。
ランチには少し早いので、東にある三角点「鮭ヶ洞」まで足を伸ばすことにした。
鮭ヶ洞からは山頂ほどの展望が得られず、戻ってランチタイムとする。(しかし帰宅してからGPSの軌跡を見ると、
三角点の手前のピークまでしか行っていなかったことが判明)
雪の台地の南斜面に陣取ってランチ場所を設営。九頭竜湖と越美国境稜線を一望する、この上なく贅沢なラン
チ場である。日差しはポカポカと暖かく、ビールが喉に染み渡る。
あまりにも満足してしまったので、このまま鮭ヶ洞経由で下山しようかと思ってしまったが、気を取り直して北
への尾根を辿る。山頂から見た感じでは杉が多く、あまりいい尾根ではなさそうに見えたのだが、実際に歩いて
みると大違いだった。
杉と言っても植林ではなく天然杉のようで、それも尾根の西側だけ。右側から上がってくる緩やかな谷の源頭
はやさしい曲線を描き、ブナが雪面に落とす影が雪の白さを際立たせている。
まるで生クリームのようななめらかな雪が作る複雑な起伏の造形は、ずっと見ていても飽きることがない。
この尾根上にもミズナラの大木が多い。派生する支尾根にとんでもない大きさのミズナラが見えたが、確かめ
に行くには距離がある。徳平山のミズナラ並みの8~9mぐらいはあるのではと思えた。
午後になって雪に少し粘りが出てきたようだが、さほど潜らないのが救いだ。
予定ではP1259から越美国境稜線まで尾根通しに進むつもりだったが、やや時間が押して来たのでP1259の東尾
根を鮭ヶ洞(こちらは谷の名前)へ下ってショートカットコースを選択した。
この尾根は杉の多い尾根だが、植林ではないのでちょっと違う感覚だ。最後は雪に埋もれた三俣に着地。まわり
を白い壁に囲まれた谷底は静寂の世界だった。この時期にここを訪れた人間はこれまでに何人いるだろうか。
P1182へわずかな登り返しで越美国境稜線に乗る。さっき遥か遠くに眺めていた越美国境稜線がここへ繋がっ
ているのだと思うと感慨深い。
実はこの稜線歩きはオマケのつもりだった。谷を走る林道を戻るよりはという程度で選んだルートだったのだ
が、それは大きな勘違いだった。最初の内こそ平凡な雑木林だったが、しばらく歩くと若いながらもブナの林が
続き、一部区間を除いて旧国道に着地するまで快適なブナの尾根が続いていた。これまたうれしい誤算である。
ここまでノートレースだったが、途中から突然スノーシューのトレースが出現して驚かされた。朝、昨日のも
のと思われるトレースが旧国道の方へ伸びていたのだが、どうやらその主のようだ。
少し進んだところでランチ場と思しき丸く掘った穴があった。逆回りで野田ヶ大和を目指したものの断念したの
だろうか。
一人分のトレースだが、よく踏み固められており、登り返しでは楽をさせてもらって助かった。
油阪峠へ向かう越美国境稜線と別れて旧国道へ。そして車の行き交う国道に出るまでスノーシューを履きっぱな
しの、理想的なDoor to Doorスノーシュー山行だった。
と同時に、山の良さや満足度は名前のある無しに比例しないという持論を再確認できた山旅でもあった。
山日和
【山 域】奥越 油阪峠周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】越美通洞西口7:50---10:10 P1195---11:10野田ヶ大和13:30---14:20 P1259---14:35鮭ヶ洞源流---16:40駐車地
「野田ヶ大和」。「のだがたわ」と読む、九頭竜川最上流部に位置する地図に名前のない山である。
九頭竜川対岸に対峙する赤樽山や徳平山から望むその山容は実にたおやかで、いわゆる登行欲を刺激するような
姿ではないが、地形図から見て取れる山頂周辺の微妙な起伏は、自分の目で確かめてみたいと思わせるに十分な
ものだ。
国道158号の越美通洞西口、旧油阪峠道路の料金所跡からスタート。ここは除雪ステーションとなっているの
で常に除雪されている。
雪に覆われた旧国道へ入ってすぐに尾根に取り付いた。植林の急登を少し我慢すれば自然林の尾根に乗る。
週初めの大雪からしばらく降っていないので、雪質はまずまずの締まり具合。これなら問題なく山頂へ届きそう
だ。天気も申し分ない。
ただ、駐車地から見た東側の山肌に霧氷の森があったので期待したのだが、行く手の尾根には霧氷のカケラも見
えない。
尾根上は雑木の疎林が続いて歩きやすいが、林相としては可もなく不可もないというところか。しかし高度が
上がるにつれブナの姿が見られるようになると様相が変わってきた。
木立ちの間隔がまばらになり、ブナもそこそこの太さのものが増え始めた。
