【南越前】湯尾峠から鍋倉山、ホノケ山へ
Posted: 2021年12月08日(水) 20:05
【日 付】2021年12月5日(日)
【山 域】越前 ホノケ山周辺
【天 候】曇り時々晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】湯尾峠登山口7:45---7:55湯尾峠---9:00鍋倉山---9:45藤倉山分岐---11:15灰坂峠---11:45高頭山13:10
---13:35ホノケ山13:45---14:05東尾根分岐---16:10三角点湯尾---17:05駐車地
湯尾(ゆのお)峠は源平の時代、南北朝時代、戦国時代に戦いの舞台となった由緒ある峠であり、北陸道の通
る交通の要衝でもあった。登山口には立派な看板があり、峠へ続く道は整備された、いかにもという感じの道
である。こんな立派な道で登山をスタートするのは稀なことで、何か戸惑いのようなものを感じてしまうのは
自分がおかしいのだろうか。
わずかな登りで湯尾峠に着くと、今庄の町を見下ろすその向こうには真っ白な山並があった。方角と尾根の
形からすると下谷山から上谷山への江越国境稜線か。12月に入ったばかりだというのにもう冬山の様相である。
峠からも鍋倉山に向かってよく踏まれた道が続く。冬支度のために覆いをかけられたお地蔵様が道端に立ち
並ぶ道を進むと、弘法寺の参道の始点である八十八ヶ所登山口からの道と合流、赤い欄干の極楽橋(下に川はな
いが)を渡ると弘法寺の境内に到着である。扉を開けて中に入ると立派な本堂があった。地元では愛されている
お寺なのだろう。
今日は晴れの予報だが、冬の北陸らしいどんよりした空模様。雨か雪でも落ちてきそうな雰囲気である。
一旦下るところまでは常緑樹が多く、天気と相まってあまりモチベーションが上がらなかったが、鞍部からは
若いブナの美林となって俄然やる気が湧いてきた。
これから向かうホノケ山の前衛の高頭(たかつむり)山がはるか遠く見える。三角錐のなかなか美しい山で、左側
が真っ白に見えるのは霧氷だろうか。辿り着くまで持ってくれればいいのだが。
藤倉山からの尾根の合流点まで来ると積雪は10センチぐらいになった。先週に続いて冬枯れの日溜まりハイク
のつもりが、今週もプチ雪山歩きになりそうだ。
尾根の南側は霧氷の森となっていた。今シーズン初霧氷をこんな低山で拝めるとは思わなかった。
藤倉山はパスして高頭山への稜線に踏み出す。まったく期待していなかった尾根だったが、意外にも豊かなブ
ナ林の続くゆったりとした尾根だった。
634m標高点の先、北から広い谷が上がって来るあたりの微妙な起伏が美しい。薄く氷を張った小さな池もあり、
思わぬ拾いものをした思いである。林床はユズリハのヤブで少々鬱陶しいが、これが全部雪に埋もれてしまえば
素晴らしい場所になるだろう。積雪期に訪れたい場所がまた一つ増えてしまった。
ほとんどアップダウンのない稜線を進むとやたら広い道に変わり、右から林道が迫ってきた。ここに限らず、
福井県の山は林道に蹂躙されているところが多い。尾根芯を進むこともできるが、省エネで林道を歩くと尾根芯
イコール林道という箇所に出た。ここが灰坂峠のはずだが、峠の風情も何もあったものではない。
698m標高点からの尾根を寸断する林道は反対側の高頭山へ続く尾根を強烈なヤセ尾根に変えていた。巾1m足
らずの尾根の左側は林道の法面で、進むにつれその高低差が増えて行くのでなかなか恐い。
安全地帯に出ると今度は激登りが始まる。頼りなげなトラロープが設置されているが、頼らざるを得ないぐらい
の急斜面である。逆コースでここを下るのはかなり苦労するだろう。
昼に近づくにつれて霧氷も融けてきたようだが、高頭山の山頂手前では辛うじて歓迎を受けた。尾根の左右で
はなく、山頂を境にして北側ではまったく無いのに南側では霧氷が残っているのが面白い。
山頂にはホノケ山からの登山者がいたが、すぐに引き返して行った。
ホノケ山で昼にするつもりだったが、ここが思いのほかいいブナ林だったので予定変更。ようやく日も差して
きたし、海の見える高頭山でランチタイムとする。
ホノケ山への稜線もずっとブナ林が続く。途中で一度林道に着地するのが玉にキズだが、気持ちのいいブナ林
の尾根を歩けばほどなくホノケ山、三角点戸谷の山頂に到着する。
ホノケ山という変わった名前は、昔のろし(烽火)を上げる場所となっていて、「火の気」が転じて「ホノケ」に
なったと言われている。
小広い、いかにも山頂らしい山頂からは日本海と内陸側の福井平野、日野山、さらに越美国境の山々を一望す
ることができる。最近北陸自動車道の南条SAに隣接して「山海里」という道の駅ができたが、ここの眺めはまさ
に山海里である。15年ほど前の冬に一度訪れたのだが、展望はまったく記憶に残っていない。とんがり帽子のよ
うな高頭山がなかなかカッコいいなと思ったことだけは覚えていた。
さて、気になるのは下山コースに設定した東尾根の様子である。検索してもまったく記録の見当たらない尾根
は果たして普通に歩けるだろうか。途中には送電線が走っており、下部の392.5mの三角点湯尾から先は道があり
そうだ。
高頭山の手前まで戻ったところからヤブを突っ切って尾根に乗った。意外にスッキリしてブナもある。これま
た拾いものの尾根かもしれない。
雪面に無数の鳥の足跡が残されていた。ヤマドリの歩いた跡はよく見るのだが、これは歩いた跡というレペル
ではなく、ランダムに雪面を覆い尽くすかのごとく付けられている。どんな歩き方をすればこうなるのだろう。
その答えは空から降ってきた。何百羽という小さな鳥が飛んできたかと思うと一斉に着地。そしてまた飛び去っ
て行く。これか。鳥の名前は知らないが、あまりの数の多さに圧倒されて、ちょっと恐いぐらいだった。
肝心の尾根の様子は、このまま快適に末端まで、と行くはずもなく、ヤブっぽいところもあればとんでもなく
快適な道レベルのところもあるという状態だった。
毎回おなじみになった午後3時の陽光に照らされて、日野山の山頂部や対岸の山肌が赤く染まり始める。
三角点湯尾の先では地図に無い林道が現れて、法面のガケで右往左往する場面もあったが、末端近くの神社に
無事到着。夕闇迫る湯尾の町並みを歩くと、やたら立派な家が多いのが印象的だった。
藤倉山周辺の山稜にも風力発電の危機が迫っている。耳川源流域といい、栃ノ木峠・鉢伏山周辺といい、一旦
見直しとなったものの銀杏峰・部子山といい、福井県はいったいどうなっているのだろう。
山日和
【山 域】越前 ホノケ山周辺
【天 候】曇り時々晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】湯尾峠登山口7:45---7:55湯尾峠---9:00鍋倉山---9:45藤倉山分岐---11:15灰坂峠---11:45高頭山13:10
---13:35ホノケ山13:45---14:05東尾根分岐---16:10三角点湯尾---17:05駐車地
湯尾(ゆのお)峠は源平の時代、南北朝時代、戦国時代に戦いの舞台となった由緒ある峠であり、北陸道の通
る交通の要衝でもあった。登山口には立派な看板があり、峠へ続く道は整備された、いかにもという感じの道
である。こんな立派な道で登山をスタートするのは稀なことで、何か戸惑いのようなものを感じてしまうのは
自分がおかしいのだろうか。
わずかな登りで湯尾峠に着くと、今庄の町を見下ろすその向こうには真っ白な山並があった。方角と尾根の
形からすると下谷山から上谷山への江越国境稜線か。12月に入ったばかりだというのにもう冬山の様相である。
峠からも鍋倉山に向かってよく踏まれた道が続く。冬支度のために覆いをかけられたお地蔵様が道端に立ち
並ぶ道を進むと、弘法寺の参道の始点である八十八ヶ所登山口からの道と合流、赤い欄干の極楽橋(下に川はな
いが)を渡ると弘法寺の境内に到着である。扉を開けて中に入ると立派な本堂があった。地元では愛されている
お寺なのだろう。
今日は晴れの予報だが、冬の北陸らしいどんよりした空模様。雨か雪でも落ちてきそうな雰囲気である。
一旦下るところまでは常緑樹が多く、天気と相まってあまりモチベーションが上がらなかったが、鞍部からは
若いブナの美林となって俄然やる気が湧いてきた。
これから向かうホノケ山の前衛の高頭(たかつむり)山がはるか遠く見える。三角錐のなかなか美しい山で、左側
が真っ白に見えるのは霧氷だろうか。辿り着くまで持ってくれればいいのだが。
藤倉山からの尾根の合流点まで来ると積雪は10センチぐらいになった。先週に続いて冬枯れの日溜まりハイク
のつもりが、今週もプチ雪山歩きになりそうだ。