1195mピークに立つと、目の前のわずかな高みに山頂部を捉える。地形図通りの茫洋とした広がりを感じられ
る風景である。ここでまっすぐに山頂を目指さず、左側の谷に下りて右岸斜面をトラバース。雪庇の切れ目から
支尾根に乗る。西側にある三角点「立岩」を経由して山頂に向かうつもりだっのだが、さらに下って登り返すの
が面倒になってしまった。
その尾根からの展望が見事だった。隣に見えるのは昨年歩いた三ノ宿から岩ヶ谷山の尾根だが、その向こうに神
々しいほどに純白の三角錐が姿を現した。荒島岳である。魂を奪われてしまいそうなほどの美しい姿であるが、
快晴の今日は大勢の人で賑わっていることだろう。
そして左側には能郷白山、平家岳、美濃平家、滝波山と続く越美国境稜線が横たわり、その前衛に昨年スノー衆
で辿った赤樽山と徳平山が控えている。思わぬ展望スポットに満足して山頂へ続く尾根を進んだ。
山頂手前からは再び広大な尾根と言うより雪原と呼んだ方が相応しい台地となり、ミズナラの巨木が目を惹く。
眼前の真っ白な台地が野田ヶ大和の山頂だ。台地に乗るとここまでで最高の展望が待っていた。
ブナの木が少し邪魔をしているものの、白山と石徹白の山々、恵那山、南アルプス、中央アルブス、御嶽、北ア
ルプスの山々と、予想以上の大パノラマが展開した。展望という面ではさほど期待していなかっただけに、これ
はうれしい大誤算である。
ランチには少し早いので、東にある三角点「鮭ヶ洞」まで足を伸ばすことにした。
鮭ヶ洞からは山頂ほどの展望が得られず、戻ってランチタイムとする。(しかし帰宅してからGPSの軌跡を見ると、
三角点の手前のピークまでしか行っていなかったことが判明)
雪の台地の南斜面に陣取ってランチ場所を設営。九頭竜湖と越美国境稜線を一望する、この上なく贅沢なラン
チ場である。日差しはポカポカと暖かく、ビールが喉に染み渡る。
あまりにも満足してしまったので、このまま鮭ヶ洞経由で下山しようかと思ってしまったが、気を取り直して北
への尾根を辿る。山頂から見た感じでは杉が多く、あまりいい尾根ではなさそうに見えたのだが、実際に歩いて
みると大違いだった。
杉と言っても植林ではなく天然杉のようで、それも尾根の西側だけ。右側から上がってくる緩やかな谷の源頭
はやさしい曲線を描き、ブナが雪面に落とす影が雪の白さを際立たせている。
まるで生クリームのようななめらかな雪が作る複雑な起伏の造形は、ずっと見ていても飽きることがない。
この尾根上にもミズナラの大木が多い。派生する支尾根にとんでもない大きさのミズナラが見えたが、確かめ
に行くには距離がある。徳平山のミズナラ並みの8~9mぐらいはあるのではと思えた。
午後になって雪に少し粘りが出てきたようだが、さほど潜らないのが救いだ。
予定ではP1259から越美国境稜線まで尾根通しに進むつもりだったが、やや時間が押して来たのでP1259の東尾
根を鮭ヶ洞(こちらは谷の名前)へ下ってショートカットコースを選択した。
この尾根は杉の多い尾根だが、植林ではないのでちょっと違う感覚だ。最後は雪に埋もれた三俣に着地。まわり
を白い壁に囲まれた谷底は静寂の世界だった。この時期にここを訪れた人間はこれまでに何人いるだろうか。
P1182へわずかな登り返しで越美国境稜線に乗る。さっき遥か遠くに眺めていた越美国境稜線がここへ繋がっ
ているのだと思うと感慨深い。
実はこの稜線歩きはオマケのつもりだった。谷を走る林道を戻るよりはという程度で選んだルートだったのだ
が、それは大きな勘違いだった。最初の内こそ平凡な雑木林だったが、しばらく歩くと若いながらもブナの林が
続き、一部区間を除いて旧国道に着地するまで快適なブナの尾根が続いていた。これまたうれしい誤算である。
ここまでノートレースだったが、途中から突然スノーシューのトレースが出現して驚かされた。朝、昨日のも
のと思われるトレースが旧国道の方へ伸びていたのだが、どうやらその主のようだ。
少し進んだところでランチ場と思しき丸く掘った穴があった。逆回りで野田ヶ大和を目指したものの断念したの
だろうか。
一人分のトレースだが、よく踏み固められており、登り返しでは楽をさせてもらって助かった。
油阪峠へ向かう越美国境稜線と別れて旧国道へ。そして車の行き交う国道に出るまでスノーシューを履きっぱな
しの、理想的なDoor to Doorスノーシュー山行だった。
と同時に、山の良さや満足度は名前のある無しに比例しないという持論を再確認できた山旅でもあった。
山日和
「野田ヶ大和」。「のだがたわ」と読む、九頭竜川最上流部に位置する地図に名前のない山である。