尾根の南側は霧氷の森となっていた。今シーズン初霧氷をこんな低山で拝めるとは思わなかった。
藤倉山はパスして高頭山への稜線に踏み出す。まったく期待していなかった尾根だったが、意外にも豊かなブ
ナ林の続くゆったりとした尾根だった。
634m標高点の先、北から広い谷が上がって来るあたりの微妙な起伏が美しい。薄く氷を張った小さな池もあり、
思わぬ拾いものをした思いである。林床はユズリハのヤブで少々鬱陶しいが、これが全部雪に埋もれてしまえば
素晴らしい場所になるだろう。積雪期に訪れたい場所がまた一つ増えてしまった。
ほとんどアップダウンのない稜線を進むとやたら広い道に変わり、右から林道が迫ってきた。ここに限らず、
福井県の山は林道に蹂躙されているところが多い。尾根芯を進むこともできるが、省エネで林道を歩くと尾根芯
イコール林道という箇所に出た。ここが灰坂峠のはずだが、峠の風情も何もあったものではない。
698m標高点からの尾根を寸断する林道は反対側の高頭山へ続く尾根を強烈なヤセ尾根に変えていた。巾1m足
らずの尾根の左側は林道の法面で、進むにつれその高低差が増えて行くのでなかなか恐い。
安全地帯に出ると今度は激登りが始まる。頼りなげなトラロープが設置されているが、頼らざるを得ないぐらい
の急斜面である。逆コースでここを下るのはかなり苦労するだろう。
昼に近づくにつれて霧氷も融けてきたようだが、高頭山の山頂手前では辛うじて歓迎を受けた。尾根の左右で
はなく、山頂を境にして北側ではまったく無いのに南側では霧氷が残っているのが面白い。
山頂にはホノケ山からの登山者がいたが、すぐに引き返して行った。
ホノケ山で昼にするつもりだったが、ここが思いのほかいいブナ林だったので予定変更。ようやく日も差して
きたし、海の見える高頭山でランチタイムとする。
ホノケ山への稜線もずっとブナ林が続く。途中で一度林道に着地するのが玉にキズだが、気持ちのいいブナ林
の尾根を歩けばほどなくホノケ山、三角点戸谷の山頂に到着する。
ホノケ山という変わった名前は、昔のろし(烽火)を上げる場所となっていて、「火の気」が転じて「ホノケ」に
なったと言われている。
小広い、いかにも山頂らしい山頂からは日本海と内陸側の福井平野、日野山、さらに越美国境の山々を一望す
ることができる。最近北陸自動車道の南条SAに隣接して「山海里」という道の駅ができたが、ここの眺めはまさ
に山海里である。15年ほど前の冬に一度訪れたのだが、展望はまったく記憶に残っていない。とんがり帽子のよ
うな高頭山がなかなかカッコいいなと思ったことだけは覚えていた。
さて、気になるのは下山コースに設定した東尾根の様子である。検索してもまったく記録の見当たらない尾根
は果たして普通に歩けるだろうか。途中には送電線が走っており、下部の392.5mの三角点湯尾から先は道があり
そうだ。
高頭山の手前まで戻ったところからヤブを突っ切って尾根に乗った。意外にスッキリしてブナもある。これま
た拾いものの尾根かもしれない。
雪面に無数の鳥の足跡が残されていた。ヤマドリの歩いた跡はよく見るのだが、これは歩いた跡というレペル
ではなく、ランダムに雪面を覆い尽くすかのごとく付けられている。どんな歩き方をすればこうなるのだろう。
その答えは空から降ってきた。何百羽という小さな鳥が飛んできたかと思うと一斉に着地。そしてまた飛び去っ
て行く。これか。鳥の名前は知らないが、あまりの数の多さに圧倒されて、ちょっと恐いぐらいだった。
肝心の尾根の様子は、このまま快適に末端まで、と行くはずもなく、ヤブっぽいところもあればとんでもなく
快適な道レベルのところもあるという状態だった。
毎回おなじみになった午後3時の陽光に照らされて、日野山の山頂部や対岸の山肌が赤く染まり始める。
三角点湯尾の先では地図に無い林道が現れて、法面のガケで右往左往する場面もあったが、末端近くの神社に
無事到着。夕闇迫る湯尾の町並みを歩くと、やたら立派な家が多いのが印象的だった。
藤倉山周辺の山稜にも風力発電の危機が迫っている。耳川源流域といい、栃ノ木峠・鉢伏山周辺といい、一旦
見直しとなったものの銀杏峰・部子山といい、福井県はいったいどうなっているのだろう。
山日和
覚えのある名前が並ぶなと思ったら、6年前に歩いたコースと類似していました・・・。